軽ハイトワゴンとは?
国内で日本の道路事情に合わせて独自の規格を採用している軽自動車。ミニバンなどが人気を集めていた流れから、軽自動車でもトールワゴンの人気が高まっています。
トールワゴンではワゴンRのようなヒンジタイプのリアドアを持つタイプの軽自動車です。
軽ハイトワゴンの選び方のポイント
《画像提供:Response》スズキ・スペーシア
車選びにはどうしても両立しない分野があり、希望条件をすべて満たした車はなかなか見つからないものです。例えば、性能を最大限に求めたら、価格はそれだけ高くなります。「性能が最高で、でも価格は1番安い車」は基本成立しません。
ですから、自分にピッタリ合った軽ハイトワゴンを選ぶには、自分が求める条件の優先順位を明確にしておくことが大切です。
そこで、軽ハイトワゴン選びのポイントを4つ解説します。
■1:人気の車種を選ぶ
ひとつめは「人気の車種から選ぶ」という方法です。売れている車種には、それだけの理由があります。人気の車種から選べば、平均以上の満足度を期待でき、後悔することも少ないでしょう。
さらに人気の車種は手放す際に高値がつきやすいため、将来性のある買い物ともいえます。
とくに気になる車種がなければ、まずは人気の車種から考えてみると、希望に合う車が見つけやすいでしょう。
■2:デザイン性で選ぶ
ドライブしたり買い物したりと、車は人生をともにするパートナーともいえます。そのため、「デザインで選ぶ」ことも大切です。見た目やデザインが気に入ればその分愛着がわきますし、運転がさらに楽しくなるでしょう。
軽ハイトワゴンのカテゴリーはバラエティーに富んでおり、レトロ調のものからカッコいいデザインのものまで魅力的な車種が揃っています。ぜひデザインを見比べて、お気に入りを見つけましょう。
■3:使用用途に合っているかどうかで選ぶ
「使用する用途」によっても自分にベストな車は異なりますから、どんなシーンで使うのかを考えることも車を選びやすくするポイントです。
毎日の通勤で使いたいのであれば燃費や走行性能が優れた車を選ぶのがいいでしょうし、家族の送迎が中心であれば後ろスライドドアの乗り降りしやすい車がベストでしょう。
自分のニーズをよく考え、使用用途に合っているかどうかを吟味してみましょう。
■4:価格で選ぶ
「価格で選ぶ」のも、車選びの大切なポイントです。軽自動車のセールスポイントは、車両価格と維持費ですから、価格を重視するのは自然な流れでしょう。
自動車の価格は上昇し続けていますが、軽自動車であれば限られた予算でも、無理のない範囲で車を選べます。
おすすめの軽ハイトワゴン10車種!
ここからは、ハイトワゴンの中でも近年人気の全高の高いモデルをご紹介します。各社多種多様なモデルを販売していますが、特徴が異なるので自分にあったモデルを選択するとよいでしょう。
2020年4月から9月までの販売台数ランキングの上位に入っている軽ハイトワゴンを見ていきましょう。
■ホンダ N-BOX
《画像提供:Response》ホンダ N-BOXカスタム
日本で最も売れている軽自動車は、ホンダのN-BOX。初代も販売台数を伸ばしていましたが、2017年8月に2代目が発売されてからも、販売実績を伸ばし続けておりぶっちぎりで販売台数トップになっています。
人気のジャンルだけに、使い勝手は十分よくファミリーカーとしても使える車です。特にN-BOXの場合には、ホンダが得意としている低床の車造りから生まれた開口部の低いリアゲート、また乗りやすい高さが魅力です。
ホイールベースも他車と比較すると、2,520mmを超えるなどと車内の広さにつながるスペックとなっています。全高は1,790mmとライバル車種と変わらないスペックです。N-BOXの他のモデルと比較した強みを見てきます。
ホンダの安全装備が充実している
《画像提供:Response》ホンダセンシング CMBS 横断自転車検知イメージ
2017年にモデルチェンジしてから、全グレードにホンダセンシングが標準搭載されています。ホンダの軽自動車としては初めてとなり、ライバル車種と比較した強みでもあります。N-BOXは国土交通省や経済産業省が推奨している安全装備の「サポカーSワイド」に定められている車です。
サポカーSワイドというのは、対歩行者、対車両だけでなく、ペダル踏み間違い時加速抑制装置や車線逸脱警報なども搭載されている車のことです。「サポカー」「サポカーSベーシック 」、「サポカーSベーシック+」に次いで、最高評価の先進安全装備。
特にN-BOXに搭載されているアダプティブクルーズコントロールは、あらかじめ設定した速度で定速走行できます。前走車が速度を上げると、適度な車間距離になるように自動で調節してくれます。高速道路で活用すると、運転手の疲労を軽減してくれるので、画期的な装備です。
車線維持支援システムや標識認識機能も道路標識の見逃しを防ぐので、安全に運転できるように補助してくれます。
