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クリープ現象ってなに?なぜあるの? 覚えておきたい車のキホン!

クリープ現象ってなに?なぜあるの? 覚えておきたい車のキホン!

いまや販売される車のほとんどに搭載されているオートマチックトランスミッション。マニュアル車のような忙しない操作が必要ない簡単さから人気となっていますが、オートマ特有の現象「クリープ」に関して深く考えてみたことはありますか。なぜクリープは発生するの?どうやって車が動いているの?トランスミッションのない電気自動車でもクリープするの? この記事で学んでいきましょう。

⏳この記事は約3~4分で読めます。


そもそもクリープ現象とは何?なぜクリープ現象が起きるの?

《画像提供:Response 》BMW 5シリーズ シフトレバー

クリープ現象とは、トルクコンバーターを利用したオートマチックトランスミッション車で、DレンジやRレンジを選択している場合に、アクセルを踏んでいなくても車が動き出してしまう現象のことです。

マニュアルトランスミッション車では、車を発進させる際にはドライバーがクラッチをミートさせてエンストしないように気をつけながらと手間がかかりますが、オートマ車ならブレーキから足を離すだけで発進できるので、クリープ現象はオートマ車の運転が簡単な理由の一つと言えるでしょう。

このクリープ現象は、マニュアル車がエンジンからの動力をトランスミッションから切り離したりつなげたりするクラッチの代わりに、オートマ車には、DレンジやRレンジにある限りオイルによって動力を伝達し続けるトルクコンバーターを利用していることから発生しています。

アイドリング状態であってももちろんエンジンは低回転で動いているので、DレンジやRレンジを選択している限りトルクコンバーターにはエンジンからの回転が常に伝わっています。

しかし、ブレーキを踏むなどして車の動きが止められている間は、その回転はトルクコンバーター内で熱エネルギーに変換されることで、停車している間もエンジンをアイドリングさせることができ、エンストしないで済んでいるのです。

ブレーキを離すなどすると、その低回転のエンジンの動きがトランスミッションを通ってタイヤまで伝わることで、アクセルを踏んでいなくても車が進んでしまうというわけです。

そうすると、Dレンジでずっとブレーキを踏んで停車しているとトルクコンバーターの温度が上がり続けることになって心配してしまいますが、問題ありません。オートマ車にはオートマオイル用の冷却回路があるほか、最近の車では長時間停車していると自動でNレンジになるなどして負担を軽減するものもあるようです。

クリープ現象が起こらない車もあるって本当?

シェフラー ディーゼル用トルクコンバーター

シェフラー ディーゼル用トルクコンバーター

先ほどご紹介した通り、クリープ現象はトルクコンバーターを使用しているオートマチックトランスミッションで機構上発生する現象なので、トルクコンバーターが用いられないマニュアル車ではクリープ現象は起こりません。

また普及が広がるEVも、モーターはアイドリングする必要がないため停止時は出力をゼロにすることができるので、クリープ現象は発生しませんし、機構上マニュアル車に似ているDCT(デュアルクラッチトランスミッション)車や、CVT車でも原則はクリープ現象は発生しません。

しかし、近年のCVTにはトルクコンバーターが組み合わせられているほか、EVやDCT車であっても、オートマ的な使い勝手を模するために、ドライバーがブレーキを離したらクリープ現象風に車が動くようにわざとプログラムされているものもあります。

マニュアル車も運転する方ならアクセルを自分で踏んで発進するということが違和感なく行えるものと思いますが、オートマ車に慣れている方だと、ブレーキを離してもクリープ現象で車が進まないと違和感を感じてしまう場合もあることでしょう。

その違和感を軽減したり、低速域での扱いやすさを向上させるために、EVではモーターを低回転で動かすことで、DCT車では半クラッチ状態にすることで、クリープ現象を再現しているわけです。

クリープ現象は事故の原因にも!気をつけたいポイントはココ

メルセデスベンツ Aクラス インテリア

メルセデスベンツ Aクラス インテリア

もはやオートマ車の特徴として誰しもが慣れてしまっているクリープ現象ですが、よく考えてみれば、たとえ車を動かす意思がなくてもブレーキを離しただけで車が動いてしまうという、場合によっては怖い現象ともいえます。

クリープ現象によって車が動いたことで事故を起こしたりしないよう、次のポイントには気をつけておきましょう。

ブレーキを緩めてしまうと、意図していなくても発進する

ブレーキを離すとクリープ現象で発進してしまうということは当たり前だと思われるかもしれませんが、ブレーキを離すのではなく緩めるだけでも、車が動き出してしまう点には注意が必要でしょう。

ちょっと他のことに気を取られたり、ぼんやりしてしまった時に、ブレーキペダルを踏んでいる右足の力が緩んでしまったりすると、意図せずに車が動き出してしまい、追突してしまうなどの事故が起こりかねません。

オートマ車ではクリープ現象が発生するということを意識して、意図せずに車が動き出さない程度にブレーキを踏み続ける必要があります。

回転数が高くなっているとクリープ現象も強めになる

エンジンを始動した直後やエアコンを入れた時など、エンジンの回転数が普段のアイドリングよりも高めになる場合があります。これは暖機目的であったりエアコン作動の負荷分を補うべく、車が自ら調整して回転数を高めるもので、ドライバーが操作したりはできませんよね。

この回転数が高まっている状態だと、クリープ現象がいつもよりも強く出てしまうことがあり、注意が必要です。

想像よりも強めにクリープ現象で加速してしまうおそれがあり、状況によっては事故にもつながりかねません。回転数を気にしながら、ブレーキをスパッと離すのではなくジワッと放すようにしたりすれば、急に加速してびっくりしてしまうことも少なくできそうですね。

最近増えた全車速追従ACCでも、車種によっては注意が必要!

