【2024年版】世界のモーターショー スケジュールまとめ

モーターショーは、自動車メーカー各社が近い将来に発売する新型車をはじめ、未来を見据え新しい技術を取り入れたプロトタイプの車やコンセプトカー、また車の関連製品などを集めて催す「車の展示会」や販売も行われる「見本市」で、オートショーやオートサロンとも呼ばれます。

多くの車好きが来場し、メディアからの注目度も高いため、新型車発表の場として活用され、今後市販化を目指すプロトタイプの車や、テクノロジーおよびデザインの進化を反映させたショーモデル的なコンセプトカーも数多く展示されるところも特徴です。

モーターショーは、世界各国で開催されており、100年以上続く歴史あるモーターショーから、カスタムカーやパーツを中心に展示されるオートサロンまで多岐にわたります。

ここでは、2024年に開催される（一部開催済み）世界のモーターショーを紹介します。

【開催日】2024年1月12日～1月14日

東京オートサロンは、数多くのチューニングカーやカスタムカーが展示されるモーターショーで、毎年1月の第2週の週末（金・土・日）に開催されており、2024年は1月12日～14日の週末に開催されました。日本で開催されるカスタムカーショーの中で最大規模を誇り、アメリカのSEMAショー、ドイツのエッセンモーターショーと並ぶ世界3大カスタムカーショーの一つです。

1983年にチューニングカー雑誌「OPTION」の初代編集長が、カスタムカー文化を世に広めるため「東京エキサイティングカーショー」として、晴海の東京国際見本市会場で初開催しました。その後、1987年には「東京オートサロン」に名称を変更し、会場も1997年に東京ビッグサイト、1999年に幕張メッセと年々規模を拡大。

開催当初は、チューニングやドレスアップなどをメインとしたショップの出展がほとんどでしたが、今では国内外の自動車メーカーが新型車を発表したり、カスタムされることを前提とした車両の発表展示も行われています。

出展者の増加や自動車関連製品の多様化に伴い、近年ではカスタムパーツだけでなく、自動車関連のゲームからファッション製品まで幅広い展示販売も行われています。また、屋外展示場ではレーシングマシンや新車のデモランも披露。

そのほか、話題のアーティストらが出演するライブステージや日本レースクイーン大賞授賞式の開催など、車のチューニングやカスタムが好きな人はもちろん、車を利用するファミリーも十分楽しめるモーターショーです。

【開催日】2024年2月10日～2月19日

シカゴオートショーは、1901年3月23日の初開催から120年以上の歴史があり、アメリカのシカゴで毎年開催されている全米最大級のモーターショーです。2024年は2月10日～2月19日で開催され、新型車の発表をはじめ、レーシングカーやレトロカーといった車両のほか、自動車関連製品など多岐にわたり出展されました。

2024年のシカゴオートショーは、3つの屋内試乗コースと3つの屋外試乗イベントなど、多くのインタラクティブな要素と魅力的なアクティベーションが特徴。

屋内試乗コースでは、日産、テスラ、BMW、キャデラック、シボレー、フォード、キア、ルシッド、フォルクスワーゲンの最新EVを体験できる「シカゴ・ドライブ・エレクトリックEVトラック」を設置し、屋外試乗イベントでは、スバル、フォード、キアなどが市街地での試乗体験を提供しました。

日本車の展示車両では、日産が北極から南極まで走破した「アリア e-4ORCE」を実際に走行していたように雪を被った状態で展示し、走破の過酷さを演出。他には、スバルが新型フォレスターを、トヨタが新型クロスオーバーの「クラウン・シグニア」を展示しました。

【開催日】2024年2月15日～2月25日

インドネシア国際モーターショーは、1986年に開催した「ガイキンド自動車展示会」がルーツで、インドネシア自動車工業会が主催するモーターショーです。2006年からは国際展示会へと発展したことから現在の名称となり、数多くの自動車メーカーが参加しています。

毎年7月・9月の夏や4月・5月の春に開催されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による2020年の中止を挟み、2023年以降は2月開催となり、2024年は2月15日～2月25日に開催されました。

