ワイパーブレードって何?
ドライバーなら一度は耳にしたことがあるであろうワイパーですが、フロントガラスやリアガラスの視界をきれいにしてくれ、車には無くてはならないアイテムです。
ワイパーは1910年代に、アメリカのトリコ社が始めて製品化したといわれています。最初は、手動でアームを動かし、ゴムブレードで窓を拭いていたようです。
そのようなワイパーも、今はモーターにより作動し、実は2段階以上の速度の切り替えができるワイパーを備えていないと、車は公道を走ってはいけないことになっています。
そのワイパーは総称で、ウィンドウ表面を払拭するためのワイパーゴム(ラバーエレメントとも呼ぶ)があり、それを保持する金具部分をワイパーブレードで分けることができます。
ワイパーに使うゴムは材質として、天然ゴム、クロロブレン、または両者を混在したものが用いられています。天然ゴムは払拭性能には優れていますが耐候性が劣り、クロロブレンは対候性はあるのですが低温時に性能が低下するなど一長一短があるため、両者をミックスしたものが使用されることが多いです。
そのようなゴムを取り付ける部分であるワイパーブレードは、長いゴムをフロントガラスに均等に密着させるといった重要な役割を持っています。
また、最近ではワイパーブレードをプラスチック製に変えて軽量化とコストダウンを図りリアワイパーに採用するケースが増えています。
アメリカでは、大型スーパーやハードウェアストアにITW、ボッシュなどのワイパーブレードが低価格品なら約5ドル、中程度品なら約10ドル、高価格品なら約20ドルで売られていて、取り付けもU字フックなどで取り付けやすいものになっているので、自分で取り換える人が多いようですが、日本では、ゴムのみを取り換える人の方が多く見うけられます。
ワイパーブレードの種類
ワイパーブレードにも種類があり、それぞれに特徴があるので、車により使い分けることができます。自分の愛車に合ったワイパーブレードはどのタイプか見ていきましょう。
■フラットワイパー
新車に搭載されているワイパーは長年トーナメント式ワイパーが主流ですが、1999年にボッシュのフラットワイパーが開発され、欧州車のフラットワイパー新車搭載率は90%以上に達しています。
フラットワイパーは、ひとつのしなる芯軸がゴムで覆われた構造になっており、面で支えるためフロントガラスのカーブに合わせてフィットします。圧力が均等に伝わることにより、クリアで安定したふき取りができるのです。
そのようなことから、フラットワイパーはその特徴を生かした面で支える構造から、ガラス面が大きく湾曲しているデザインの車にもオススメのワイパーブレードと言えるでしょう。
■トーナメント式ワイパー
効率よく雨を除去するためには、ガラス面にゴムを密着させる必要があります。その圧力を均等にするために考えられたのがトーナメント式と呼ばれるワイパーブレードです。ゴムに均一なチカラをかけ、気持ちよく水切れができるよう骨格部分をあたかも武道試合の「トーナメント表」のように枝分かれさせたタイプのワイパーブレードです。骨格の強度があり、それでいて曲面のフロントガラスに柔軟に沿ってくれる骨格構造をしています。
見栄えは良くはないのですが、旧車などであればその存在感は他の型にはない魅力があるデザインになります。旧車に取り付けるのであれば、トーナメント式が一番オススメです。
また、トーナメント式は安く購入することができるので、安価でワイパーブレードを交換したい方にもオススメのワイパーブレードになります。
■エアロデザインワイパー
エアロデザインワイパーとは、上記のトーナメント式と内部構造は基本的に変わっていませんが、見た目を改善したタイプで、トーナメント式にゴムカバーをかぶせただけのものや、曲面ガラスに追従できるような湾曲バネを樹脂ケースで包んだもの等があります。
見た目がすっきりし、掃除が楽な点に加え、高速道路などでワイパーブレードが風で浮き上がることを防ぐ効果があることから、高速道路をよく利用する方にオススメのワイパーブレードです。
また、デザインワイパーと言われるだけはあって、流線型のデザインは、車体と一体感を持たせることができ、見た目を重視する方にもオススメのワイパーブレードと言えるでしょう。
ワイパーブレードも雨用と雪用で交換を
ワイパーブレードにも雨用と雪用の種類があるのを知っていましたか?季節に応じてタイヤを交換することがあると思いますが、実はワイパーブレードも季節に応じて交換が必要な地域もあります。
■夏用ワイパー
新車時や一般的なブレードが雨用のワイパーブレードです。夏用のワイパーはバネ状になったブレードの片端にのみゴムが取り付けられています。沿ったり曲がったりしますので窓ガラスに密着して拭きムラをなくします。
しかし、窓に雪がこびりつくと雪を擦り落とせず、雪の上をなぞる形になって窓の雪が払えずに視界を妨げてしまいます。最近はエアロワイパーという、走行風でワイパーを押さえつける機能が付いていますが、純正のエアロワイパーのほとんどは、雨用になっています。
■冬用ワイパー
これに対して冬用はワイパーブレード全体をゴムで覆った形になっています。曲がりにくいのが特徴で、ボタっとこびりついた雪でも強引に払い落としてくれます。
ただし、普通の雨だと拭きムラは起きやすいです。また、雪用は雨用のものと違いブレードの可動部が少ない。あるいは全くないタイプがあります。
基本的なワイパーブレードの寿命・交換時期と交換方法について
ワイパーゴムの交換はするものの、ワイパーブレード自体の交換は忘れがちなもの。今回は、ワイパーブレードの交換にかかる費用や、交換方法、交換の目安、必要性を説明します。
■寿命・交換時期は
