スバルのアイサイト「ツーリングアシスト」へ進化!さらにパワーアップして登場
SUBARU(スバル)は6月19日、運転支援システム「アイサイト」を大幅進化、新機能として全車速域でアクセル・ブレーキ・ステアリング操作を自動制御する「ツーリングアシスト」を搭載すると発表しました。
大幅進化した「アイサイト」は、今夏発表予定の新型『レヴォーグ』『WRX S4』全車に標準装備されることになります。
スバル レヴォーグ WRXS4
SUBARU(スバル)は、新型アイサイト搭載の『レヴォーグ』『WRX S4』を今夏に発表、6月5日より専用サイトを開設し情報配信を開始した。
新型レヴォーグ/WRX S4には、運転負荷軽減や事故低減に貢献する先進安全技術として、大きく進化したアイサイトを搭載し、総合安全性能を大幅に向上。さらに内外装の質感や走行性能も高めている。
そもそもアイサイトって?
アイサイト。名前だけは知っているという方も少なくないかもしれませんね。
アイサイトとはいったい何なのでしょうか。
アイサイトとは、スバルと日立製作所・日立オートモティブシステムズが開発した衝突被害軽減ブレーキのことです。
ステレオカメラ(車内前方に装備されています)で前方を監視、障害物などを三次元的に認識することで、自動ブレーキ、クルーズコントロール等を制御する、「運転支援システム」をコンセプトに開発されています。
ちなみに現在スバル車に装備されているアイサイトは、アイサイト(ver.2)とアイサイト(ver.3)の2バージョンあります。
アイサイト(ver.3)は2014年のスバルレヴォーグを皮切りにして、発売されています。
スバルの誇る、アイサイト5つの機能をご紹介
そして、絶対に忘れてはいけないこと。
アイサイトは、すばらしい5つの機能を持っています。
この機能によって、スバルはより安心で愉しいドライブを提供することができるというわけです。
それでは、スバルのアイサイトの機能について、ご紹介しましょう。
■1 ぶつからない技術:「プリクラッシュブレーキ」
プリクラッシュブレーキ、作動イメージ
プリクラッシュブレーキ機能があることによって、衝突の危険があると判断した場合、ドライバーに注意喚起を行います。
ドライバー側の回避操作がない場合、ブレーキ制御を行うことで、自動的に減速・停止します。
対象物との速度差が、30km/h以内(ver.2)、50km/h以内(ver.3)であれば衝突回避します。
もしくは被害軽減それ以上の速度差でも被害の軽減を行ってくれます。
また、高速道路などで使用するイメージが強いかもしれませんが、もちろん街中でもプリクラッシュブレーキは使用可能です。
簡単に説明すれば、衝突しそうになった時、自動でブレーキをかけて止めてくれるありがたい相棒といったところでしょうか。
■ 2 ついていく技術:「全車速追従機能付クルーズコントロール」
高速道路や自動車専用道路で、0km/h~100km/hの広い車速域で、先行車に追従走行する機能です。
この機能は渋滞時でも追従してくれ、先行車が停止するとブレーキ制御で減速、停止、停止状態を保持します。
ペダル操作のわずらわしさが軽減される、そんな機能ですね。
また、割り込み車両や、自分の車と同じ車線を走っている車、そうでない車の識別も可能です。
実際に、クルーズコントロールを使ってみた感想
東京・葛飾を出発後、首都高速から東名高速へと向かった。そのドライブ序盤で早くも強く実感されたのは、認識精度が著しく進歩したことと、前車追従クルーズコントロール制御がきわめて自然になったこと。
たとえば他車の動きを見きわめる性能。ゆうに100m以上離れたところに遅いトラックがいても、素早く速度差を検出して急ブレーキにならないよう、距離的に余裕のあるところから減速する。ドライバーとしては、離れているのに減速が始まると速度差があるとすぐに察知できるので、追い越し車線に移動しようかなと、早めに対処できるのだ。
反対に、速いクルマに抜かれた後に追い越し車線に出たとき、車間がやや短くてもブレーキがかからない。先行車のほうがスピードが速いということを高精度に検出するためだ。ドライブ中、相手の速度をアイサイトが見誤って運転者が操作介入しなければならないシーンは一度もなかった。
Responseの試乗感想を読むと、クルーズコントロールは極めて自然でスムーズだったことが想像できますね。
スバルの安全技術と言えば、各社に先駆けて実現した自動ブレーキ「アイサイト」が有名です。でも、現在スバルが取り組む安全技術はアイサイトだけではありません。スバルが掲げる「総合安全」についてまとめました。
■3 はみ出さない技術:「アクティブレーンキープ」
この、アクティブレーンキープは、アイサイト(ver.3)の新機能です。
高速道路や自動車専用道路での走行時、ステレオカメラで走行車線両側の区画線を認識し、ステアリング操作のアシストを行い、車線内中央付近の維持や車線逸脱抑制を行うことができます。
ロングドライブでのドライバーの負担を大幅に軽減してくれますね。
実際に私も動画を見ましたが、このアクティブレーンキープを搭載しているか否かで、走行感が全く違うものになるなという印象を受けました。
まさか人が運転していないとは思えないほどのなめらかな走行です。
