シリーズ式プラグインハイブリッドモデル「MX-30 Rotary-EV」発表
《画像提供:Response》 《写真撮影 中野英幸》 11年ぶりに復活したロータリーエンジンを搭載するマツダ『 MX-30 ロータリーEV』
マツダ「MX-30」は、新しい観音開き式扉「フリースタイルドア」を採用したクロスオーバーSUV。マツダの電動化を主導するモデルとして、2020年に登場で、これまでにBEV(バッテリーEV)とマイルドハイブリッドモデルを国内に導入しました。
ボディサイズは、全長4,395mm×全幅1,795mm×全高1,550-1,565mmと比較的扱いやすいサイズ感です。
2023年9月14日、そんなMX-30に追加される形で登場した新型「MX-30 Rotary-EV」は、シリーズ式プラグインハイブリッドモデル。その走行の全てをモーターで駆動し、発電機として搭載したエンジンによる発電でさらなる長距離ドライブにも対応させています。
発電機として採用したのは、世界でマツダだけが量産化に成功したロータリーエンジン。最高出力53kW、最大トルク112Nmを発揮する新たに開発された発電用のロータリーエンジンは、必要とされる出力性能を省スペースで実現できるロータリーエンジンの特徴を活かし、最高出力125kW・最大トルク260Nmを発揮する高出力モーター、ジェネレーターと同軸上に配置してモータールームに搭載しています。
《画像提供:Response》《写真撮影 中野英幸》 マツダ MX-30 ロータリーEVに搭載される8C型ロータリーエンジン
そして、このコンパクトな電動駆動ユニットと、17.8kWhのリチウムイオンバッテリー、50Lの燃料タンクを組み合わせることで、独自のシリーズ式プラグインハイブリッドシステムを実現。ハイブリッド燃料消費率15.4 km/l (WLTCモード)、EV走行換算距離(等価EVレンジ)107 km(WLTCモード)を達成しました。
走行モードには、できるだけ長くEVとして走行を続けたいときに使う「EVモード」、ロータリーの発電電力との組み合わせで走りの良さを維持するモード「ノーマルモード」、夜間の住宅街などの静かに走りたいシーンやキャンプなどでの給電機能の使用に備えて、必要なバッテリー残量を確保しておきたいときに使うモード「チャージモード」の3つを用意。
またEVモデルで培った車両運動制御技術が適用され、全方位につながったシームレスな車両挙動、常に路面に吸い寄せられているかのような落ち着きのある走りの質感、直感的に扱えて手足のように動かせるコントロール性を他モデル同様、実現しています。
さらに普通・急速両方の方式に対応した充電機能や、1,500Wの給電機能(V2L・V2H)も利用可能です。
MX-30 Rotary-EVには、これまでのホワイト内装「Modern Confidence」とブラウン内装「Industrial Classic」の2色に加え、新たにブラック内装「Natural Monotone」を追加。今までのMX-30のイメージにない、シャープなスタイリッシュな印象としています。
《画像提供:Response》《写真提供 マツダ》 マツダ MX-30 ロータリーEV
ロータリーエンジン搭載スポーツカー「RX-8」の生産終了から約11年ぶりのロータリーエンジン車復活となるMX-30 Rotary-EVですが、この復活を象徴する「Return」(リターン)の頭文字から取った「R」をネーミングに採用した、特別仕様車「Edition R」(エディション アール)を設定。
黒基調の外板色および内装色としながら、ルーフサイドにはマツダ初の乗用車である「R360 クーペ」のルーフ色を復興したマローンルージュメタリックを差し色として採用するほか、フロアマットやシートのヘッドレストには、ローターの形状を模したバッジやエンボス加工などの専用デザインを施しています。
価格は、423万5000円から、491万7000円。現在予約受付が開始されており、正式な発売は11月となる見込みです。