自動車を所有すると発生する年間維持費
年間の維持費は?
自動車は、遠くへ移動する際にとても便利な乗り物です。
そんな便利な車ですが、所有しているだけでも結構なお金がかかります。自動車税、ガソリン代、駐車場代、車検代、保険料などと、多くの維持費が重なるのです。すでに自動車を所有したことのある方にとっては周知の事実でしょう。
ソニー損害保険株式会社が11月28日に発表した「2019年全国カーライフ実態調査」(月に1回以上の頻度で車を運転する18歳から59歳の男女を対象)では、維持費に関して気になった点をまとめると次のようになります
・1ヶ月あたりで車にかかる維持費のへ金額は12,400円。
・ボディタイプ別の維持費の平均額では軽自動車の10,400円が最も安い。コンパクトカーは10,600円。もっとも平均額が高いのはステーションワゴンの15,600円。
・車検・点検費、自動車税、燃料費は維持費の中で最も負担を感じるものトップ3。回答割合はそれぞれ68.8%、63.8%、53.5%。
・居住区別に見るとは都市部では39.6%の人が駐車場代の高さに負担を感じている。地方では19.6%。
※ソニー損害保険株式会社「2019年 全国カーライフ実態調査」を基に作成
軽自動車の維持費の安さが印象的です。マイカーローンなどで分割して車両を購入したユーザーの場合はさらにローンの支払い費用も合わさってきますので、さらに維持費が高くなります。
ソニー損保保険株式会社の調査では買い替えについてもアンケートが行われています。
アンケートによると、次回の買い替えで希望するボディタイプは以下の割合となっていました。
軽自動車:34.6%
ミニバン:16.9%
コンパクトカー:16.0%
SUV・クロカン:11.7%
セダン:10.2%
ステーションワゴン:7.0%
オープン・クーペ:2.2%
その他:1.4%
※1,000人のうち771名の回答。229名は「わからない」との回答を出しています。
次回買い替え時には軽自動車を検討している人が3割を超えており、他のボディタイプよりも軽自動車への乗換えを検討している人が最も多いとわかります。
■軽自動車とコンパクトカーのはどちらがお得?
上記で紹介したデータを見る限り軽自動車とコンパクトカーの1月あたりの維持費は軽自動車のほうが200円安いだけで、維持費だけ見れば値段はほとんど変わりません。乗り方・使い方や車種によって実際には違いがあったとしても、好きなに乗るべきと言う意見を出すことができます。
しかし、実際に自動車を所有している方であればご存知の通り軽自動車とコンパクトカー(つまり小型乗用車)では支払う税金は決定的に異なりますし、軽自動車のほうが税金は安いです。
そこで、自動車を所有する上で必ず発生する税金をリストアップし、それぞれにおける軽自動車とコンパクトカーの費用を比較します。
小見出し:自動車税種別割・軽自動車税種別割
自動車税種別割・軽自動車税種別割は毎年4月1日時点で登録されている(ナンバープレートが交付されている)自動車・軽自動車に対して課される税金です。
自動車税種別割・軽自動車税種別割の税額は搭載されているエンジンの排気量によって決定されています。
総排気量 | 引き下げ前 | 引き下げ後 |
---|---|---|
1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1,000cc超・1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 |
1,500cc超・2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 |
2,000cc超・2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円 |
2,500cc超・3,000cc以下 | 49,000円 | 50,000円 |
3,000cc超・3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円 |
3,500cc超・4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円 |
4,000cc超・4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円 |
4,500cc超・6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円 |
6,000cc超 | 111,000円 | 110,000円 |
コンパクトカーに搭載されているエンジンの総排気量は1,000cc以下や1,600ccであることが多いので、40,000円くらいの自動車税種別割と考えて良いでしょう。
令和元年10月1日以降に初回新規登録を受けた車両では自動車税種別割が従来より安くなっている点にも注目です。
これに対して軽自動車に課されている軽自動車税種別割は以下のようになっています。
旧税率(平成27年3月31日までに新規検査を受けたもの):7,200円
新税率(平成27年4月1日以後に最初の新規検査を受けたもの):10,800円
乗用車とは対照的に税金が高くなった点に目が行きますが、そもそも7,200〜10,800円とかなり安いです。コンパクトカーと軽自動車で比較しても最大22,300円の税額差があります。
