軽は室内が狭い… そんな先入観を捨てて、最新広々軽を楽しもう!
ダイハツ ウェイク
リーズナブルな価格と高い経済性で人気の軽自動車。日本の入り組んだ道でもスイスイ走れるコンパクトさは、軽自動車の大きな特徴であり、魅力でもあります。
とはいえ、ボディサイズがコンパクトな軽自動車は、狭い道や駐車場などでは非常に助かるものの、室内空間が狭めという印象をお持ちの方も少なくないかもしれません。
しかしそれはもはや過去の話。現代の軽は、乗り込むと開放感が感じられるゆとりの室内をもつのは当たり前で、中にはミニバンもびっくりという室内の余裕をもつものもあり、乗車定員まで乗り込んでも窮屈さは全くありません。
人を乗せるのに適しているだけでなく、荷物の運搬にも最新の軽はもってこい。ガソリン代や税金をしっかり節約しながら、お仕事やアウトドアなど、さまざまな利用シーンで活躍してくれます。
最新の室内が広い軽はたくさんありますが、この記事ではその中でもぜひおすすめしたい車種を5台ご紹介していきます。その実力を知れば、あなたも最新の軽が欲しくなってしまうかもしれませんよ。
■軽自動車のボディサイズ、ガッチリ制限されてるって知ってた?
軽規格よりもボディサイズが小さい車種の例 ダイハツ ミゼットII
軽自動車は、黄色いナンバープレートが付いているだけの小型車ではなく、エンジンの排気量からボディサイズまでガチガチに規定されている車種です。現在用いられている軽自動車規格は平成10年に施行されたもので、車体の長さ3.40m、幅1.48m、高さ2.00m、排気量は0.660リッターまでと定められています。
一部の特殊な例を除けば、ほとんどの軽自動車が、室内空間や衝突安全性の確保のために、この軽自動車規格をめいっぱいに使い切ったボディサイズを採用しています。そのため、全高こそ車種によって異なるものの、軽自動車といえば全長が約3.4m、全幅が約1.48mというボディサイズが定番です。
■昔の軽は狭かった!技術の進化でスペース効率が向上
《画像提供:Response 》マツダ キャロル(1970年式 八王子いちょう祭り2014 出展車両)
1949年に初めて制定された軽自動車規格。当初のサイズ規制は長さ2.80m、幅1.00m、高さ2.00mまでと、特に幅方向がかなり制限されたサイズでした。
その後はサイズや排気量の制限が拡大方向に改正されていき、具体的に軽自動車のヒット車種が出てくるのは1950年代半ば。この頃には規格も長さ3.00m、幅1.30m、高さ2.00mまで拡大されていましたが、それでも現代の軽自動車よりも長さ方向で40cm短く、幅方向で20cm弱も狭いサイズです。
当時の軽自動車を見れば、この小ささながら4人乗りの室内空間とトランクスペースまで確保していたことがわかります。そのため室内、特に足元空間の狭さは言わずもがな。脚を組んでもまだ余裕があるという現代の軽の室内空間が、非常にありがたいもののように思えてきますね。
室内が広い軽自動車 おすすめ5選はこれだ
ここからは、室内の広さでおすすめしたい最新軽自動車を5台ご紹介していきます。
どの車種も軽のイメージを大きく超えた使い勝手の良さが備わっているので、要注目です。
■ダイハツ ウェイク:車中泊も自転車もゴルフバッグもドンと来い!
