再びやっちゃった日産…。今後どうなる…?
世間を賑わす、”やっちゃえ”日産ならぬ「やっちゃった」日産の声。
工場出荷前の完成車検査で無資格者による検査が行われていた日産自動車でしたが、国土交通省からの指摘受けた以降も、無資格者の検査を続けていたことが発覚。
10月19日夜に本社で緊急会見を行いました。
日産自動車 西川社長 10月2日記者会見時
9月29日に第一報が報じられ、10月2日に緊急記者会見を行い、6日に約116万台のリコールを届け出ました。
しかし、10月18日にはリコールを届け出た以降も、約3800台以上もの車両に対し無資格検査を継続していたとの報道。それを受け、19日夜に再度の緊急記者会見となりました。
日産は新たな問題発覚を受け、湘南工場からの車の出荷を一時止め、改めて品質確認を行ったというが、公表せずに出荷は16日に再開したという。
産経も同様な記事を取り上げているが、それによると、日産車体湘南工場で、補助検査員2人がステアリングを回して角度を確認する工程の一部を受け持っていたそうだ。ただし、「補助検査員が関わった車両は約3800台に上る」としているが、「保安基準を満たしているため、新たなリコールは行わない」と伝えている。
■日産|国内全ての工場で出荷停止に。
10月19日の記者会見にて明らかになった情報としては、無資格検査を継続していたのは1ヶ所だけでは無く、合計4ヶ所の工場にて資格の無い従業員が検査を継続していたとの発表。
それに伴い、国内に6ヶ所ある日産の工場全てで車の出荷を停止し、6日に届け出た116万台のリコールとは別に約3万4000台を新たにリコールの届出をすると発表しました。
日産の大規模リコール、無資格検査。どういう経緯か、時系列に
やっちゃえ日産が”やっちゃった”日産と揶揄された事件ですが、どのような経緯でこの事件が起きてしまったのかを時系列でまとめていきます。
■第一報は9月29日。
第一報が報じられたのは9月29日。
9月18日、生産拠点の1つである日産車体湘南工場に立ち入った国交省職員の指摘で、日産は「初めて知り」確認を行ったところ、追浜工場、栃木工場、日産自動車九州の同社3事業所と、日産車体、日産車体九州の関連会社で、認定を受けていない補助検査員が検査を行っていたことが分かった。
9月18日に、国土交通省職員の指摘から資格の無い従業員が完成検査を行っていることを「初めて知った」との事。
29日夜に国土交通省で緊急記者会見を行い、完成車の登録を取り消すと発表。
日産自動車(西川廣人社長)は29日19時、国土交通省で会見し、完成車の登録を取り消すと発表した。軽自動車を除き、販売会社にある日産車の在庫の登録手続きを一時停止する。
製造の最終段階である完成検査工程で、一部の項目に不備があったため。生産工場である追浜工場、栃木工場、日産自動車九州と日産車体、日産車体九州で、同社が認定する検査委員が検査を実施していなかった。検査は実施していたという。
日産、出荷前の完成検査を未認定者に任せる…影響は6万台+過去3年間の全車種に | レスポンス(Response.jp)
https://response.jp/article/2017/09/30/300452.html29日、週末金曜日の19時、開催予告から開始までわずか1時間足らずというあわただしい中で、日産自動車の会見は始まった。
■10月2日 本社にて記者会見。121万台のリコール届け出ると発表
悲しくも新型リーフの発売日であった10月2日に日産本社にて記者会見を行い、2日の週に24車種121万台のリコールを届け出ると明かすと共に、「心からおわびを申し上げる」と陳謝。
航続距離400km!日産 新型リーフ 最新情報まとめ!価格・スペックは?
