EVとは?
テスラ・モデル3
EVは、「Eletric Vehicle」という英語の頭文字を取った言葉で、日本語では電気自動車と訳されます。エンジンの代わりに、バッテリーとモーターが搭載されており、バッテリーに貯めた電気の力で車輪を駆動させて動く車です。
ハイブリッドの車であれば、バッテリーとモーターの他にガソリンエンジンを搭載して、主にエンジンを駆動力とし、モーターはあくまでもアシストという形になりますが、電気自動車はモーターが唯一の駆動力となります。
テスラ・モデル3
またプラグインハイブリッドであれば、バッテリーとモーターのみで駆動させることもできますが、航続距離はそれほど長くありません。バッテリーとモーターでは補いきれない距離を、ガソリンエンジンを駆動させることで走行させます。
電気自動車はガソリンエンジンが搭載されていないので、二酸化炭素を走りながら排出することもなく、環境に優しい移動手段として注目を受けているジャンルです。国内では日産自動車のリーフや三菱のi-MiEVなどがあります。
電気自動車は充電をして電気をためるので、充電スポットがあることが普及への鍵となります。以前は充電スポットがあまりなかったことから、利便性が非常に悪いことが懸念点でした。しかし近年様々なところに充電スポットが設置されているので、外出先でも充電させやすくなっています。
EVのメリット
EVのメリットを見ていきましょう。電気自動車を導入することで、ガソリン車にはなかったメリットを享受できます。
■環境に優しい
テスラ・モデル3
電気自動車の最大のメリットとなるのは、環境に優しくなることです。ガソリン車やディーゼル車の場合はエンジンを駆動させるので、排気ガスを排出することになります。その一方でEVの場合には、バッテリーとモーターの駆動なので、二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質が排出されません。
有害物質が排出されることで、大気汚染が引き起こされるので、環境汚染への対策が取り組まれていると、EVの導入を推進しているところもあります。もちろんEVだからといって、排気ガスが全く排出されないわわけではありません。
動力となる電気を発電させるためには、やはりエネルギーの変換が求められ、二酸化炭素を排出されるでしょう。しかし電力の場合は、風力発電や水力発電で発電される可能性もあるので、全体として見たときに環境への負担を軽減させるために有効です。
■補助金や減税が適用できる
自家用車
EVを導入するときに、国や自治体の補助金の対象となるケースもあります。EVだけでなく、充電用スタンドを工事する時にも、補助金制度が用意されていることもあります。
クリーンエネルギー自動車の種類ごとに補助金の上限額が定められており、電気自動車は40万円が上限です。また電気自動車のミニカーは20万円、原動付自転車の電気自動車は6万円、第二種原動機付自転車は12万円と設定されています。
その他に自動車税や重量税に対して、自動車グリーン税制、エコカー減税などが適用され、自治体によってはさらに優遇されることもあります。別の点としてガソリン車の場合はガソリンを購入するときに、ガソリン税や石油税が発生していますが、電気自動車は電気を利用するのでそれらの税がかからないということもメリットです。
■燃料費が非常に安くなる
充電スタンド
ガソリンや軽油と比較すると燃料費を抑えることができるのも、電気自動車のメリットです。電気自動車の場合には、昼間に充電するのではなく、費用を抑えられる夜間電力を利用する方法があります。
契約プランを見直して夜間電力が安いプランにしておくと、電気自動車の燃料費を削減できます。
電気自動車自体も、減速時にエネルギーを回収する、回生ブレーキが搭載されているのでエネルギー効率がガソリン車よりも高いです。これらの点からEVは燃料費を抑えることが可能となっているのです。
■振動や騒音が少なくなる
日産リーフ NISMO
EVはガソリンエンジンと異なり、燃料を爆発させることがないので、走行中非常に静かという特徴があります。エンジンルームが不要になるので、スペース効率を高めることができ、車内の自由度が高まることもあります。
エンジンが発生源となる、騒音や振動を抑えることができ、走行音がほとんどしないという静粛性が魅力です。
