目次へ戻る

今の20代は知らない?キャブレターとは|仕組み、セッティングについて

今の20代は知らない?キャブレターとは|仕組み、セッティングについて

バイク用語では見聞きすることのあるキャブレターという言葉も、20代の方にとってはなかなか親しみづらい言葉なのではないでしょうか。今回は、実は今もなお熱烈な支持者に愛され続けているキャブレターの仕組みから、調整やセッティング、オーバーホールの方法を解説していきます。これを読めばキャブレターの知識に関しては完璧です。


キャブレターとは?仕組みを説明

キャプレターはエンジンに接続されていて、ガソリンと空気を混ぜて気化させる事で混合気を作り、エンジン内部に送りこむ燃料供給装置の名前です。

通常、エンジンはガソリンと空気を走行状況(低速〜高速)に応じて最適な量を混ぜ合わせて気化させることでパワーを生み出すのですが、その作業を運転車自らアナログ制御するタイプのものが「キャプレター」です。


ちなみに、最近はこのアナログ作業をデジタルで制御する「インジェクション」という方式が主流になってきています。

キャブレターの簡単な仕組みの説明ですが、キャブレターは、アクセル・スロットルを開ける際の負圧(気圧の低下)を利用して、ジェットと呼ばれる細いノズルを通して燃料タンクからガソリンを吸い上げます。

その途中でガソリンと空気が混ざり、混合気となりエンジン内部に供給されるという仕組みになっています。

運転者がスロットルを開く度合いというのは、走行スピードによって変わってきますので、その都度、発生する負圧が変わり、吸い込まれる空気の量とガソリンの量も変わるのでスピードが変化するという構造です。その開く度合いによって、適宜使用されるノズルのタイプも変わってきます。

全開時のメインジェット、安定走行時のニードルジェット、アイドリング用のスロージェットと、その時々に合わせたジェットを使い分けるようになっています。

過去のもので今は使われていない?

このキャプレターですが、現在では過去のものとなりつつあり、使用される事が少なくなってきました。

というのも、キャプレターが走行場面に応じて適宜アナログで調整しなくてはいけないということや、環境変化(気温や湿度といった天候要因)によって燃料生成がうまくいかず、エンジンの調子を崩してしまう事も少なくないからです。

その代わりとして登場してきたのがインジェクション方式です。

スズキ デュアルジェットエンジンのインジェクターと燃焼室

キャプレター方式がアナログな手法をとっているのに対し、機器の各所に設置されているセンサーから微細な情報を汲み取り、その情報をコンピュータ解析することによって、その場面において最も適切とされる燃料の混合気を供給するというシステムになっています。

昨今問題視されている排気ガスの問題や、エンジンの燃費の問題などによって、キャブレター方式よりもインジェクション方式を取り入れる車やバイクがほとんどになってきているのが現状です。

この点は、使用するユーザー層によって変わってくるのですが、通勤手段や高頻度で使用するという方にとっては、常に安定した走行が出来るという観点でインジェクション方式が良い選択です。

ただ、一方で趣味としてのバイクであったり、自分で調整して動かすという行為そのものに愛着ある方にとっては、キャブレター方式を好む方もいらっしゃいます。

使用目的などに合わせて使用するのがより良い選択になります。

キャブレターの調整とセッティング

ここからは、キャブレターの調整方法やセッティングを行う大切さに関して解説していきます。

実際にマシンに乗る方にとって、調整方法を正しく理解し、セッティングの難しさをしっかりと把握しておくことが長く乗り続ける為の秘訣になります。

調整方法は?

キャブレターの調整を行う際には、以下のやり方で行う事ができます。調整の際には、事前に工具を用意してください。

【必要な工具】
・キャブレター専用の工具(マイナスドライバーでも可)
・バイスグリップ(ペンチでも可)
・油を拭き取るための紙タオル
・消化器具
※調整の際には、エンジン付近での作業になりますので、火災には十分気をつけてください。

【 空気とガソリンと混合比の調整 】

①エアフィルターの取り外し

キャブレターを使用している大半の車は、キャブレターの真上にエアフィルターが据え付けられています。

ですので、エアフィルターを取り外した後にキャブレターを露出させて調整をするのが基本的な流れとなります。エンジンが完全に停止していることを確認してからボンネットを開け、エアフィルターを探し、ユニットごと取り外していきます。
※車種やエンジンの種類によっては、エアフィルターの取り付け位置が異なる事がありますので、事前に車の修理ガイド(マニュアル等)を参照してから実施してください。