日本車が圧倒的なシェアを誇るインドネシアだけあり、トヨタ、ホンダ、三菱など日本の自動車メーカーをはじめ数多くのメーカーが参加。また、車だけでなく二輪車の展示もあり、ホンダやヤマハなどのメーカーが出展したほか、中国や韓国などから複数のブランドがBEV（バッテリー式電気自動車）を展示していました。

その中でも、2025年までにインドネシアでBEV生産を開始すると発表しているベトナムのEVメーカー「ビンファスト」が初出展し、VF5、VFe34、VF6、VF7など多目的スポーツ車（SUV）タイプのBEVを発表したことも注目されました。

【開催日】2024年2月27日～3月3日

ジュネーブ国際モーターショーは、 初開催が1905年と100年以上の歴史のあるモーターショーで、サロン・アンテルナショナル・ド・ロトとも呼ばれています。スイスのジュネーブで毎年春に開催されている大規模な国際自動車見本市で、世界5大モーターショーの一つです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年以降は中止となり、2023年はジュネーブではなくカタールで10月に開催されたので、2024年はじつに5年ぶりのジュネーブ開催となりました。国内外の自動車メーカーが多数出展しましたが、日本からはいすゞのみの出展でした。

フランスのルノーは、小型ハッチバックEVの「ルノー 5（サンク） E-TECHエレクトリック」や新型電動SUV「セニックE-TECHエレクトリック」といったEVをおもに出展。イタリアのエキゾティックカーメーカー「キメラ」は、最高出力600psを発生する新型スポーツクーペ「EVO38」を披露するなど、注目の車が多数展示されました。

【開催日】2024年3月27日～4月7日

バンコク国際モーターショーは、タイの首都バンコク北西郊外にある国際展示場インパクト（IMPACT）で開かれる、東南アジア最大規模の国際自動車見本市です。2024年は3月27日～4月7日の期間で開催され、約161万人が来場しました。

タイは、東南アジア最大の自動車生産量を誇り、古くから日本の自動車メーカーとの深い繋がりがありますが、近年は中国系の自動車メーカーの進出がめざましくなっています。バンコク国際モーターショーは、新型車の展示だけでなく、販売も行われることで有名です。

会場内での新車販売では、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スズキ、いすゞと日本の自動車メーカーが多数行っていましたが、中国もBYD、上海汽車のMG、長安汽車、広州汽車のAION、長城汽車のGWM、合衆新能源汽車のNETAと日本に肩を並べるほど。その他は、欧州のメルセデス・ベンツやBMW、アメリカのフォード、韓国の起亜と現代も参加していました。

【開催日】2024年3月29日～4月7日

ニューヨーク国際オートショーは、アメリカのニューヨークで毎年春に開催される世界的に有名な国際自動車展示会です。初開催は1900年と古く120年以上の歴史があり、世界で初めて開催されたモーターショーとしても有名です。2024年は3月29日～4月7日の期間に、マンハッタンのジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターで開催されました。

世界各国の新型車やコンセプトカーが展示されるのはもちろん、屋外には人工的に作られた登坂路や障害物をジープなどの四駆車に乗って走行ができる「エクスペリエンス・ザ・ライド」や、電気自動車を試乗できる「EVテストトラック」などが設けられ、実車を見るだけでなく体験もできます。

展示車両も幅広く、ポルシェやマクラーレン、ランボルギーニといったスーパーカーから、ジープやランドローバーのSUV、往年のクラシックカーなどさまざま。近年では「カーボンニュートラル」の考えから、各社EVの展示が目立っています。

また、ニューヨークニックスのレジェンド、ラトレル・スプリーウェルや、ニューヨーク・ジェッツの引退ワイドレシーバー、ウェイン・クレベットといった有名人を迎えたイベントも開催され、車好きだけでなく、多くの人が楽しめるモーターショーです。

【開催日】2024年4月25日～5月4日

オートチャイナは、中国の北京と上海で隔年交互に開催されているモーターショーで、世界で最も重要な国際自動車展示会の一つとして認識されています。21回目の開催となる2024年は、4月25日～5月4日の期間に北京で実施される予定です。

