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エンジンオイルはどうやって交換する?手順をわかりやすく解説

エンジンオイルはどうやって交換する?手順をわかりやすく解説

エンジンオイル交換のタイミングがやってきたとき、業者に依頼することもできますが、自分で交換したいと考えている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、エンジンオイルの交換方法を手順に沿って詳しく解説します。

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エンジンオイル交換のタイミングはいつ?

《写真提供:response》オイルフィラーキャップオープナー AE30

エンジンオイルをいつ交換すべきかは、使っているオイルの種類や日頃の使用環境、車両の扱い方などによって大きく異なります。そのため一概に「何日で交換しなければならない」と言い切ることはできませんが、おおよその目安はあります。

最も簡単にオイル交換の時期を算出する方法は、前回オイル交換をした時からどのくらいの時間が経っており、何km走行したかを確認することです。普通車では「前回の交換から6ヶ月経過または5,000km走行」、ターボ車の場合は「前回の交換から3ヶ月または2,500km走行」が目安となります。

ただし、この例はごく一般的な公道を走行するシチュエーションを前提にしているものであり、エンジンに負荷がかかりやすい環境下ではオイル交換のタイミングも早くなる傾向にあります。例えば急斜面の山道や舗装されていない悪路、温度と湿度が急激に変化しやすい場所、猛スピードでたびたび走るなどの使い方を頻繁にするのであれば、早めにオイル交換した方が良いでしょう。

また、前回交換してからほとんど走行していないとしてもオイル交換は必要です。経年劣化で十分な役割を果たせなくなってしまうため、一定期間が経過したオイルは減っていなくても交換しましょう。

期間がそれほど経過しておらず、目安となる距離を走行していなくても、オイルの量が目に見えて減少しているようなら交換することをおすすめします。オイルレベルゲージで規定量を下回っているようであれば、走行の安全性を損なう可能性があるため速やかに交換する必要があります。

なぜエンジンオイル交換を行わなければならないのか

《写真提供:response》マツダ デミオ i-DM

オイルが減っているのであれば、交換せずに足していけば良いのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、エンジンオイルは前述のとおり少しずつ劣化していくため、継ぎ足していくと古いオイルが残ったままになってしまう可能性があります。

エンジンオイルはエンジンの潤滑剤の役割を担うことから、一定の粘り気を持っていなければなりません。劣化が進んだエンジンオイルは粘度が失われて油膜を作りにくい状態になり、エンジンの消耗を早めて故障を招く恐れがあります。

また、エンジンオイルは劣化するとエンジンをきれいに保つ作用も低下して、エンジン内に不純物を蓄積させやすくなります。燃え残りをきれいにしきれないまま走行するとスムーズな加速の妨げになったり、燃費効率が悪化したりするケースも少なくないでしょう。エンジンを効率よく使い続けるためには、エンジンオイルの交換が必要不可欠です。

エンジンオイルが果たす役割

車の修理をする男性

どんな役割がある?

エンジンオイルはエンジンをスムーズに動作させるための潤滑剤であることは前述しましたが、単にエンジンを動かすだけにはとどまらず、車両のパフォーマンスを最大化するためにも重要な役割を果たします。

その主な役割は次の5つです。

潤滑作用

エンジンオイルの働きによって、エンジン内部の金属部品同士が摩擦で消耗することを防止する潤滑作用が得られます。

部品が直接ぶつかって擦れると劣化を早めてエンジンの故障につながるため、故障を防ぐ効果があります。

冷却作用

車両の走行中は燃料を燃やしたり金属部品がこすれ合ったりすることによってエンジン内部が非常に高温になるため、そのままの状態で放置すると部品が不具合を起こす可能性があります。

エンジンオイルは金属の熱を吸収する効果があるので冷却作用が期待できます。

密封作用

エンジンのピストンとピストンリングには僅かなスペースがあり、この空間を利用して動作しています。

しかし、スペースが広すぎるとガスが抜け出て十分な出力が得られないなどの不具合が起こるため、エンジンオイルの密封作用で機密性を維持しています。

洗浄作用

エンジン内部では激しい運動が繰り返されることで燃えカスなどが発生します。このような汚れを絡め取って内部を清潔に保つこともエンジンオイルの大切な役割です。

エンジンオイルの交換時期に近づくと色が黒く濁ってきますが、洗浄作用が正しく働いている証でもあります。汚れを吸収できる量は限られているので、定期的な交換

防錆作用

エンジン内部は高温になりやすい性質を持つことから、外部との温度差で水蒸気が生じて部品が錆びやすい状態にあります。

そこでエンジンオイルで油膜を張って錆びつきから部品を保護する役割を担っています。

エンジンオイルの種類

エンジンオイル

さまざまな種類がある

エンジンオイルには主に3つの種類があります。価格や性質が大きく異なるため、どのオイルを使用するかは予算や用途に応じて選びましょう。

化学合成油

化学合成によって成分を安定させた高性能エンジンオイルです。3種類のオイルの中では最も品質が高い一方で、価格も他のオイルに比べると高くなりやすい傾向にあります。

粘度設定の自由度が高いのが特徴で、安定性の面では3つのオイルの中で最も優れているといえるでしょう。

部分合成油

完全な化学合成油ではないものの比較的近い性質を持ち、化学合成油に比べるとやや安価に抑えられたベースオイルです。後述の鉱物油などをベースに化学合成油を混ぜることで、対応しているエンジンの種類が幅広いのが特徴です。