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク
あらゆるシーンに対応できるキャパシティの広さが特徴的な軽乗用車といえば、おすすめなのがウェイクです。流行のスーパーハイトワゴン系よりもまだ高い全高は1,835mmとキャッチフレーズ通り「ドデカ」く、室内高は1,455mmで、軽自動車トップとなっています。
室内高がこれだけ高いので、乗り込む際には頭を大きくかがめることなくスムーズに乗り込めますし、シートに座った後も頭上のゆとりや開放感が格別。
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク(2014年型) フルフラットモードにシートアレンジした様子
シートアレンジの豊富さもウェイクの特徴で、後席はシートバックの前倒し状態と、その状態からフロアへ格納した状態を使い分けが可能です。前者ではフルフラット状態の前席と高さが揃うので車中泊などにぴったりですし、後者では自転車も楽々積める荷室高が確保できます。
さらに定員乗車状態での荷室もかなり広め。2WD仕様なら、床下収納と合わせて1,485mmの荷室高が確保でき、ゴルフバッグのような長さのある荷物でも縦に収納できる驚異的なユーティリティ性能が自慢です。
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク
ここまでの使い勝手の良さは、軽バンを彷彿とさせるような全高の高さと、乗用車ならではのFFレイアウトによる低いフロアによる室内空間の広さがあってこそ。
最廉価グレード以外でスマートアシストIIIが標準装備される点もうれしいポイントですし、ターボエンジン搭載グレードを選べば大柄なボディをものともしないパワフル感も手に入ります。唯一無二の広さがあるウェイクの室内、どんな風に活用するかを想像するだけでも楽しくなってきませんか。
ダイハツ ウェイクのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,835mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,455mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 1,020kg | |
燃費 | WLTCモード:16.9km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンターボ 658cc | |
エンジン最高出力 | 47kW(64PS)/6,400rpm | |
エンジン最大トルク | 92N・m(9.4kg・m)/3,200rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,550,000円(消費税抜) |
■スズキ スペーシアギア:SUV風のアクティブ感で差をつけろ
スズキ スペーシアギア
全高1,800mmとスーパーハイトワゴンクラスの中でも高めの設定なのがスズキ スペーシアギア。同社のジムニーやハスラーを彷彿とさせる丸いヘッドライトと、ガンメタリック塗装が映える内外装の専用意匠などによって、優しい眼差しのスペーシアや眼光鋭いスペーシアカスタムとは大きく異なった、SUV風味のアクティブ感がうまく演出されています。
最低地上高は150mmと一般的ながら、4WD仕様も用意されているので、ちょっとしたオフロードなどでも安心感があります。
《画像提供:Response 》スズキ スペーシアギア インテリア
当然ながら、室内空間の広さはスペーシアと同様で、室内高は1,410mmが確保されていて余裕たっぷり。お子さまなら立ったままお着替えもできるほどです。また前席を倒して後席座面とフルフラット状態にすることができ、その状態で後席のリクライニングも可能なので、ちょっとした休憩や仮眠にもぴったりですね。
その上シート表皮は全席で撥水加工仕様となるほか、後席シートバック背面と荷室床面は汚れがさっと拭き取れる防汚仕様となっているなど、室内の使い勝手もアウトドア向けです。
《画像提供:Response 》スズキ スペーシアギア
シリーズ中でギアにのみ設定されるアクティブイエローやデニムブルーといった鮮やかなボディカラーを着こなす個性的なエクステリアは、これまでのスーパーハイトワゴン市場では見られなかった新しい提案ですよね。
スペーシアの優れた使い勝手に、ワクワクさせてくれるような個性的な内外装が備わったスペーシアギアは、室内の広さ以外にも選びたくなる理由が満載です。
スズキ スペーシアギアのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,800mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 880kg | |
燃費 | WLTCモード:21.2km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンハイブリッド 658cc | |
エンジン最高出力 | 38kW(52PS)/6,500rpm | |
エンジン最大トルク | 60N・m(6.1kg・m)/4,000rpm | |
モーター種類 | 直流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 2.3kW(3.1PS)/1,000rpm | |
