最新高級SUVの世界
GMC ユーコン デナリ
成功者が乗る車といえば高級サルーンだけ… そんな時代は既に終わりを告げました。
ハイエンドセダンの高級感と豪華装備を備えつつ、高められた車高による室内空間の余裕が加わり、さらに走破性能まで有するという、欲張りで贅沢な高級SUVたちこそ、セレブたちが夢中になっているホットな世界でしょう。
世界中の自動車メーカーがラインナップする人気のSUVの中でも、その高級感で他とは違う存在感のあるモデルをピックアップしてみました。
この記事では、豪華な作りと存在感で右に出るもののないアメリカの最新高級SUVのラインナップをご紹介していきます。
アメリカ高級SUV 最新5選はこれだ!
■キャデラック エスカレード:ブランド最上級SUVは新型もスタンバイ
キャデラック エスカレード
デカくてギラギラのアメ車らしさを存分に発揮しているのが、キャデラックのフラッグシップSUV「エスカレード」です。
現行モデルは、日本には2015年から全長5.2mのスタンダードボディのみが導入されていますが、本国などで販売されるロングボディ仕様「ESV」ではなんと全長5.7mにもなる大型車両で、全幅も2m超という堂々たる大きさです。
販売される自動車が全体的に大型偏重の米国ですらフルサイズSUVに分類されるエスカレードは、その大きさを存分に活かした迫力のエクステリアと、余裕たっぷりのインテリアが魅力的です。
キャデラック全体で統一されたデザイン言語である縦型のヘッドライトとテールライトは存在感があるとともに、まるで宝石のようなディテールの輝きで精密な印象も感じますね。
キャデラック エスカレード 新型
搭載するエンジンは6.2リッターという大型のV型8気筒エンジンで、なんと最高出力は426PS、最大トルクは623N・mにもなる怪力っぷり。およそ2.7トンという重量級のボディながら、余裕たっぷりの動力性能は高級車らしい部分ですね。
本国アメリカでは、すでに新型モデルが発表済で、発売開始が待たれています。こちらはより最新のキャデラックデザインが適用され、横方向のワイド感を重視した外観と、メーターからインフォテインメントスクリーンまで湾曲有機ELディスプレイを採用した先進的な印象が特徴。
新たにハンズオフ運転に対応した「スーパークルーズ」も搭載される新型モデル、日本への早期の導入も待たれますね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,195mm×2,065mm×1,910mm | |
---|---|---|
エンジン種類 | V型8気筒ガソリン 6.2L | |
WLTCモード燃費 | ー | |
新車価格(消費税抜き) | 12,518,182円 |
■キャデラック XT6:高級感ある最新デザインをまとう
キャデラック XT6
エスカレードという強烈な兄貴分のせいでやや知名度では劣るかもしれませんが、同じくキャデラックから、こちらもかなり大型のSUVが「XT6」です。
いかにもSUV、四駆らしさが際立つ角張ったボディのエスカレードに対して、より乗用車的な流線型のフォルムが特徴的なXT6。
縦方向の造形が際立っていた前世代のキャデラックデザインに代わって、横方向の伸びやかなディテールが加わった最新世代のエクステリアデザインは、ボディの大きさを感じさせない軽快な印象がありますね。
キャデラック XT6
約5.1mという全長を活かして3列シートが装備されており、6人がゆったりとくつろぐことが可能な車内は余裕たっぷり。定員乗車時でも357L、電動可倒式の2列目と3列目シートを畳めばなんと2,228Lにまで拡大させられる荷室容量は、どんな冒険に出かける際にも役立つこと間違いなしでしょう。
エスカレードという別格の存在を除けば、事実上SUVラインのトップクラスに位置するだけあって、先進装備も満載です。アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストといった運転支援装備は、もとより快適なXT6でのロングドライブをさらに疲れ知らずにしてくれそうです。
大きめのボディサイズだけに、オートマチックパーキングアシストの装備も嬉しいところですね。
XT6は、2020年に導入開始したばかりで、まだまだ市場での知名度は高くありませんが、これから輸入SUVの定番の一つになりそうなほどの実力の持ち主です。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,060mm×1,960mm×1,775mm | |
---|---|---|
エンジン種類 | V型6気筒ガソリン 3.7L | |
WLTCモード燃費 | ー | |
新車価格(消費税抜き) | 7,909,091円 |
■テスラ モデルX:電動だけでない、革新性の数々!