昨年の2023年に行われたオートチャイナ2023（上海モーターショー2023）は、会場面積が36万平方メートルと、東京モーターショーの会場でもおなじみの東京ビッグサイトの9倍以上の広大な海上で実施され、EVやBEVなど1,413台を展示。

10日間の開催で90万人以上が来場し、主催国である地元中国の自動車メーカーが新型BEVを展示したのをはじめ、ヨーロッパ勢はフェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーからロールス・ロイスなどの超高級車を、そして日本勢ではトヨタ、日産、ホンダなども参加しました。

昨年同様、今年のオートチャイナも中国車を中心に世界各国の新型車や電気自動車、コンセプトカーなどが多数展示され、大いに盛り上がると予想されます。

【開催日】2024年8月15日～8月18日

英国国際モーターショーは、1903年に初開催された120年以上の歴史ある国際自動車工業連合会（OICA）認定の自動車展示会です。2004年まではイギリスのバーミンガムにある会場で開催していましたが、2006年からはロンドンのドックランズ地区に移ったため「ロンドンモーターショー」とも呼ばれています。

2008年までは2年おきの偶数年に開催していましたが、2010年は世界金融危機に端を発する景気後退のため、2012年は自動車メーカーの宣伝費抑制を理由に開催中止が続き、次に開催されたのは2016年でした。2020年も開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、翌年の2021年7月16日～7月18日に開催されました。

【開催日】2024年8月19日～8月22日

モスクワ国際モーターショーは、国際自動車工業連合会 (OICA) が認定する国際自動車展示会で、ロシアのモスクワにあるクロックスエキスポにて2年ごとの偶数年に開催し、地元ロシアの自動車メーカーであるLADA（ラーダ）を中心に、世界各国の新型車がお披露目されます。

近年の2016年と2018年の開催では、ウクライナ情勢の影響でロシアと対立する西ヨーロッパやアメリカ諸国、そして日本などの各自動車メーカーが出展を取りやめたことで、国際モーターショーとしては華やかさに欠け、2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になりました。

【開催日】2024年10月14日～10月20日

モンディアル・ド・ロトモビルは、フランスのパリで偶数年の秋に開催される大規模な国際自動車見本市で、世界5大モーターショーの一つ。1986年以前は「サロン・ド・ロト」の名称で開催され、1988年に現在の名称に改称されました。日本ではパリモーターショーとも呼ばれています。

第90回を記念する2024年は、10月14日～10月20日の期間にパリのポルト ド ベルサイユで開催される予定です。特別な新しい大規模イベントとして、没入型でお祭り気分が漂い、車好きの人はもちろん、一般の人々すべてを驚かせる催しになるとのこと。

ポルト ド ベルサイユの中心部にあるパルク エキスポの5つのホールがモーターショー専用エリアとなり、来場者は屋内外を自由に移動して、世界各国から集まった新型車をはじめ、コンセプトカーや最新技術を堪能できます。

【開催日】2024年11月5日～11月8日

SEMAショーは、米国自動車用品工業会（SEMA）が主催するチューニングおよびカスタムパーツの見本市で、1967年から50年以上の歴史があります。当初はロサンゼルスで開催されていましたが、現在はラスベガスのコンベンションセンターで開催されています。

日本の東京オートメッセ、ドイツのエッセンモーターショーと並ぶ世界3大カスタムカーショーの一つで、世界最大の規模を誇り、世界中のカスタムパーツメーカーやバイヤー、自動車メーカーが一堂に会する会場は圧巻です。

毎年、クラシックカーやピックアップトラック、スポーツカー、そしてEVまで網羅した数多くのカスタムカーが展示されるだけでなく、ドリフトのデモ走行が披露されるなどエンターテイメント性も高く、全世界から7万人以上が訪れます。

日本からは福岡にあるチューニングショップ「ガレージアクティブ」が、アメリカでも人気が高い「R32型 スカイラインGT-R」をフルチューンしたフルカーボン仕様を、船と飛行機を使ってアメリカまで運び、展示したことも有名です。