モーター最大トルク | 50N・m(5.1kg・m)/100rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,534,000円(消費税抜) |
■日産 ルークス:上質な室内でくつろぎながら、先進感も楽しめる
日産 ルークス ハイウェイスター
先ほどご紹介したスペーシアとライバル関係にあたる日産 ルークスは、高級車からスポーツカーまでラインナップする日産が開発を主導しただけあって、上質感が満載なスーパーハイトワゴンとなっています。
内外装意匠が異なる標準グレードとカスタムグレードの2系統が用意されるルークスは、ほかのスーパーハイトワゴンがモデルチェンジを済ませた2020年に満を持して登場したモデル。後発なだけあって、ライバル車種の人気のポイントや弱点をくまなく分析して対策をした、スキのない仕上がりです。
《画像提供:Response 》日産 ルークス ハイウェイスター プレミアムグラデーションインテリア
内装では、ハイウェイスター系にメーカーオプション設定される「プレミアムグラデーションインテリア」はズバ抜けた高級感が自慢。レザー調のインストパネルにはブルーの差し色のステッチが入るほか、濃いブラウンからモカへと変化していくシート表皮など、クラスを超えた高級感が漂います。
また、ライバル車種よりも後発なだけあって、後席のニールームや、後席のロングスライドを活かした荷室スペースの最大奥行きなどでクラストップの数値を実現。シーンに合わせた使い分けがしやすい点がポイントです。
《画像提供:Response 》日産 ルークス ハイウェイスター
中でも後席のロングスライドはルークスの大きな特徴で、クラストップとなる320mmものスライド長によって、後席を前出ししておけば運転席に座ったまま後席のお子さまのケアができるなど、新たな使い勝手の提案も見られます。
高度運転支援機能である「プロパイロット」がスーパーハイトワゴンとして初めて選択できるなど、先進的な魅力も備わるルークスは、室内の広さだけでなく、プラスアルファの魅力を多数兼ね備えてライバルを圧倒します。
日産 ルークスのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,780mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,495mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 970kg | |
燃費 | WLTCモード:20.8km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンハイブリッド 659cc | |
エンジン最高出力 | 38kW(52PS)/6,400rpm | |
エンジン最大トルク | 60N・m(6.1kgf・m)/3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 2.0kW/1,200rpm | |
モーター最大トルク | 40N・m/100rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,676,000円(消費税抜) |
■ホンダ N-VAN:開口部も「広い」!斬新シートアレンジにも注目
ホンダ N-VAN +STYLE FUN
軽バンながらFFレイアウトという異色の存在がホンダ N-VAN。N-BOXとプラットフォームなどを共有していることから見た目はスーパーハイトワゴン風で、キャブオーバータイプのバンと比べると、車体前方にボンネットを持つ分荷室長で不利なレイアウトとなっています。
しかし、その逆境を跳ね返してみせたのがN-VAN。なんと後席のみならず助手席までフラットに格納できることで、2,635mmにまで達する助手席側の有効スペースを確保することに成功しました。
《画像提供:Response 》ホンダ N-VAN インテリア
さらに、そんなドデカい空間を最大限活かすべく、助手席側ドア開口部は軽バン初となるピラーレス構造を採用しており、前後ドアを開けば開口幅は1,580mmにも達します。この幅広開口によって、長い荷物や重い荷物などの積み込みもスムーズに行える、N-VANならではの使い勝手が生まれました。
さらに、キャブオーバー型の軽バンでは床が高めな上にタイヤハウスが前席足元に張り出していて、乗り降りがしにくいのが通例。しかしN-VANは、低いフロア高や足元空間の広さで乗り降りがしやすく、乗員が広々感を感じられる余裕の室内高を確保しています。
《画像提供:Response 》ホンダ N-VAN
N-VANには、4ナンバーながら乗用用途にもぴったりな遊び心のある内外装と装備内容をもつ「+STYLE FUN」グレードも展開されています。乗用登録であるN-BOXとうまくキャラ分けされている印象で、使い方やご予算に応じて選びやすくなっていますね。
N-VANの荷室空間はバイクまで飲み込むほどで、大型機材の「トランポ」として活用される例も増えているようです。フルオートエアコンやHonda SENSINGを全車で標準装備するなど、日常の快適性や安全性も忘れていないところもポイントです。
