トヨタパッソとの相違点
2004年6月に登場した初代ダイハツBOON(以下、ブーン)は、ダイハツストーリアの後継車です。2016年に登場した現行のブーンは3代目に当たり、ダイハツが製造しています。
そのOEMがトヨタパッソなのです(パッソはトヨタデュエットの後継車です)。もしかするとブーンがパッソのOEMだと勘違いしている人もいるかもしれないですね。
ボディサイズは、ブーンとパッソは全く同じで下記の通りです。
・全長:3680mm
・全幅:1665mm
・全高:1525mm
・ホイールベース:2,490mm
ブーンとパッソの相違点は、フロントグリルとリヤハッチ、(ホイールの中央の)オーナメントのエンブレムだけと、極々僅かです。(因みに装着されているタイヤも、ダンロップのENASAVEで同じです。)
ブーンとブーンCILQ(以下、シルク)、ブーンSTYLE(以下、スタイル)が姉妹だとすれば、トヨタパッソとはちょうど従姉妹の様な間柄です。
ダイハツの軽自動車の製造で培ったノウハウが凝縮
ダイハツと言えば軽自動車、軽自動車と言えばダイハツ。ブーンは普通自動車でトップクラスの低燃費を誇る車種ですが、それは車体の軽さもさることながら、軽自動車で開発した「e:S(イース)テクノロジー」によるところが大きいと言えます。
「e:S(イース)テクノロジー」とは、これまでに開発した技術や部品を精査し直し、コストを局限することで価格の上昇を回避しつつ、最大限の効率化を図る取り組みです。ダイハツはこれを第3のエコカーと呼んでいます。
具体的には車体部品の見直しによる大幅な軽量化、動力伝達の効率化などによるロスの軽減、エネルギーマネジメント技術の進化による燃費向上などが上げられます。ブーンは正に、ダイハツが軽自動車で培ったノウハウが凝縮したクルマなのです。
ダイハツ ブーンのグレード&スペック
ダイハツ・ブーンX GパッケージSA III
グレードは最も安い『X』から、最上級グレードとなる『シルクGパッケージ SAIII』まで、いずれも排気量は同じく996㏄のエンジンを搭載しています。
グレードにより若干の違いがありますが、WLTC燃費は24.4㎞/リットルから28.0㎞/リットルと良好な値になっています。
ブーンの上級グレードであるシルクには、前後左右のカメラで周囲の障害物を映し出す「パノラマモニター」を装備するなどして区別化を図っています。
ブーンシルクGパッケージSA3に用意される「ドレスアップパック」には、LEDフォグランプや、本革巻きのシフトノブ、15インチアルミホイールなどが装備されます。
ブーンスタイルSA3に用意される「スタイルアップパック」には、スーパーUV&IRかっと機能付きガラス、スーパーUVカット機能付きスモークドアガラスが装備されます。
■ダイハツブーン(2016年4月登場の3代目)のスペック
乗車定員
・5名
ボディタイプ
・5ドアハッチバック
エンジン
・1KR-FE型:996cc 直列3気筒DOHC
・最高出力:51kW (69PS)/6,000rpm
・最大トルク:92N・m (9.4kgf・m)/4,400rpm
駆動方式
・前輪駆動(2WD車)
・四輪駆動(4WD車)
変速機
・CVT
サスペンション
・前:マクファーソン・ストラット式コイルスプリング
・後:トーションビーム式コイルスプリング(2WD)
・後:トレーリングリンク車軸式コイルスプリング(4WD)
ボディサイズ
全長
・3,650mm(X)
・3,660mm(CILQ)
・3,680mm(CILQ・STYLE)
全幅
・1,665mm
全高
・1,525mm
ホイールベース
・2,490mm
車両重量
・910-960kg
ブレーキ
・前:ベンチレーテッドディスク
・後:リーディング・トレーリング
篠原涼子さんのCMも話題!
女優の篠原涼子さんが主演するCMも話題です。2018年末に放送された『ハート編』では、ブーンの可愛さに心を射抜かれた篠原さんの頭の上にピンク色のハートマークが現れます。
同様に、ハートマークの現れた女性達がミュージカルの様に踊りながら、ダイハツブーンに引寄せられるという、キュートなCMとなっています。
女性だけでなく、散歩をしていた大型犬(オールドイングリッシュシープドッグ)がブーンの魅力で宙を舞ってしまうというコミカルな展開もあります。人もペットも魅了する、愛らしくてカッコいいブーンにピッタリな演出となっています。
■新車で買う『ダイハツブーン』
新車価格帯:117~189万円
新車価格は、『ブーンシルク“Gパッケージ SA Ⅲ”』が、最も高く、1,891,080円(税込み)。そして『ブーンX』が、最も安く、1,177,200円となっています。
■中古車で買う『ダイハツブーン』
中古車価格帯:3~188 万円
一方、中古車市場では、『ダイハツ ブーン X4ハイグレードパック』が高値を付けている様です。
「ブーン」、「ブーンシルク」に続く、末妹「ブーンスタイル」
ブーンスタイルは、3代目のブーンから加わったモデルで、ブーン、ブーンシルクとは外観、内装が異なります。3色シートのステッチが内装の特徴となっています。衝突回避支援システムの「スマートアシスト3」を装備しており、安全面でも抜かりなしとなっています。
『デトマソ』の熱い記憶が蘇る!BOON SPORTO Package
赤と黒のツートンカラーの小型車というと、80年代に一世を風靡したシャレードデトマソを思い出す方も多いのではないでしょうか?
『シャレード・デ・トマソ(以下、デトマソ)』は、イタリアのスーパーカーメーカー、デトマソとのコラボで誕生した3ドアのホットハッチです。
『BOON SPORTO Package(以下、ブーンスポルトパッケージ)』は、ブーンシルク用に装着できるエクステリアキット。フロント、サイド、リヤの黒いエアロパーツで構成されています。
車体色が『ファイヤークオーツレッドメタリック』のブーンスタイルに装着すると、往年のカーマニアなら、デトマソを連想することでしょう。オプションで15インチの『VOLK RACING CE28N』(色はハイパーゴールド)も用意されています。
ホットハッチ仕様のダイハツ ブーンX4(クロスフォー)
ブーンファミリーの中にあって3姉妹と配色の個性を持ったモデルが、ブーンX4(クロスフォー)です。モータースポーツを愉しみたい人向けのモデルで、『ベーシックモデル(183万円)』の他に、『ハイグレードパックモデル(204万円)』があります。
このハイグレードパックモデルには、電光格納ミラー、キーレスエントリーなどの快適装備の他、MOMO製革巻きステアリングやアルミホイールを備えています。
気になるエンジンだが、排気量はブーン3姉妹より小さい936㏄。しかし直4ターボで、最高出力133馬力、最大トルク13.5kgmを発揮。これに4WDと5速MTが合わされています。
きびきびとした走りが楽しめるモデルとなっていますが、左手はシフトノブから離す暇がないかもしれません。覚悟して乗るクルマです。
「ダイハツ ブーンをカスタムスタイルで乗る!」フロントリップスポイラー、ハーフスポイラーを取り付けるだけのカスタムも人気の様です。
まとめ
2004年に登場したブーンも、2016年登場の現行モデルで早くも3代目となっています。かわいくてよく走るブーンは人気を博し、シルク、スタイルと姉妹も増え、従姉妹にあたるトヨタパッソの売り上げも好調です。あとは、ブーンX4(クロスフォー)に新型が出てくれれば‥と、願うばかりです。