ご当地ナンバーとは
盛岡のご当地ナンバー
ご当地ナンバーとは「新たな地域名表示ナンバープレート」の通称で、対象の市町村区域において、独自の地名を新たに定められるよう開設された制度のことです。地域振興や観光振興を目的とし、地域名の表示を強めることでその地域の認知度向上に効果的だとされています。
地域の特性として、一般的認知度が高く周辺の地域との区別化がされていることや、自動車登録数が当該地域で10万台を超えていることなどが条件にあります。
2020年には17地域が追加され、現在は58の地域にご当地ナンバーが存在しています。
■ご当地ナンバーはなぜ誕生したのか
前述のとおり、ご当地ナンバー誕生の背景には地域振興・観光振興があります。そもそも本来車のナンバープレートは、車を運転する地域の名称を使用するよう定められていました。
しかし、ナンバープレートに地域名を記載することで宣伝効果があるのではと考えた国土交通省が制度を変更し、2006年10月10日以降対象区域に限り、独自の地名を記載できるようにしています。
地域ならではの絵柄を追加することによってその地域に対するイメージをもってもらい、観光を促進させようという狙いがあって誕生したのです。
■ご当地ナンバーをつけるためには
ご当地ナンバーは、車検証に記載のある使用地がご当地ナンバーの該当地域であればもらうことが可能です。手数料は普通自動車など中板サイズの場合は約7,000〜9,500円程度、大型車の場合は約11,000〜15,000円程度かかり、地域によりその値段は異なります。
手数料とは別に寄付金を支払うと、カラーデザインのご当地ナンバーを取得することができます。番号を変更しないのであればWeb申し込みから申請が可能ですが、番号を変更する際はまず抽選を受けることから始める必要があります。
■原付のナンバープレートは自由度が高い
原動機付自転車(原付)では、ご当地ナンバーに関わらず絵柄の入ったナンバープレートが多く存在しています。自動車登録事務所(国土交通省)などが管轄している自動車とは違い、原付の管轄は各市町村に委ねられているため、地域ごとに自由度が高い傾向があります。
そのため、変わった絵柄や形状のものが多いです。原付を所有している方は、おしゃれなデザインのナンバープレートを探してみるのも楽しいかもしれません。
図柄入りご当地ナンバーの普及率は
どのくらい普及してるの?
車所有者を対象にした国土交通省の調査結果によると、ご当地ナンバーをつけている世代は20代が9.1%ともっとも多いものの、全体の所有率は1割にも満たないという結果に。
地域による差も大きく、熊本や仙台など地方での普及率は比較的高いのに対し、世田谷や杉並など都心に近い地域ではあまり普及していない模様です。デザイン的にも、熊本では「くまモン」、仙台では「伊達政宗」などピンと来るイメージが使用されているのに対し、キャラクターなどのイメージが薄い地域では普及率が下がっています。
ご当地ナンバー一覧
ご当地ナンバーの一覧は下記になります。
地方版図柄入りナンバープレート
■新たな図柄入りナンバープレート
新たな図柄入りナンバープレート
この17枚のナンバープレートは、2020年5月11日より追加された新しい絵柄です。
新しいデザインについて詳しく見てみましょう。
北海道
地方版図柄入りナンバープレート(北海道・東北・関東)
北海道からは知床と苫小牧が追加になりました。世界自然遺産に登録されている知床の絵柄には、雪山をバックに広大な自然と可愛い動物たちが描かれています。
苫小牧はアイスホッケーの聖地として知られていることもあり、競技に使用するスティックとパックのイラストが描かれています。苫小牧市のマスコットキャラクター・とまチョップが描かれているのも可愛いです。
東北地方
東北地方からは青森県の弘前と福島県の白河が追加になりました。弘前には、弘前公園の桜が描かれています。弘前城と「津軽富士」と呼ばれる岩木山も描かれており、風情を感じる春らしいイラストとなっています。
白河もまた桜が描かれていますが、もっとも目を引くのは達磨。約300年前に白河城主・松平定信公が城下繁栄のために職人に作らせたことで知られる「白河だるま」のイラストで、現代の繁栄も願うようなデザインとなっています。
関東地方
地方版図柄入りナンバープレート(関東・北陸信越)
関東地方からは、千葉県の松戸、市川、船橋、市原と東京都の江東、葛飾、板橋のご当地ナンバーが追加されました。
松戸は江戸川の渡し船「矢切の渡し」と桜が描かれているのが印象的で、一般投票でも人気だったようです。市原は観光名所である里山トロッコとその周辺に咲く桜と菜の花で、鮮やかなプレートに仕上がっています。市川と船橋には、それぞれ梨の絵柄がデザインされています。
東京都の江東にはゲートブリッジが、葛飾には区内の3つの川と菖蒲、カワセミが描かれています。板橋は他のご当地ナンバーとは違い、縁がチェックで囲われており、板橋を象徴するニリンソウ、ケヤキ、ハクセキレイがカラフルに点在しているのが印象的です。
北陸信越地方
新潟県にある上越の絵柄には、上杉謙信と日本三大夜桜の一つである高田公園の桜のイラストに加え、希少価値が高いとされる翡翠の勾玉のイラストが描かれています。
上越の豊かな見所を表現したプレートとなっています。
中部地方
地方版図柄入りナンバープレート(中部・近畿・中国・四国)
中部地方からは、三重県の伊勢志摩と四日市が追加されました。伊勢志摩は観光名所としても有名な伊勢神宮の鳥居を描いており、人々の交流を意味する赤い波線と、志摩半島周辺の海の潮風をイメージした青い波線が鳥居を潜っているのが印象的です。
四日市のご当地ナンバーには、夜景スポットとして知られる四日市コンビナートのイラストが綺麗に描かれています。
近畿地方
近畿地方からは、奈良県の飛鳥のご当地ナンバーが登場しました。東西南北を守る四神の一人、南の守護神・朱雀が描かれたイラストが特徴です。
地域の発展を願った力強いデザインは、一際目を引きそうですね。
中国地方
中国地方からは島根県の出雲のご当地プレートが登場。出雲神話のゆかりの地であることから八色の八岐大蛇が描かれたデザインは、カラフルで迫力があるのが魅力的です。
四国地方
最後、四国地方からは高松のご当地ナンバーが登場しました。源平合戦があったとされる屋島を高松港から眺める綺麗な景色が採用されています。
ご当地以外の特別仕様ナンバープレートも
Tokyo 2020図柄入りナンバー(寄付金付き)
ご当地デザイン以外にも、ラグビーW杯や東京オリンピック・パラリンピックなど、大会を盛り上げる目的でのナンバープレートも登場しました。期間限定なので、期間外での申請は不可能ですが、大会が終了した後も記念として廃車までつけ続けることができます。
今後日本で大きな大会が開催される際は、また特別仕様のナンバープレートが出るかもしれません。興味のある方はチェックをお忘れなく。
まとめ
ご当地ナンバー:杉並
カラフルな絵柄が特徴的なご当地ナンバー。たまに見かけるカラフルなご当地ナンバーは、地域振興や観光振興を目的につけられていたものだったのです。そのように意識して見ると地域の色がみえてきて面白いですし、ご当地ナンバーをつけている車を意識的に見つけたくなりますね。
もしあなたの地域がご当地ナンバー対象地域なら、ぜひお家の車にご当地ナンバーを取り付けてみてください。