2020年に発売された2つのヤリス
2020年のトヨタのカーラインナップを語る上で外せないのがヤリスです。そして冒頭で少し言及したようにヴィッツに入れ替わる形で2月に発売されたコンパクトカーのヤリスと、8月末に発売されたSUVのヤリスクロスはどちらも人気を博しています。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会の「乗用車ブランド通称名別順位」によれば、9月の販売台数1位はヤリスの22,066台です。
2位はカローラで3位はライズとなっており、実質的にトップ3はトヨタ車なわけですが、中でも2位のカローラで13,579台ですのでヤリスの販売台数が圧倒的であることに疑いはないでしょう(※ただしヤリスもカローラも車名別の合算値ではありますが)。
ヤリスとヤリスクロスの人気の要因は何?
■圧倒的な燃費性能を持つヤリス ハイブリッド
ヤリスの人気の要因を探った時に真っ先に浮かぶ要因の1つに、その圧倒的な燃費性能が挙げられます。ハイブリッドモデルの燃費性能はWLTCモードと呼ばれるカタログ燃費で30.2〜36.0km/Lとなっているのです。そして実際にヤリスを購入したオーナーの声を聞くと、カタログ燃費以上の性能を発揮したことも判明しています。
納車後、1週間が経ってのレポートです。
毎日のように遠出して1000キロ走破しました。(笑)
平均燃費はマイトヨタアプリでみると41.5km/Ⅼです。
恐ろしく燃費が良いです。
郊外が多いですが県庁所在地のある町で混んでる時間もあったり山も越えたりしてますが、この数値です。
エコノミーモードでエアコンも日中はエコモードで入れてます。
適当に運転するとダメですが、上手くEV時間を長く出来るようになると伸びますね。
加速時や緩くても上りは踏み込んで、さっさと目的のスピードにしてからアクセルを抜いてEV運転にします。
流れの中で多少のスピードアップはアクセルワークでEVの範囲内で操作します。
ヘッドアップディスプレイがあると便利。視線を外さずメーターを見れてアクセルの調整が出来ます。
アクセルの調整が難しいですが、昔車好きだったので楽勝です。
郊外でエアコンオフなら44km/Ⅼくらいでしたね。
不満点
・後ろは乗らないので問題ないですが、ルームミラーで後ろを見てもガラスが小さいし、ピラーの幅が広く、大きなリヤのヘッドレストで死角が多いです。ヘッドレストを外してます。人が乗る時は付けましょう。
・前の左右が見えるカメラが付いてるのは良いがビューボタンを押すのに探さないといけないしナビと視界が逆。ハンドルのスイッチかナビ付近に欲しい。オートも設定できるが毎回止まるたびに画面が変わるのは邪魔。そのうち自分で改良します。
山道も走りますがキビキビ走って楽しい車です。
AE86やロードスターも乗ってましたが、負けないくらい楽しい車ですね。
走り方次第で燃費が向上すること、そして反対に雑な走り方をすれば燃費が低下することもわかります。
また、ヤリスはトヨタの5ナンバーコンパクトカーで初めてTNGAプラットフォームが採用された車種です。ボディ剛性は高くなり、車両重量も先代ヴィッツと比べて50kgほど軽くなり、低重心化に成功したことで旋回背能も自然と高くなっていたりと、運動性能向上も達成しています。
エンジンの最高出力や最大トルクも1.5L 3気筒エンジンとしては十分なスペックを備えていますし、さらにこれにモーターが組み合わされるので街乗りでパワー不足によりストレスを感じることもありません。
■フェミニンだがオプションパーツでたくましくなるヤリスクロス
ヤリスクロス
同じ名前が付いているヤリスクロス。ヤリスと決定的に異なる点はSUVであるという点で、街中のカフェで時間を過ごす女性をイメージしたデザインとなっています。力強さと洗練さを兼ね備えたデザインに、視線が高い位置にくるように調整されたシートポジションなど、デザイン性と運転時の実用性の両方を兼ね備えているのです。
ヤリスクロスはコンパクトSUVにカテゴライズされていて、ボディサイズは3ナンバーサイズではありますが、比較的ボディサイズが小さいので取り回しも便利です。
このように女性的な印象の強いSUVとなっています。しかしモデリスタやGRのカスタムパーツがオプションで用意されているので、男性らしさやスポーツテイストを与えたいという人の選択肢の1つにもなるでしょう。
ヤリスクロスについて詳しく知りたい方はこちら
価格帯
トヨタ ヤリス ハイブリッド
価格帯をチェックしてみましょう。
ヤリスの価格帯は税抜き1,268,182円〜2,266,364円、これに対してヤリスクロスは税抜き1,634,546円〜2,559,091円です。ヤリスクロスのベースグレードから上位グレードにいたるまでヤリスよりも高額となっていることがわかります。
ヤリスのガソリン車だけで見てみると税抜き1,268,182円〜1,930,910円で、ハイブリッド車が税抜き1,816,364円〜2,266,364円です。同様にヤリスロスをチェックするとガソリン車は税抜き1,634,546円〜2,219,091円、ハイブリッド車は税抜き2,076,364円〜2,559,091円となっています。
ガソリン車・ハイブリッド車で分けて考えても、大体30万円の差があると考えておきましょう。ヤリスクロスのベースグレードを購入する予算で中堅グレードのヤリスが手に入ります。
2020年11月現在 トヨタ公式サイトより
ヤリスについて詳しく知りたい方はこちら
MTのクルマが欲しいならヤリスの6MT仕様がおすすめ
トヨタ ヤリス 1.5リットルガソリン MT車
昨今ではマニュアルシフトの車種はかなり少なくなりましたが、幸いなことにヤリスには6MTのグレードが用意されています。
6MTのグレードは3つ用意されています。税抜き1,402,728円と最安値のX、1,546,364円のG、そして最高値1,700,910円のZです。価格の高いグレードのほうが総じて仕様が華やかなで、例えばZは15インチタイヤや本革シフトノブ、シートは上級ファブリックでデジタルメーターになっていたりと、価格の差は明確に現れています。ただしエンジンスペックやトランスミッションは同じですから、エンジンパワーを心配する必要はありません。
エンジン排気量も1.5Lとコンパクトカーの中ではトップクラスですし、カタログ燃費はWLTCモードで19.6km/Lとなっていますので、燃費を意識した丁寧な運転をすればリッター20kmを達成するのは容易でしょう。
まとめ
性別関係なくかっこいいと思えるデザイン性や燃費性能の高さ、そして何よりMT車という選択肢を提供しているヤリスは、徹底的に燃費にこだわるユーザーや、燃費性能も大事だけれど自分で変速する楽しみを味わいたいユーザーまで網羅したお得なコンパクトカーです。
SUVに特別こだわるというわけでなければ、ヤリスで極上の燃費性能を体感するのもアリではないでしょうか。