エンジンルームとは
エンジンルームとは、自動車のエンジンと関連する主要パーツが格納されている部屋のことです。
現在販売されている多くの車では、フロントのボンネット部分がエンジンルームとなっているのが多いですが、ミッドシップ方式の車(MR車)では車体の真ん中にエンジンルームを配置しています。また、リヤエンジン車(RR車)はその名のとおり、エンジンルームが車体のリヤ部分にあります。
エンジンルーム内に配置されている主なパーツは、エンジン、バッテリー、ラジエーターとラジエータータンク、ブレーキオイルリザーバータンク、エアクリーナー、ヒューズボックス、ウィンドーウォッシャータンクなどです。
これらパーツからもわかるように、エンジンルームは「車の心臓部」と呼べるほど大切な部分なので、愛車を長く安全に乗りたければ、日ごろから点検や洗浄を欠かせません。実際、エンジンルーム内の各種点検は「日常点検項目」になっています。
エンジンルームの洗浄にはどのような道具を使うのか
エンジンルームの洗浄に使う道具は下記の通りです。
■エンジンクリーナー
泡状の洗浄剤は、汚れを浮き上がらせることができて簡単に水で洗い流すことができます。手が届きにくい場所にある落ちにくい油汚れやホコリなども、簡単に落とすことが可能です。
ちなみに、エンジンクリーナーを使用する際は電気が通っている部分や電子パーツに水がかからないようにカバーをかけることが良いでしょう。
■ブラシ
おすすめするブラシは、竹を素材にしている「竹ブラシ」です。毛は傷がつきにくく、また、とても柔らかいため各部品に優しい素材となっています。
サイズも3種類あるため、狭いところには15mm、広いところでは40mm、それ以外には通常サイズの20mmと用途に合わせて使用することができます。
また、力の入れすぎには気を付けて下さい。ブラシがダメになってしまう恐れがあり、せっかくの柔らかい素材の意味がなくなってしまうので注意しましょう。
■ぞうきん
使い捨てのぞうきんや捨ててもいいふきんを使い、ブラシで磨いた後に周りの部品を壊さないようにゆっくりキレイに拭き取ります。
硬い生地のぞうきんだと部品に傷を付けてしまうことがありますので、可能であればマイクロファイバーなど柔らかい生地のぞうきんを使ってください。
■ワックス、コーティング剤
汚れを落とせて、傷も消すことができるKUREのLOOX。車だけではなく、自転車やバイクのボディーにも使用することができ、ツヤ出しまで可能となっています。
この商品1本あればコンパウンドも必要なく水洗いさえ不要となりますので、乾いた布で拭くだけで新車のような美しい輝きに仕上げることが可能となります。
使用する前にしっかりとゴミやホコリを落として、良く振ってから布にスプレーをかけてエンジンルームを拭き上げるようにして下さい。
パーツに直接噴射してしまうと、ムラができてしまい見た目が悪くなってしまいます。もしムラができてしまった場合は、もう一度塗りなおして下さい。
■ホース
高圧洗浄機は水圧で汚れを落としますが、この強力なエアー洗浄ガンはエアーの力と細かい薬剤を使っているので汚れも良く落ちます。
また、通常のエアーブローガンとして使うこともでき液体を吸い込む量の調整もできるので使い勝手が良く、初心者の方でも簡単に使用することができるでしょう。
■エンジンルーム専用のウェットシート
この商品は、新開発ということもあり引っかかることを最低限に抑えることができる特殊なシートになっています。
もちろん、汚れもちゃんと密着してくれますし、保護やツヤ出しの効果も発揮してくれるためおすすめの商品となっています。
■エアコンプレッサー
オイルが不要なエアコンプレッサー。メンテナンスが簡単になっていて、片手で持ち運びやすいコンパクトなサイズでもあり、エンジンルーム内外のゴミやホコリを吹き飛ばしたい時に使用します。噴射口は、圧力調節も付いている優れているエアコンプレッサーとなっています。
しつこい汚れは強力水性クリーナーが効果的
エンジンルームは、熱くなったり冷えたりを繰り返すため、油汚れがこびりついてなかなか落ちないことが多くあります。
そういう場合は、防錆剤が入っていて金属部分を保護してくれる強力水性クリーナーを使用して汚れを落とすことが最適な方法でしょう。
水をできる限り使いたくない、肌が弱く水切れしてしまう方には溶けるタイプのクリーナーがありますので、そのクリーナーでエンジンルーム内の油汚れを拭き取る方法もおすすめです。
自分でエンジンルームの洗浄をする手順と注意点が2つ
■エンジルームを洗浄する手順
道具の準備が整ったら、さっそくエンジンルームの洗浄に取り掛かりましょう。ここでは、エンジンクリーナーを使ったエンジンルームを洗浄する手順を紹介します。