ワイパーブレードのメーカーが推奨する交換時期は、殆どが1年に1回車両点検の時に取り換えを推奨しています。これには理由があり、1年を通して暑い日差しの真夏での熱による劣化や寒い冬の季節の雪などによるゴムの劣化、また、粉塵による酸化によるものからです。
ですので、車両の置かれた環境にもよりきりで、車庫の無い炎天下にずっと晒されているような環境ですと、寿命も車庫のある車両よりは短くなってくるのです。
また、交換時期は日本ワイパーブレード(NWB)メーカーのワイパーブレードですと、点検・交換時期を知らせるシールが付いています。
交換直後のシールは黒いのですが、そのシールは紫外線を浴びることで徐々に青くなり「CHECK NWB」という文字が出てきます。そうなると、交換時期が来たというサインですので、時々はそのシールを見てみましょう。
■外し方と交換方法
ディーラーやガソリンスタンドなどで「そろそろワイパーブレードの交換が必要です」と言われ、お願いすることもあると思うのですが、実はワイパーブレードの交換は自分でもできます。車種によっても変わってきますが、今回は簡単にできる方法と、外しにくい時の対応も併せて見てみましょう。
※交換する際は、適合商品を確認し、事前に取扱説明書等で詳しい交換手順を読んでおきましょう。方法を間違えるとパーツの破損や走行中に脱落してしまう可能性があるので注意が必要です。
・フロントガラスのワイパーブレードの取り付け部分の位置に厚く折りたたんだタオルやクロスなどを置きます。これは、ワイパーアームが何かの拍子で倒れてしまったときに、フロントガラスを割ったりヒビが入らないようにするためですので、厚い方が良いです。
・ワイパーを立てます。ワイパーアームとワイパーブレードの取り付け部分の裏側に、小さなストッパーがありますので、そのストッパーを押しながらゆっくり下方向にスライドさせることにより外すことができます。
なかなか外すことができない場合、接合部が固着気味になっていてストッパーのフックが完全に外れていないことも考えられます。ちょっとでも引っかかっていると抜けません。シリコンスプレーなどを使う前に今一度、ストッパーのフックが完全に外れていないかの確認をしてください。ストッパーのフックの部分を力いっぱい押し込みつつ引き抜いてみましょう。それでも抜けないようなら、潤滑剤を使用してみましょう。
・ワイパーブレードを取り外すことができたら、一旦ワイパーアームを戻し、最初に用意したタオルの上にゆっくり置きます。ワイパーアームを立てたままにしておくと倒れた際にフロントガラスを割ったり傷つけたりする恐れがあるので、立てたままにすることは絶対にやめましょう。
・新しく取り付けるワイパーブレードが準備ができたら、ワイパーアームを立てて、外した時と逆の手順で上にスライドさせて「カチッ」と音がするまで差し込みます。取り付けの際にはスイッチ状の部分には触れないでそのまま装着します。
■ディーラーやカー用品店で交換をする時にかかる費用
ワイパーブレードを自分で交換する場合は、交換するワイパーブレードの部品代のみで済みますが、自分で交換するのはちょっと怖いという方もいらっしゃるでしょう。
ワイパーブレードの交換をショップに依頼する場合には、部品代の他に工賃が発生します。
・ディーラー:フロントワイパーブレード2本で4,000円~
・大手カー用品店:200円~
・ガソリンスタンド:無料~
と、なっています。いつも何となくディーラーにお願いしていたという方は、こんなに差があるのかと疑問に思ってしまうかもしれません。
■リアワイパーブレードの交換
なぜ、リアガラスにもワイパーが付いているのかご存知でしょうか。それは、路面の泥を巻き上げた時の視界確保の為だと言うことです。保安基準部分にも該当するので、ゴムが裂けていると車検にも合格することができません。
そこで、定期的に確認をし、交換をしなければならないのですが、リアワイパーは、フロントワイパーのようにU字フックと呼ばれるレバーを押しながら、スライドさせるて取る方法と、U字フックではない場合があります。
・U字フックでない場合は、右手でアームを持ち、左手でブレードを回転させるように取ります。(逆の場合もあります)
・ブレードを外したアームは、ガラスにそっと戻しておいてください。
・取り付ける際は、取り外した方法と反対に回転をさせます。
・手で動かして取り付けがきちんとしているか確認をします。
ワイパーブレードのオススメ商品厳選5選
ここからは、オススメのワイパーブレードをご紹介します。多くの車はデフォルトでトーナメントワイパーが装備されていますが、フラットタイプなど好みのデザインのものに付け替えるのも自己メンテナンスの楽しみ方です。
今回は、Amazonで売上人気上位5選からピックアップします。
■NWB(エヌダブルビー) デザインワイパー
Amazon参考価格¥1,620 2019/3/5現在
■PGMARO日本車専用 三段骨式 カーエアロ ワイパーブレード 強力撥水コート
Amazon参考価格¥2,000 2019/3/5現在
■BOSCH国産車用ワイパーブレードエアロツイン
Amazon参考価格¥1,800 2019/3/5現在
■SOFT99ガラコワイパーパワー撥水ブレード
Amazon参考価格¥3,169 2019/3/5現在
■PIAAグラファイトワイパー【クレフィットプラス】
Amazon参考価格¥1,100 2019/3/5現在
まとめ
ワイパーブレードは意外と劣化の早いものです。定期的に交換してこそ常に快適な視界をキープできますし、フロントガラスのより良い状態を維持することができます。
ブレードの取り換え自体は、コストもそこまでかかるわけではありませんし、交換の仕方も初めはハードルが高く思えますが、一度やってみるとすぐにコツが掴めます。
ワイパーブレードの種類も季節や車種によって、選ぶことができますので、愛車に合ったワイパーブレードにあなたも取り換えてみませんか。