足回りの良さが光る
《画像提供:Response》ホンダ N-BOX
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,790mm | |
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ホイールベース | 2,520mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 890kg | |
燃費 | WLTCモード:21.2km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 43kW(58PS) /7,300rpm | |
最大トルク | 65N・m (6.6kgf・m) /4,800rpm | |
駆動方式 | FF | |
トランスミッション | 自動無段変速機(CVT) |
軽ハイトワゴンは車高が高いので、走行安定性が欠ける傾向があります。しかしN-BOXは足回りがしっかりとしているので、直進安定性が高く、ボディが揺れてしまうような路面でも安定してまっすぐに走行してくれます。
車線逸脱防止制御が備えられているので、高速巡航のときに車線から逸脱しそうなときでもステアリングを支援してくれるのが特徴です。
ワインディングを攻める車ではありませんが、コーナーでも安定しているのもN-BOXの特徴です。低重心に造られているので、手ごたえがあるステアリング操作で安定してコーナーを曲がれます。軽ハイトワゴンの中で足回りの安定したモデルがよい方におすすめです。
■ダイハツ タント
《画像提供:Response》ダイハツ タント Xターボ セレクション
2003年に初代モデルが発売されてから、軽ハイトワゴンというジャンルを切り開いたモデル。2代目から「ミラクルオープンドア」と呼んでいるBピラーがない構造が大きな特徴です。また助手席がロングスライドすること、シートレールを床に埋め込むことで車内を使いやすくしているのもタントの魅力。
現行モデルは2019年にデビューしており、運転席でもロングスライド機能を活かせるので、後席へのアクセスが容易になりました。もちろん現行モデルでもセンターピラーレスとスライドドアの組み合わせは採用されています。
乗り降りのしやすさや子どもを乗せたりしやすいので、ファミリー層に人気のあるモデルです
使い勝手のよいスライドドア
《画像提供:Response》ダイハツ タントカスタム
軽ハイトワゴンのジャンルを切り開いただけに、スライドドアの使い勝手はライバル車種を圧倒します。ミラクルオープンドアの使いやすさを向上させる複数の機能が搭載されています。例えば、運転席が540mmも動かせるので、運転席と後席の移動ができたり、ピラーインドア側から運転席に乗り降りも可能です。
「パワースライドドア タッチ&ゴーロック機能」はパワースライドドアが閉まり切る前に、フロントドアハンドルのタッチ式リクエストスイッチに触れておくと、自動でロックされる機能です。子どもを連れているときに嬉しい機能。
車に戻ってきたときも、パワースライドドアの「ウェルカムオープン機能」があるので、手がふさがっているときでも開錠操作なしでスライドドアを開けられます。ファミリー層に嬉しい機能が多く搭載されており、使い勝手のよさが光るのが特徴です。
NAモデルでも乗り味がよい
《画像提供:Response》ダイハツ タント
NAモデルでも上質な走りになっているのも特徴です。軽ハイトワゴンは車高が高いだけでなく、車重も900kgほどあるので重めです。しかしタントのエンジンはNAであってもトルクのある走りになるので、街乗りでは十分な力強さを見せてくれます。
もちろん高速道路や登坂路ではターボモデルほどの力はありませんが、街乗り中心であれば十分な走りです。またフラットな乗り心地なので、カーブを曲がるときや車線変更するときでも安定して走行できます。コンパクトカーと遜色ないほどまで上質な乗り心地になっているのがタントの特徴です。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,755mm | |
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ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 910kg | |
燃費 | WLTCモード:22.7km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,900rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kg・m) /3,600rpm | |
駆動方式 | FF | |
トランスミッション | CVT |