■4 飛び出さない技術:「AT誤発進抑制制御/AT誤後進抑制制御」
先ほどの、アクティブレーンキープ機能と同様に、アイサイト(ver.3)から追加された新機能です。
まさかのペダルやギア操作ミスなど、発進時に起こりうる事故を防いでくれます。
■5 注意してくれる技術:「警報&お知らせ機能」
走行途中、急に疲れが出たり、注意力が散漫になることも、もしかしたらあるかもしれませんね。
そうなると、車はふらついたり、車線からはみ出しそうになったりして危険な状態になります。
そういったとき、アイサイトの「警報&お知らせ機能」の出番です。
アイサイトは、車両のふらつきや車線からの逸脱を検知して、ドライバーに知らせ回避操作を促してくれます。
そしてさらに進化!時代はアイサイト・ツーリングアシスト
まずは、新しくなったアイサイトの動画をご覧ください。
■アイサイト・ツーリングアシストとは
0km/h~約120km/hの幅広い車速域*1で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動でアシスト。
区画線と先行車の両方を認識することで、渋滞から高速巡航まで、さまざまなシーンで運転負荷を大幅に軽減します。
それは乗る人の愉しさと自由を深める機能であり、事故のないクルマ社会に向けた確かな一歩なのです。
今回の「ツーリングアシスト」では、現バージョンの「バージョン3」はそのままに、ソフトウェアの改良によってアイサイトの機能が大幅にアップされました。特に大きく変わった点は以下の通りです。
■「車線中央維持」の作動領域を従来の「60km/h以上」から「0km/h以上」へと大幅に拡大。
■「全車速追従機能着きクルーズコントロール」では高速道路や自動車専用道路上において従来の「0km/h~約100km/h」から「0km/h~約120km/h」の範囲で実現可能に。
■「先行車追従操舵」も追加し、アクセル/ブレーキ/ステアリング操作をより高度に自動制御してドライバーをアシストすることを可能に。
■後退時に車体後部に内蔵したソナーセンサーが障害物を検知し、障害物がある場合は音と表示でまず警告してくれる「後退時自動ブレーキシステム」。スバル国内仕様車には初搭載。
といった点があげられます。
また、先行車の発進に気づかず停止状態のままでいる場合に発生するお知らせが、音声アナウンス+表示に機能がアップしたことも見逃せません。
気になるアイサイト・ツーリングアシストの搭載車ですが、まずは新しいレヴォーグ、WRX S4に搭載される予定です。
気になる!!今後のアイサイトの今後は
日々進化しているスバルのアイサイトですが、新たに進化する気配があること、ご存知でしょうか。
スバルは6月19日、北海道にあるスバル研究実験センター美深試験場のテストコースを改修、今後の運転支援技術の高度化に向けた技術開発に活用することを発表しました。
スバルの研究実験センターである美深試験場は、冬季雪上試験を目的とした開発拠点として1995年に開設されました。
総敷地面積361ヘクタールの中に、寒冷地走行試験のためのコースに加え、高速走行路やハンドリング路などを備え、通年に渡り様々な試験を実施しています。
様々な試験の中でも、スバルは運転支援システム「アイサイト」のさらなる進化に向けた技術開発を進めています。
■スバル、設備投資額はなんと30億円!?
今回、開発をさらに加速させるため、「高速道路のカーブ」「高速道路の分合流」「市街地を想定した交差点」のほか、「北米のフリーウェイを模した路面」など、高度化していく運転支援技術開発に必要となるテストコースを、美深試験場の中に新設するそうです。
設備投資額は約30億円、2017年度下期に運用を開始する予定。これはさらなるアイサイトの進化が予想できます。今後の続報が楽しみです。
■【おまけ】書店で売っていない秘密のアイサイト本をGETせよ
『ぶつからないクルマのひみつ』
漫画:山口育孝
構成:橘悠紀(学研プラス)
※学校・図書館向け流通書籍のため定価表示、ISBNコードなし
今回紹介する本は、『学研まんがでよくわかるシリーズ123 ぶつからないクルマのひみつ』だ。レスポンス読者ならこれがスバルのアイサイトの本だということはすぐわかるだろう。実際そのとおりである。したがって、本書の中身をあえて説明する必要はないと思われるが、それでも読んでみるといくつか発見があるのではないだろうか。
たとえば、アイサイトの原型は、燃焼室の燃料の燃え方を立体画像で撮影するためのシステムだったことはみなさんご存じだろうか。あるいは、スバルの工場の排水溝のフタ(グレーチング)にある刻印は何だか知っているだろうか。さらに、鋼板のコイル材(ロール)1本はクルマ何台分になるだろうか(これは「まめちしき」として本の小口に縦書きで書かれている)。
余談ではありますが、学研の「ひみつ文庫」シリーズには、「かつお節とだしのひみつ 」「讃岐うどんのひみつ」「正露丸のひみつ」「埼玉県のひみつ」「明太子のひみつ」など、なかなかディープなタイトルが揃っているそうですよ。
いかがでしたでしょうか。
スバルのアイサイト、耳にしたことはあっても、実際にその機能を改めて知ると、すばらしいものばかりでしたね。
ますます進化するであろうスバルのアイサイト。
今後の進化に目が離せません。