北京モーターショーとは?
《写真提供:response》《撮影 工藤貴宏》 マクラーレン・セナ(北京モーターショー2018)
「北京モーターショー」は、中国の首都「北京(ペキン)」で開かれる中国最大規模のモーターショーで、別名「オートチャイナ(Auto China)」とも呼ばれています。
なぜ「北京モーターショー」と「オートチャイナ」という2つの名前があるのでしょうか。実は、オートチャイナは2つのモーターショーで構成されており、ひとつは今年開催される「北京モーターショー」、もうひとつは昨年開催された「上海モーターショー」です。
これらは始まった年も異なる、それぞれ別々のモーターショーですが、1年おきに交代で見本市を開催し、中国を代表するモーターショーとしての役割を果たしてきました。そうしたことから、この2つのモーターショーをひっくるめて「オートチャイナ」と呼んでいるのです。
中国における2023年の自動車販売台数は、前年比12%増の3,009万4,000台で、15年連続の世界一(中国自動車工業協会発表)。
こうした背景から長年、各国自動車メーカーにとって中国市場は非常に魅力的で、その中心地「北京」で開催される「北京モーターショー」は世界でもっとも重要な自動車見本市のひとつとなってきました。
北京モーターショー2024の開催概要
《写真提供:response》トヨタ(北京モーターショー12)
開催展名
2024 BEIJING INTERNATIONAL AUTOMOTIVE EXHIBITION
開催日時
2024年4月25日(木)~5月4日(土)
・4/25(木)~4/26(金):プレスデー
・4/27(土)〜4/28(日):ビジネスデー
・4/29(月)~5/4(土):一般公開
会場
New China International Exhibition Center(中国国際展覧中心順義新館)
住所
中国 Bei Jing Shi, Shunyi District, 裕翔路88号 邮政编码: 101312
アクセス方法・駐車場
■アクセス
・北京首都国際空港(PEK)より車で約10分
・北京地下鉄15号線「国展駅」直結
■駐車場
駐車場に関する情報は確認できませんでした。
主催者
Adsale Exhibition Services Ltd
出展対象品目
新型車、インテリジェントコネクティビティ技術、新エネルギー技術、自動車部品製品など
■チケット購入方法
「北京モーターショー2024」の一般入場チケットに関する情報は、公式ホームページからは確認できませんでした。
「Twitter(現 X)」に投稿された情報によると、中国版SNS「Wechat」から購入できるようです。ただし、購入にはパスポートの画像が必要とのことでした。
なお、車両展示ゾーン以外のブース(オートパーツゾーン)への入場は、公式ホームページから「来場者登録」ができ、入場は無料です。登録には、参加するすべての来場者が実名で予約することが義務付けられており、携帯電話番号なども記載します。また来場当日は、身分証明書原本が必要になるようです。
2024 (18th) Beijing International Automative Exhibition Auto Parts Zone (Auto China 2024) 获取门票
北京モーターショーを楽しむポイント
《写真提供:response》《photo by Toyota》 トヨタ C-HR と兄弟車の イゾア(北京モーターショー2018)
近年、中国の自動車業界は急速なEV化(電気自動車化)に向かってきました。そのなかでBYDやテスラといったEVに強い自動車メーカーが記録的な販売台数を実現させ、中国の自動車市場をけん引しています。
一方で、中国市場における2023年1月から11月のPHV(プラグインハイブリッド車)の販売台数は、一時の落ち込みを回復させ、レンジエクステンダー型EV(発電機となるエンジンを搭載しているEV車)を含めた数字で243万9000台と、前年同期比で83.5%も増加しました。
このように中国市場では、再びEVとPHVの競り合いが起きており、それに伴って、これまでEV車を中心に生産してきた自動車メーカーが軌道修正を始めています。これは中国に限らず、ヨーロッパ市場でも起きていることで、PHVが再び見直されつつあります。
こうしたなかで開催される「北京モーターショー2024」なので、自動車メーカーのこれからの方向性や哲学といったものを直に味わえることでしょう。
また、市場規模やEV車の優遇措置から、各国自動車メーカーがかなりの本気度で挑んでくるので、最新の自動車情報に触れる機会にもなるはずです。
北京モーターショー2020で注目を集めた車種を紹介!
