日産のエクストレイルの販売が好調な理由
3代目となる現行モデルの日産「エクストレイル」は、2013年12月のデビューで、すでに6年が経過しようとしていることからもわかる通り、最新とはいえないSUVです。
しかし、2018年4月~2019年3月までの累計販売台数は46487台となっており、普通乗用車全体では21位ですが、SUVカテゴリではトヨタのC-HR、ホンダのヴェゼルに次いで3位となっています。
また、日産車としては「ノート」と「セレナ」に次ぐ量販モデルでもあります。
モデル末期といってもいい「エクストレイル」が、なぜこのように安定した販売を続けられているのでしょうか。
それは「エクストレイル」を買うべき理由と同じ要因であると考えられます。
乗用車ブランド通称名別順位2018年度(4月~3月)より抜粋
トヨタC-HR 72,009台
ホンダヴェゼル 59,974台
日産エクストレイル 46,487台
※日本自動車販売協会連合会調べ
■【エクストレイルが人気な理由とは】1.先進性の維持と向上
SUVを好む人は、悪路を好んで走るというのは昔の話であり、現在ではその先進性を求めてSUVを購入しています。
そうなると新しい車種に目がいきがちですが、2013年に登場した現行の「エクストレイル」は、毎年のように細かなチェンジを繰り返してその先進性を維持することで人気を得ています。
デビュー当時には今話題の3列シートをすでに装備したSUVとして話題となり、2015年には1モーター2クラッチ・パラレル方式のハイブリッド車を追加設定し、全車へエマージェンシーブレーキを標準装備化しました。
また、2017年のマイナーチェンジにおいて「セレナ」に次いで高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」を採用。
さらに2019年には「AUTECH」グレードを設定するなど常に進化させ、先進性というSUVの魅力を維持し続けています。そうしたことから、発売から6年になろうとしている現在でも、最新車種に負けない人気と販売台数を記録しているのです。
■【エクストレイルが人気な理由とは】2.手ごろなボディサイズと価格
SUVにとってサイズと価格は非常に重要な要素となります。迫力あるデザインと走行安定性、そして長距離ドライブも快適な居住性能や積載能力を考えると大きいい方が有利なのですが、日本での利便性を考えると限度があります。
その点、「エクストレイル」は全長4690mm、全幅1820mmというサイズなので日常使いにも適応できます。しかも価格は2,272,600円からという低価格設定なのです。
同サイズのライバルであるスバル「フォレスター」が2,860,000円から、マツダ「CX-5」は2,618,000円からということを見ても、「エクストレイル」が非常にリーズナブルであるのがわかります。
つまり、「エクストレイル」はSUVにとっての肝となる広さと機能性を、ファミリーカーとして重要なリーズナブルな価格で提供していることが売れる理由と言っても良いでしょう。
■【エクストレイルが人気な理由とは】3.飽きのこないボディスタイル
マツダの「CX-5」にしてもトヨタの「C-HR」にしても最新のSUVは非常にカッコ良くスタイリッシュなものか、スバルの「フォレスター」やホンダの「CR-V」、そしてトヨタの「RAV4」のように無骨なものが多くなっています。
それが魅力でもあるのですが、ファミリカーとしてこれ一台で済ませるには抵抗があると感じる人も多く、「C-HR」のように大人気になっても、人気があるからこそ短い期間で飽きられてしまう可能性があるのも事実です。
その点、「エクストレイル」のデザインは、こうしたクセが少なく、誰にでも抵抗なく受け入れられて飽きもこない「ユニバーサルデザイン」であることが日本のユーザーに受け入れられたのではないでしょうか。ちなみに同じプラットフォームを利用する仏ルノー版の「カジャー」は、一味違うフランス流の味付けで、興味深いデザインとなっています。
エクストレイルが選ばれ、そして売れ続ける理由
「エクストレイル」の販売が好調な理由はこのように3つの点があり、今SUVを検討するならエクストレイルを選ぶべき理由にもなります。
オンロードやちょっとした雪道程度を移動するような利用法であれば(99%のユーザー)、この価格帯のSUVは、最新機種ほど魅力的に映りますが、その中でけっして新しいとはいえない「エクストレイル」が安定して売れ続けているのは、大きめのボディなのにリーズナブルであり、しかも最新装備と充実したスペックを備えているということが背景にあるのではないでしょうか。
まとめ
エクストレイルの初代が登場したのは2000年。まだSUVという言葉や概念が一般的でなかったころです。
そして2015年まで発売されていた2代目までいわゆる「四駆」というオフロードイメージ満載で、一部のアウトドア志向のファン向けののモデルでした。
それが3代目となった今では都市にも似合うクロスオーバーSUVとして、「ノート」「セレナ」に次ぐ日産の主力乗用車となっています。
それでも初代、2代目から延々と続く泥臭さや、無骨なイメージが、オシャレで気取ったSUVよりも安心感が感じられるのは私だけでしょうか?
2020年後半にも登場すると言われている4代目はより一層近代的なフォルムとなるはずですが、このちょっと都会に慣れていない自然児のDNAは残してもらえたらうれしいと個人的に思っております。