ブレーキシューとは
ドラムブレーキ
ブレーキ(制動装置)は、車を減速・停止させる非常に重要な役目を持っています。そして、自動車に用いられるブレーキにはいくつかの種類があります。
現在自動車に使われるブレーキは、大きく分けて5つの種類があります。ドラムブレーキ、ディスクブレーキ、エンジンブレーキ、回生ブレーキ、排気ブレーキです。この中で今回は、ドラムブレーキとディスクブレーキに触れたいと思います。
より古い時代から自動車のブレーキとして使われているのは、ドラムブレーキです。造りが堅牢で、制動力も高く、比較的安価で製造できるのが特徴です。
ディスクブレーキはドラムブレーキに比べて高価になります。ディスクブレーキは、摩擦によって生じる熱を逃がしやすいのが特徴です。ディスクブレーキでは、ディスクを挟むキャリパーと呼ばれる部品のピストンの数を増やす事で制動力を増す事が可能ですが、そうなると部品代が更に高くなります。
2種類のブレーキの特徴を一言で表すと放熱効果の高いディスクブレーキ、安くて堅牢なドラムブレーキという事も出来ます。
そんなドラムブレーキで、車輪のドラム部分に内側から押し当てる事で車輪の回転を止める三日月形の部品が「ブレーキシュー」と呼ばれるものです。
ブレーキシューの交換時期
定期点検が必要!
ブレーキシューとは、車が止まる為に必要なブレーキを構成する部品の一つで、摩擦力によって車輪の回転を止める仕組みとなっています。
当然、摩擦によってブレーキシューは消耗していきます。一般的に、ブレーキシューは厚さが1㎜以下となっていたらすぐに交換が必要と言われています。
ディスクブレーキのディスクパッドも、ブレーキシュー同様に摩耗する部品なのですが、こちらは厚みが一定以下になると金属音がする為、整備のプロではないドライバーも容易に交換時期である事に気付く事が出来ます。
一方、ドラムブレーキのブレーキシューは、摩耗していてもディスクパッドの様に気付きにくい特徴がない為、定期的な点検が必要不可欠となります。
ブレーキシューの交換方法と費用
不安な方はプロに任せよう
ここでは、ブレーキシューを自分で交換してみたいという方向けに簡単に手順を説明します。
ドラムブレーキのブレーキシューは、ディスクブレーキのブレーキパッド程には簡単に交換できません。覚悟して作業に取り掛かりましょう。また、不安が少しでもおありの方は、DIYで交換作業するのは避けた方が無難です。
■準備するもの
まず、部品を購入します。ブレーキシューは左右セットで約4,000円程度から市販されています。社外品なら更にお安く手に入るようです。
工具は、車を持ち上げるジャッキと、メガネレンチ、スピンナーハンドル、マイナスドライバー、トルクレンチ、ハンマー、グリスが必要となります。他にもウエス(布)があると良いでしょう。
■作業手順
1. ジャッキアップします。車載工具のジャッキで可能です。
2. タイヤをホイール毎取り外します。
3. ハブキャップを取り外します。
4. ハブナットの割ピンを起こしてから、ハブナット事態をプライヤーで抜き取ります。
5. ハブナットが外れたら、ドラムを開きます。
6. ブレーキシューを固定している、板バネとピンを外します。板バネにはテンションが掛かっていますので、ゴーグルなどを着用して眼を守りましょう。
7. 古いブレーキシューを取り外し、スプリングを新しいブレーキシューへ付け替えます。
8. バックプレート、ホイールシリンダーのシューと接する部分にグリスを塗り、ドラムを元通り組み付けます。
9. タイヤとホイールを組み付けます。
作業手順は上記となります。
作業完了後 、車を動かす際はいきなりスピードを出さずに、ブレーキの効きを確かめて下さい。最初はとても効きにくい状態になっています。
■ブレーキシューの交換費用
工賃は左右1組で約4,000円(フロントとリアにドラムブレーキを採用している場合は2倍の8,000円程度)が相場となっています。
■注意
ブレーキは重要保安部品であり、本来は知識やノウハウの無い人がDIYで作業するべきではありません。ブレーキシューの仕組みと交換方法についてご紹介して来ましたが、ブレーキシューは整備工場で交換して貰う事を強くお勧めします。
また、ブレーキシュー自体の部品代は決して高い金額ではありません。作業を開始する前に、整備工場に作業を依頼する事を再考するようお願い致します。
まとめ
安心安全なカーライフを!
現在製造されている自動車の中でも、特にスポーツカーにはディスクブレーキが多く採用されています。
しかしながら、コストの重視される小型車、軽自動車、それ程ハードな使用を必要としていない普通乗用車などでは、ドラムブレーキがこれからも長く採用される事でしょう。
ドラムブレーキとブレーキシューについて理解が深まった事で、より安全・快適なカーライフが送れると良いですね。