トップへ戻る

回生ブレーキって何?使用されている車種は?燃費に影響する?

回生ブレーキって何?使用されている車種は?燃費に影響する?

回生ブレーキは電気自動車やハイブリッドカーなどエコカーと呼ばれている自動車に搭載されています。減速装置を使うことでエネルギー発電として使用することが可能になります。回生ブレーキのメリットとデメリットも詳しく紹介していきます。

[PR]本ページはプロモーションが含まれています
⏳この記事は約3~4分で読めます。


回生ブレーキとは

自動車が進むために車輪が回転するにはモーターに電力を供給し発生した電気エネルギーを
を、モーターで運動エネルギーに変換し回転させる必要があります。回生ブレーキというのはこれのほぼ逆で動いた車両や内部の機器が発生させる運動エネルギーを、利用して電磁誘導によってモーターで発電します。その発電時の回転抵抗を自動車を減速して停止させようとする力として利用するため回生ブレーキと言います。

回生ブレーキの仕組みは

モーターは上記の説明のとおりに、電磁誘導によって運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができます。自動車の車輪が回転するときに発生する運動エネルギーをモーターで電気エネルギーに変換し、発生した電力は一度コンデンサに充電され、車が加速・減速するときや、エアコン、オーディオなどの各種機器など、必要時に使用する電力になります。

運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、さらにその電機エネルギーをまた他のエネルギーに変換するため、使用できるエネルギーの総量は少々少なめですが、摩擦ブレーキであれば使うことができずに放出されるだけのエネルギー使えることを考えると非常に良いシステムと言えます。

この電力が発生するときに回転抵抗を制動力として使用するため回生ブレーキというわけです。

回生ブレーキが使われている車種は

回生ブレーキが使用されている車種はHV(ハイブリッドカー)、PHV(プラグインハイブリッドカー)、EV(電気自動車)の主に3種類です。この3種類はモーターを備え、駆動には電力を使用します。回生ブレーキは車のバッテリーへの充電に利用されています。
さらに回生ブレーキは自動車だけではなく、電車、エレベーター、電動アシスト自転車などさまざまなものにすでに利用されています。

回生ブレーキの効率は

回生ブレーキの効率の詳しい数字は公に発表はされていません。しかし、回生ブレーキはブレーキ制御システムや使用しているバッテリーの種類や車両の速度などの運転の仕方などさまざまな要素で大きく効率が変わるといわれています。

例えば、急ブレーキでは補助ブレーキでありブレーキ力の弱い回生ブレーキは使用されず、摩擦ブレーキが使用される仕組みになっています。さらに、上り坂の場合電力が発生するときの回転抵抗が増えるため、下り坂を走るより電気エネルギーへの変換効率は落ちます。このように回生ブレーキは常に100%の効率で使用できるものではないわけです。ですので回生ブレーキの効率はいくつとは一概には言えないわけです。

なのであくまで目安としてですが、回生ブレーキの実装当初は7~10%の燃費向上が目標でした。実装から時間がたった今ではこの数値を越しているのではないかと考えられています。

回生ブレーキのメリットは

回生ブレーキの仕組みは上記の通りで理解できたと思います。では回生ブレーキは従来の摩擦ブレーキと比べてなにが違うのか、メリットとデメリットは何なのかについて説明していきます。
まずメリットですが主に3点あります、燃費が良い、エンジンの発電が少ない、ブレーキパッドの寿命は延びるという3つです。

燃費がいい

回生ブレーキのメリットとしてひとつ目に燃費がいいことが挙げられます。では、なぜ燃費が良くなるのでしょうか。

まず摩擦ブレーキは自転車の前タイヤについてるブレーキと構造がほぼ同じです。自転車はブレーキパッドでタイヤを挟んで止めます。これは自転車の止まるときに発生する運動エネルギーを摩擦の熱エネルギーに変換してタイヤを止めているということです。摩擦ブレーキでは、このときに発生する運動エネルギーは、摩擦熱にすべてを変換できるわけではなく、余剰エネルギーは捨てているのです。

回生ブレーキではモーターが回転し、発電した電気は一度コンデンサーにためられます。車がまた動き出すときなどにはためた電気を使用して動かすので、捨てるエネルギー、無駄になるエネルギーが少ないのです。無駄になるエネルギーが少ないということは燃費が良くなるということですね。

ですが回生ブレーキを使っているハイブリッドに乗っていても、ガソリン車と同じ運転の仕方をしていてはそこまで燃費はよくならないので、回生ブレーキを使うということを意識して運転する必要はあります。

ただ、回生ブレーキでもエネルギーを変換する回数が多いためロスも発生しますし、今まで捨てていたエネルギーをすべて変換できるというわけではなく、捨てられてしまうエネルギーもまだあります。

エンジンの発電が少ない

2つ目にエンジンが発電する量が減るということです。自動車が発電する際は、普通はオルタネーターという発電機でエンジンを利用して発電します。ですがオルタネーターでの発電にはエンジンを使うので当然燃料の消費は多くなります。

