ローダウンとは
ローダウンはシャコタンとも呼ばれ、以前は違法改造でしたが、平成7年より合法化された車の改造方法(改造車)の一つです。 どんな改造かということですが、車と地面の距離を短くすること、すなわち自動車の車高を低くすることです。
車高を低くするには、車体と車輪をつなぐサスペンション部分が重要な鍵を握っています。 コイルによってバネの作用を利用した、衝撃吸収作用を呈しているタイプや、空気によって 作用するタイプなどがあります。 バネの高さを低くすることで、車高の高さもそれに合うようになっています。
はたまた、ショックアブソーバーなどのサスペンション部品自体を取り換えてローダウンする方法や、高級車などではエアサスペッションとなっており空気圧によって車高が変化できる仕組みとなっているものもあります。車両タイプや、お好みの仕上がりに合わせて方法を選んで、自分好みの車高にしてみましょう。
■ローダウンの仕組みは
ローダウンとは、どんな改造がされているのか、車高を低くすることなんて可能なのか、気になるところかと思います。主な方法としては、車内のバネの高さを短くするような方法となり、サスペンション内の空気を逃がすことで低くする方法です。 以下で、詳しい方法について詳しく説明していきます。
ローダウンにする方法は
前述の通りに、3通りあります。
1. ダウンサス
2. 車高調
3. エアサス
それぞれ説明していきましょう。
■1. ダウンサス
この方法は「ダウンスプリング」とも呼ばれていて、サスペンションについているバネ自体を交換する方法です。バネ以外の純正サスペンション部品は一切変えません。バネの大きさによって、仕上がり具合も決まってきます。ちなみに、このサスペンションとは、段差や高低差があるでこぼこした道などで衝撃を受け止めてくれるような存在です。
■2. 車高調
車高調とは「車高調整式サスペンション」の略称です。バネ部分のみ交換するローダウンとは異なり、車高調はサスペンション自体を交換する方法です。
車高だけでなく、サスペンションの減衰力も好みに合わせて調節できるところが魅力の方法と言える、利便性の高い方法です。 車高調にも様々にあり、ネジ式車高調、全長調整式車高調、Cリング式車高調があります。
■3. エアサス
高級車やバスに用いられている方法です。 エアサスペッション、通称エアサスは空気のバネによって車体の高低を調整し、衝撃を吸収するものです。エアサスコントローラーというものを使って、空気量・空気圧をコントロールします。バスや大型トラックで使われていて、リモコン操作でできます。
■ジャッキの使いかたは両輪ジャッキアップが望ましい
ローダウンにするためには、前述した方法がありますが、中のバネを取り換える場合には、車をジャッキアップして行うことになります。その際には、両方のタイヤを同時にジャッキアップすることが望ましいでしょう。
■両輪ジャッキアップが望ましいのはなぜ?
両輪ジャッキアップして行うのはなぜか、説明していきます。 サスペンションとは、車輪と車体をつなぐ部分で、衝撃を吸収する働きがあります。 つまり、車体の底の部分(最底位置)に位置するため、ローダウン作業を行う際にはジャッキアップすることで車輪と車体を緩ませて作業する必要があります。
そもそも、片輪のみのジャッキアップは不安定と言われています。例えば、大きな車両の場合、重心位置が保ちにくくなり車両の横転事故や、ジャッキアップ装置そのものが故障してしまう要因にもなりかねます。
■気になる工賃は
ダウンサスの価格としては、1台分5000円~5万円程と幅広くなっています。適応した車両にもよって値段が変化するため、どんなダウンサスを購入するべきか検討する必要があります。
工賃としては、業者や車両によって価格は異なりますが大体2~3万円が相場と言われています。車両のグレードの高さや、車体が大きければ大きいほどに工賃も高くなる見込みです。
ダウンサスを業者で行う場合には、上記を合計して大体4万円~8万円程度を見積もっておくとよいでしょう。
車高調の価格としては、利便性が高いこともあり、ダウンサスと比較して高めに設定されています。工賃費用として大体3万円以上となっていて、調整費用で8000円以上、アライメント調整費用は3万円近くするようです。車高調では、一発でお好みの高さに仕上がることは難しいため、微調整が必要となってきます。したがって、調整費用や、アライメント調整費用がかかることは想定しておくべきです。
そして、エアサスは「キット代」「施工費」「改造申請費」がかかります。
ローダウンは合法?