自動車重量税
自動車重量税は車両重量に応じて課される税金です。
自動車税種別割・軽自動車税種別割のように毎年払う税金ではなく、車検のたびに支払う仕組みとなっています。
新車であれば購入から3年後、初回の車検を終えた車であれば2年ごと(車検ごと)に支払う、という感じです。
車両重量が軽ければ軽いほど重量税は安く、反対に重くなれば重くなるほど重量税は高くなります。
具体的な税額は以下の通りです。
車両重量 | 3年 | 2年 |
---|---|---|
0.5t(トン)以下 | 12,300 | 8,200円 |
1t以下 | 24,600円 | 16,400円 |
1.5t以下 | 36,900円 | 24,600円 |
2t以下 | 49,200円 | 32,800円 |
2.5t以下 | 61,500円 | 41,000円 |
3t以下 | 73,800円 | 49,200円 |
初回の車検であれば0.5t重くなるたびに12,300円ずつ増加、それ以降の2年ごとの車検では0.5tごとに8,200円ずつ増加していることがわかります。
車両重量1.0t以下の軽自動車と1.5t以下のコンパクトカーであれば前者のほうが当然税額は安くなりますので、コンパクトカーよりも維持費軽減におけるメリットは大きいです。
環境性能割
環境性能割は2019年10月1日から新たに課されることになった税金です。
2019年10月1日以前では自動車を購入する際に自動車取得税が課されていましたが、それに代わる形で新たに登場した税金になります。
新車または中古車を購入した際に発生する税金で、燃費性能や搭載されているパワーユニットに応じて非課税あるいは取得価格の1〜3%の税金が発生するという構造です。
現在は環境性能割に対して暫定措置が取られていて、2019年10月から2020年9月末、2020年10月以降という2つのフェースで環境性能割の税額が異なります。
2019年10月から2020年9月末の環境性能割の内容をまとめると以下の通りです。
【2019年10月〜2020年9月末(自家用乗用車/軽自動車の場合)】
電気自動車等:非課税
2020年度燃費基準 + 40%達成車:非課税
2020年度燃費基準 + 30%達成車:非課税
2020年度燃費基準 + 20%達成車:非課税
2020年度燃費基準 + 10%達成車:非課税(臨時的軽減) / 0%
2020年度燃費基準達成車:1%(臨時的軽減) / 0%(臨時的軽減)
上記以外の自動車:2%(臨時的軽減)/ 0%(臨時的軽減)
※国土交通省ホームページを参考に作成
※「臨時的軽減」と記したものについては2020年10月1日から1%の軽減がなくなります
このように、環境性能割は購入予定の自動車の種類(特に環境性能)によって違いが出てきますので、購入を希望する車種がどれに該当するのかを理解することが大切です。
自賠責・消費税
自賠責保険(自賠責)は原付を含む全ての自動車が必ず加入しなければならない保険(共済)です。
この自賠責保険、2020年4月1日から引き下げが決定しています。
自家乗用車は引き下げ後21,550円(引き下げ前25,830円)、軽自動車は引き下げ後21,140円(引き下げ前25,070円)となりました、平均して16.4%の引き下げです。
また、周知の通り、自動車には消費税がかかります。
2020年3月時点で消費税は10%となっていますから、消費税による軽自動車とコンパクトカーの価格差が発生することはありません。
強いていえば、車両価格が高ければ高いほど消費税額は高くなります。
■軽自動車が一番お得!というわけではない!
上記を見ても分かる通り、総じて軽自動車のほうが課されている税金は安いです。そのため、維持費をできるだけ安く抑えることを第一目標とするのであれば、軽自動車を選択することが良いでしょう。
しかし、車としての走行性能に目を向けると事情は変わってきます。
例えばエンジンに注目すると、自主馬力規制で軽自動車に搭載されるエンジンは最大64馬力に上限が掛けられています。これに対してコンパクトカーではそういった規制はありませんから、軽自動車よりも馬力の高いエンジンが搭載されている車種を選ぶことが可能です。
もし同じ価格の軽自動車とコンパクトカーがあったとして、車のパフォーマンス(性能)面をベースに見ると、走行性能の高い車種のほうが「性能に対するコストパフォーマンス」が高いことになります。
先程のエンジンのケースで例えると、軽自動車よりもパワーのあるエンジンが積まれているコンパクトカーのほうがお得、ということです。
走行性能には他にもボディ剛性・燃費・乗車定員・居住性・積載性etcと様々ですから、自身が求める「性能」が何であるのかを理解した上で車選びを進めることを推奨します。
ファミリーにやさしいコンパクトカー&軽自動車の節約術
自動車を所有していると、様々な維持費がかかります。それは先ほど紹介した税金だけでなく、車を走らせる上で必要な消耗品も含まれます。
例えば、自動車保険、ガソリン代などの燃料費、車検や半年点検などの際に発生する整備費用、スリップサイン が出てきてこれ以上法律的に走行不可能なタイヤや経年劣化して性能を十分に発揮しなくなったスタッドレスタイヤの交換、などです。
タイヤや油脂類(エンジンオイルなど)は定期的に交換するだけで良いですが、突発的に発生する部品交換費用などを含めると、維持費はかなり高くなります、オーナーとしてはなるべく押さえたいものです。
