アウディ TTとは
アウディ TT
アウディ TTはアウディが販売していクーペ型のスポーツカーです。TTという名前は、イギリスにあるマン島のレースイベントである「ツーリスト・トロフィー」に由来しているものです。 ツーリスト・トロフィーは現在でも開催されているオートバイの世界的なレースの一つで、一般道を高速で走り抜ける様子は世界で最も危険なレースとも呼ばれます。
アウディ TTは、前輪駆動(FF)とアウディの4WDシステムであるクワトロを搭載したハイスペックモデルで、1998年に誕生以来、現在に至るまで、実用性とデザインが両立されていることと、パワフルな走行性能を持つことが魅力で人気を集めています。
■クーペボディで2つのタイプ
アウディTT
アウディ TTは、流麗なクーペボディが特徴のスポーツカーです。標準バージョンのTTにはFFモデルと、アウディの4WDシステムである「クワトロ」が用意されています。
また、高性能バージョンとしてTTSも用意されていて、高出力エンジンとクワトロシステムを組み合わせたホットバージョンとなっています。
以前は、ロードスターモデルも発売されていましたが、残念ながら販売が終了しています。
アウディ TTの歴史
初代 アウディ TT 1999年
アウディ TTは1998年に初代モデルが登場しています。A3やフォルクスワーゲンのゴルフと同じプラットフォームを採用し、その後のアウディのデザインに大きく影響を与えたのが初代モデル。クーペの他に2000年にTTロードスターという電動ソフトトップが搭載されたモデルが加えられました。
初代モデルは円をモチーフとしていることで、特徴的なエクステリアデザインを採用しています。円形をベースとしたデザインがゆえ、空力的に「リフト」と呼ばれる揚力が発生し、事故が起きてしまったことからリアスポイラーやサスペンションの設計変更が行われました。日本に導入されたのは1.8Lターボエンジンと3.2Lのモデルです。
2代目 アウディ TTクーペ 2006年
2006年に2代目モデルが発売されます。初代TTのイメージは継承されながら、アウディのシングルフレームを取り入れたエクステリアデザインになります。さらに細かな内装の作り込みがされているのが特徴です。A3と同じプラットフォームを採用していますが、ボディの7割がアルミニウムになったことにより、ねじれ剛性が向上し軽量化されています。
初代の欠点となった高速域でのリフトは、電動格納式リヤスポイラーやアンダーボディのフラット化によって改善されました。エクステリアもスポーティーなものに変更されています。
アウディ・TTSロードスター2004年
3代目の現行モデルは2015年から発売されます。ボディの外板はアルミ製となったことから、最大50kgの軽量化が図られているのが特徴です。日本には導入されていませんが、本国ではディーゼルエンジンのモデルもあります。
アウディ TTのエクステリア
アウディTTロードスター・ファイナルエディション
Audi TTのエクステリアは、リアまでなだらかに下がっていくルーフが美しく、 走りを追求するために開発されたものです。高級感があるだけでなく、スポーティーな印象をもたせます。
流線形状で車高が低いので、安定した走行が楽しめます。2代目までは円型のフォルムが印象的ですが、3代目になるとエッジの効いたデザインでよりスタイリッシュになりました。
アウディ TTのインテリア
アウディ TT 改良新型
アウディ TTのインテリアは、上質なものとなっており、スポーティなだけでなく、オーナーが満足できる質感も保たれています。メーターとナビが一緒になっているバーチャルコックピットがあり、 センターコンソールにはディスプレイが無く、ドライバーが運転に集中しやすいように、視線を動かさずに様々な情報を見れるようになっています。
ドライバーが快適に過ごせるようにクッション性とホールド性のバランスが取れているシートを採用しています。 背もたれとヘッドレストが独特の形になっているので、長時間の運転でも疲れにくいです。
エアコンの送風口も独特のデザインです。
■バーチャルコックピットを採用
アウディ TT クーペ 改良新型
バーチャルコックピットを採用したので、ドライバーが見やすい位置に車両の情報やナビなどの地図を表示できます。 12.3インチディスプレイに、目的地を検索したり、天気予報を表示させたりできます。スマートフォンとダイレクトにつなげることの可能です。