http://matome.response.jp/articles/835【10/3更新】2017年9月6日に初公開された日産の電気自動車(EV)新型リーフ。その中身はどのようなスペック、内外装なのでしょうか?そして気になる価格は?フルモデルチェンジとなる今回の新型リーフの最新情報をまとめて掲載しています。
日産西川社長「心からおわび」…無資格審査で陳謝、121万台リコール届出へ | レスポンス(Response.jp)
https://response.jp/article/2017/10/02/300553.html日産自動車の西川廣人社長は無資格者が完成車検査を行っていた問題を受けて10月2日夕方、横浜市にある本社で緊急会見を開き、「心からおわびを申し上げる」と陳謝した上で、今週中に121万台のリコールを国土交通省に届け出ることを明らかにした。
■10月6日 国内全ての工場で不正と公表。116万台のリコール届出。
日産の工場、全6ヶ所で「完成検査において何らかの不実記載が行われている」と国土交通省より公表される。
日産はここまでの一連の指摘を受け下記のように回答。
「今わかっていることは、検査工程の一部を補助検査員が検査したこと。補助検査員が(自名の印鑑ではなく、認定された別人の)検査員の印鑑を押していること。(日産オートワークス京都で)検査員の印鑑が複数あったこと。それ以外のことは第三者も交えて調査中。コメントは控えたい」。
同日、日産は国土交通省に116万台のリコールを届け出ました。
日産 完成検査票に不実記載...国内生産拠点6か所すべてで | レスポンス(Response.jp)
https://response.jp/article/2017/10/06/300758.html?from=sptnk国土交通省は日産自動車に対して9月18日から行われている立入検査で、6か所の国内生産拠点すべてで、完成検査において何らかの不実記載が行われていることを公表した。
■10月18日 謝罪後も不正続けていたとの報道。19日夜、記者会見。
それらの報道から数日空き、世間でもあまり騒がれなくなった18日に、「日産、社長謝罪後も不正」「無資格検査、公表せず」との見出しにて各社より報じられる。
9月に国が問題を指摘した後も、一部の工場で10月11日まで、検査に無資格者が関わっていたことがわかったというのである。無資格者による検査を続けていたのは日産車体の湘南工場。弁護士ら第三者を交えた社内調査で発覚したそうだ。
日産は新たな問題発覚を受け、湘南工場からの車の出荷を一時止め、改めて品質確認を行ったというが、公表せずに出荷は16日に再開したという。
産経も同様な記事を取り上げているが、それによると、日産車体湘南工場で、補助検査員2人がステアリングを回して角度を確認する工程の一部を受け持っていたそうだ。ただし、「補助検査員が関わった車両は約3800台に上る」としているが、「保安基準を満たしているため、新たなリコールは行わない」と伝えている。
朝日は、西川広人社長が10月2日に開いた記者会見の発言にも言及。「『9月20日以降は認定の検査員が100%行うようになった』と述べ、謝罪もしたが、その後も不正が続いていたことになる」と指摘している。さらに、会見で人手不足を否定した発言についても「現場からは人手不足をうかがわせる証言が出てきた」と取り上げている。
「深くおわび申し上げる」と社長が陳謝した後も、資格の無い補助検査員が3800台にも及ぶ車両を検査していた事も驚きですが、「新たなリコールはしない」としていることにも驚きです。
そして19日夜の記者会見にて、国内の全工場での車両の出荷停止と「新たなリコールはしない」としていましたが、3万6000台のリコール届出を発表。
という流れになっています。
完成検査って・・・そもそも何・・・?
100万台を超える大規模なリコールとして、取り上げられ資格の必要な作業を無資格の従業員が行っていた!
という前代未聞、大問題なニュースではありますが過去の”三菱燃費不正問題”と比べると騒ぎは大きくないように感じます。
その理由の一端としては「そもそも完成検査ってなんなの?」という疑問を抱える人々が多いからなのかと感じます。
車両の完成検査について簡単に説明していきます。
■「完成検査」は「型式指定」を受けるために必要な”最初”の車検。
完成検査を説明するにあたってはまず、「型式指定」という制度についてを説明しなくてはなりません。
車がナンバープレートを付け公道を走行するには、陸運局に車両を持ち込み1台1台審査をし、車検を取得する必要性があるのですが、「型式指定」という制度は簡単に言うとそれを省略できる制度。
すこし掘り下げると、メーカーが自社で生産する車両を、車種(車両型式)ごとに国土交通大臣に申請をし、所要の手続きを経て指定を受けるという制度で、指定を受けた車両は、陸運局に持ち込む必要がなく、書類の手続きのみでナンバープレートを取得できるようになります。
車検証の右下に、「型式指定番号」と「類別区分番号」という欄があり、ここに数字の記載がある車両は、この型式指定を受けている車両だという証明になります。
その型式指定を受けるために必要なのが「完成検査」となっているのです。
完成した車両に1台1台対し、メーカー自身が完成検査を行い、指定を受けた型式としての構造・装置・性能に問題は無いか?保安基準に適合しているかどうかを検査するのです。
日産 大規模リコール 問題点は・・・?
