タントじゃ小さすぎる?!クラス随一のノッポ、ダイハツ ウェイク
ダイハツ ウェイク
軽自動車規格は、660cc以下とエンジンの排気量が制限されているだけでなく、ボディの長さ、幅、高さも定められています。
一般的には、どの車種も全長と全幅は軽自動車規格の上限ギリギリに設定されることが通例なので、全長が約3.4m、全幅が約1.48mなのが、軽自動車の定番です。しかし、どの車種も2.0m以下という全高の上限方向には、あまり延長してきませんでした。
その流れを大きく変えたのが、近年のスーパーハイトワゴンの出現です。1.7〜1.8m近くという全高を持つことで室内のゆとりを確保したスーパーハイトワゴンは、瞬く間に市場を席巻。現在では軽自動車販売台数の上位を各社のスーパーハイトワゴンが独占しています。
それならばさらに全高を高めて、より使い勝手を良くしたモデルを作ってみたらもっと売れるのでは?とダイハツが考えたかどうかは分かりませんが、もっと背が高く、もっと使い勝手がよく、もっとフレキシブルにあらゆるシーンに対応できる軽として登場したのが、今回ご紹介するウェイクなのです。
ダイハツ ウェイクの特徴をサクっとまとめてみた
■なんといっても1,835mmの全高!室内空間はトップクラスの広さ
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク
Wikipedia英語版によれば、現在生産されているSUVやピックアップトラックを含まない乗用車としては世界で最も全高が高い車とされているウェイク。
なんと1,835mmもの高さとなっており、幅は他の軽自動車と変わらないので、より縦長に見えますし、タイヤとホイールがかなり小さく見えてしまっていますね。
もちろんルーフがかなり高い位置まで押し上げられているので、室内高はもはや軽自動車とは思えないほどの1,455mm。これはスーパーハイトワゴンの定番であるタントの数値よりも85mmも高く、もはや大型ミニバンのトヨタ アルファード/ヴェルファイアよりも55mmも高くなっているほどです。
■遊び心を感じさせる内外装、カラバリにも注目!
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク
ウェイクはデザインも見所です。フロントはアッパーグリルをパネルとし、ロワーグリルも武骨な印象のデザインとされることで、アクティブな印象もありつつ、どこかブルドッグのような愛らしさもありますよね。
ボディサイド、リヤ部でもこだわりが満載で、遠くからでもウェイクであることは一目瞭然なウェイクは、SUV的なオフビートカーキメタリックや鮮やかなトニコオレンジメタリック、精悍なレーザーブルークリスタルシャインなど、ボディカラーも色調豊かで楽しくなってしまいます。
■使い勝手が練られた収納やユーティリティの数々
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク 荷室 イメージ
背が高いウェイクは、外から見るだけでは頭上空間がとんでもなく広いだけの車と思われるかもしれません。しかし心配無用、その高さ方向の余裕をしっかり使い切れる優れたユーティリティ性能も備わっています。
具体的には、やはり荷室が注目ポイントかもしれません。グレードに応じて装備される上下2段調整式デッキボードを活用すれば、床下のアンダートランクと床上の荷室空間を分けて使えますし、高さに余裕があるウェイクだけに、どちらも驚きの大容量を維持できます。
デッキボードを立ててしまえば、なんとゴルフバッグが立てたまま収納できるなんていう離れ業も可能。さらに用途に応じた使い勝手拡張オプションも豊富に用意されているので、普通車のSUVやミニバンも真っ青な使い勝手が実現されています。
■2m超のフラットスペースも?!車中泊にもバッチリな荷室アレンジ
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク インテリア フルフラットモード
荷室から後席背面をフルフラットにできたり、前席と後席をフルフラットにできる車は数あれど、前席から荷室後端までをフルフラット空間にできてしまうような車はなかなかありません。ウェイクなら、先述したデッキボードを調整することで、なんと2m超えのフラットスペースを作り出すことができます。
マットを敷けば大人2人で足を伸ばして車中泊も可能ですし、後席はもう一段低く格納することもできるので、軽自動車トップの室内高を活かしたどデカい荷室にすることも可能です。
前倒しできる助手席と相まって、自転車2台がタイヤ装着したまま室内格納できる点もうれしいポイント。遠くの景色のいい場所まで2人分の自転車を持ち込んでサイクリング、そんなアイデアもウェイクなら簡単に実現できます。
ダイハツ ウェイクのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,835mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,455mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 1,020kg | |
燃費 | WLTCモード:16.9km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンターボ 658cc | |
エンジン最高出力 | 47kW(64PS)/6,400rpm | |
エンジン最大トルク | 92N・m(9.4kg・m)/3,200rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,590,000円(消費税抜) |
ウェイクってカーブでコケないの…? 不安なく走れるのでご安心を!