■スズキ スペーシア
《画像提供:Response》スズキ スペーシアカスタム・スペーシア
N-BOXの次に販売台数を伸ばしているのがスペーシアですが、現行モデルになって先代モデルのイメージから大きく変わっています。パレットの後継車として2013年に発売されたときには、ワゴンRの背の高いバージョンというイメージでしたが、2017年にモデルチェンジすると、ポップな雰囲気に大きく変わっています。
現行のスペーシアになってからは、スーツケースをモチーフとした新しいエクステリア雰囲気や全車にマイルドハイブリッドを搭載して、燃費性能を向上させていることが特徴です。軽ハイトワゴンは燃費を犠牲にすることがありますが、可能な限り低燃費を実現しているのがスペーシアです。
軽ハイトワゴンの中でも出来る限り燃費のよいモデルがよい方や、スーツケースのようなかわいいデザインが好みの方におすすめ出来るモデルです。
全車マイルドハイブリッド搭載
《画像提供:Response》スズキ スペーシア
モーターでアシストするマイルドハイブリッドが搭載されています。アイドリングストップから再始動させるときでも音や振動が少なく、クリープでのモーター走行も可能で低燃費に寄与しています。
ISG(モーター機能付き発電機)が高出力化されているので、最長10秒間のモーターによるクリープ走行と幅広い速度域でのモーターアシストが可能となりました。またパワーモードが搭載されており、坂道や高速道路での合流のときに力強い加速で走行できます。
WLTCモードでの燃費は22.2km/Lと、軽ハイトワゴンの中では良好な燃費となっています。力強さを求めるのであれば、スペーシアカスタムのターボモデルになり、燃費は少し悪くなることは覚悟しなければいけません。しかしターボモデルでもマイルドハイブリッド仕様となっているので、燃費はWLTCモード19.8km/Lで、少しの燃費を犠牲にした分だけ力強く走れます。
新しいジャンルに挑戦した見た目の変化
《画像提供:Response》スズキ スペーシア
スーツケースをモチーフにしたという先代からは大きくエクステリアの印象を変更させているのがスペーシアです。競合車は基本的にキープコンセプトでモデルチェンジしているものが多いですが、スペーシアは見た目の印象が大きく変わっています。
遊び心があるエクステリアデザインが採用されており、道具として使いやすいことが外装のイメージから想像できます。
インテリアでもグローブボックスの上部がスーツケースのような模様を採用しており、カジュアルな雰囲気です。スペーシアにもカジュアルな雰囲気でも実用的な収納があるので、使いやすいデザインになっています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,785mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 870kg | |
燃費 | WLTCモード:21.2km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,500rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kg・m) /4,000rpm | |
電動機種類 | 直流同期電動機 | |
最高出力 | 2.3kW(3.1PS) /1,000rpm | |
最大トルク | 50N・m (5.1kg・m) /100rpm | |
駆動方式 | 前2輪駆動 | |
トランスミッション | CVT |
■三菱 eKクロススペース
《画像提供:Response》三菱 eKクロススペース
eKクロススペースは三菱から発売されているSUVテイストの軽ハイトワゴンです。eKスペースの上級車種となっているのですが、これまではeKスペースカスタムが設定されていたのですが、さらにユニークなeKクロススペースに変えられて、独自のエクステリアデザインで勝負しています。
全体が先代よりも変更されているだけでなく、見た目も力強さが強調されて、独特のよさが表れています。フロントデザインには三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」が採用され、一目で三菱の車と分かるようになりました。
他の車と一緒のデザインはイヤだという方、SUVらしい軽ハイトワゴンがよい方におすすめでしょう。
デリカD:5のような見た目
《画像提供:Response》三菱 eKクロススペース
ミニデリカとも呼べるような、三菱のデザインコンセプトが前面に出されたエクステリアデザインは魅力。フェンダーのホイールアーチやボディの下側に、ブラックのガーニッシュが備えられており、SUVらしさが出ています。
またルーフレールが設定されていることも、アクティブに使える雰囲気を演出しています。軽ハイトワゴンの中でも個性あるモデルです。
