愛され続けて50年以上!定番バンの「トヨタ ハイエース」
トヨタ ハイエースバン(左)、ハイエースワゴン(中)、ハイエースコミューター(右)
初代モデルの登場が1967年と、かなりの歴史を誇る商用バンがトヨタ ハイエースです。車に詳しくないという方でもその名前を知っていたり、外観に見覚えがあるという方も少なくないのではないでしょうか。
それもそのはず、ハイエースはさまざまな業種において定番の社用車となっており、街を走っている姿を見かける機会も非常に多くなっています。
それだけでなく、コアな個人ユーザーからも熱烈な支持を受けるモデルとなっており、レジャー用途やキャンピングカーベースなどに用いられることも少なくありません。ハイエース専門のカスタマイズショップなども存在しており、ユーザーベースの広さがうかがえます。
ハイエースは、その長い歴史を通じて信頼性や耐久性、使い勝手を常に磨き続けており、商用バンとして完成度が非常に高いモデルです。その絶え間ない進化があってこそ、幅広いユーザーからの熱い支持を受け続けているわけですね。
そんなハイエース、ビジネスユースでもプライベートユースでも長距離を走る機会が多い車だけに、気になるのは燃費性能ではないでしょうか。使い勝手や耐久性といった面はすでに神話化しているような印象もあるものの、ハイエースの燃費性能はあまり広く知られていないように思います。
この記事では、カタログ燃費や実燃費、ライバル車種との比較を通して、ハイエースの燃費情報を詳しくご紹介していきます。
ハイエースが愛され続ける理由は、これら魅力の数々
■使い勝手最高、耐久性も最高!信頼のプロ仕様
《画像提供:Response 》トヨタ ハイエースバン スーパーGL ダークプライムII
ビジネスカーとして、趣味の車として、非常に高い評価を受け続けているハイエース。その人気は、扱いやすいボディサイズに凝縮された使い勝手の良さと、100万キロもなんのその、という耐久性を見込んだ開発が行われている点が大きな理由として挙げられるでしょう。
特に業務用の車両としては、どんなに高性能・高機能であっても故障続きで利用できないようでは意味がありません。必要なメンテナンスを行えば、長期間にわたってきちんと働いてくれるという信頼性の高さこそ、ハイエースのもっとも大きな魅力かもしれませんね。
■フラットで広大な荷室スペース、無改造で車中泊可!
《画像提供:Response 》モデリスタ リラクベース 荷室
ボディ長が標準とロング、ボディ幅も標準とワイド、ルーフ形状が標準とミドルルーフとハイルーフなど、求められる仕様に応じて非常に豊富なボディバリエーションが用意されているハイエース。しかし、もっともベーシックな標準仕様のモデルでも、圧倒的な広さの荷室が特徴的です。
荷室高は標準ルーフ車でも1,320mmが確保されており、荷室長に至ってはリヤシートが通常位置でも1,855mm、リヤシート格納時には2,470mmにまで達するなど、どんな荷物でも飲み込む余裕がうれしいところ。大柄な男性でも足を伸ばして横になれるほどの床面長が無改造で確保できるので、車中泊にもぴったりですね。
■ディーゼルとガソリン、用途に合わせて選べる3つのエンジン
トヨタ ハイエース ディーゼルエンジン
なかなか日本国内の乗用車では広まりを見せないディーゼルエンジンですが、ビジネスカー業界ではディーゼルエンジンの分厚いトルクが重宝されるのでラインナップは必須。ハイエースにも2.8リッターのディーゼルターボエンジンが設定されており、太いトルクで荷物満載でもグイグイ加速してくれるだけでなく、クリーンな排出ガスで環境にも優しくなっています。
またディーゼルだけでなく、ワイドボディ専用で力強い2.7リッターと、お求めやすい価格がうれしい2.0リッターという2種類のガソリンエンジンも用意されており、さまざまなユーザーのニーズが満たせるラインナップとなっています。
■バンと侮るなかれ!全車でトヨタセーフティセンス標準装備
《画像提供:Response 》トヨタ ハイエース トヨタセーフティセンス作動イメージ
ビジネスカーは価格の安さや耐久性が第一で安全性能は二の次!というのは過去の話で、現代では長距離を走行する機会も多いビジネスカーだからこそ安全を重視したいという気運も高まっています。
ハイエースは、昼間の歩行者検知にも対応したプリクラッシュセーフティや、レーンディパーチャーアラートなどをセットにした「トヨタセーフティセンス」を全車で標準装備しており、グレードを問わずに高い予防安全性能が確保されています。
トヨタ ハイエースのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,695mm×1,695mm×1,980mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,570mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,930kg | |
燃費 | WLTCモード:11.3km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ 2,754cc | |
エンジン最高出力 | 111kW(151PS)/3,600rpm | |
エンジン最大トルク | 300N・m(30.6kgf・m)/1,000-3,400rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動(フロントMR) | |
トランスミッション | 6速AT | |
新車価格 | 3,350,091円(消費税抜) |
トヨタ ハイエースバンの燃費情報を総まとめ!ディーゼル強し
《画像提供:Response 》トヨタ ハイエース メーターパネル
ハイエースの魅力をご紹介してきましたが、やはり実際に購入を検討する際に気になるのは燃費性能ですよね。ここからは、ハイエースバンの燃費性能を詳しく見ていきましょう。
まずは、カタログ燃費値です。新車販売されるすべての乗用車や多くの商用車のカタログに表示されている「WLTCモード燃費」を確認することによって、おおよその燃費性能を把握することができます。
現行モデルのハイエースバンのWLTCモード燃費は、ディーゼルとガソリン、2WDと4WDの違いで主に4種類に分けることができます。もっとも低燃費なのはディーゼルの2WD車で11.3km/Lとなっており、同4WD車の10.8km/Lが続きます。
ガソリン車はボディタイプなどによっても細かな差がありますが、もっとも低燃費な仕様は2.0リッターの2WDで9.4km/L、2.7リッターのみとなる4WD車は8.1km/Lとなっています。
低回転からの分厚いトルクが扱いやすいディーゼルの燃費の良さが際立ちますね。
トヨタ ハイエースバンのカタログ燃費まとめ表
ディーゼル 2WD | ディーゼル 4WD | |
---|---|---|
WLTCモード燃費 | 11.3km/L | 10.8km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 8.9km/L | 8.7km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 11.5km/L | 11.0km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 12.6km/L | 11.9km/L |
ガソリン 2.0 スーパーGL 2WD |
ガソリン 2.7 スーパーGL 2WD |
ガソリン 2.7 スーパーGL 4WD |
|
---|---|---|---|
WLTCモード燃費 | 9.2km/L | 8.8km/L | 8.1km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 6.8km/L | 6.5km/L | 6.2km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 9.4km/L | 9.2km/L | 8.4km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 10.7km/L | 10.0km/L | 9.1km/L |
■トヨタ ハイエースバンでもっとも低燃費なのはどのグレード?