ローダウンは、平成7年より合法化されました。 合法化以前までは、ローダウン車は暴走族というイメージがされていて、ローダウン車で走る場合には、陸運支局への届け出と認証が必要とされていました。平成7年に規制緩和され、最低地上高が9㎝以上であれば、公認車検を受ける必要はありませんが、スプリングの切断は違法となりますので注意しましょう。
ローダウンのメリットは
ローダウンのメリットとして、車高が低くなり、重心位置も下がることで安定性が向上することが挙げられます。例えば、カーブを曲がる際などにふらつきを抑えることができることや、高速道路などの速度が上がっている状態でのレーン変更の際にも安定感が出ると言えます。 ローダウンにする人の多くは、見た目のかっこよさを引き出すために行う人が多いです。どっしりと構えた見た目やスポーツカーのような見栄えは、魅力的と言えるでしょう。
ローダウンのデメリットは
一方で、ローダウンにすることで乗り心地が悪くなることがあるようです。サスペンションやエアーサスペンションは、本来走行中の高低差のある場面や、でこぼこした道において衝撃吸収の作用がありますが、この作用が抑えられてしまうことがあります。
乗り心地は
調整方法によって乗り心地は左右されるようですが、車検の保安基準内で調整した場合には大きく変わらないようです。 しかし、ローダウンにすることで徐々に車体内部が消耗し、劣化することで衝撃吸収作用が悪くなることで乗り心地も悪くなるようです。 また、ローダウン作業において安価な備品を購入してしまうと思わぬことになるリスクもありますので、なるべく車両に合ったものを選ぶようにしましょう。 ダウンサスと車高調においては、より好みのサイズに調整できる車高調のほうが乗り心地も良いものにできるそうです。
ローダウン車検は通るの
ローダウン車は、合法の範囲の行いですから車検は通ります。しかし、ローダウン自体保安基準があり、その範囲を守らない場合には、車検も通らないことになってしまうので注意が必要です。 また、地上からの高さは守っているはずでも、実は一部が基準を超えていることもしばしばあり、車検が通らないなんてことも起き得ますので注意しましょう。
■保安基準は
では、保安基準とは何があるのでしょうか。
地上面から車体の最低位置までの距離の最低地上高が、9㎝以上必要と言われています。
車体の前輪・後輪の間で測定することになっているのです。車体の最低位置って、どの部品で測定するかということも気になるかと思いますが、フレームか、マフラー、サスペンションメンバーとなることが多くなっています。
含まれないものとしては。タイヤやホイールは含まれず、タイヤやホイールを支持するロアアームなどのアーム類も測定基準には含まれません。
■最低基準に含まれないものは
しかしすべてが地上面から90mm以上ないといけないということでもありません。タイヤやホイールを支持するアーム類はこの90mm以上には当てはまりません。他には、リアアスクル、スイングアーム、ラテラルロッド、トーコントロールロッド、エアロパーツなどとなっています。ゴム製のパーツも含まれませんので、泥除けも対象外です。 しかし、エアロパーツは樹脂製であることや、フォグランプ・ウィンカーといった灯火類が付属していないことが条件となります。
まとめ
お手持ちの車の見た目もこだわりたい。
そんな時には、ローダウンが良い方法かもしれませんね。
車高低くし、どっしり構えたフォルムは見ごたえがありかっこいいですね。
しかしローダウンにするには、ジャッキアップをして、車内構造も熟知したうえで行わないと走行中に危険が伴う可能性が大きくなります。
行う際には、業者に頼んで行うほうがベターでしょう。
部品のみ購入して依頼することも可能です。
そして、ローダウンには方法が3つほどあり、サスペンションのバネのみ交換することで、バネを短くし高さを変えるダウンサス、サスペンションに関わる部品を調整する車高調、空気圧を変えて高さを調節するエアサスがあります。ダウンサスは10万円以内で行えることが見積もれますが、車高調やエアサスは数十万円単位の高額な金額がかかります。
車高調は、金額は高いですがその分、高さや乗り心地を自分好みに調整できるメリットが良いところです。
そして、ローダウンは平成7年以降合法化されたことで車検も通るようになっています。
くれぐれも注意事項をよく守り、ローダウンしてくださいね!