回生エネルギーを使用した場合に発生した電力はコンデンサーに蓄電されるため、モーターを動かすことやライト、エアコンなどを使用するのに使う電力にも当然利用できます。回生エネルギーを使用した分だけオルタネーターが発電する量は減るので、エンジンへの負担が減少します。エンジンへの負担が減少すれば消費される燃料は当然減ります。そのため、回生ブレーキは燃費が良いとされるわけです。

ブレーキパットの寿命は延びる

3つ目にブレーキパッドなどの消耗品の寿命が延びることです。回生ブレーキというのは、摩擦ブレーキとは違いブレーキパッドやブレーキディスクなどの消耗品を使用しません。使用しなければ寿命が減ることもないので、回生ブレーキを使う分だけブレーキパッドやブレーキディスクの寿命も延びるといえます。消耗品を使用しないとは書きましたが、回生ブレーキで使用するバッテリーやモーターは劣化していくので消耗品の使用できる期間が長いという言い方が正しいかもしれません。

回生ブレーキのデメリットは

回生ブレーキのデメリットはそこまで大きなものではありませんが、メリットがあれば当然デメリットもあります。主にブレーキとしての力が弱い、ブレーキから変な音がする、バッテリー満タン時には作動できないといった3点になります。

ブレーキとしての力が弱い

回生ブレーキの役割は補助ブレーキです。ですのでブレーキをかけて最終的に停車するとき、または急ブレーキの際には摩擦ブレーキに頼らざるを得なくなります。

回生ブレーキはエネルギーの変換率も悪いです。車が動くときの運動エネルギーをモーターで電気エネルギーに変換し貯め、貯めた電気エネルギーを運動エネルギーに変換しモーターを回します。
運動エネルギーが電気エネルギーになり、また運動エネルギーに戻るという行程でエネルギーは少しロスが発生します。今までの摩擦ブレーキでは捨ててしまっているエネルギーを使用しているため、燃費が良くなっていることは間違いないのですが、エネルギーの変換率は悪いと言わざるを得ません。

ブレーキから変な音がする

回生ブレーキはよく異音がすると言われます。これは別に故障箇所があるとか、商品の不備だとかそういう話ではありません。回生ブレーキはモーターを使用するため、回生ブレーキが使用されている間はモーターが回る音がする、というだけです。回生ブレーキがよく使われているハイブリッドカー自体はとても静かな、音が出にくい車であるため、よりモーターも音が響くのが気になる方もいらっしゃると思います。
もちろん本当に故障している部分がある可能性はあるので、これはどう考えてもモータの音ではないだろうと思う場合はメンテナンスに出してみる必要が出てきます。

バッテリー満タン時は作動できない

回生ブレーキは作動するときに発電します。つまり逆に言えば、発電できない場合は作動できないということです。この発電できない場合というのが、バッテリー満タン時のことになります。バッテリーが満タンの状態で発電しようとした場合バッテリーがパンクし壊れてしまう可能性があります。ですので回生ブレーキにはバッテリーが満タンの時には作動しないという機能がついているわけです。ですのでバッテリーが満タンなことに気づかないと、車の減速が足りずに危険な場面が出る可能性があります。

回生ブレーキは使わないほうが良い?

回生ブレーキを使用していても車が動くときに発生する運動エネルギーはすべてを電気エネルギーに変換できるわけではありません。回生ブレーキを使用していてもどうしても無駄になるエネルギーはでてきます。
ですが、摩擦ブレーキのみでは回収できなかったエネルギーを使用できているため、回生ブレーキを使ったほうが燃費が悪くなる、といったことはありえません。回生ブレーキを使用している中で登り坂をたくさん進むと少しエネルギーの変換効率が落ちる、といったことはありますが、それでも回生ブレーキを使用しなければ使うことのできなかったエネルギーなので、使用しないほうがいいということはありません。

まとめ

回生ブレーキがある車を使う上で実際に常時気になる回生ブレーキのデメリットとしては、モーターの音だけということになります。バッテリーの量は確認しておけば困りませんし、ブレーキの力が弱いことも知っていれば気になりません。今なお回生ブレーキの効率は進化を続けていますし、今後はモーターの音を減らす方向にも進化していく可能性もあります。回生ブレーキは運転方法によって燃費が大きく変わってくるので早めに使い始め、回生ブレーキを使用することを意識した、効率の良い運転の仕方やモーターの音に慣れていくことが重要かもしれません。

関連するキーワード


豆知識

関連する投稿


車のエアコンガス チャージ・補充方法は?入れ方や料金を徹底解説

車のエアコンガス チャージ・補充方法は?入れ方や料金を徹底解説

季節の変化で気温が変わると必要になるのが車のエアコン。車のエアコンが効かなくなると、ドライブが快適ではなくなるだけでなく、車内が不快な環境になることもあります。今回は、そのエアコンのために補充が必要なエアコンガスについて、エアコンガスが少なくなったときに出る症状、補充の費用目安、自分での補充を行う場合の手順など徹底解説します。


【交通安全協会】入会は任意、会費を払うメリットは?実はお得?