②キャブレターの調整ねじを確認

空気とガソリンの混ざる量の調整を行うためのねじが、キャブレターの前に2つあるかと思います。

通常であれば、平ねじタイプのねじですので、ドライバーで回す事が出来ますが、特殊タイプのクアドラジェット(ゼネラルモーターズ製の車には基本装着)などの場合には、特殊ねじになっていますので、専用工具が必要です。
これ以外のタイプもありますので、工具を用いての調整を行います。

③エンジンを始動し、通常運転温度での調整を実施

エンジンを始動させて、適正な走行温度になっていることを確認してから、必要な調整をエンジン音を確認しながら行います。

混合気が薄いままでエンジン稼動をすると、高回転時にノッキングを起こしますので、その際には燃料比を上げる調整を行います。その反対に、混合気が濃すぎてもノッキングが起きますが、薄い際と比較して少し匂いが気になってきますので、その場合は燃料比を下げる調整を行います。

④適切な混合比になるよう、両方のねじを回して混合比を調整

キャブレターの調整を行う際には、ねじを同量ずつ回して適当なポイントを見つけます。エンジンの混合気が薄いか濃いかに関わらず、はじめに両方のねじを最も薄い状態までもっていった後に少しずつ戻していきます。

混合気の調整は正解が見つからないものです。エンジン音を調整の都度確認し、ねじをゆっくり元に戻しつつ、スムーズにエンジンが回転するよう調整します。エンジン音がしっくりとくるまで調整を続けましょう。

⑤元に戻す

キャブレターの調整が終わったら、エアフィルターを元に戻して、調整完了です。

キャブレターをベストな状態に調整するには、前提としてエンジンの状態を正確に把握する高い観察力とエンジンの知識が必要です。

経験の無い方や自信の無い方は、カーショップやディーラーなどで調整してもらうようにするのがベストといえるでしょう。

セッティングの大切さ

適切なセッティングを行うことで、結果としてエンジンの寿命を延ばすことが出来ます。

ですので、エンジンが思っている通りの動きをしない場合には混合比を調整し、正しいアイドリング回転設定をして、エンジンにストレスがかかり過ぎないようにしましょう。

このセッティングが適切に出来ないと、燃費性能も落ちてしまいますし、自分の大事なマシンに大きなダメージを与えてしまいかねません。

運転時に適切なセッティングの判断が出来るようになるには、経験を重ねることでしか身につきません。自分の理想の運転が実現出来るまでなんども試行錯誤を重ねていきましょう。

オーバーホールはどうやるの?

愛車を長期間運転し続けていく中で、「アクセルが少し重いな」「なんだか、燃料調整がうまくいかない」という事態が高頻度で発生するようになったら、オーバーホールをしましょう。

ただ、このオーバーホール作業は、ガソリンを取り扱うので、火気を使用していない空調がしっかりとしている環境を整備して、安全対策を事前に講じてください。

オーバーホールの際には、キャプレターを分解し、クリーナーなどで洗浄するとともに、消耗部品を新品に交換することでマシンを理想の走行性能に戻します。

燃料が固形化して取りづらくなっていたり、ジェットなどの真鍮部品にサビが出ている事もあるので、専用の洗浄液や汚れ落としなどを利用して綺麗にしていきましょう。

キャブレターのオーバーホールで注意すべき点は、空気と燃料の通り道であるジェットが綺麗になっているかという点です。

外側の汚れが取れていても、ガソリンと空気の通る内部の道に汚れが溜まってしまっていれば、高性能な状態に戻すことが出来ませんので注意してください。

自分でできない場合は、カーショップやディーラーに依頼す事ももちろん可能です。

マシンの状態にもよりますが、相場としては、およそ20,000円~30,000円+部品代でオーバーホールが可能です。事前に調べて工賃を確認したり、予約をしてからお店に行くようにしてください。

まとめ

キャブレターの仕組みやセッティングに関して簡単にまとめてきました。最近では表舞台から影を潜めてきているキャブレターですが、まだまだライダーの中には根強い人気があります。

昨今登場しているインジェクションの良さというはもちろんあるものの、自分でマシンを操るという実感が欲しいという場合出れば、今後もまだまだ現役で活躍する機会は多いはずです。

仕組みをしっかりと理解して、長く愛車と一緒にいられるよう、大事に乗り続けてください。

関連するキーワード


メンテナンス

関連する投稿


排気ブレーキの仕組み・構造・使い方を解説!

