最新高級SUVの世界
メルセデスマイバッハ GLS600 4MATIC
成功者が乗る車といえば高級サルーンだけ… そんな時代は既に終わりを告げました。
ハイエンドセダンの高級感と豪華装備を備えつつ、高められた車高による室内空間の余裕が加わり、さらに走破性能まで有するという、欲張りで贅沢な高級SUVたちこそ、セレブたちが夢中になっているホットな世界でしょう。
世界中の自動車メーカーがラインナップする人気のSUVの中でも、その高級感で他とは違う存在感のあるモデルをピックアップしてみました。
この記事では、精緻な車作りとアウトバーン仕込みの走行性能に定評のあるドイツの最新高級SUVのラインナップをご紹介していきます。
ドイツ高級SUV 最新5選はこれだ!
■ポルシェ カイエン クーペ:素のカイエンでは物足りないあなたに
ポルシェ カイエン クーペ
ポルシェ初のSUVとして2002年に登場した初代カイエンは、登場直後こそ「こんなのポルシェじゃない!」というピュアリストからの批判も受けましたが、今やポルシェの屋台骨を支える重要な車の一台となって久しいモデルです。
そんなカイエンに、2019年に新たに追加されたのが「クーペ」モデル。通常のカイエン同様の堂々としたボディサイズによる迫力はそのままに、新たに独自のルーフラインとよりスポーティなディテールが加わったモデルで、現在のカイエンのラインナップでは一番注目度の高い車でしょう。
巧妙に設計されていることで格納状態では気づきにくいのですが、クーペ全車のテールゲートにはアダプティブリアスポイラーを内蔵。カイエンターボに装備されるアダプティブルーフスポイラーよりも大型のウィング部は、展開時の周囲へのアピール力がかなり高く、注目を集めてしまいそうです。
見た目でだけでなく、フロントのエアインテーク部に組み込まれたアクティブスラットなどと組み合わされて状況に応じた最適なダウンフォースを発生させるほか、強くブレーキをかけた際にエアブレーキとして高く展開され、制動距離の短縮にも一役買う優れものです。
ポルシェ カイエン クーペ
ルーフ高がやや低められているとはいえ、SUVらしい室内空間の余裕は後席まで確保されていますし、よりパーソナルな見た目となりつつも使い勝手がカイエンからさほど悪化していない点がカイエン クーペの美点ですね。
プラグインハイブリッドモデルとなるE-ハイブリッドが標準仕様とターボSの2グレード用意されるカイエン クーペは、動力性能の高さとともに効率性の高さも魅力的です。
やや狭い道では気を遣ってしまいそうな大柄なサイズではありますが、ロングドライブやワインディングロードでのドライブに、SUVとしてこれ以上ないほどの楽しさを提供してくれる相棒となることでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,931mm×1,983mm×1,676mm(E-ハイブリッド) | |
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エンジン種類 | V6ターボ 3.0L、V6ターボPHEV 3.0L、V6ツインターボ 2.9L、V8ツインターボ 4.0L、V8ツインターボPHEV 4.0L | |
WLTCモード燃費帯 | ー | |
新車価格帯(消費税抜き) | 10,745,455〜22,409,091円 |
■BMW X7:3列シートの最上級「SAV」、豪奢な室内!
BMW X7
先ほどご紹介したカイエンよりも3年早い、1999年にデビューした初代X5は、BMWのSUVレンジ「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」の先陣を切ったとともに、同社のSUVフラッグシップの地位を長年維持してきましたが、2018年に登場したX7では、X5のさらに上をいく高級感と装備で世間を驚かせました。
セダンのフラッグシップである7シリーズと同じ「7」を車名に持つX7は、まさにSUVのリムジン版といった印象を受ける仕上がり。外装ではXラインらしい力強さに加えて、より大型化されたフロントの「キドニーグリル」が存在感を発揮していますよね。
もちろん、Xラインのフラッグシップですから、内装の上級っぷりは目を見張るほどで、レザー仕上げのインテリアは高級感たっぷり。大柄なボディを活かした3列シートが装備されるのですが、3列目に至るまで高級感が続き、ドライバーだけでなくパッセンジャー全員がゆったりとくつろげる空間となっています。
BMW X7
BMW最新の運転支援システムによる特定条件下でのハンズオフドライブも可能ですし、低速走行時には直近50mのハンドル操作を自動で車が記録し、狭い道で対向車に道を譲ったりするなど後退が必要な際は車がステアリング操作を自動で行ってくれる先進機能も装備。大柄なボディサイズだけに、嬉しい機能ですね。
4輪アダプティブエアサスペンションによる優れた乗り心地に加えて、なんと前方の路面状況をステレオカメラで検知し、サスペンションを制御する「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」まで装備されることで、ゆとりある室内では最上の乗り心地が体験できることでしょう。
高級車メーカーとして長くSUVを経験してきたBMWだからこその魅力に溢れたX7は、究極のスポーツ・アクティビティ・ビークルとして、日々の生活を豊かにしてくれることでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,165mm×2,000mm×1,835mm(xDrive35d) | |
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エンジン種類 | 直列6気筒ディーゼルターボ 3.0L、V型8気筒ツインターボ 4.4L | |
WLTCモード燃費帯 | 7.5〜11.4km/L | |
新車価格帯(消費税抜き) | 9,990,910〜14,572,728円 |
■メルセデスベンツ Gクラス:レトロルックの高級感はセレブ御用達
メルセデスベンツ Gクラス
