ワイドフェンダーに4本出しマフラーがたまらない! BMW M2
BMW M2 CS(海外仕様車)
BMWといえば、ラインナップ全てで運転する喜びを感じさせてくれる稀有な自動車メーカーです。そんなBMWの中でも、運動性能の向上に全てを賭したようなハードコアなモデルが、BMW M社が手がける「Mモデル」たちです。
初の市販モデルである伝説のM1が1979年にデビューして以来、M3やM5など、各セグメントでもカリッカリのスポーツ性能で一目置かれてきたMモデルたち。そんなMモデルの現行ラインナップにおいて、末っ子となっているのが、今回ご紹介する「M2」です。
FR2ドアクーペである2シリーズクーペをベースとしたコンパクトさに、あふれるハイパワーエンジンを搭載するというスポーツカーの定石のような成り立ちを持つM2は、末っ子とはいえ攻撃力抜群。
見所たっぷりのM2の魅力を簡単にまとめましたので、ご紹介します。
■軽量ボディにハイパワーエンジン、極まる動力性能
BMW M2 コンペティション(海外仕様車)
なんといってもM2の魅力の一つは、その本格派のハイパワーエンジンでしょう。伝統の直列6気筒にターボを組み合わせたそのエンジンは、現在販売されているM2 コンペティションではなんと410PSというハイパワーを発揮します。
それだけでなく、ターボエンジンの特徴を活かした低回転域から分厚いトルクも持ち味。最大トルクは2,350〜5,230rpmという低中回転の広い範囲で、こちらも驚きの550N・mを発揮しています。
このトルク値はもはや自然吸気エンジンでは5.0リッター級に相当するような大トルクで、M2のコンパクトなボディをグイグイ加速させるのには必要十分すぎるスペック。
これらの優れたスペックを、ボディサイズに対しては大きめとはいえコンパクトな3.0リッターエンジンで実現できていることなどによって、車両重量は6MTモデルで1,610kgにセーブされている点も、刺激的なドライブを可能にする一因です。
■街中でもワインディングでも扱いきれるサイズ感
BMW M2 CS(海外仕様車)
BMWのラインナップ中でエントリーモデルとなるのは1シリーズで、かつて設定されていた1シリーズクーペの後継として登場したのが現行の2シリーズです。そのためボディサイズとしてはかなり小柄となっており、M2 コンペティションでも全長は 4,475mmと、4.5m以内に収まっています。
最高出力400馬力級の車となると、かなり大柄なボディを持つものも少なくなく、M2のコンパクトボディは稀有な存在と言えるかもしれませんね。
全幅こそワイドフェンダーのため1,855mmではありますが、近年では国産車でも1.9m近い全幅の車あが増えてきているように、まだまだ扱いやすいサイズ。都市部の路地でも駐車場でも、収まりの良さがあるのでスイスイ運転できそうです。
さらに、運転を楽しむスポーツカーとして輝けるであろう、山道や峠道をドライブする際も、コンパクトなボディサイズなら気を遣わずに済み、素晴らしいドライブフィールにより集中できそうですね。
■往年のM3を思わせるアグレッシブなエクステリア
BMW M2 コンペティション(海外仕様車)
先ほどコンパクトさをご紹介しましたが、そんなコンパクトボディに設られたアグレッシブな造形の数々は、街中でも注目の的となること間違いなしのスポーティさですね。
特にマッチョに広げられたリヤフェンダーの造形などは、もはやレーシングカーのそれを感じさせるような大胆さ。サイズ的には既に追い越してしまってはいますが、同じくコンパクト2ドアクーペボディで一世を風靡した初代M3を思わせるところもあります。
極め付けは、リヤで存在感を発揮している左右デュアル出しのエキゾースト・テールパイプ。圧倒的な動力性能を持つM2だけに、ライバルにはリヤセクションをずっと見せつけることになりそうですので、このテールパイプとリヤフェンダーは強く印象に残ることでしょう。
改良で大型化されたフロントのキドニーグリルは左右が繋がった造形になっているなど、最新のBMW車らしい表情が印象的なM2。どこをとっても特別にスポーティな仕立てとなっているので、眺めていても飽きませんね。
■この性能にして4人乗り、トランクもしっかり!
BMW M2 CS(海外仕様車) インテリア
Mモデルの特徴としては、一部の2シーターモデルを除いては、多人数乗車がベース車同様に可能な点も挙げられるでしょう。M2でももちろんリヤシートは装備されており、スポーティに絞り込まれたキャビンもあって余裕たっぷりとはいきませんが、4人でドライブを楽しむこともできます。
さらに、2シリーズの最上級モデルだけあって室内の仕上げも上質そのもの。カーボンファイバートリムなどでスポーツ性を醸し出しつつも高級感のあるインテリアは、ダコタレザー製のMスポーツシートなどを備えています。
ベースの2シリーズクーペ同様、広いとはいえないトランクスペースはM2の数少ない弱点の一つかもしれませんが、旅行の荷物程度ならしっかり飲み込める390Lの容量が確保されています。
いざというときにはリヤシートのトランクスルー機能もしっかり備えられているなど、意外と?!実用性も担保されているのは、Mモデルの美点をちゃんと引き継いでいる証でしょう。
BMW M2のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,475mm×1,855mm×1,410mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,695mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 1,610kg | |
燃費 | JC08モード:10.8km/L | |
エンジン種類 | 直列6気筒ガソリンターボ 2,979cc | |
エンジン最高出力 | 302kW(410PS)/6,250rpm | |
エンジン最大トルク | 550N・m(56.1kg・m)/2,350-5,230rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動(FR) | |
トランスミッション | 6速MT | |
新車価格 | 8,163,637円(消費税抜き) |
Mパフォーマンス「M240i」との違いは?価格差は妥当?