近年多くの車で普及の進む「アダプティブクルーズコントロール機能」でも、クリープ現象の発生に注意が必要な場合もあります。

アダプティブクルーズコントロールは、加減速を自動制御することで前走車との車間距離を自動で保ってくれる優れた運転支援機能で、その中でも最近では前走車が停止すると自動で続いて停止までしてくれる「全車速追従タイプ」も最近広まってきています。

問題なのは、全車速追従タイプのアダプティブクルーズコントロールを装着した一部の車では、前走車に続いて停止してから一定秒数後に車がブレーキを解除してしまうものがある点。

このようなシステムの場合、車がアダプティブクルーズコントロールによって停止した後、ドライバーはブレーキを踏み増す必要があるのですが、それを怠った場合はクリープ現象で意図せず発進してしまうので、追突するおそれもあります。

クリープ現象の上手な使い方!駐車、渋滞…事故防止にも

注意ポイントをご紹介したばかりではありますが、クリープ現象はうまく使えば普段の運転を一気に楽にしてくれるものです。

具体例でご紹介していきます。

シーン1:クリープ現象を利用して、ペダル踏み間違いを防止

日産 フーガ ペダル

日産 フーガ ペダル

せっかちな方なら、クリープ現象でのゆっくりな加速なんてかったるいからすぐにアクセルを踏み込んで加速する!という場合もあるかもしれません。

しかし、クリープ現象を利用することで、駐車場などでのペダル踏み間違いによる痛ましい事故を予防することもできるかもしれません。

どうするのかというと、後退駐車する際や切り返しの際にはアクセルペダルは操作せず、速度調整はクリープ現象とブレーキペダルの組み合わせのみで行い、ペダルの踏み替えをしないで車を動かします。

普段からこのように習慣づけておけば、ブレーキペダルだと思ってアクセルペダルを踏み間違えてしまう可能性を低くできるでしょう。

ブレーキペダルだと思ってアクセルペダルを踏み間違えてしまった場合は、頭ではブレーキペダルを踏んでいると思い込んでいるのでそのままアクセルを踏み増してしまい、車が急激に動いてしまうことで事故につながります。

クリープでしか動かさない、駐車中は常にブレーキペダルだけを操作すると心がけて、安全確認をしながら落ち着いてゆっくりと駐車します。

シーン2:クリープ現象を利用して、楽々坂道発進

ダイハツ ミラ ダイハツアイドルストップシステム イメージ

ダイハツ ミラ ダイハツアイドルストップシステム イメージ

こちらはもうすでに意識せずに行っている方がほとんどかもしれませんが、それでも便利なのが坂道発進の際です。

マニュアル車で免許を取得した方なら坂道発信で何度も失敗した苦い思い出をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

サイドブレーキで車がずり落ちないようにし、回転数を高めながらクラッチをミートさせつつサイドブレーキを解除する… 考えるだけでも目が回ってしまいそうな複雑な手順が、オートマ車ならブレーキペダルから足を踏みかえてアクセルを踏み込むだけで終わってしまうのです。

これは、坂道を登る方向に車を進めようとするクリープ現象によって、車がずり落ちることが防がれるため。坂道の傾斜度によってはクリープ現象が負けてしまう場合もあるかもしれませんが、それでもマニュアル車よりはゆっくりとずり落ちるので、落ち着いて発進ができることでしょう。

クリープ現象をなくせる?!ブレーキホールド機能をうまく使おう

《画像提供:Response 》ホンダ N-WGN オートブレーキホールド機能

便利な面も気をつけなければいけない面もあるクリープ現象。オートマ車なら絶対に付き合わなければならないことかと思いきや、最近普及の進む「電子制御パーキングブレーキ」を装備した車なら、スイッチひとつでクリープ現象とおさらばできるものもあるのです。

それが、「ブレーキホールド」機能を備えた車。この機能をオンにしておくと、信号待ちなどで停車したら自動的にブレーキホールド状態になり、ブレーキペダルから足を離してもブレーキ力を保持していてくれるので、事実上クリープ現象がなくなってしまったようにすることができます。

このブレーキホールド状態中は、ちゃんとブレーキランプが点灯していますので、後続車に発進するのかと誤解されないで済む点も重要なポイント。

信号が青に変わったらアクセルペダルを踏み込むだけ。軽く踏み込めばブレーキは自動的に解除され、車が動き出してくれます。

このブレーキホールド機能、慣れると非常に便利なもので、赤信号などでブレーキペダルをグッと踏み込み続ける必要がなくなるとこんなにも楽なのか!と驚いてしまうこと間違いなし。

一昔前までは一部の高級車専用の装備だった電子制御パーキングブレーキですが、最近は軽自動車でも装備した車が出てきており、幅広いジャンルの車でブレーキホールド機能が利用できるようになってきています。

まとめ

メルセデスベンツ CLSクラス エンジンルーム

メルセデスベンツ CLSクラス エンジンルーム

クリープ現象の発生する理由と、注意しておきたいこと、便利な使い方に関してご紹介してきました。

今やマニュアル車は絶滅危惧種のような存在になっており、普段運転される車はオートマ車という方がほとんどと思われます。そんなオートマ車ならではのクリープ現象を便利に使いこなせば、安全運転にもつながるかもしれませんね。

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