《画像提供:Response 》トヨタ ハイエース インテリア
ハイエースバンでもっとも低燃費なのは、ディーゼルエンジン車の2WD仕様です。WLTCモード燃費は11.3km/Lとなっています。
ディーゼルエンジンはハイエースのラインナップ中でもっとも低燃費なだけでなく、燃料である軽油がレギュラーガソリンよりもかなり安いということもあり、総合的なランニングコストの低さが際立ちますね。
ガソリンエンジンも、もっとも低燃費な2.0リッター車の2WD仕様なら9.4km/Lと、箱型のボディを思えばなかなかの健闘ではあります。
■実オーナーが投稿!トヨタ ハイエースの実燃費データまとめ
FLEX カスタムハイエース アメリカ
カタログ燃費が優秀でも、現実世界における実燃費が伸びなくては意味がないというもの。そこでしっかり確認しておきたいのが、実オーナーが投稿した燃費記録をまとめている情報サイト「e燃費」のデータです。
2021年10月現在、現行モデルのハイエースバンの実燃費平均値を確認してみると、もっとも低燃費なのはガソリン2.0リッター車の2WD仕様で11.37km/Lとなっており、続いてディーゼル車の4WD仕様で10.47km/Lとなっています。
どちらもカタログ燃費を超える、または肉薄する平均燃費値となっていますね。
ハイエースは非常にグレード数が多いほか、モデルライフが長いこともあってエンジンやボディのバリエーションも多く、e-燃費への投稿も型式別に大きくバラけている印象があります。そのため、車種全体の傾向として実燃費をチェックすることは、難しさも感じられます。
とはいえ、実燃費でもリッターあたり10キロ程度を狙える程度ということは、わかりやすい指標の一つともいえるでしょう。
■トヨタ ハイエースのカタログ燃費、ライバル車と比べるとどうなの?
日産 キャラバン
ハイエースと長年ビジネスバン市場で競合しているのが、日産 キャラバンです。販売成績ではハイエースの後塵を拝してきたキャラバンですが、現行型キャラバンは4ナンバーバンクラスNo.1という荷室広さを持つなど、意欲的な商品性や充実装備が特徴で、今後の巻き返しが期待されます。
2021年10月の改良によって新たにガソリンエンジン車が「キャラバン」という車名になり、ディーゼルエンジン車の「NV350キャラバン」と分かれたことで、ややわかりにくさを感じさせる展開となっています。
キャラバンとNV350キャラバンのWLTCモード燃費を確認してみると、もっとも低燃費な2.0リッターガソリンエンジン車で8.3km/L、2.5リッター ガソリンエンジン車で8.7km/Lとなっています。2.5リッター ディーゼルエンジン車はJC08モードでの燃費である点に注意が必要なものの、もっとも低燃費なのは5速MT仕様で13.2km/Lとなっています。
ちなみにハイエースは、2021年4月の改良に伴って5速MT車が廃止されていますが、ディーゼルエンジン車でもっとも低燃費なグレードのJC08モード燃費は13.0km/Lとなっており、キャラバンとほぼ同等の燃費性能となっていることがわかります。
まとめ
《画像提供:Response 》モデリスタ リラクベース
ハイエースの燃費情報を詳しくご紹介してきました。
走行距離がどんどん積み上がっていく使われ方をされることも多いハイエースだけに、少しでも低燃費なグレードを選んで燃料代を節約したいところですよね。用途に応じてさまざまなバリエーションから選択ができるハイエース、お好みの仕様をぜひ探してみてください。
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よくある質問
■ハイエースバンは、個人で購入できるの?
貨物車として4ナンバーや1ナンバー登録となるハイエースバンですが、もちろん自家用車として個人で購入することができます。貨物車登録だと車検を初回2年、その後は1年ごとと乗用車よりも頻繁に受ける必要があるものの、税金が割安などの特徴もあります。
■現行ハイエースはいつから売ってるの?
現行型となる5代目ハイエースは、2004年に登場したモデル。一般的にモデルライフが長めな商用車ですが、現行型ハイエースはすでに15年以上が経過しているロングライフなモデルとなっています。海外向けには6代目モデルも登場しており、日本へは同車の乗用モデルがグランエースとして導入されていますが、バンモデルは導入されていません。