スポーティーなモデルであることから、運転のために割り切ったコックピットとなっています。ステアリングの呼び出しボタンを押すと、アウディ コネクト ナビゲーターの専任オペレーターを介した施設検索や予約手配サービスを受けることも可能です。
アウディ TTのスペック
アウディ TT クーペ 改良新型
アウディ TTのスペックをみていきましょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,190mm×1,830mm×1,380mm」 (ホイールベース:2,505mm) | |
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最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 1,300kg | |
燃費 | WLTCモード:13.7km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボチャージャー | |
最高出力 | 145kW(197PS)/4,300-6,000rpm | |
最大トルク | 320N・m(32.6kg・m)/1,500-4,200rpm | |
駆動方式 | FWD | |
トランスミッション | 7速 Sトロニックトランスミッション |
情報は2022年3月現在の公式サイトより
パワフルな2LのTSFIエンジンが搭載されており、Sトロニックトランスミッションが組み合わされることで、適切なギヤが選択されスポーティーな走りが楽しめます。
アウディ独自の4WDシステムが搭載されるクワトロは、電子制御システムが適切に後輪にも駆動力を配分するので、路面状況が悪い道路でも効率よくトルクを路面に伝えてくれます。
FFモデルは最高出力197PS、クワトロが搭載されるグレードは245PSという出力で、パワフルな走りを堪能できるモデルです。全てのモデルにエネルギー回生システムが搭載されており、力強さだけでなく効率性も両立させています。
アウディドライブセレクトでは、乗り心地や特性を調整する4つのモードから選択できます。燃費性能を高めた走りの「 エフィシェンシー」から、スポーティーな走りに対応した「ダイナミック」、また乗り心地を重視する「コンフォート」とすべてを自動で調整する「オート」から選択可能です。 好みや走行シーンに合わせてドライブモードの選択できます。
アウディTTの特徴
アウディ TTの主な特徴を見ていきましょう。コンパクトなデザインで加速性能に優れており、それでいて燃費も良いことが魅力です。
■コンパクトなデザイン
アウディ TT クーペ 改良新型
コンパクトでスポーティなデザインであることがアウディ TTの特徴です。シンプルでありながらもスポーティなデザインで、特に初代から受け継がれている正円のフューエルキャップがあります。
比較的コンパクトなボディサイズですので、日本の道路事情でもきびきびと走りやすいです。 インテリアも機能を重視したデザインで、長く走らせたいと感じさせるもの。走りを楽しみたい方にぴったりのスタイルです。
■軽量で加速性能が優れている
アウディ TT S lineパッケージ
アウディ TTはアルミを多く使用することで軽量化を果たしており、1,300㎏という計量モデルに仕上がっています。軽量化されたことは加速性能の向上にも寄与しており、コンパクトでありながらも、優れた加速とハンドリングの良さはアウディ TTの魅力を高めています。
特にクワトロでは、効率良く路面にトルクを伝えられることから、路面状況に関わりなく安定して走行することができるのが魅力です。
■スポーツカーなのに燃費がよい
アウディ TT S lineパッケージ
アウディ TTの特徴として、スポーツカーでも燃費が良いことがあります。スポーツカーでは燃費が悪いのが当たり前というイメージがありますが、 燃費共有サイトの「e燃費」でも実用燃費が10km/Lを超えることが多いと報告されています。
スポーツカーであれば1桁代の燃費になることが多い中で、実燃費が良く郊外や長距離の双方であればさらに燃費が向上することが期待でき、スポーツカーでは注目の燃費です。ガソリン費を気にすることなくドライブが楽しめるのは、 アウディ TTの魅力でしょう。
