「3ナンバー」と「5ナンバー」って?ナンバープレートのどこのこと?
ナンバープレートで、「3ナンバー」と「5ナンバー」を見分けるには、「分類番号」の最初の数字を確認します。最初の数字が「3」であれば3ナンバー、「5」であれば5ナンバーです。
車のナンバープレートは、大きく分けて4つの記号から成り立っています。使用の本拠地を管轄している運輸支局や自動車検査登録事務所を示す「地域名」、車の種別を表す「分類番号」、車の用途を示す「平仮名等」、そしてもっとも大きく記載されている「一連指定番号」です。
これら4つの記号の組み合わせにより車や持ち主を特定できるほか、車庫証明や税金の納付といった行政上の手続きをスムーズにしたり、事故検分や犯罪抑止に役立てたりといった司法上の手続きに役立てています。
このうち、分類番号が貨物自動車や小型乗用車といった種別や大きさを表しており、3ナンバーは乗用自動車、5ナンバーと7ナンバーは小型乗用車という意味です。一般に、「3ナンバー」は大きな乗用車、「5ナンバー」は小型乗用車といったイメージで使われています。
「3ナンバー」と「5ナンバー」の違いは、車の大きさと総排気量とで変わる!
3ナンバーか5ナンバーかは、ボディサイズや排気量によって決まります。
■3ナンバーとは?3ナンバー車の基準
トヨタ アルファード
3ナンバー車は普通乗用車に分類されていて、下記の基準を一項目でも満たすと3ナンバーになります。
排気量:2,001cc以上
全長:4,701mm以上
全幅:1,701mm以上
全高:2,001mm以上
車種は、トヨタのアルファードやプリウス、クラウンなどがあげられます。
■5ナンバーとは? 5ナンバー車の基準
トヨタ ヴォクシー
5ナンバー車は小型乗用車に分類されていて、以下の基準をすべて満たした乗用車を指します。ひとつでも下記の基準を超えれば、3ナンバーになります。
排気量:2,000cc以下
全長:4,700mm以下
全幅:1,700mm以下
全高:2,000mm以下
車種を例にすると、トヨタのヴォクシーやホンダのステップワゴン、フィットなどは5ナンバーになります。
4ナンバーはお得なのか!?
3ナンバーと5ナンバー、車の維持費は違う?
「5ナンバーよりも3ナンバーの方が、排気量が多いから維持費が掛かる」と思われがちですが、実は、3ナンバーも5ナンバーも諸経費からくる明確な違いはありません。
たとえば、同じ車種でナンバーが変わるだけであれば維持費は同じになります。
大きく自動車税といっても内訳は4つあり、排気量や車体の大きさによって金額が異なります。
自動車税種別割:排気量500cc刻みで税額が変わる
自動車重量税:車両重量0.5t刻みで税額が変わる
自動車税環境性能割:低燃費かつ低排出ガスの達成率によって税率が変わる
自賠責保険:軽自動車or普通乗用車で税額が変わる
(2022年7月現在)
排気量 | 税額 |
---|---|
1,000cc以下 | 25,000円 |
1,001cc~1,500cc以下 | 30,500円 |
1,501cc~2,000cc以下 | 36,000円 |
2,001cc~2,500cc以下 | 43,500円 |
2,501cc~3,000cc以下 | 50,000円 |
3,001cc~3,500cc以下 | 57,000円 |
3,501cc~4,000cc以下 | 65,500円 |
4,001cc~4,500cc以下 | 75,500円 |
4,501cc~6,000cc以下 | 87,000円 |
6,001cc~ | 110,000円 |
3ナンバーの場合は排気量が2,000cc以上なので、自動車税種別割が43,500円になりそうですが、必ずしもそうとは限りません。
3ナンバーと5ナンバーの違いは“車体サイズ”も関係しているため、排気量が2,000cc以下でも、車体サイズがエアロなどが付いていて1,701mm以上になった場合は、3ナンバーになります。
ですが、排気量は2,000cc以下なので、自動車税種別割は5ナンバーと同じ36,000円です。
また、自動車重量税はその名の通り車の重さによって変わるため、車が重いほど自動車重量税は高くなります。
車両重量 | エコカー減税対象車 | 新車登録より12年以内 | 新車登録より13年経過 | 新車登録より18年経過 |
---|---|---|---|---|
軽自動車 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
0.5t以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2.5t | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3t | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