■モーターのトルクフルな走りが楽しめる
日産リーフ NISMO
EVの特徴として、どの回転数でも安定したトルク出力になることです。ガソリンエンジンの場合は、回転数によってトルクが異なります。
モーターの特性を生かし、低い回転数から大きなトルクを発生させられるので、加速が早くなります。街中でストップ&ゴーが多くなる走行シーンで、モーターのトルクフルなは走りの恩恵を受けることができるでしょう。
EVのデメリット
EVは使い方によっては苦手な分野もあります。環境に優しいことから注目されている電気自動車ですが、どのような使い方に合わせて考慮すべきデメリットがあります。
■導入費用が高い
自動車 販売
導入費用が高いことは1つのデメリットとなります。比較的安価に入手できるEVもあるとはいえ、ガソリン車よりも車両価格が高い傾向にあります。
EVに乗りたいと思っていても、車両価格から断念してしまう方もおられるでしょう。補助金などを考慮したとしても、電気自動車の車体価格は高いです。
■充電スタンドが限りがある
Delta EV Charging Station
ガソリンスタンドは全国に普及しているので、給油することで困ることはほとんどないでしょう。しかしEVの場合は、充電スタンドの普及が進んでいるとはいえ十分ではありません。
外出先で充電スタンドがないと帰りの運転に必要の電力が充電できないという事態になりかねません。また充電スタンドがあったとしても、他の車が充電していると、自車を充電できないということも考えられます。今後充電スタンドが普及していくと考えられますが、EVのインフラ が追いついていないことは懸念点になります。
■航続距離に限りがある
EV用充電スタンド プラゴバー
バッテリーを満タン状態にしてから、走れなくなるまでの距離が航続距離です。EVはガソリン車と比較すると、航続距離が短い傾向にあります。もちろんEVの中には、「ロングレンジ」を特徴としているグレードもあり、ガソリン車と遜色ない航続距離を誇るものもあります。
しかし一般的なEVの場合には、航続距離が短い傾向にあることは否めません。日常の街乗りだけでなく、週末に遠出をすることが多いなら、EVの航続距離が不安になるかもしれません。
■充電時間が長い
EV用充電スタンド プラゴバー
ガソリン車であれば給油にかかる時間は数分です。しかしEVの場合には、急速充電でも車種によっては30分、充電を満タンにしたい場合には、さらに時間がかかります。買い物ついでに充電できるのであれば問題ありませんが、長距離ドライブをしたいときには、充電時間を考慮する必要があります。
■長期間の運用に不安がある
日産 リーフNISMO
電気自動車は、以前と比べると普及してきたとはいえ、長期間の運用に不安があります。例えば主に考えられるのは、バッテリーの劣化です。各メーカーはバッテリーの劣化を考えて、車の設計をしています。
バッテリーの劣化は、何年車に乗るのかによって変わりますが、走行が10万kmになっても70%の容量は確保できるように設計されているようです。もちろんメーカーによってバッテリー保証の考え方は異なります。
バッテリーの技術が進歩すると、耐久性や性能維持の可能性が高まります。それでも、長距離を乗る人であれば、どれほどバッテリーが耐えられるのか不安に感じるかもしれません。
EVを使えるシーン
ホンダe
EVを使うのにおすすめできるシーンをご紹介しましょう。EVはガソリン車とは違った特性を持っているので、街乗りで特性を発揮できるだけでなく災害時に力を発揮します。
■街乗り
EVが得意とするのは街乗りです。ストップ&ゴーが多くなり、加速や発進する機会が多くなります。モーターが得意としているのは低回転のときからトルクを発揮することです。それで街乗りでは、EVの力強い加速が楽しめるでしょう。発進したり停止したりすることが多くなる街乗りは、EVを活用するのにぴったりのシーンです。
■災害対策
電気自動車の別のメリットは、災害時に蓄電を使って必要な電力を賄うことができることです。 例えば日産のリーフの場合は、「リーフtoホーム」という設備を導入すると、リーフから電力を供給できるようになります。