【開催日】2024年11月15日～11月24日

広州国際モーターショーは、毎年11月または12月に中国の広州市にある中国進出口商品交易会展館で開催されるモーターショーで、国際自動車工業連合会から認定されたモーターショーには含まれていませんが、中国の5大モーターショーの一つです。第22回目となる2024年は、11月15日～11月24日の期間で開催される予定です。

前回開催の2023年では、トヨタが全長5mの次世代EVセダンコンセプトを、フォルクスワーゲンは新型EVセダンの「ID.7 VIZZION」、そしてメルセデスベンツはEクラスセダンのロングホイールベース車「EクラスL」などが発表されました。

その他には、2023年に日本発売となったレクサスのLMや、2024年に日本導入が決定しているミドルクラスSUVの新型GXなど、今後発売される新型車を中心に展示されました。

【開催日】2024年11月22日～12月1日

ロサンゼルスオートショーは、1907年から毎年アメリカのロサンゼルスにあるロサンゼルス・コンベンションセンターで開催される国際自動車展示会です。100年以上続く歴史あるモーターショーで、北米最大級の規模を誇ります。

アメリカで開催されるモーターショーは、北米国際自動車ショー（デトロイトモーターショー）をはじめ、シカゴオートショーやニューヨーク国際オートショー、SEMAショーも有名ですが、これらは自国であるアメリカの自動車メーカーがメインです。

一方、ロサンゼルスオートショーは、アジアやヨーロッパの自動車メーカーが数多く参加するところが特徴です。2023年の開催では、トヨタが新型のクロスオーバーSUVのクラウン シグニアや新型スポーティグレードのカムリ、ホンダは一世風靡したプレリュードのコンセプトカー、スバルは新型のフォレスターと、アメリカでも人気が高い車を出展。

また、ロサンゼルスという土地柄から、環境に配慮した車の展示が目立つ特徴もあります。カリフォルニア州は「2035年までにガソリン車の新車販売を全面禁止」としているため、環境に配慮したハイブリッド車やEVへの関心が高く、各自動車メーカーもそれらの新型車を発表する場として活用しています。

【開催日】2024年11月30日～12月8日

エッセンモーターショーは、ドイツのエッセン市で毎年開催されるチューニングカーやドレスアップカーを中心とした自動車ショーです。初開催は1968年と古い歴史があり、当初は「国際スポーツ＆レーシングカー展示会エッセン」という名称でした。

日本の東京オートサロン、アメリカのSEMAショーと並ぶ世界3大カスタムカーショーの一つで、SEMAショーが開催されるまでは世界最大規模を誇っていました。ドイツをはじめとするヨーロッパだけでなく、アメリカ、日本、中国、韓国など世界各国から数多くのチューニングカーやドレスアップカーと、チューニング＆カスタムに必要なアフターパーツメーカーも多数参加します。

また、モータースポーツで活躍するレーシングカーの展示や、関連のイベントが行われ、レースファンにとっても楽しめるモーターショーです。多くの展示ブースでは、インタラクティブな体験や試乗イベントが行われ、車好きな人だけでなく一般の来場者も楽しめます。

2023年の開催では、ドイツのメルセデス・ベンツやBMWのチューニングカーが展示され、680馬力を発揮するイタリアのランボルギーニSC63が初公開。日本からは、1984年製のトヨタ セリカ スープラやR32～R35までの日産スカイラインGT-Rおよび日産GT-R、三菱ランサーエボリューション、初代ホンダNSXなど多数のネオクラシックのスポーツカーが展示されました。

ベトナムモーターショーは、ベトナムのホーチミンで開催されるベトナム最大の自動車見本市で、毎年10月の後半に開催されます。トヨタや日産、ホンダ、スバル、三菱といった日本勢をはじめ、メルセデス・ベンツ、アウディ、フォルクスワーゲン、ボルボなど、世界各国の自動車メーカーが出展します。

2020年と2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となりましたが、2022年にはホーチミン市7区のサイゴンエキシビション＆コンベンションセンターで14の自動車メーカー・ブランドが参加し、3年ぶりの開催となりました。

しかし、翌年の2023年は自動車市場の需要急減の影響を受け、中止となりました。2024年についても公式な情報は見当たらず、開催されるのかは未定です。