軽トールワゴン「スバル・シフォン」とは
富士重工業(現:スバル)では以前、2代目タントの派生車種タントエグゼのOEM供給モデルである「ルクラ」が販売されており、「ルクラ」の販売終了以来、およそ1年7ヶ月ぶりに軽スーパーハイトワゴンである「シフォン」が販売されました。
スバルが製造を行っている訳ではなく、ダイハツからのOEM車として供給を受け、スバルブランドで販売されています。
また、2019年7月に初のフルモデルチェンジが行われ、2代目となりました。
スバル ルクラ
■初代シフォン
ダイハツのタント
2016年12月に発売された初代のシフォンは、ダイハツの3代目「タント/タントカスタム」と姉妹車関係にあり、外観から装備、エンジンの性能は共通。唯一違う部分はエンブレムくらいです。また、内装も同様にデザイン上の違いはありません。
スライドドアはエントリーグレードを除く全車に半ドアの位置まで閉めたあとに自動的に全閉するイージークローザー(左右)と、ドアハンドルにあるスイッチ操作でロック解錠とドアオープンを同時に行うワンタッチオープン機能付パワースライドドアが採用されています。
ボディカラーは、シフォンのボディカラーがモノトーンのみの全9色であるのに対し、タントはモノトーン10色+ツートーン2色の全12色です。
またシフォンとタントは同じエンジンを搭載していて、ラインナップは直列3気筒DOHC12バルブ(52ps)と直列3気筒DOHC12バルブインタークーラターボ(64ps)の2種類です。
また、シフォンにはタントに設定されている衝突被害軽減ブレーキ「スマートアシスト3」の非搭載グレードが存在しないため、全車で「スマートアシスト3」が標準装備されているのが特徴になっています。
■ベースになったダイハツ・タントの特徴
「ダイハツ・タント」はファミリーカーとして操作のしやすさから女性にも人気のクルマです。そして「タント」の一番の特徴が助手席側のセンターピラーレスを実現したことです。
そのことで乗り降りや荷物の出し入れがスムーズになり、ミラクルオープンドアとロングスライドを兼ね備えることで解放感ある広さを実現しました。
■2017年12月の改良でより設備が充実
2017年12月に行われたマイナーチェンジは、OEM元のタントの一部改良に伴うもので、新たに4つのカメラで車両の前後左右を撮影し、ナビ画面にクルマを真上から見下ろしたような映像を映し出し、車両周囲の状況が把握できて、狭い路地から広い道への合流などの見通しの悪い交差点、車庫入れや縦列駐車、狭い道でのすれ違いなどが安心して行えます。
パノラミックビューモニター(タントのパノラマモニターに相当)が採用され、「G スマートアシスト」・「カスタム R スマートアシスト」・「カスタム RS Limited スマートアシスト」にメーカーオプション設定されました。
そして、「G スマートアシスト」・「R Limited スマートアシスト」をベースに、前述のパノラミックビューモニターと右側パワースライドドアが装備された新グレード「G Special スマートアシスト(タント「X""リミテッド SA III""」相当)」と「カスタム R Special スマートアシスト」が追加設定されました。なお「G Special スマートアシスト」には、LEDヘッドランプと「ナビアップグレードパック」も同時に装備されています。
スバルのシフォン 2018年特別仕様車「Gスペシャルスポーツ・スマートアシスト」
2018年12月に発売された特別仕様車「G Special Sport スマートアシスト」は、LEDヘッドランプ、両側パワースライドドアなどの快適装備に加えて、14インチのアルミホイール、タコメーター付の3眼ルミネセントメーターや、シャドウフロー柄ブラックインパネセンタークラスターといった特別装備により、上質でスポーティなものになっています。
また安全装備も充実していて、衝突回避支援システムの「スマートアシストⅢ」をはじめ、パノラミックビューモニターとSRSサイドエアバックが標準装備されています。
その他にブラックファブリックシート、ブラックインパネ&ドアトリム、ピアノブラック調&ファブリックドアアームレスト、エアベントグリルメッキノブ、センターエアベントグリルシルバーリング加飾、メッキインナードアハンドルなどによるスポーティなインテリアも特徴の一つです。
そして女性には嬉しい紫外線を99%カットしてくれる素材を使用した、フロントガラスが使用され、日差しよけになるサンシェードも取り付けられました。
オーディオについても「ナビアップグレードパック」として、ステアリングスイッチ、リヤビューカメラ、16cmリヤスピーカー、ツィーター、GPSアンテナ、フルセグTVフィルムアンテナ用ハーネス、後席モニター用ハーネスも用意されています。
「G Special Sport スマートアシスト」はファミリーユースに最適な軽トールワゴンで、使い勝手の良さだけでなく、内装やオーディオにもこだわりたいユーザーに適任といえる特別仕様車になっています。
初代スバル シフォン のスペックは?