■トヨタ ミライ(Toyota MIRAI Concept)
《写真提供:response》《photo by Toyota》 トヨタMIRAI コンセプト
トヨタ自動車の中国部門は「北京モーターショー2020」において、燃料電池車「トヨタ ミライ・コンセプト」を出展しました。2024年現在すでにトヨタが販売している、量産車として世界初となる高級セダン型燃料電池自動車の出展です。
デザインは、現在発売しているものとほぼ同じで、ロー&ワイドのスポーティフォルムに、20インチの大径ホイールを備え、エレガントさとスポーティさを見事に両立させています。
■ボルボ XC40 リチャージ P8 AWD(Volvo XC40 Recharge P8 AWD)
《写真提供:response》《photo by Volvo Cars》 ボルボ XC40 リチャージ P8 AWD
ボルボカーズは「北京モーターショー2020」において、ボルボとしては初となるフルEV「ボルボ XC40 リチャージ P8 AWD」を出展しました。
前後にそれぞれモーターを搭載することで4輪を駆動させ、合計で最大出力408hpを提供します。また、1回の充電で400km以上の航続走行が可能なほか、急速チャージャーにも対応し約40分で80%程度の充電が可能です。
■ホンダ SUV e:コンセプト
《写真提供:response》《写真提供 本田技研工業》 ホンダSUV e:コンセプト
ホンダは「北京モーターショー2020」において、中国では初となるホンダブランドによるEV車のコンセプトモデル「ホンダ SUV e:コンセプト」を世界で初めて公開しました。
先進技術がてんこ盛りで、次世代「ホンダセンシング」の安全運転支援システム「全方位ADAS」の搭載が予定されています。フロントカメラと360度レーダーにより周辺状況をより高度に検知し、高速道路や一般道路におけるさまざまな走行状況で安全な運転を支援します。
■BMW コンセプト i4(BMW Concept i4)
《写真提供:response》《photo by BMW》 BMW コンセプト i4
BMWは「北京モーターショー2020」において、「BMW コンセプト i4」を出展しました。1度見たら忘れない個性的なデザインを持つ、BMW iブランド初のグランクーペです。
特徴的な縦長デザインのフロントグリルに目が行きがちですが、BMWらしく走りへのこだわりは相当なもの。BMW i4用に開発された電動モーターは、現行のBMWの4.4L V型8気筒ガソリンターボエンジンと同レベルである最大出力530hpを発生させます。
■日産 アリア(NISSAN ARIYA)
《写真提供:response》《写真提供 日産自動車》 日産 アリア
日産自動車は「北京モーターショー2020」において、新型クロスオーバーEV「日産 アリア」を中国で初公開しました。e-POWERを搭載の他モデルとともに、EV車が大人気の中国市場における先鋒となります。
加えて、日産が誇る先進運転支援技術「プロパイロット」も中国市場で販売するモデルに搭載していく計画で、これらを武器にテスラやBYDなどに対抗していく考えです。
北京モーターショー2020の様子
こちらは「北京モーターショー2020」の様子です。
新型コロナウイルスの感染拡大後としては世界最大規模となるモーターショーの開催とあって、熱気あふれる会場の様子が伝わってきます。
まとめ
《写真提供:response》《photo by VW》 フォルクスワーゲンのコンセプトカーのティザー
今回は「北京モーターショー2024」の開催概要や、どのような楽しみ方ができるのかをまとめました。
世界最大の自動車市場を抱える中国で開かれる「北京モーターショー2024」は、やはり各国自動車メーカーが最重要視しているモーターショーのひとつです。
とくに中国ではEV化が進んでおり、最新技術が盛り込まれた自動車に数多く触れられる機会となるでしょう。ぜひ今年の「北京モーターショー2024」も、忘れずチェックしてみてください。