排気ブレーキの仕組み・構造・使い方を解説!

普通車を運転している方にとって「排気ブレーキ」というワードには馴染みが無いかと思います。排気ブレーキとはトラックやバスなど、主に車両重量3.5トン以上の車に装備されている補助ブレーキの1つです。 この記事では排気ブレーキの仕組みや構造、使い方などをご紹介しております。


【クランクシャフト】エンジンの重要パーツ クランクシャフトを解説!

【クランクシャフト】エンジンの重要パーツ クランクシャフトを解説!

「クランクシャフト」は、車を動かすために重要なパーツです。 エンジン内のピストン運動は、このクランクシャフトを通し回転エネルギーに変換され、車は推進力を得る事ができます。 この記事では、クランクシャフトに関する構造や担っている役割、起こりうるトラブルなどを説明しています。


【初心者向け】車のバッテリー上がりの対処法とバッテリー交換の方法まとめ

【初心者向け】車のバッテリー上がりの対処法とバッテリー交換の方法まとめ

急にきて困ってしまう。それが車のバッテリー上がり。車のバッテリーが上がってしまった際の対処法をまとめています。また、もしバッテリーを交換するとなった際に、初心者の方でも安全に行える対処法についても解説していきます。


【今こそ知りたい】ガラスコーティング、洗車時の注意点とおすすめコーティング剤は?

【今こそ知りたい】ガラスコーティング、洗車時の注意点とおすすめコーティング剤は?

カーコーティングの中でも硬いガラス質の皮膜でボディを多い、キズに強いと言われている「ガラスコーティグ」。本記事ではガラスコーティングとは何かといった疑問から、ガラスコーティングのメリット、ポリマーコーティングやワックスとの違い、コーティング後の洗車方法や注意点、おすすめのコーティング剤についてを紹介しています。


ワイパーブレードのおすすめ厳選 5商品|交換時期・寿命や外し方も紹介

ワイパーブレードのおすすめ厳選 5商品|交換時期・寿命や外し方も紹介

雨の日のドライブにワイパーを使っても、スジになっていたり、ビビり音がすると既にワイパーの交換時期が過ぎているのかもしれません。 見落としがちなのワイパーブレードの交換。今回は、ワイパーブレードの種類から交換方法と外し方、寿命の見分け方や交換時期についての説明と、おすすめのワイパーブレードの紹介を合わせて掲載しています。


最新の投稿


【レクサス30周年】レクサス新型の電動モデルが開発中!?最新情報

【レクサス30周年】レクサス新型の電動モデルが開発中!?最新情報

気になる情報が入ってきました。レクサスが2020年をめどに自律走行技術を搭載した新型スポーツ、もしくはラグジュアリーモデルを開発している可能性があるとのこと。最新情報をまとめています。


【2019年8月9日発売】ホンダのN-WGN新型!価格・スペック・改良点は?

【2019年8月9日発売】ホンダのN-WGN新型!価格・スペック・改良点は?

ホンダの大人気軽ハイトワゴン、N-WGN(エヌワゴン)N-WGNカスタム、がフルモデルチェンジして発売されます。発売日8月9日。価格はN-WGNが127万4400円から163万1880円、N-WGNカスタムが151万2000円から179万3880円。本記事ではN-WGN新型の最新情報をまとめています。


日産のスカイライン新型 最新情報まとめ 価格・スペック・変更点ほか

日産のスカイライン新型 最新情報まとめ 価格・スペック・変更点ほか

7月16日に新型スカイラインが発表されました。今回はこのビッグマイナーチェンジがなされた新型スカイラインについて、エンジンスペックやその他の各種スペック、グレードラインアップならびに価格、そして話題を担っている先進安全技術について紹介します。


マツダ デミオ改めマツダ2改良新型 発売は9月 価格は約154万円

マツダ デミオ改めマツダ2改良新型 発売は9月 価格は約154万円

マツダのデミオ改良新型が9月に登場します。デミオは名前を世界統一名に変更し、デミオ改め「マツダ2」となります。新車価格は154万4400円から。気になる最新情報をまとめています。


スズキ イグニス|中古車価格から燃費、口コミ・評価を一覧で紹介

スズキ イグニス|中古車価格から燃費、口コミ・評価を一覧で紹介

スズキの「イグニス」はクロスオーバーSUV型のコンパクトカーです。本記事では性能スペックや中古価格や評判、燃費についてまとめていきます。SUV車の購入を検討している方は是非参考にしてください。