日産のノートe-POWER!実際の乗り心地はどう?買い?試乗評価まとめ
日産のノートe-POWERの試乗評価・感想をまとめています。
ノートe-POWERが気になる人はぜひ、本記事を読んでみてください。
日産のノートe-POWER 試乗評価・感想まとめ
パフォーマンスは申し分ない
そのe-POWERのパフォーマンスだが、まず動力性能的には申し分ないものだった。車両重量1400kg台の旧型『リーフ』と同じスペックの電気モーターを搭載するのだから、フルパワーを出したときに速いのは当たり前といえば当たり前なのだが、シャシーと同様に電動パワートレインの制御も改良で手が加えられたのか、フルパワー時以外のドライブフィールも大変良くなったように感じられた。
EV走行領域はプラグイン方式を除く現行のハイブリッドモデルの中でおそらく最も広い。バッテリー残量が不足していなければ、60km/h超までエンジンの発電なしにバッテリー出力だけで加速がまかなえる。この“EV感”はライバルのハイブリッドモデルとの最大の差別化ポイントであろう。
走行モードはスポーツがオススメ
走行モードはエコ、ノーマル、スポーツの3種類が存在するが、筆者は走行距離1000kmを超え、北九州で2度目の給油を行って以降、ほとんどスポーツで走った。リーフのパワーフィールに最も近く、日本の速度域ではこれで加速に不満を覚える人はほとんどいないだろう。EVに乗り慣れた人にとってはスポーツが断然意のままに走れることは間違いない。詳細は後述するが、それでいてエコランをせずに普通に走ったときの燃費はエコで走った区間とほとんど変わらないのである。それならスポーツにしなきゃ損だと思ったくらいであった。
やっぱり気になる!燃費は?
終始元気良く走ったわりにはそこそこ良いリザルトというのが実感だが、一方で、運転の仕方によって結構差が出そうだとも思った。スピードを出す、出さないというのももちろんだが、それだけでなく、eペダルの踏み方によっても燃費が大きく変わってくるようだった。燃費良く走るにはEVで電費を向上させるのと同様、なるべく駆動と回生を小刻みに繰り返させないというのがカギを握るものと思われた。
ハイブリッドカーの場合、エンジンがかかるとエネルギーがもったいないという意識が働いてスロットルを緩めたくなりがちだが、エンジンを発電のみにつかうノートe-POWERの場合、エンジンがかかることを過剰に嫌うと速度をみだりに失うだけでかえってマイナスだ。駆動や発電のためにエンジンが回っているときは、逆にまとめて発電してやろうというくらいの気分でドライブするといいだろう。
荷室は狭い?
ツーリング中の使い勝手、および車内環境について。前編でも少し触れたが、ノートは荷室スペースより人間の居住区の広さを重視した近距離主眼のモデル。九州では4名乗車の機会も頻繁にあったが、前席下に壁があってつま先がちょっとしか入らないという欠点はあるもののレッグスペース自体は広く、まさに近距離なら問題なしと思われた。
一方で荷室は狭い。数値的には330リットルあるそうなのだが、リアシートバックの高さで稼いだものなのか形状が悪いのか、ユーティリティ的にはそれよりかなり小さく感じた。長期海外旅行に使う大型トランクは横積み1個が限界である。それでもライバル比較ではホンダ『フィット』には大敗するが、トヨタ『アクア』と比べると深さがあるぶん使いやすい。3名以上での宿泊旅行に使う場合は柔軟性のあるボストンバッグを使うようにすればよさそうだった。
市街地にはオススメ?
ノートe-POWER、アクア、フィットハイブリッドを項目別にランキングしてみると、市街地燃費はノート>アクア>フィット、高速燃費はフィット>アクア>ノート、動力性能はフィット>ノート>アクア、パワートレインの静粛性はノート>アクア>フィット、シャシー性能はフィット>アクア>ノートといったところであろうか。もっとも、短時間ドライブしただけではクルマの商品性や資質は限定的にしかわからない。いずれロングドライブを行って、あらためてリポートをお届けしたい。