【交通安全協会】入会は任意、会費を払うメリットは?実はお得?

免許証の交付や更新時などに入会できる「交通安全協会」ですが、そもそも入会は任意なのか義務なのかといった疑問から、チャイルドシートの無料レンタルや協賛店の割引などの入会メリット、会費を紹介します。また、入会と退会の方法についても記載しています。


駐車違反の反則金はいくら?標識がなくても駐車禁止の場所は?

駐車違反の反則金はいくら?標識がなくても駐車禁止の場所は?

当記事では駐車禁止違反(駐禁)について、違反をしてしまった際の反則金・罰金、違反点数などの罰則内容から、駐車禁止のステッカーを貼られてしまった場合にどうすればいいのか等の対処方法、駐禁の反則金の支払いについてや、違反をしてしまった場合はすぐに出頭すべきか否か等をまとめて掲載しています。(※情報は執筆時点のものです)


免許停止(免停)とは?免停になる違反点数や免停期間、講習に関する疑問を解決

免許停止(免停)とは?免停になる違反点数や免停期間、講習に関する疑問を解決

交通違反や交通事故によって違反点数が加算され、一定の点数を超えると免許停止(免停)になります。免停となる点数や免停期間、免停講習はどのようなことをするのかなど、免停に関する疑問をわかりやすく紹介します。


金融車とは?相場より安く販売される理由と知っておくべきデメリットを解説

金融車とは?相場より安く販売される理由と知っておくべきデメリットを解説

車を安く購入する方法にはさまざまなものがあります。中でも相場よりかなり安く販売されていることで注目されているのが金融車です。ここでは金融車とは何なのか、そしてメリットやデメリットについてわかりやすく解説します。


最新の投稿


ハザードランプつけっぱなしでバッテリーが上がる時間は?バッテリー上がり時の対処方法も解説

ハザードランプつけっぱなしでバッテリーが上がる時間は?バッテリー上がり時の対処方法も解説

ハザードランプは、車の安全機能として欠かせない装置です。一般的には、緊急時や停車中の注意喚起として使用され、ドライバーや周囲の人々にとって重要な役割を果たします。しかし、この便利な機能も使い方を誤ると予期せぬトラブルを招くことがあります。その典型的な例が「ハザードランプのつけっぱなし」です。エンジンを切った状態でハザードランプを長時間点灯させたままにすると、バッテリーに負荷がかかり、最悪の場合バッテリーが上がってしまう可能性も。この記事では、ハザードランプをつけっぱなしにした際にバッテリーが上がる時間とバッテリーが上がってしまった際の対処方法について解説します。


2024-2025年末年始の新幹線 混雑予想・予測!帰省ラッシュ・Uターンラッシュはいつ?

2024-2025年末年始の新幹線 混雑予想・予測!帰省ラッシュ・Uターンラッシュはいつ?

2024年(令和6年)〜2025年(令和7年)の年末年始は最大9連休!大型連休となる今年の年末年始の新幹線の混雑状況はどのぐらいになるのでしょうか。また、帰省ラッシュ・Uターンラッシュはいつ発生するのでしょうか。昨年の年末年始のJR東日本・JR西日本における新幹線が混雑した日から、2024~2025年の新幹線の混雑日予測を紹介します。


【カー用品】Amazonブラックフライデー2024で買うべきおすすめカー用品をピックアップ

【カー用品】Amazonブラックフライデー2024で買うべきおすすめカー用品をピックアップ

Amazonブラックフライデー(BLACK FRIDAY)は、年間を通して最大級のセールイベントの一つ。この期間中、多くの人気商品が大幅値引きされ、普段は手が届きにくいアイテムも手に入れるチャンスです。特にカー用品は、機能的なものからドライブを快適にするグッズまで幅広く揃っており、車好きには見逃せないセールです。この記事では、Amazonブラックフライデー(BLACK FRIDAY)で買うべきおすすめのカー用品を紹介します。


ダイハツ新型「ロッキー」発表!安全性の向上と価格改定を実施

ダイハツ新型「ロッキー」発表!安全性の向上と価格改定を実施

ダイハツは2024年11月5日に、コンパクトSUV「ロッキー」の一部改良モデルを発表しました。安全性を高めたほか、価格を改定したといいます。


車の雪対策に!準備しておきたいグッズや降雪時の運転前・運転中・駐車時に気を付けるべきポイントを徹底解説

車の雪対策に!準備しておきたいグッズや降雪時の運転前・運転中・駐車時に気を付けるべきポイントを徹底解説

突然の積雪に見舞われると、準備不足から大きなトラブルにつながることもあります。雪による交通事故や車の故障を防ぐためには、事前の準備と適切な対策が欠かせません。この記事では、車の雪対策として、事前に揃えておきたいグッズや雪道での運転時の注意点、駐車時の積雪への対策などを詳しく解説します。これから始まる寒い季節に備え、この記事を参考に雪対策の準備を整えておきましょう。