問題になっているのは、まず何なのか?問題点は複数ありますが、1点目の問題点はやはり、「完成検査」をする検査員が資格を持っていない従業員が行っていたという点でしょう。
国交省の通達によると、完成検査はメーカーが自主的に決めた検査経験や知識を持ち、登録・認定された検査員が行わなければ、検査を完了したことにはならない。
無資格者による完成車検査…“やっちゃった日産”の何が問題なのか? | レスポンス(Response.jp)
https://response.jp/article/2017/10/04/300622.html遡ること数日。9月29日の夜、筆者のスマホに日産自動車の「無資格者が完成車検査」という衝撃的なニュース速報が飛び込んできた。
先ほど説明した、型式指定を受けるための「完成検査」なのであり、言うなればその車両にとっては1回目の「車検」になるのです。
それを無資格の検査員が行っていた。というのが問題でしょう。
また、その事実が国土交通省の立ち入り検査にて発覚したという点も大きな問題で、簡単に言えば「無資格者による完成検査」は日常的に行われていたということになります。
工場側、現場の判断での行いであったにしても経営陣の、会社としての管理体性がなっていなかったということになります。
完成検査自体は難しい作業ではなく、リコール対象となっている車両も安全基準上は問題が無い。ということのようですが、我々素人からしてみれば「壊れる・事故を起こす可能性がある車両」に乗っていてたということになります。
合計で120万台にも及ぶリコールで、かかる費用は250億円以上にも及ぶそうですが、無免許運転を行えば、法令で罰せられるのと同様に、とまでは言わないものの一般市民が納得する対応を見せて欲しいと願います。
今後、どうなる・・・?
新型リーフの発売や、フェアレディZ、更にはシルビア復活?の報道があり明るい話題が続いていただけあり悲しくなる。というのが思うところでもあります。
また、何よりもユーザーの窓口となるディーラー等の販売店の方々がかわいそうというのも本音。
現場で作業を行いユーザーに深く頭を下げて事情を説明する販売会社のスタッフのことを思うと、何ともやりきれない気持ちになる。都内の日産ディーラーに勤める営業マンに話を聞くと、「正直、(三菱の燃費不正に続いて)またかという感じ。とにかく、お客さんに申し訳ないという気持ちしかない。販売への影響云々よりも、まずは、安心して頂けるような対応をすることが先決。それが販売会社にできることですから」と言うように、今はメーカーサイドからの指示を待つ状態だという。
不正を重ねてしまった日産に対しても各報道機関からは厳しい見出し。
各紙の解説記事のタイトルをみると、読売は「日産『信頼裏切った』、現場管理ずさん、ブランド価値低下必至」、朝日は「日産、社内統制きかず、経営陣の責任問題不可避」、毎日も「日産への不信底無し、西川社長法令順守甘さ認める」。
産経は「日産社長強気発言を一転」、東京は「日産、ずさんな組織管理」。日経は「日産、経営陣の指示届かず」と、各紙ともずさんな組織を指摘。「ブランド価値の低下は避けられず、消費者の信頼回復への道のりは険しい」としている。そして、共通しているのは「経営陣の責任問題への発展は避けられない」との見方だった。
今回の件で、東京モーターショーの会長でもある西川社長は10月25日からのモーターショーに限定し会長代行を立てるとしていますが、モーターショー自体への影響も気になるところです。
【10月19日更新】東京モーターショー2017 予想されてる出展車両一覧!
http://matome.response.jp/articles/661【10/19情報更新】2017年10月27日~11月5日の10日間で開催される東京モーターショー。本記事では2017年10月開催の東京モーターショーのトレンド、見どころ(出展社、出展車両予想)をまとめて掲載しています。最新の情報を随時更新してお届けしますので、気になる方は是非チェックしてみてください。
今後、どのようにして信頼の回復を図っていくのか。
また、明るい話題を振りまいてくれることを祈りながら見守っていきたい所です。