・エンジンが止まっていることを確認する
・ボンネットを開ける
・エンジンが停止している、高温になっていないのを確認する
・電装系(バッテリー、ヒューズボックスなど)の配線に、ビニールをかけるなどの防水処置をする
・エンジンクリーナーで汚れを浮かせる
・水やブラシ、湿ったウエスなどを使って、浮き上がった汚れを取り除く
・残ったエンジンクリーナーも拭き取る
・水気を拭き取る
・ワックスやコーティング剤を使って仕上げる
・エンジンをアイドリング状態にして、残った水分を乾かす
これでエンジンルームも見違えるほどキレイになるでしょう。
■故障
エンジンルームには電気系統がたくさんあります。ですから車のボディーを洗うように水を思いきりかけてしまうと電気系統が故障し、エンジンにも負担がかかってしまい寿命が短くなってしまいます。
しかし、最近のエンジンは多少濡れてしまったぐらいでは壊れないように作られているため、万が一水がかかってしまっても焦らず対処しましょう。
特には何も問題はありませんが、それでも気になる方はビニールを掛けるなどして電気系統をカバーしておけば故障率をもっと下げることができます。
■事故
エンジンルームが冷めていない状態で洗浄を行ってしまうと火傷をしてしまう可能性がありますので十分に気を付けましょう。
また、手を中に入れて洗浄を行いますのでファンベルトや冷却ファンが止まっていることを確認してケガをしないように手袋をし、慎重に行い厳重に注意しましょう。
自分では難しい!そんな時は無理せず業者に
ご自身でエンジンルームを洗浄するにはどうしても限界があります。手が入らないところや汚れが固まってなかなか落とせない場合は、無理に自分で行おうとはせずに業者に依頼することが良いでしょう。
料金は多少かかってしまいますが、エンジンルームの洗浄に不安を感じるのであれば、定期的なメンテナンスを業者にお願いし、安心度や安全性を高めましょう。
■オートバックスでエンジンルーム洗浄を依頼
エンジンルーム内を水を使わずに清掃し、においやベタつかない水性のツヤ出しを使用してくれます。
従来のツヤ出し剤にあるベタつきも抑えており、作業後のホコリなどが付着することなくキレイなエンジンルームを維持することができます。
作業時間:15分〜30分
効果持続期間:1ヶ月〜2ヶ月
施工費用:500円〜
※情報は2019年12月のものです
■ディーラーでエンジンルーム洗浄を依頼
車検や定期的なオイル交換を契約しているのであれば、ディーラーでエンジンルーム洗浄もしてもらうことが良いでしょう。
専用のクリーナーを使って汚れを浮かしながら落としていきます。汚れを取ったらゴムやネジ、樹脂部分までレジン被膜で保護し見えないところまでキレイにしてもらえます。
作業時間:30分〜40分
効果持続期間:5ヶ月〜6ヶ月
施工費用:5000円〜
※情報は2019年12月のものです
■ガソリンスタンドでエンジンルーム洗浄を依頼
エンジンルーム洗浄だけのプランはなく、ディーラーに依頼するのと同じように車検や定期点検の際に一緒に行ってくれます。
しかし、ガソリンスタンドで依頼するよりもディーラーで依頼された方がキレイに仕上げてくれますので、ディーラーでの依頼をおすすめします。
作業時間:30分
施工費用:5000円以内
※情報は2019年12月のものです
エンジンルーム洗浄はトラブルの原因も見つけやすい
何年も洗浄していなくて汚れているエンジンルームより、6ヶ月に1回キレイに洗浄しているエンジンルームの方がオイル漏れや、それ以外でのトラブルも発見しやすくどこが原因で故障しているのかを把握できます。
F1などのカーレース用の車両は1分1秒を競う世界ですので、すぐに応対できるように常にキレイな状態のエンジンルームが保たれているのです。
エンジンルームを洗浄した後は「ブリス」
洗浄が終わった後はコーティングをしてキレイにしますが、「ブリス」というコーティング剤を、ひと手間加えるだけで最上級の美しさになることでしょう。
エンジンルームはボンネットを開けないと見えないですが、見えない場所もキレイにしておけば車への愛が感じられます。
また、コーティング剤は車体にもそのまま使用することができるため、一石二鳥にもなり全体的にキレイになるのでドライブが楽しくなることでしょう。
各車両メーカーの洗浄には違いがあるのか
ディーラーではエンジンルーム洗浄のみのプランがないため、エンジンルームの洗浄を依頼する時には、各メーカーによって内容が変わってきます。その違いをひとつひとつ見ていきましょう。
■スバルの「まごころクリーニング」
・シートのシミや汚れをスチーム洗浄機で洗浄してくれる「全席シートクリーニング」
・内装や各部分の隅々までキレイにしてくれる「内装パネル清掃・洗浄&ツヤ出し」