初代シフォンのスペック
エンジン:658cc 直列3気筒DOHCおよびターボ
最高出力:
38kW (52PS)/6,800rpm(NA車)
47kW (64PS)/6,400rpm(ターボ車)
最大トルク:
60N・m (6.1kgf・m)/5,200rpm(NA車)
92N・m (9.4kgf・m)/3,200rpm(ターボ車)
変速機:CVT
全長3,395mm全幅1,475mm全高1,750mm
ホイールベース:2,455mm
公式サイトより(2020年1月現在)
■初代スバル シフォン燃費は?
シフォンの燃費についてはJC08燃費が24,6km/Lから28km/L、実燃費が11,66km/Lから13,47km/Lといわれいます。
この数字であればまずまず燃費がいいクルマだと言えるのではないでしょうか。
■初代スバル シフォン中古車価格の相場はいくらくらい?
シフォンの中古車価格はマイナーチェンジ前のモデルが安いもので82,8万円、高いもので167万円で、それ以降のものも82,8万円から167万円となっています。それで相場は100万円前後になります。
※中古車情報サイトカーセンサー調べ(2019年1月現在)
2代目スバルシフォン
2代目シフォン
2019年7月に初のフルモデルチェンジが行われました。初代に引き続き、シフォンとシフォンカスタムが設定され、初代モデルで設定されなかったターボ車が追加されています。
また、ベース車のタンでは可能なスマートアシストレス仕様を選択することはできず、スマートアシストは全車標準搭載となっています。
新設計のプラットフォームにより、さらに広くなった室内では、運転席最大が540mm、助手席は最大380mmののシートスライドが可能で、前席に座った状態での後席へのアクセスや、前後の席をウォークスルーで移動する際の利便性が高めらています。
■安全性能はさらに向上
2代目シフォンカスタム
新「スマートアシスト」では、安全性能と利便性が大幅に向上しており、「アダプティブドライビングビーム」を軽自動車で初めて採用したほか、「車線逸脱抑制制御」などの機能を新たに装備しています。
また、「スマートアシストプラス」として、「全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール」や、「レーンキープコントロール」、「スマートパノラマパーキングアシスト」といった軽自動車初の機能に加え、「サイドビューランプ」などの機能を採用しました。
走行性能では、軽量化と高剛性を実現したプラットフォームによって、操縦安定性や乗り心地、衝突安全性能を大幅に高め、加速と燃費性能を両立しています。
■2代目シフォンのスペック
2代目シフォンのスペック
エンジン:658cc 直列3気筒DOHCおよびターボ
最高出力:
38kW (52PS)/6,900rpm(NA車)
47kW (64PS)/6,400rpm(ターボ車)
最大トルク:
60N・m (6.1kgf・m)/3,600rpm(NA車)
100N・m (10.2kgf・m)/3,600rpm(ターボ車)
変速機:CVT
全長3,395mm全幅1,475mm全高1,755~1775mm
ホイールベース:2,460mm
公式サイトより(2020年1月現在)
燃費はJC08モードで23.8~27.2㎞/Lで、WLTCモードでは18.8~21.2㎞/Lとなっています。
■2代目スバル シフォン中古車価格の相場はいくらくらい?
2代目シフォン ミラクルオープンドア
発売後、約半年、なので多くは流通していませんが、見受けられる中古車は新車時と大きくは変わらない価格となっており、相変わらずの人気モデルであることが伺えます。
最後に
シフォンは燃費が良く安全装置も充実しているので、女性が運転するセカンドカーとしてはぴったりだと思います。
中古車価格もお手ごろなので、もう一台増やそうかなとお考えの方は、実際に見て試乗などをされると乗り心地が体験できて、実感が湧くことでしょう。
ぜひその感覚を味わって検討してみてください。