冬場に多いトラブル
《写真提供:response》エンジン バッテリー
冬場に多いトラブルや故障とその原因をご紹介します。
■バッテリー上がり
冬の期間に車が故障する理由として、大きなウエイトを占めるのはバッテリー上がりです。気温が低くなっている冬の間には、バッテリーが本来持っている機能を発揮するのが難しいです。
特に街乗りのように、短距離の移動を繰り替えして、セルモーターを何回も使うなら多くの電力を消費することになります。結果として、充電される電力よりも消費される電力の方が多くなってバッテリー上がりを引き起こします。
JAFが発表している出動理由の約3割はバッテリーの故障で、特に冬場に故障することが多いです。
■暖房が効かない
車のヒーターが温まらないというのも冬場にある故障です。サーモスタットが故障していると冷却水がラジエーターに通過するので、ヒーター部分に温まった冷却水がこなくなります。
冷却水を通過させるゲートの開閉の役割をしているのがサーモスタットですが、開いたままになってしまうと「ヒーターが効かない」と感じるようになります。
他の原因として、送風機やエアコンの故障も考えられるでしょう。暖房が効かないときは複数の原因が考えられるので、修理工場に相談してみることをおすすめします。
■タイヤのトラブル
タイヤのトラブルも冬場に多くなります。積雪すると道路が凹凸状になってしまうのでタイヤに負担がかかる可能性も高くなるでしょう。また雪に隠れている障害物を踏んでしまうこともあります。
冬になると冬場にスタッドレスに交換する方が多いですが、使用しない間は保管していることでしょう。保管環境が悪いと、保管期間中にタイヤが劣化してしまうのです。もちろん夏場にスタッドレスタイヤを履いていることもスタッドレスタイヤが劣化する原因です。
タイヤの劣化や道路環境が悪くなることは、タイヤがパンクするリスクを高めます。気が付かないうちにタイヤの劣化が進んでいて、出かけ先でパンクしてしまうケースが多くなります。
■フロントガラスの曇り
冬場はフロントガラスの温度が下がるので、曇りが発生してしまうことも多いです。暖房をつけて暖かくしているときに、車外との温度差が発生してガラスが曇ってしまいます。
気温差は避けられないものですが、フロントガラスが曇ってしまうと安全に運転するのが難しくなります。対策方法を知っておきたいポイントの1つです。
故障の予防やトラブルの対策方法
整備工場 《写真AC》
冬場に車が故障してしまった場合にどのような対策方法を取れるのか解説していきましょう。また予防となる方法も見ていきます。
■バッテリー上がりはブースターケーブルで救助
バッテリーが上がってしまったなら、ブースターケーブルを使って他の車から充電します。可能であれば、車に積んでおくならバッテリー上がりの際にも他の車から電気を分けてもらうことができます。
最近は携帯バッテリーで、ジャンプスターターの機能があるものも利用可能です。コンパクトなサイズですし、使わないときにはスマホのモバイルバッテリーとして利用できるものもあります。
普段も使えるので、ブースターケーブルよりも実用的なアクセサリーともいえるでしょう。ブースターケーブルは他車から電気を分けてもらう必要がありますが、モバイルバッテリーであれば自力でエンジン始動させられます。
■タイヤの空気圧の確認
タイヤの空気圧の確認もしておきましょう。スタッドレスタイヤは長期間保管していることもあり、気づいたときには空気圧が低くなってしまっていることも。適正空気圧よりも低いと、タイヤに負担がかかってパンクやバーストの原因になります。
運転席の部分に適正空気圧が記載されているので、定期的にガソリンスタンドやカー用品店で空気圧のチェックをしましょう。
■定期点検を実施する
冬場に故障する原因の中には、定期点検を行っておくと予防できるものもあります。バッテリーの電圧を確認したり、エンジンオイルの交換など定期的なメンテナンスや点検をしておくとよいでしょう。
バッテリーは3年以上使用しているなら、注意が必要です。一般的に車のバッテリーの寿命は、2年から5年とされています。街乗りが多いなど、車の使い方によってはバッテリーに負担がかかっていることも考えられ、交換時期が早まることもあります。
バッテリーの電圧だけでなく、点火装置などもチェックしておくとよいでしょう。路面の状況が悪いところを走行することが増える冬場は、足回りにトラブルが発生することもあるので、定期点検と早期修理は突発的な故障を予防します。
■ワイパーを交換する
ワイパーは期間が経過することでゴムが劣化していきます。凍結したり雪によって払拭性能が低下することがあります。視界が悪くなったときにワイパーを動かしても、視界が悪いままということになりかねません。
フロントガラスが霜で曇ってしまうことも多い冬場は、定期的にワイパーの確認をして、必要であれば交換しておきましょう。
冬に準備しておきたいカーアクセサリー
冬に準備しておきたいカーアクセサリーをご紹介しましょう。
■解氷スプレー
ガラス面に氷結した霜を素早く溶かしてくれるスプレーです。-40℃まで対応しているので、スプレーした後の再凍結を防止してくれます。
ガラスコーティングされている車にも対応しているので、安心して使えるスプレーです。朝に車を使うときに霜が凍結していることもあるので、車に積載しておくと便利に使えるでしょう。
■スノーブラシ
スノーブラシは車体に積もった雪や氷を取り除けます。
スノーブラシを利用すれば、車体が傷つくことを心配せずに雪や氷を取り除けるので、冬場に載せておきたいカーアクセサリーです。
こちらのスノーブラシはスクレーパーも使えるので、フロントガラスの氷をすぐに取り除けます。
■ブースターケーブル
もしものときに他車から充電してもらうのに必要なブースターケーブル。ハイブリット車にも対応しているクリップなので、車に積んでおくと安心です。
また番号がついているので、順番にクリップを挟めば電力を供給できます。車の大きさに合わせてケーブルの太さを選択できるので、自車の大きさに合わせたケーブルを選択しましょう。
■ジャンプスターター
ガソリンエンジンなら6.0Lまで、ディーゼルエンジンなら3.0Lまでの車に対応できます。
バッテリーの状態を確認できるので、定期的に充電をしてバッテリー上がりに備えることが可能です。2つのUSBから充電できるので、スマートフォンの充電も可能です。
またこちらの商品ならLEDも搭載しているので、夜間の緊急時にも必要な部分を照らせます。
■発炎筒
発炎筒は車に搭載することが義務付けられているのですが、LED非常信号灯を積載することもできます。赤色のLEDが点滅して夜間でも200メートル先から追突を予防します。
またマグネットがついているので、ボディに設置できるので、高いところから危険を知らせることも可能。車検対応なので、発炎筒の代わりにもなります。車検時に確認されるので、いずれかを積載しておきます。
LEDタイプは電池の確認が必要ですが、使用可能期間が長いことも魅力です。
まとめ
冬場には通常時よりもトラブルが多く発生します。バッテリーなどは気温が低くなると機能が低下することから、バッテリー上がりを引き起こしてしまうだけでなく、冬場の道でタイヤのトラブルが発生することも多いです。
万が一のトラブルに備えて、ブースターケーブルやジャンプスターターなどを積載していると、他車や自力で対策することが可能です。また定期点検を入念に行うことでもトラブルを予防できるでしょう。