デカイ・イカツイ・速いの三拍子!キャデラック エスカレード
キャデラック エスカレード
自動車の起源は欧州なのですが、戦後の華やかなりしアメリカン・ライフスタイルは、豪華で煌びやかなアメリカ車なしには語れませんよね。
現在でもその豪華で煌びやかなアメ車の代表格として君臨しているのが、アメリカ屈指の高級車ブランド、キャデラックです。
アメリカ車にとっては、華やかなりし50〜60年代を過ぎてしまうと、アジアの自動車産業の発達に伴って米国内の自動車メーカーはどんどん疲弊していき、グローバル化の波に飲まれて今やSUVばかり作っている… なんてあまり明るくない未来の話もあるのですが、逆にとれば、高級SUVをどう作ればいいかというノウハウは、大型車慣れした米国自動車メーカーにとっては勝手知ったるもの。
どんどん登場する後発の高級大型SUVにも負けない存在感を誇るのが、キャデラックのフラッグシップSUV「エスカレード」です。
キャデラック エスカレード ホイール
メッキがきらめく押し出し感のある表情のエクステリアに、豪華絢爛で広大なインテリアを組み合わせたエスカレードは、現在でもアメ車の魅力を存分に体験できる車です。
ダウンサイジング化とグローバル化が推進される現代では、段々と貴重な存在になりつつあります。
そんなエスカレード、なんと日本でも正規販売されているので、購入のハードルが実は低めなことはご存知でしたか?
エスカレードの魅力をまとめましたので、エスカレードについて知っていた方も、初めて知った方も、ぜひアメ車のある生活を想像しながら読んでみてくださいね。
■キャデラックらしい高級感あるエクステリア
キャデラック エスカレード
キャデラックは、2000年代初頭にラインナップに適用し始めた「アート&サイエンス」というデザイン哲学から大きく印象を変え、大らかでゴージャス!というよりも、スマートで精緻な印象を与えるようなエクステリアデザインを採用しています。
現行エスカレードももちろんその傾向。全体を通して見ると、サイズのデカさからどうしても迫力が出てしまいますが、個別の部品を見ると、繊細な印象すら受ける手の込んだデザインになっていますよね。
キャデラックのシグネチャーである縦型のヘッドランプやテールランプはもちろん装備されていますし、品良く配されたメッキパーツがアクセントとなって、現代的高級感の演出に成功しています。
■フルサイズSUVの余裕あるインテリア
キャデラック エスカレード スポーツエディション インテリア
エクステリアサイズの余裕は、インテリアでこそ楽しめるもの。もはやミニバン級というような室内は、3列シートで7人がゆったりできるスペースがある広大さです。
スペースの余裕が良く表れているのは、前席間のセンターコンソールの幅ではないでしょうか。もちろん大柄な方でも受け止めるアメ車らしい大きめのシートなのですが、その上コンソールの幅がしっかり取られており、2m超えの全幅を活かし切っていることが伺えますね。
キャデラックですので、シートの表皮は1・2列目でナパセミアニリンフルレザー、3列目でムーランフルレザーと抜かりはありませんし、ハンドルもダッシュボードもドアまでもレザー仕上げ。
広いだけではなく、ハイエンドブランドらしい高級感も味わえます。
■デカすぎ!パワフルな6.2リッターエンジン
キャデラック エスカレード エンジンルーム
今や国産乗用車では並ぶもののない大排気量、6.2リッター V型8気筒エンジンが味わえるのも、エスカレードの特権です。
最高出力426PS、最大トルクは623N・mにも達するこのエンジンは、8速ATと組み合わされることで、重量級のエスカレードのボディを難なく動かす実力を持ちます。
パワフルさだけでなく、負荷の少ない時には片方のバンクを使わない「アクティブフューエルマネジメントシステム(気筒休止システム)」を備えるなど環境性能も意識されているほか、「4WD LOW」モードも備えるセレクタブル4WDシステムでちょっとした悪路なら走り抜けられそうな安心感もあるのが、高級車らしい余裕を感じさせますね。
■実は先進装備も満載です!
キャデラック エスカレード インテリア
デカいボディにデカいエンジンを積んだだけでしょ、とお思いかもしれませんが、エスカレードは先進装備も充実。
エマージェンシーブレーキシステムはもちろん標準装備ですし、全車速追従機能付のアダプティブクルーズコントロール、サラウンドビジョン、オートマチックパーキングアシストと、まるで日本車を思わせるような便利装備ももちろん完備。
極め付けはGMお得意の「マグネティックセレクティブライドコントロール(磁性流体減衰力制御システム)」の装備でしょう。
1秒間に路面状況を1,000回まで読み取れるこのシステムは、状況に応じてサスペンションを自動調整し、どんな場面でも優れた乗り心地を提供してくれる定評のあるものです。
キャデラック エスカレードのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,195mm×2,065mm×1,910mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,950mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 2,670kg | |
燃費 | ー | |
エンジン種類 | V型8気筒 6,153cc | |
エンジン最高出力 | 313kW(426PS)/5,600rpm | |
エンジン最大トルク | 623N・m(63.5kg・m)/4,100rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(パートタイム4WD) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 12,518,182円(消費税抜き) |
エスカレードをプロはどう評価する?試乗記まとめ
キャデラック エスカレード
エスカレードの魅力をお伝えしてきましたが、プロの自動車評論家はどのように評価しているのでしょうか?