使い勝手も向上させている
《画像提供:Response》三菱 eKクロススペース リアシート
見た目が力強いだけでなく、使い勝手も向上しており、普段使いからアウトドアまで使えます。後席のスライド量は、クラストップレベルの320mmで、左右分割されていることからシートアレンジが豊富です。
子どもがいる家庭で、助手席側後席を大きくスライドさせると、後席にいる子どもまで手を伸ばすことが可能です。助手席の肩には、シートリクライニングレバーがあるので、背もたれを倒しやすくなっています。
車内高も1,400mmを確保しているので、子どもであれば立ったまま着替えることもできるでしょう。助手席の後ろには、USBポートがあるので後席でもスマホの充電ができます。後席に人が乗ることが多い軽ハイトワゴンの使い勝手を考えた機能があります。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,780mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,495mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 960kg | |
燃費 | WLTCモード:20.9km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,400rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kgf・m) /3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
最高出力 | 2.0kW(2.7PS) /1,200rpm | |
最大トルク | 40N・m (4.1kgf・m) /100rpm | |
駆動方式 | 2WD | |
トランスミッション | CVT |
■ダイハツ ウェイク
《画像提供:Response》ダイハツ ウェイク
2014年から軽最大の室内空間を実現したモデルとして発売されているのがウェイクです。1,835mmという車高で大人が4人乗っても十分なスペースを確保しているので、アウトドアに出かけるときでも窮屈さを感じることはありません。
室内高は1,455mmとなっています。大人でも窮屈に感じにくいほどのスペースですし、「ドデカくつかおう」というコンセプト通りに使いやすいモデルです。ライバル車種と同じようにタイヤがボディの隅にあり、出来る限りスペースを効率よく使うために、短いボンネットと直立されたフロントウィンドウは同じようなデザインです。
シートアレンジが豊富で使いやすい
《画像提供:Response》ダイハツ ウェイク Gターボ レジャーエディション SAII
後席も左右独立式のスライド機能があるので、荷物の種類や大きさに合わせてシートアレンジできることは特徴です。大人が4人乗るときには、後席を前に出したとしても足元の広さを確保しながら、荷物を積載できます。
荷室は床下収納があるので、高さがある荷物でも問題ありません。助手席を倒してしまうと、長尺物を簡単に積載することができ、自転車を2台積載することも可能です。自転車を積み込んで、アウトドアに出かけて、サイクリングを楽しむという使い方もできます。
助手席を倒すと、背面がテーブルになるので、車内で食事もしやすいです。汚れがつきにくいシート背面になっているので、汚れを気にせずに使えます。
安全装備も搭載している
《画像提供:Response》ダイハツ ウェイク
スマートアシストⅢを搭載しており、サポカーSワイドに適合しています。車だけでなく歩行者を検知して、「衝突回避支援ブレーキ」を制御したり、車線からのはみ出しを防止する、「車線逸脱警報機能」が搭載されています。
また信号待ちで先行車が発進すると、ブザー音とメーター内表示で知らせてくれる「先行車発進お知らせ機能」があるので、うっかり気づかないということもありません。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,835mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,455mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 990kg | |
燃費 | WLTCモード:17.4km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,800rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kg・m) /5,200rpm | |
駆動方式 | FF | |
トランスミッション | CVT |