テスラ モデルX
2015年から販売が開始されたテスラの大型SUV「モデルX」は、その古びないスタイリングによって今でも独特の存在感と押し出し感が魅力的です。
ライバルに先行してフルEVのSUVとして登場したモデルXは、そのパワートレインだけが話題になるのではなく、注目ポイントが多すぎて紹介しきれないほど。中でもわかりやすいのは、後部座席ドアとしてガルウィングタイプの「ファルコンウィングドア」が採用されていることでしょう。
見た目にもインパクト抜群なファルコンウィングドアは、実はサイドウィンドウ上部にもヒンジを持つことで車両横方向に余裕がないスペースでも開閉ができ、屋根部分まで広く開口するため3列目への乗り降りもしやすいなど、なぜこれまでファミリーカーには採用されなかったのか?と思うほどの実用性の高さも魅力。
後部座席だけでなく運転席ドアも自動開閉機能が用意されるなど、既存の自動車の概念に囚われない新機軸が目白押しな点が、テスラらしい魅力ですね。
テスラ モデルX
さらに、3列シートのSUVとしては驚異的なほどのパフォーマンスを誇る点もモデルXの魅力。なんとパフォーマンスモデルでは0〜100km/h加速を2.8秒でこなす俊足ぶりは、もはや並のスポーツカーでは太刀打ちできないほどでしょう。
それでいて航続距離も500km以上が確保されており、充電する際も全国に配備が進むテスラ スーパーチャージャーならば、複数スタンドが用意されているので順番待ちせずに短時間でOKなど、使い勝手の良さも魅力的。
現時点で、EVとして最も完成されたパッケージングの一台と言えるでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,036mm×1,999mm×1,684mm | |
---|---|---|
モーター種類 | フロント:AC永久磁石同期モーター、リヤ:ACインダクションモーター | |
WLTPモード航続距離 | 561km(ロングレンジ プラス) | |
新車価格帯(消費税抜き) | 9,635,455〜12,999,000円 |
■ジープ グランドチェロキー:熟成進んだ本格派、710馬力のモデルも!
ジープ グランドチェロキー トラックホーク
オンロードでの使い勝手も重視された「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」という呼び名を1974年から用いるなど、SUVの先駆けでもあるジープ チェロキー。そのチェロキーに対して、より乗用車としての魅力を追求したのが、「グランドチェロキー」です。
初代は1993年に登場、現行モデルでは4代目となり、現行モデルのデビューは2010年とやや長めのモデルライフとなっていますが、その性能は現在でも十分に通用するものです。
後輪をマルチリンク式とすることで四輪独立懸架となり、大柄なボディながら走れるジープの筆頭でもあるグランドチェロキー。468PSのハイパワーV8エンジンを搭載した「SRT8」や、なんと710PSものハイパワースーパーチャージドV8エンジンを搭載した「トラックホーク」など、もはやスポーツカーも真っ青な加速性能を実現したグレードを揃える点も特徴的です。
ジープ グランドチェロキー
「ジープ」ですので、もちろん駆動方式は全車四輪駆動。スノー・サンド・マッド・ロックに加えてオートモードも選択可能なトラクションコントロールシステム「セレクテレインシステム」を備えるほか、普段の乗り降りのしやすさと悪路走破性を両立させる「クォドラリフト エアサスペンション」によって、しっかりとした走破性も確保されています。
今となってはベースモデルでもV6 3.6リッターとかなり大排気量のエンジンではありますが、8速ATによる効率の良い低燃費走行も可能。
広大なアメリカで鍛えられたロングツーリング能力の高さは、日本中を駆け回りたいアクティブな方にこそぴったりかもしれませんね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,835mm×1,935mm×1,825mm(ラレード) | |
---|---|---|
エンジン種類 | V6ガソリン 3.6L、V8ガソリン 6.4L、V8ガソリンSC 6.2L | |
WLTCモード燃費 | 7.4km/L(ラレード) | |
新車価格(消費税抜き) | 4,763,637〜12,327,273円 |
■【日本未導入】リンカーン ナビゲーター:煌めくフラッグシップ
リンカーン ナビゲーター
残念ながら日本市場からフォードが撤退してしまったことで、フォードの高級車ブランドであるリンカーンも正規輸入が終了しており、正規ディーラーから買うことはできなくなってしまってはいるのですが、アメリカンSUVの傑作としてぜひご紹介したいのが、リンカーンのフラッグシップSUV「ナビゲーター」。
冒頭でご紹介したエスカレードの直接的ライバルにあたるナビゲーターですが、こちらはより曲線的で柔らかな印象のボディが特徴的ですね。
全体的にメッキを多用した煌びやかな外装は、往年のアメリカ製高級サルーンを思わせる豪奢な仕上がり。ベースとなるフォード車との差別化が十分でないと指摘されることもしばしばだったリンカーンにおいて、一気に独自の世界観を獲得した印象があります。
リンカーン ナビゲーター
ナビゲーターが搭載するエンジンはV型6気筒 3.5リッターツインターボエンジンで、エスカレードと同じく5m越えの全長を持つ堂々ボディとしてはかなり異例の小排気量。
世界的なトレンドであるダウンサイジングターボエンジンとなっており、より優れた燃費性能と、大排気量エンジンに劣らないパフォーマンスが両立されています。
フルサイズSUVのナビゲーターや、ミッドサイズで弟分のアビエーター、国内でも扱いやすそうなサイズのコルセアなど、アメリカ伝統の高級車作りのノウハウと最新の技術が融合したリンカーンの最新SUVラインは非常に魅力的なので、正規輸入が復活する見通しのないことは残念でなりませんね。
並行輸入車が国内で販売されている場合もありますので、大多数の日本人が知らない魅力的なアメリカンSUVを乗り回しても楽しそうですね。
まとめ
GMC ユーコン デナリ
見ているだけでうっとりしてしまいそうな高級感を持つSUVたちをご紹介してきました。
人は罪なもので、SUVの室内の余裕を知ってしまうと、背の低いセダンは見劣りしてしまいますよね。今や乗り心地や動力性能でも高級セダンに優るほどのSUVもどんどん登場していますので、これからも高級SUVの覇権は続きそうです。