それゆえ、例えば燃費性能に優れた自動車・軽自動車を乗る、定期的にメンテナンスをすることでトラブルの削減・早期発見、工具や場所を用意したりパーツを安く自分で仕入れて自身が整備する、といった方法も一種の節約術と言えるでしょう。
■コンパクトカー&軽自動車の見るべきポイント
コンパクトカーは低燃費なのに、軽自動車よりもデザイン性が格好良く機能性に優れています。
維持費もあまりかからないので、最近はブームになっています。車両価格も、170万円前後以下と経済的です。
ラゲッジのスペースは、普段のお買い物で荷物を積むことができる収納になっているので、不便さは感じないでしょう。
荷物が多くなる場合は、後部座席に積めばいいです。ある程度重い荷物を載せても、軽快に走ってくれます。
軽自動車の車両価格は、180万円以下とあまり普通車とは変わりません。
ですが維持費が安いので、人気となっています。ラゲッジのスペースは、2L×6本入りペットボトル箱2箱並べたぐらい狭いですが、後部座席を倒して使用することで、沢山荷物を収納することが可能です。
荷物が多くなり重い場合は、走りも多少スピードが出ない感じになるので、気をつけて運転して下さい。
■コンパクトカー&軽自動車どちらを購入するか迷ったら
コンパクトカーも軽自動車も、それぞれメリットが違います。
コンパクトカーは小さい普通車なので、購入する人は経済的な普通車ということで、購入しています。
車体は小さくても、中型車や大型車とかわりないので不便さは感じないでしょう。自宅に広い駐車スペースが無い方にとっても、おススメできる車です。
軽自動車は、やはり魅力的なのは維持費がかからない点です。
ご近所のお買い物に使用したり、遠くない仕事の通勤には十分です。小回りがきくので、駐車スペースが小さい場合に狭い場所にも駐車できます。
運転にあまり自信が無い方でも、軽自動車であれば楽に運転できるでしょうし、最近は室内もなるべく広くしてあるので、コンパクトカー感覚で便利に使用できる車種もあり、選ぶ際に検討してみると良いです。
選ぶ目的を明確にすれば、欲しい車のタイプも分かりやすいでしょう。
低燃費タイヤとは
大型トラックなどに装着されるタイヤは、ダブルタイヤの場合が一般的ですが、シングルタイヤXONEにすることで大幅な軽量化になります。
それ故、発進や加速がスムーズになり、燃費性を高める事が出来るわけです。
また、タイヤの本数が減るので、メンテナンスコストの削減にも繋がります。タイヤを交換するタイミングとしては、車検時や消耗・劣化時、そして季節の変わり目が挙げられます。
一度履いたタイヤは長く使い続けることになるので、できるだけ安全性の高いものを選んだ方が、その後の満足感と安心感は高くなるわけです。
一口にシングルタイヤといっても、個別の製品銘柄やサイズとなると、専門家でなければ、なかなか詳しくは分からないものです。
それ故、安全性等のタイヤの性能に関することは、専門ショップやの店員に相談するのが良いと言えます。
最新の技術を採用したシングルタイヤは、安全性のみならず、燃費性向も向上させるので、自分のクルマに最適なタイプを選ぶことが何よりも重要になると言えます。
■それぞれの車種に合った低燃費タイヤ
現在、3台に1台はミニバンだと言われるほど人気車種ですが、重量がある上に車高が高いため、走行時のふらつきが大きくなります。
特に高速道路のレーンチェンジや山道などの急カーブでは、揺れが大きくなったり、抜けた後の収まりが遅れたりします。
それ故、ミニバンにはミニバン専用のタイヤが開発されており、ふらつきを抑える構造になっています。タイヤの外側のブロックを強めたり、全体の形状を変えたりして、横揺れを抑え安定性を保ちます。
一般的なタイヤと違って左右の溝パターンが非対称なのが特徴となっています。車種別のタイヤとしては、現在爆発的な人気になっている軽自動車にも用意されています。
特徴である小回りの良さを一層高め、燃費性向の向上にも貢献できるタイプもあります。また、軽自動車にもミニバン同様に車高が高いものがあるので、ミニバン専用タイヤのノウハウを採り入れた軽自動車専用タイヤが開発されているわけです。
そうしたことから、タイヤの不満や不備を相談する際には、低燃費タイヤを選択してみるのが良い方法です。
■低燃費タイヤと認められる条件
現在、殆どのメーカーは、低燃費タイヤをラインナップしており、カタログ性能において4〜6パーセントほど、燃費がアップすると言われています。
燃費が良くなるカギとなるのが、ゴムの材質とブロックパターンの形状にあり、路面との摩擦を如何に減らせるかがポイントになります。
摩擦が大きいと発熱も大きくなり、タイヤのグリップ力を高めることになります。それ故、発熱を抑える材質やパターンを採用することで、転がり抵抗力を下げ、燃費を良く出来るわけです。
但し、タイヤのグリップ力を下げるとブレーキ性能にも影響を及ぼすので、パターンに改良を加えるなどして、制動力を維持する必要があるわけです。
これらの性能をバランスよく獲得できたものだけが、「低燃費タイヤ」として認められています。
そうした基準は、ラベリング制度によって定められており、転がり抵抗がAクラス以上、グリップ性能がa〜dの範囲に収まっているタイヤだけが低燃費タイヤとして合格になっています。
まとめ
本記事では、軽自動車とコンパクトカー、どちらがお得なのか、節約費と維持費についてまとめてきました。
せっかくなら、カーライフをお得に楽しみましょう。