・油汚れやホコリを落とす「エンジンルーム全体の清掃・洗浄&ツヤ出し」
・タイヤ周りや、ホイールの洗浄「タイヤ・ホイール周りの清掃・洗浄&ツヤ出し」
・スプレーでの消臭や除菌を行う「室内環境をキレイに保つ加工」
・全工程終了後にクリーニング専用の各カバーを装着する「清潔に保つ仕上げカバー」
スバルでは、気持ちよくお乗り頂くために全車に「まごころクリーニング」を実施しており、独自のクリーニングで全国どこでもクオリティーが高いクリーニングを提供することができます。
■トヨタの「まるまるクリン」
トヨタの高品質の洗浄でもある「まるまるクリン」は、3つのルームクリンと3つのボディークリンで車体をまるごと洗って、隅々まで爽やかに仕上げてくれます。
・ルームクリン
車内清掃とシートクリンは、シートを外して洗浄をします。室内を隅々までクリーニングをして天井やドア、ペダルをスチーム洗浄をし、ハンドル、インパネなどは手磨きで徹底して清掃を行っています。
スチーム洗浄はシートクリンにも使用しているため、汚れを浮かせつつ高温スチームで除菌しています。
車内消臭は、消臭剤噴霧器を搭載していてエアコンを付けた時に消臭されるようになっています。車内全体に消臭剤が広がりたばこやその他のにおいも除去されます。
・ボディークリン
ボディーコートを行い、くっついている鉄粉を取り強力洗剤で汚れを浮かしポリッシャーで磨いていき、最後はコーティングを実施します。また、ホイールにもコーティングしタイヤには手磨きしてツヤ出しをしますし、スペアタイヤもしっかり洗浄します。
もちろん、エンジンルームの洗浄もあり、油汚れを落として高圧洗浄機で水洗いしてブロワーで水を飛ばして細かな部分は手磨きでツヤ出しをします。
■ホンダの「下回り&エンジンルーム洗浄プラン」
ホンダでは、下回りとエンジンルーム洗浄がプランとしてあり、内容は下回りの洗浄でいうと、高圧力の強いスチーム洗浄機を使いエンジンルーム内の洗浄を行います。
■ダイハツの「気持ちよく乗れるクリーニング」
快適に運転して頂くためにボディーを洗浄し、エンジンルームも細かいところまで洗浄するため、美しさを追求したキレイな愛車をいつまでも実感することができます。
■マツダの「ドライアイスブラスト洗浄」
ドライアイスブラスト洗浄とは、ドライアイスの粒子を圧縮した空気の力で噴射し汚れを取る方法です。こちらは、環境のことを考えた環境に優しいエンジンルーム洗浄になっています。
■日産の「エンジンリフレッシュ」
エンジンルームの汚れは、走行距離に関係あり時間が経っていくと性能が発揮できなくなり燃費やパワーが落ちていきます。
エンジンリフレッシュは、それを向上させるための洗浄であり悪くなった燃費やパワーを引き出してくれます。
まとめ
このようにエンジンルーム洗浄は、各メーカーによって内容が変わってきます。また、経費削減でご自身で行ったとしても道具が必要になるため、購入するのに時間を費やしてしまいます。そのため、業者やディーラーに依頼をすることをおすすめします。
くれぐれも、ご自身でエンジンルーム洗浄を行う際はケガや事故にお気を付け下さいね。
よくある質問
■エンジンルーム洗浄の頻度は?
エンジンルームの洗浄について、自動車メーカーから頻度の推奨はありません。長く汚れたままにしないためにも定期的な洗浄は大切です。
自動車で定期的に実施する工程に合わせてエンジンルームの洗浄をするのがおすすめです。オイル交換の時期にエンジンルームの洗浄をしている人もいれば、12カ月点検に合わせて1年おきにする人、車検のタイミングで洗浄している人もいます。
車を使う環境や頻度によっても、洗浄の必要性は変わってきますので、これらを踏まえて自分なりの適切な時期を見つけてみてください。
■エンジンルーム洗浄はどこでやる?
エンジンルームの洗浄にエンジンクリーナーを使うのであれば、普段の駐車場所でも行えます。洗浄作業は原則、エンジンが冷えた状態でするので、出かけて洗浄するのは効率がよくありません。
しかし、高圧洗浄機やスチーム洗浄機を使って徹底的に洗浄したいのであれば、洗車場がおすすめです。
業者に任せたい場合はディーラー、自動車整備工場、オートバックスやイエローハットなどのカー用品店、ガソリンスタンドでも依頼できます。
■エンジンルームクリーナーの使い方は?
エンジンルームクリーナーをエンジンルーム全体または汚れが気になるところに吹きつけると、5分~10分ほどで汚れが浮き上がってきますので、水などで洗い流すか、キレイなぞうきんなどで拭き取ってください。汚れがひどいところにはブラシなどを使うと効果的です。の恐れがありますので、ビニールやマスキングテープなどで防水処理を行ってください。