アウディTTとTTSの違い
アウディTTSクーペ
アウディ TTSはTTの上級グレードとなっており、走りにこだわってチューニングされています。搭載されているエンジンも力強いものとなっており、TTSは2Lターボでも出力が高いものになっています。
TTの最高出力が197PSなのにくらべ、TTSの専用チューニングエンジンは、なんと320PS/400Nmをたたき出します。
その高出力に対応するため、駆動系は当然4WDのクワトロシステムとなっており、安定感のある走りが楽しめます。
スポーツカーと名乗るにふさわしい、安定したハンドリングと加速を楽しめるモデルに仕上がっていると言っていいでしょう。
アウディ TTのモデルチェンジ情報
2019年にマイナーチェンジを行っており、エクステリアのデザインが変更され、スポーティな雰囲気が増しています。
エクステリアにはSラインのデザインが取り入れられていて、スポーティな雰囲気を増していること、またシングルフレームグリルが3Dのハニカムメッシュが採用され、フロントバンパーも新しい意匠になりました。
今後アウディ TTは、現行型で廃止することが決定されており、数年後には電動スポーツカーとして変化することが計画されています。
アウディTTの中古車情報
アウディTT 初代モデル
アウディTTの中古車は、TT、TTロードスター、TTSの3タイプで、2022年3月時点で473台が登録されていて、平均価格は214.1万円となっています。輸入車の2ドアクーペとしては、なかなかの流通量と言っていいでしょう。価格は19.9万円から728.9万円と幅が広くなっています。
高価格なモデルは現行型TTの走行距離数短め、ディーラーの認定中古車が中心というのは輸入車のお約束で、やはり、メーカー保証が切れていないというのは、いざトラブルが起こると高額な修理費が発生しがちな輸入車としては大きな魅力です。
現行型TTのボリュームゾーンは、300〜400万円台といった所で、年式は古くなりますが200万円台後半での個体も、比較的流通量は多く確保されています。
一方、アウディTTを買うなら、スタイリングが印象的な初代モデルがいい!という方もいらっしゃるかもしれません。初代TTは、200万円あたりからTTロードスターの出物が出始め、走行距離の比較的少ない個体が150万円程度の価格水準になっています。
それ以下の価格の個体は、低年式で走行距離が嵩むほど安くなっていて、最低価格は20万円程度となっています。初代アウディTTは、最低でも、初年度登録から16年経っているモデルになりますので、それなりのトラブルも覚悟をしなければならない車齢ではあります。でも、初代アウディTTのスタイリングは、何者にも変え難い魅力がありますよね!
アウディ TTのまとめ
アウディ TTはコンパクトでありながら、スポーツ走行を楽しめるモデル。横置きFFがベースとなっていますが、アウディ独自の4WDであるクワトロなら、適切なトルク配分で力を路面に伝えるので安定感を感じる走りを楽しめます。
スポーツカーの中では燃費もよいアウディ TTは、維持もしやすいクルマとなっています。
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アウディTTに関するFAQ
■アウディTTの特徴ってなに?
アウディTTの特徴は、なんと言ってもそのスタイリングにあります。特に初代は、丸みを帯びた独特のスタイリングが大きなセンセーショナルを巻き起こしました。一方、初代TTはリアのデザインまで丸みを帯びていたため、デビュー直後から高速域での安定性の不足が指摘され続けました。
結果、アウディは初代TTに高速安定性を追加するためにリアスポイラーの追加とサスペンションの改良を行う事になりました。しかし、デビュー当時はこのような事も含めて、大いに話題になったのです。
■TTSよりも高性能なモデルはないの?
TTSよりも高性能なモデルとして、アウディTT RS クーペがラインアップされています。アウディの高性能モデルを示す「RS」の名に恥じない、最高出力400PS /最大トルク480Nまでチューンナップされた。2.5L直列5気筒エンジンが搭載されています。もう、ここまで来るとスーパーカーの領域ですね!
一方で、値段もスーパーカー並みになっていて、1,000万円を超えるプライスタグが付いています。