鉱物油に比べると燃費性能を向上させる性質も高いといえます。

鉱物油

化学的な製造方法ではなく、天然の原油を蒸留してエンジンオイルに精製したものです。

他の2種類のオイルに比べると粘度や酸化安定性、低温流動性などは低めになりますが、比較的低価格で入手できるため、安価にエンジンオイルを使いたいという方にはおすすめです。

エンジンオイル交換にかかる費用

車と電卓

費用も知っておきたい

エンジンオイル交換にかかる費用は、ベースオイルの種類によって異なります。前述した3種類を例にとって費用の相場をご紹介します。

化学合成油ベース

4リットルで約5,000円~7,000円程度が相場です。化学合成油は最新技術を活かして耐久性を高めて、エンジンを保護する性能にも優れている品質の高い製品が多いことから、価格も比較的高額になります。

スポーツカーなどの高いパフォーマンスを発揮する必要がある車両にも使えるオイルが多く、省燃費に特化した車種に対応しているものも揃っています。

エンジンオイルの価格はベースオイルの種類も大きく影響しますが、オイル自体のグレードや性能によっても差が付きます。車種によっても必要なオイル量は異なるため、一回あたりのオイル交換費用は変わってくることにも注意しましょう。

軽自動車であれば約3リットル、普通車で約4リットル、排気量が2,000ccを超える車種であれば約5リットルが一般的です。また、オイルには一定量がパッケージされた缶入りと、必要な量だけを購入する量り売りがあるため、それぞれの販売方法でも価格は多少異なります。

部分合成油ベース

4リットルで約3,000円~4,000円程度が相場です。化学合成油と鉱物油の中間程度のコスト感であり、安定した性能を持ちながら比較的気軽に利用できるのが魅力といえます。

ハイブリッド車やエコカーをはじめとして、短距離走行がメインの自動車に適しています。

鉱物油ベース

4リットルで約2,000円~3,000円程度が相場です。他のベースオイルに比べて安価なので、なるべくエンジンオイル交換の費用を抑えたいという場合に便利です。

エンジンオイル交換を行う方法

オイル交換する女性

車のオイル交換

エンジンオイル交換を自分で行う場合は、次の手順を踏んで適切に対処することが大切です。作業を誤ると思わぬ事故や故障の原因にもなるので、くれぐれも慎重に行いましょう。

1. オイルを取り出す

まずは古いオイルを取り出す必要があります。取り出し方には「上抜き」と「下抜き」の2種類があり、上抜きは車両の上部からオイルレベルゲージにホースを導入し、ポンプを使用してオイルを取り出す方法です。上抜きは専門的な道具を必要とするため、一般的に業者などが行う方法です。

下抜きは車両の下側からオイルを抜く方法です。最初にボンネットを開封してオイルフィラーキャップを緩め、車体をジャッキアップしましょう。その後、車両下部のドレンボルトを外してオイルを流し、事前に用意しておいた受け皿などに移します。

2. ドレンワッシャーを取り付ける

「ドレンワッシャー」と呼ばれるパッキンをドレンボルトに取り付けます。交換前に使用していたドレンワッシャーを継続して使うとオイル漏れの原因になるため、新しいものを使用することが大切です。

締め忘れるとオイルが流出して事故の原因となるため、必ず締まっているかどうかを確認しましょう。

3. ジャッキダウンする

ドレンワッシャーの取り付けが完了したら、車両の周辺の安全性を確かめた上で車体のジャッキダウンを行います。

4. 新しいオイルを注入する

事前に準備した新しいオイルを注ぎ込みます。この時、エンジンルーム内部にオイルが漏れないように注意しましょう。

規定された量のオイルを注いだら、オイルフィラーキャップをきつく締めます。

5. エンジンをかけてオイルを循環させる

新しく注いだエンジンオイルをエンジン内部に循環させるために、エンジンをかけて少しの間様子を見ます。

6. オイルレベルゲージを確認する

十分にエンジンをかけたら一旦停止し、オイルレベルゲージを確認します。循環させたことでオイル量が減ってしまっている場合は不足分を補充すればオイル交換は完了です。

7. 古いオイルを処分する

最後に古いオイルを処分します。凝固剤入りの廃油のための箱などを用意して、古いオイルを固めましょう。処分方法は各自治体が定める規定に従う必要があるため、事前に調べておくことをおすすめします。

ガソリンスタンドや新しいオイルを購入したお店で古いオイルの回収を受け付けているケースもあります。自分で処分する手間が省けるので、可能であれば依頼してみてはいかがでしょうか。

まとめ

エンジンオイルを注ぐ様子

定期的にメンテナンスしよう

エンジンオイルが古くなった時は、速やかに交換することが大切です。古いまま使い続けるとエンジンがスムーズに動作しなくなり、部品の摩耗を早めたり燃費効率の低下を招いたりする恐れがあるため、時期が訪れたら迅速に対処しましょう。

ベースオイルの種類によってもオイル交換の価格は異なるので、予算や用途に応じて3種類の中から適したものを選ぶことが大切です。エンジンオイル交換は自分で行うことも可能ですが、十分手順を確認して一つひとつの作業を確実に行うことが事故防止につながります。

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