自動車重量税もナンバーによって変わるわけではなく、同じ重さであれば3ナンバーも5ナンバーも同じ税額になります。
5ナンバーよりも3ナンバーの方が大きい車が多いので、自動車重量税も高くなる傾向がありますが、ナンバーと税金は必ずしも比例するわけではありません。
自動車税は、“排気量”と“重量”によって決まるので、5ナンバーは3ナンバーよりも必ず税金が安い!というのは厳密には間違いということになります。
排気量や重量が変わらないのであれば、3ナンバーも5ナンバーも税金は変わらないのです。
たとえば、ミニバンとして人気があるヴォクシーでは、ヴォクシー煌(ZS)というグレードだけが3ナンバーになります。
3ナンバーの理由は、全幅が1,730mmで5ナンバーの基準より30mmオーバーしているからです。ただし、排気量は2,000cc以下なので、自動車税は5ナンバーのヴォクシーと同じになります。
ちなみに、昭和のころは排気量が2,000ccでボディが大きいだけの3ナンバー車でも、自動車税が5ナンバーの倍額でした。
それが、平成元年に自動車税が排気量に応じて金額が変わるように法改正されて以降は、3ナンバーに対する敷居も低くなったといえます。
■自賠責保険料
自賠責保険料で3ナンバーと5ナンバーによる違いはありません。自賠責保険料は貨物自動車や特殊自動車などを除くと、普通乗用車か軽自動車かによって保険料を区分しているからです。つまり3ナンバーも5ナンバーも、同じ普通自動車なので自賠責保険料に違いがないわけです。
また、自賠責保険料は「地域」によって差があります。自賠責保険では、日本を「本土(北海道・本州・四国及び九州)」、「本土の離島」、「沖縄県本島」、「沖縄県の離島」と区分しており、本土がもっとも高い保険料です。
2022年10月現在、本土における自賠責保険料(37カ月)は27,770円なのに対し、自家用乗用車の沖縄県本島における自賠責保険料(37カ月)は13,490円で半額以下です。
■任意保険料
任意保険料も自賠責保険と同じく、3ナンバーと5ナンバーの違いによって保険料が変わることはありません。
任意保険料が決まる要素は、同一型式別の事故実績が反映される「型式別料率クラス」です。このクラスは、3ナンバーと5ナンバーに共通で適用されるので、保険料に違いがない仕組みとなっています。
まとめ
3ナンバーと5ナンバーは車種が一緒でナンバーが変わるだけなら、維持費・自動車税は同じということは頭に入れておきましょう。
自動車税が高くなるのは「排気量」と「車の重さ」によります。排気量が2,000ccを超えなければ、3ナンバーでも5ナンバーでも自動車税は変わりません。
ヴォクシーやセレナなど同じ車種でも3ナンバーと5ナンバーの違いは、エアロパーツなどのサイズが違うということ。車を購入する際は、この点を頭に入れて愛車を選ぶのもいいかもしれませんね!
よくある質問
■3ナンバーと5ナンバーはどちらが安いの?
一般的には、3ナンバーの方が5ナンバーより維持費が高くなる可能性があります。これは多くの3ナンバーが5ナンバーより総排気量が大きく重量が重いためです。例外もたくさんあり、前述のとおり自賠責保険料や任意保険料に違いがないことから、メリットの幅は小さいといえるでしょう。
自動車税は車の総排気量によって決まっており、普通乗用車であれば総排気量1,000cc以下で29,500円、以降総排気量が500cc上がるごとに高くなっていきます。5ナンバーに該当するのは総排気量2,000cc以下なので、3ナンバーの多くが5ナンバーよりも自動車税が高くなります。仮に、総排気量が1,500cc以下の3ナンバーは、総排気量が2,000ccの5ナンバーよりも自動車税が安いです。
自動車重量税についても同じで、多くの3ナンバーは5ナンバーよりも重いので自動車重量税も高くなりますが、5ナンバーと車両重量が同じ、または軽いといったケースもあり、その場合は3ナンバーの自動車重量税のほうが安くなります。
3ナンバーと5ナンバーという違いだけでどちらが安いかを判断するのは適切ではないでしょう。
■ミニバンの3ナンバーと5ナンバーの違いって何?
5ナンバー車の条件はボディのサイズと排気量で、「全長4,700mm以下×全幅1,700mm以下×全高2,000mm以下」、「排気量661cc以上2,000cc以下」という条件をすべて満たしている必要があります。3ナンバーと5ナンバーのミニバンの違いは、ボディのサイズと排気量に由来するパワーです。
ゆったりとして開放感のある室内を存分に楽しみたいのであれば、ボディのサイズに制限のない3ナンバーのミニバンのほうがおすすめです。トヨタ アルファードや日産 エルグランドがこれにあたります。
一方、ミドルサイズのミニバンとも呼ばれる5ナンバーのフルサイズミニバンでも、決して室内空間が狭いというわけではありません。トヨタ ノアや日産 セレナに代表されるように、高い人気を誇っています。