レビューをまとめてみました。
正直なところ、近年作られているアメリカの自動車は、明らかにグローバル化してアメリカンとしての個性に乏しいと感じていたが、このエスカレードだけは別次元の存在で、そのサイズ感や成り立ちそのものが、まさにアメリカの個性を象徴している気がしてならない。
勿論、単なる郷愁にとらわれてそのようには言っているわけではなく、真にアメリカ的だと思うからである。単にデカいからアメリカ的というのはあまり当たらず、例えば『レンジローバー』のロングホイールベース版はエスカレードよりも長いし、さすがに幅2m越えは少ないが、1900mm台はざらにあるこのご時世、エスカレードを飛び抜けて大きいとは言えないのである。
インテリアはキャデラックらしいラグジュアリーな雰囲気にあふれていて、快適装備が満載されている。ナパセミアニリンのレザーシートは、18ウェイのパワーシートでマッサージ機能まで付いている。この機能は車載用としては最高水準のもので、しっかりと体をほぐしてくれる。快適なドライブが楽しめた。
快適装備だけでなく、安全装備もエマージェンシーブレーキやアダプティブ・クルーズコントロールなど、充実した仕様を備えている。
エスカレードらしい個性や、その機能性が高く評価されているようです。
ライバル多数の高級SUVクラスでもエスカレードはキャラクター性が立っており、キャデラックの名は伊達ではないようですね。
キャデラック エスカレード インテリア
キャデラック エスカレード スポーツエディション
アメリカで話題沸騰中!新型エスカレードの注目ポイントは?
キャデラック エスカレード 新型
なんと去る2020年2月、新型エスカレードのフルモデルチェンジの概要がアメリカで発表されており、現在は先行予約が始まって、2020年後半の発売開始が待たれている状況です。
輸入車ですので米国で発売開始後すぐに国内導入されるとは考えにくく、実際に体験できるのはやや先のこととなりそうですが、新型エスカレードに関して予習しておきましょう。
■新型エスカレード:外装一新、より迫力の「スポーツ」トリムも
キャデラック エスカレード スポーツ 新型
新たに水平基調を取り入れたキャデラックの最新デザイン言語が適用された新型エスカレードは、これまで以上にワイドさを強調。縦型のデイタイムランニングライトには、現行モデルの面影も感じられますね。
各部をブラックアウトした精悍な「スポーツ」トリムが新設定されることも発表されており、現行モデルでも限定車として人気を博したオールブラックのコワモテは、新型でも人気グレードとなりそうです。
現行モデル比で全長を約200mmほど伸ばしたこともあり、ボディサイドで優雅な弧を描くキャラクターラインも相まって、より伸びやかなスタイリングを実現しています。
■新型エスカレード:総勢38インチ!?湾曲OLEDディスプレイ
キャデラック エスカレード 新型 インテリア
湾曲OLEDディスプレイを大胆に採用したエスカレードのダッシュボードは、ドライバー前のメーターパネル、左側でトリップ情報などを表示・操作できるコントロールパネル、右側でナビなどを表示・操作できるインフォテインメントディスプレイを合わせてなんと38インチという先進的な仕上がり。
これまでも、ダッシュボードの形状自体をドライバー側に傾けることはまま見られましたが、ディスプレイ自体が湾曲しているのは業界初とのことで、乗り込むたびに新鮮な印象を得られそうですね。
流行の兆しのある縦長タイプのインフォテインメントディスプレイよりもシックな印象で、キャデラックらしい高級感が感じられます。
■新型エスカレード:ARナビに「スーパークルーズ」、充実の先進装備
キャデラック エスカレード 新型 スーパークルーズによるハンズオフ走行
フルカラーのヘッドアップディスプレイやナイトビジョンといった現代的装備のほかに、車両前方を写したカメラ映像に行き先案内を融合させるARナビといった最先端技術まで搭載される新型エスカレード。
さらに注目は、次世代運転支援技術「スーパークルーズ」がついに新型エスカレードに搭載される点でしょう。こちらは詳細な地図データベースと高精度GPS、それに車両の各センサー類を利用して、特定道路でのハンズオフ運転を可能とするもの。
エスカレードでは新たに車線変更支援機能も搭載され、ドライバーはウィンカー操作をするだけで、車両が安全を確認して車線変更をしてくれます。
スーパークルーズは高精度地図情報ありきの機能ですので、日本国内での対応がいつになるのか、そもそも対応するのかは不明ですが、ぜひ実現を願いたいところですね。
■新型エスカレード:日本導入はいつ? 価格は?
キャデラック エスカレード 新型
現行モデルのアメリカでの発表から日本導入のタイムラグは約1年だったため、新型エスカレードでも導入は早くても2021年内、2022年までズレ込む可能性も考えられます。
新型エスカレードは新機能が満載になっていますので、日本仕様でどこまで対応してくれるか、期待したいところですね。
価格としては、発表済の米国仕様車で確認すると、最も廉価なグレード同士での値上がり幅は約1,000米ドル。新型のプレミアムラグジュアリープラチナムとスポーツプラチナムでは、現行プラチナム比で約7,000米ドルと、豪華最先端装備が満載となるだけに差額が大きめです。
このことから、新型モデルが日本導入される際の価格は、現行モデル同様1,000万円を軽く越えるのは確実。ハイエンドグレードでは1,500万円に近づく価格となりそうなことが予想されます。
まとめ
キャデラック エスカレード スポーツ 新型
街中での注目度も抜群な存在感を誇るキャデラック エスカレードについてご紹介してきました。アメリカ国内での高級フルサイズSUV市場におけるシェアは25%でクラストップとのことで、継続した人気が伺えますよね。
軟派なSUVも段々増えてきている今こそ、エスカレードでザ・アメ車ライフを送ってみてはいかがでしょう。