バッテリーが大容量になっているリーフ e+の場合には、3人家族で想定すると4日分の電力を供給することができます。 V2L(Vehicle to Load)システムで、電気自動車などの発電や蓄電能力を活用して電気機器に電力供給を行う装置を活用するのです。これによってリーフに蓄電された電力を、家電機器への電力供給に使用します。
停電が長引くと、リーフに蓄電されている電力も使い果たしてしまいますが、一定期間の停電であれば補えるでしょう。
EVの充電方法
EVの購入を考えるときに気になるのは、充電の費用や充電スタンドについてです。EVの充電方法も見ていきましょう。
■充電スポット
PLUGO BAR(プラゴバー)
カーディーラーで充電できるのはもちろんですが、道の駅やコンビニ、さらにサービスエリアやパーキングエリアに充電スポットが設置されています。普通充電器や急速充電器があり、急速充電器であればバッテリー容量の80%ほどまで充電するのに30分ほどとすぐに充電できます。
普通充電器であれば長い時間がかかる用事があるときに活用できますし、急速充電器はドライブの休憩などちょっとした時間で充電を終わらせたいときに使えるでしょう。
普通充電器を使うのか、急速充電器を使うのかは、費用にも影響を与えるので状況によって使い分けるとよいでしょう。
■充電にかかる費用
充電に必要な費用はどのスタンド利用するのかによって変わります。ガソリンを給油するときと同じように、充電するのにも費用が必要です。
充電を行うときも充電器の種類で費用が異なります。自宅で充電をするのであれば、電気代のみかかりますが、充電スポットでの充電には「充電認証カード」を発行して対応した充電スタンドで充電します。
充電認証カードは、月額制です。
普通充電器の月額費用:約500円から2,500円
急速充電器の月額費用:約1,500円から6,000円
さらに充電スタンドを利用する時に、利用した時間に合わせて費用が必要です。例えば、急速充電の場合には、30分で約250円から600円です。充電認証カードに加入しておくと、比較的安価に充電ができます。
ガソリンの費用と比較すると、充電費用を抑えることができますが、どこで充電するのかによって費用が異なります。出来る限り無料のスタンドを探してみること、また月額料金の安い充電認証カードに加入するという方法があるでしょう。
自宅で充電できるようにしておくと、充電費用を抑えることができますし、外出先でも工夫することで充電費用が安くなります。
■充電スタンドの検索方法
充電スタンドを検索するには、以下のサイトを利用できます。
NCS(合同会社日本充電サービス)
加盟店や提携店の情報、さらに充電スポットが地図上に表示されているサイトです。充電スポットの運休情報なども表示されているので、外出先で充電できるかどうか前もって調べられます。
所在地や充電型式、商業施設で絞り込んで検索するなど、使いやすい方法で利用可能です。会員カードに加入することで急速充電器、普通充電器、さらに併用可のカードを入手して充電器を利用します。
GoGoEV
様々な検索条件で充電スポットを検索できます。スマホアプリも利用できるので、現在地から近い充電スポットを探せます。また定休日の表示も可能です。
口コミ情報の交換や、電気自動車の問題点を話し合うこともできます。口コミ投稿を確認しておくと、充電スポットの最新情報を確認できるのが特徴です。
EVsmart
利用できる車種別に充電スタンドを検索できます。口コミ情報も表示できますし、充電可能なスタンドが一目でわかるようなデザインです。アプリも用意されておりディーラーを検索に含めたり、検索履歴を表示させたりできます。
基礎知識や電気自動車の知識を深められるコンテンツもあるので、電気自動車を購入する前から参考にできるでしょう。
CHAdeMO協議会
世界中の充電器情報を確認できます。チャデモ協議会のサイトでは充電器の規格が確認できるという特徴があります。チャデモというのは、急速充電方法の商標で、コネクターの規格や充電方法、さらに通信方法を統一しているものです。
サイトは英語で表示されていますが、簡単な単語を覚えておくだけで充電スポットの情報は理解できるでしょう。
e燃費
車の実燃費を投稿できるサイトであるe燃費にEV充電スタンド検索があります。郵便番号や都道府県、さらに詳細な条件を入力して検索できます。
検索結果を地図上に表示させることも可能です。