BMW M240i クーペ(海外仕様車)
BMWにおけるスポーツモデルには複数の階級があり、トップモデルとなる「Mモデル」たちの下位には「Mパフォーマンスモデル」たちが控えています。
レースにもそのまま持ち込めるようなカリカリのスポーツ性能を追求したMモデルに対して、より軸足を公道上においているのがMパフォーマンスモデル。2シリーズの例で言えば現在、MモデルのM2と、MパフォーマンスモデルのM240iが並行して販売されています。
この2台、実は搭載するエンジンはどちらも3.0リッターの直列6気筒ガソリンターボエンジンであるなど、スペック的にはやや似通った部分もある点がややこしいところ。特にM240iは、最高出力こそ300PS台に収まっていますが、最大トルクはM2にも迫ろうかという500N・mとなっており、スペックだけ見るとキャラクターの違いが分かりにくいかもしれませんね。
BMW M2 CS(海外仕様車)
しかし、実車を見比べると明らかなように、M2はもはや別クラスの本格スポーツカー。エアロパーツの造形もよりアグレッシブなものとなっていますし、特に広げられた全幅のもたらす迫力は、M240iでは得難い部分ですね。
また動力性能でも、スポーツATのみのラインナップとなっているM240iに対して、M2 コンペティションでは6速MTか7速M DCTドライブロジックが選択できるなど、より性能重視であることが窺えるほか、やはりエンジンフィールのパンチではM2 コンペティションが圧勝といった印象です。
新車価格としては、M2 コンペティションはM240iの180万円高に設定されていますが、これらの違いに対して「もはやM2ってバーゲンだ!」と思うのか、「M240iで節約して贅沢しちゃおうかな」と思うのかは、車に求める性能によって差が生まれそうですね。
M2 コンペティションの中古車ならM240iの新車価格程度で購入できる車両も見受けられるので、もしかするとそれもスイートスポットの一つかもしれません。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,470mm×1,775mm×1,410mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,690mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 1,560kg | |
燃費 | WLTCモード:11.2km/L | |
燃費 | JC08モード:12.2km/L | |
エンジン種類 | 直列6気筒ガソリンターボ 2,997cc | |
エンジン最高出力 | 250kW(340PS)/5,500rpm | |
エンジン最大トルク | 500N・m(51.0kg・m)/1,520-4,500rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動(FR) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 6,527,273円(消費税抜き) |
BMW M2、2020年最新情報まとめ
■ついに登場、究極のM2「M2 CS」が発売開始!…既に完売?!
BMW M2 CS(海外仕様車)
2シリーズクーペとして頂点に立ってきたM2 コンペティションをベースに、さらに軽量化と高出力化を行うというブッ飛んだ改良によって誕生した究極のM2こそ、「M2 CS」です。
CSというシリーズ名は「クラブ・スポーツ」を示すもので、それ自体はこれまでもM3やM4など兄貴分たちにもハードコアモデルとして設定されてきましたが、M2に設定されるのは今回が初めてとのこと。そんな特別なグレード名に恥じることのない、さらに極まった性能が実現されています。
なんとボンネットとルーフという面積の広い部品、さらにはフロントスプリッター、リヤスポイラー、リヤディフューザーまでをCFRP製とすることでさらなる軽量化を進められ、M2 コンペティション比で30kgもの軽量化をと低重心化を実現するとともとともに、もとよりパワフルなエンジンをさらに強化。最高出力はM2 コンペティションから40PSも向上した450PSまで強化されています。
BMW M2 CS(海外仕様車)
軽量化とパワーアップだけでなく、M4に搭載するアダプティブMサスペンションを標準装備するなど、全方位的にスポーツカーとしての進化を遂げたM2 CS。
M4 CSと同様の、バックレスト部分左右が貫通している独特なデザインが特徴的な「Mコンペティションスポーツシート」など、室内の仕上げも特別感たっぷりで、まさに究極のM2となっています。
2020年4月に国内仕様の発表がなされたのですが、その時点で国内導入枠の60台は全て完売済とされており、もはや新車では手に入れられないM2 CS。ぜひ本物を見かけてみたいものですね。
BMW M2 新車価格まとめ
BMW M2 コンペティション(海外仕様車) Mパフォーマンスパーツ装着車両
2020年11月現在のM2の税抜き新車価格は、M2コンペティションの6速MT仕様が816万円、7速M DCTドライブロジック仕様が839万円となっています。
現在新車販売がされているのはコンペティショングレードのみで、装備が非常に充実しているM2だけにオプション設定もメタリックボディカラーや、電動ガラスサンルーフ、ハーマンカードンHiFiサウンドシステムなど数少ないものに限られています。
そんなオプションの中でも注目なのはMドライバーズパッケージ。なんと最高速度リミッターを250km/hから270km/hへと引き上げるこのオプションは、価格もビックリの税抜き30.5万円が設定されています。
もはや国内ではサーキットであってもそんな速度域に達することは稀と思われますが、それでもそんなオプションが設定されていることは、M2の本気度を示しているポイントかもしれませんね。
BMW M2 コンペティション(海外仕様車) ダッシュボード
まとめ
BMW M2 コンペティション(海外仕様車)
BMWの誇る現行Mモデルで最小となるM2に関してご紹介してきました。
小さいボディながら過激なエアロパーツで武装し、大排気量のハイパワーエンジンで格上のスポーツカーをもカモれそうなスポーツクーペというキャラクターだけでもワクワクしますよね。その上M2は室内も上質で、2シリーズの頂点にふさわしい実力の持ち主と言えるでしょう。