ホンダ N-VANのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,945mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,520mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 960kg | |
燃費 | WLTCモード:19.2km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリン 658cc | |
エンジン最高出力 | 39kW(53PS)/6,800rpm | |
エンジン最大トルク | 64N・m(6.5kgf・m)/4,800rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,481,000円(消費税込) |
■ダイハツ ハイゼットカーゴ デッキバン:4人乗りとノッポな荷物を両立
《画像提供:Response 》ダイハツ ハイゼットカーゴ デッキバン
軽バンと軽トラックの世界で、人気と信頼を長年得続けているダイハツ ハイゼット。その車名は60年にもわたる歴史があり、軽バンのハイゼットカーゴ、軽トラックのハイゼットトラックともに、日々見かける機会も多いですよね。
そんなハイゼットの中でも、4人が乗れるカーゴの魅力と、汚れや水濡れを気にせずに荷物を積めるトラックの魅力を、両方兼ね備えたユニークな仕様が存在します。それがこちらのハイゼットカーゴ デッキバンです。
《画像提供:Response 》ダイハツ ハイゼットカーゴ デッキバン アクティブバージョン(東京オートサロン2018 出展コンセプトカー)
リヤドア後部まではバンであるハイゼットカーゴそのものながら、荷室部分の屋根を大胆に切り取ってトラックベッドとしたデッキバン。元々は冷蔵庫などの背の高い家電を立てた状態で運搬したいという要望に応えて登場したとされ、見慣れない存在ではありますが意外と歴史は深く、1988年から発売されています。
見た目こそ奇抜な印象もありますが使い勝手は抜群で、車体幅いっぱいに開くテールゲートや乗り降りしやすいスライドドアなどが使いやすいですし、室内は当然4人乗りで、濡らしたくない荷物などは後席を格納したスペースに積むこともできます。
《画像提供:Response 》ダイハツ ハイゼットカーゴ デッキバン(2015年型)
軽トラックは、荷台の広さが魅力的ながら、室内空間は限定的なことがほとんど。その点デッキバンなら、バン同様の余裕のある室内でゆとりが感じられる点もポイントです。
スマートアシストIIIが全グレードで標準装備されるなど、普段使いでの安心感もしっかり確保。見た目のユニークさと使い勝手の良さで、近年では個人ユーザーからの人気も高まっているようです。
ダイハツ ハイゼットカーゴ デッキバンのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,875mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,450mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 910kg | |
燃費 | WLTCモード:14.1km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリン 658cc | |
エンジン最高出力 | 39kW(53PS)/7,200rpm | |
エンジン最大トルク | 60N・m(6.1kg・m)/4,000rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動(フロントMR) | |
トランスミッション | 4速AT | |
新車価格 | 1,360,000円(消費税込) |
まとめ
《画像提供:Response 》ダイハツ DECA DECA(東京モーターショー2009 出展コンセプトカー)
室内の広さでおすすめしたい軽自動車を5台ご紹介してきました。
軽自動車はボディサイズの上限が法律で定められていますので、室内広さの向上にはもちろん限界があります。しかし、もうこれ以上広くなんてできないだろう、と思うような車を、数年後にはライバル車や後継車がどんどん超えていくこともよくあることで、技術革新の凄まじさには驚かされますね。
開放感のあるスーパーハイトワゴンは、一度体験すると病みつきになる乗りやすさや使いやすさがあります。軽の室内の広さが気になっていた方も、ぜひ実車で体験してみてください。
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よくある質問
■軽自動車はどうして大きさが一緒なの?
軽自動車規格は、制定当初から車体のサイズとエンジン排気量に制限が設定されてきました。全高は車種によっても変わりますが、全長と全幅は規格いっぱいまで使い切るのが一般的なので、一部の例を除くほとんどの軽自動車で全長と全幅は共通となっています。現在用いられている軽自動車規格は1998年に施行されたものです。
■軽自動車で車中泊はできるの?
室内の狭さがイメージされやすい軽自動車ですが、車種によっては前席から荷室まで2m超のフラットな床面が確保できるものもあるほか、前席と後席をフルフラット状態にできることが一般的なので、車種の選び方に気をつければ、ちょっとした仮眠から本格的な車中泊まで対応することができるでしょう。