ダイハツ ウェイク
商用車を除けば空前絶後の全高というだけあって、ウェイクの運動性能、特にカーブでの安定性に対する不安の声を聞くこともあります。
もちろん、エンジンの排気量が定められている軽自動車においては、車両重量はパフォーマンスに直結してくる大事な部分で、やや重めとなっているウェイクは、動力性能面ではハンデをかかえていることは否めません。
しかし、ウェイクを運転してカーブを曲がってみれば、その安定感をすぐ感じてもらえるはずです。それもそのはず、より軽量高剛性を目指した設計の妙で、主流のスーパーハイトワゴンであるタントの3代目モデルと比べても重心の高さは10mmしか高くなっていないというのですから、納得ですね。
スーパーハイトワゴン全体として、高速道路などでは横風にあおられやすいのではとお考えの方もいらっしゃると思いますが、重量がある程度あってどっしりと地に足着いていることもあって、安定性はお墨付き。大型トラックに追い越されるなんて緊張のシーンでも安心です。
ドライブがお好きな方でも、十分満足できるはずです。
■小回りも実は得意科目!パノラマモニターで駐車もラクラク
《画像提供:Response 》ダイハツ ハイゼットキャディー 最小回転半径(参考)
ウェイクは実は小回りも得意科目。大柄なボディから取り回し性能が悪そうなイメージもあるかもしれませんが、なんと最小回転半径は4.4mと、ハンドルがしっかり切れるため、駐車やUターンもラクラクです。
15インチの大径アルミホイールを装着するグレードでは4.7mとなりますが、それでも軽自動車の基準としては一般的。
さらにオプションでパノラマモニターを装着すれば、目的地のアクティビティスペースの駐車場がとんでもなく狭かった!だったり、キャンプ場までの道がびっくりするほどクネクネだった!なんてシーンでも、安心して運転できることでしょう。
ウェイクならこんな使い方もできる!おすすめ利用シーン
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク ロッドホルダー装着例
高められたルーフ高に合わせ、シートの着座位置なども高めに再設定されており、乗り降りのしやすさにつながっているウェイクですが、やっぱりそれでも頭上の空間はちょっと余りがち。
そこでおすすめなのが、頭上を収納スペースに変えてしまえるアクセサリーを装着することです。
釣りをされる方なら、長さのある釣竿の収納に困った経験をお持ちの方も多いはず。ウェイクはルーフの長さもしっかりあるので、ロッドホルダーを活用して頭上に釣竿を収納するのにぴったりすぎる車となっています。
もちろんロッドホルダーだけでなく、多目的に使える棚を設置したり、伸縮パイプとネットを合わせて網棚にしてしまったりとアイデアは無限大。運転時に荷物が落下したり視界の妨げにならないように気をつければ、雨に濡れないし埃も被らないビッグな室内収納スペースを確保できることでしょう。
2シーターのウェイク?! ハイゼットキャディーにも注目だ
《画像提供:Response 》ダイハツ ハイゼットキャディー インテリア イメージ
とんでもなく大きな室内空間を活かし、軽商用バンとしては異例のFF車としてラインナップされているのが、ウェイクからリヤシートをなくしたお仕事仕様、ハイゼットキャディーです。
荷室の長さが求められる軽バンでは、運転席と助手席の下にエンジンを配置するキャブオーバー型のレイアウトが主流です。しかしその場合、前席はやや高い位置になってしまうので身長に応じて乗り降りがやや難しかったりすることも。
ハイゼットキャディーなら、まるで乗用車のような乗り降りのしやすさと、しっかりした荷室高を両立することができます。
後部座席が装備される仕様が主流の軽バンの中でも異例の2シーター限定仕様な点は利用シーンを選びそうですが、バンっぽくない外観は花屋さんなどがおしゃれに乗りこなすとバッチリ決まりそうですね。
【2021年最新】ダイハツ ウェイク 新車・中古車価格まとめ
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク インテリア
2021年3月現在、ウェイクの基本グレード構成は、最廉価グレードの「D」、アルミホイールや両側パワースライドドアが加わる「L」、LEDヘッドランプや革巻ステアリングホイールなど豪華装備の最上級グレード「Gターボ」の3種類となっています。
LとGターボには、荷室と座席のイージーケアフロアや荷室ユーティリティフックなどの便利装備が標準装備となる「レジャーエディション」がそれぞれ設定されているほか、現在は特別仕様車の「リミテッド」も設定されています。
また、パノラマモニター対応のナビ装着用アップグレードパックを備えつつ、ベース車両から両側電動スライドドアなどの装備を省くことで価格を引き下げた特別仕様車「スペシャルリミテッド」もLに設定されており、求める機能性に応じたグレードの選びやすさに磨きをかけています。
税抜新車価格帯としては、スマアシすら省かれた最も廉価なD 2WDグレードが125.0万円から、最も高価なトップグレードのGターボ “レジャーエディション SA III” 4WDの170.5万円までとなっており、価格帯の差は大きめ。
室内の広さなど基本部分は共通ですので、どの程度の装備が必要なのか、吟味しておきたいところですね。
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク インテリア
中古車としては、高価格帯で趣味性の強い車種ながら、1,700台以上も中古車在庫台数が確認できるなど、意外な人気があることがうかがえます。
税込中古車本体価格平均では133.8万円となっており、2014年デビューとやや古めの車両も含まれることもあって、こちらも意外と低めの価格帯で推移している様子。最安のものではなんと本体価格で40万円台から探すこともでき、唯一無二のユーティリティを誇る車だけに、お買い得感が強いですね。
先ほどご紹介したハイゼットキャディーは、特殊すぎる成り立ちからか中古車ではわずか40台という在庫数となっていますが、新車価格の安さも手伝ってこちらは平均価格 86.8万円とさらに低価格。後席が必要ない方なら、こちらもぜひおすすめしたいところです。
まとめ
《画像提供:Response 》ダイハツ ウェイク
ラインナップが豊富なダイハツの中でも異色のトンガった軽、ウェイクをご紹介してきました。
背が高くなったからって、タント以上の使い勝手にはならないでしょ!と思ってしまいそうになるものの、実車を見ればその差は歴然。あらゆる活用アイデアをしっかり受け止めてくれる懐の深さこそ、ウェイクの魅力と言えるでしょう。
意外と中古車市場でも豊富な台数が確認できますので、唯一無二の存在をお安く手に入れることも可能。次の大冒険のお供に、ウェイクを迎えてみてはいかがでしょう。