もはやメルセデスベンツのSUVラインで替えの効かない独自の存在となっているのが、Gクラスでしょう。
世界中のセレブが愛用するその角張ったフォルムのもたらす独特の存在感は、Gクラスのデビュー当時でもユニークなものでしたが、現代に至っては似た車がなかなかない独自性を獲得していますね。
無論、流線型の車よりも空気抵抗面では不利にはなるのですが、ボディ四隅が把握しやすく、鬱蒼とした林道や狭い地下駐車場を安心して走り抜けられるという隠れた利点もあります。
メルセデスベンツ Gクラス
2018年の改良では見た目が大きく変わりませんでしたが、中身は大幅進化。乗り心地や静粛性といった高級感が大幅に向上したほか、安全装備も最新鋭のものにアップデートがされ、日々どこへでも乗っていける万能性にさらに磨きをかけました。
実はボディサイズがそこまで大きくないのも、都会で輝くポイントでしょう。高級SUVのライバルたちは5mオーバーの全長を持つものも多い中、約4.7mの全長は、駐車スペースへの収まりもよく安心です。
一度運転すれば、見た目に違わない本格派の走破性能と余裕のある動力性能で、セレブが愛用したくなる理由もわかってしまうGクラス。これからもメルセデスベンツのSUVラインナップの中でも特別な存在であり続けることでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,660mm×1,930mm×1,975mm(G350d) | |
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エンジン種類 | 直列6気筒ディーゼルターボ 3.0L、V型8気筒ツインターボ 4.0L | |
WLTCモード燃費帯 | 6.6〜9.9km/L | |
新車価格帯(消費税抜き) | 11,245,455〜19,945,455円 |
■アウディ Q8:クーペSUVのスポーティさとアウディらしい精緻感
アウディ Q8
小型から中型のSUVラインナップが充実していつつも、大型ラインではQ7一台とあまりラインナップが広くなかったアウディに、ついに登場したフラッグシップがQ8です。
3列シート装備で、やや背の高いステーションワゴン感、ファミリー感のあるQ7に対し、大胆なクーペルックで登場したQ8はスポーティさが満点。8角形のシングルフレームグリルが堂々とそびえ立つフロントフェイスは存在感がありますね。
サッシュレスドアの採用や、近年のアウディ車で続々採用されているショルダー部でフェンダーを強調する力強い造形も合わせ、「クーペSUV」の呼び名に相応しいスポーティな見た目が特徴的です。
アウディ Q8
もちろん、先進技術の積極的な採用に定評のあるアウディのフラッグシップSUVですから、最新機能も満載。業界最良のシステムとも評されるアウディ バーチャルコックピットやMMIタッチレスポンスつきMMIナビゲーションなど、インテリアの操作性でも先進感がありますね。
もちろんアウディのSUVですから、四輪駆動システム「クワトロ」が標準装備されるほか、オプションにはなりますが四輪操舵の「オールホイールステアリング」も装備可能で、最小回転半径を約5.6mまで縮小可能。
洗練の内外装だからこそ都市部で映えるQ8ですので、サラウンドビューカメラやカーブストーンアシストなどの先進機能も相まって、狭い道でも扱いやすいところが嬉しいところです。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,995mm×1,995mm×1,705mm(55TFSI クワトロ) | |
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エンジン種類 | V型6気筒ガソリンターボ 3.0L | |
JC08モード燃費 | 10.3km/L | |
新車価格帯(消費税抜き) | 9,181,819〜10,200,000円 |
■【番外編】メルセデスマイバッハ GLS:さらに上行く高級感!
メルセデスマイバッハ GLS600 4MATIC
2019年にメルセデスベンツのハイエンドラインである「メルセデスマイバッハ」のラインナップに追加されて話題を呼んだのが、メルセデスベンツSUVラインナップでも最上級となるGLSをベースに設定された、メルセデスマイバッハ GLS600 4MATICです。
外観では、よりクロームメッキを積極的に利用した煌めきが特徴的。特に繊細な縦スロット型のフロントグリルなどは、力強い水平バーが装着された標準仕様のGLSとは大きく異なる部分で、独特の存在感がありますね。
ベースとなるGLSでは3列シート7人乗りの設定となっていますが、GLS600では2列シート仕様とし、後席はセダンのマイバッハ Sクラスにも引けを取らないような独立2座の高級感あふれるシートを配置しています。
メルセデスマイバッハ GLS600 4MATIC
ベースとなったGLSには搭載されない4.0リッター V8マイルドハイブリッドエンジンを搭載するメルセデスマイバッハ GLS600 4MATICは、558PSという余裕ある出力を獲得。元より重量級のボディに高級素材や追加パーツを満載していることで重量がかさんでいますが、優雅な走りを実現するのに実力十分となっています。
ロールスロイス カリナンやベントレー ベンテイガといった、英国ブランドの最上級SUV達に真っ向勝負を挑む、ハイエンドな高級感が特徴的です。
マイバッハ Sクラス同様、外観の差別化はあまり目立つものではありませんが、わかる人だけがわかる究極のGLSとして、日本への早期の導入が待たれますね。
まとめ
メルセデスマイバッハ ビジョン メルセデスマイバッハ アルティメート ラグジュアリー(北京モーターショー2018 出展車両)
見ているだけでうっとりしてしまいそうな高級感を持つSUVたちをご紹介してきました。
人は罪なもので、SUVの室内の余裕を知ってしまうと、背の低いセダンは見劣りしてしまいますよね。今や乗り心地や動力性能でも高級セダンに優るほどのSUVもどんどん登場していますので、これからも高級SUVの覇権は続きそうです。