ハリアーを選ぶ理由その1 新型RAV4は思ったより大きい
◆ハリアーのボディサイズ
全長×全幅×全高:4725mm×1835mm×1690mm
ホイールベース:2660mm
◆RAV4のボディサイズ
ホイールベース:2690mm
全長×全幅×全高:4610mm×1865mm×1690mm
国内での先代モデルにあたるRAV4の全長はわずか4,335mm。ロングボディモデルにあたる「ヴァンガード」であっても4,600mmでした。
新型ではハリアーの10cmほどの長さまで伸び、幅にいたっては50mm広がり、ついにハリアーをも凌ぐまでになっています。
RAV4がコンパクトなSUVであることはもはや過去のことです。まずはこのことを知っておきましょう。
さらに、ホイールベースでもハリアーを上回った結果、最小回転半径もハリアーと同等かグレードによってはハリアーより大きくなっています。
先代モデルでも北米市場向けにサイズアップして3ナンバーサイズになっていましたが、新型ではさらにその傾向が強くなり日本国内では重要な狭い道や駐車場などでの使い勝手は考慮されず、より広く開放的な室内と走行安定性を強めることになっています。
したがって、ファミリーカーとして利用する99%のユーザーにとって、思ったより大きいサイズのRAV4よりむしろハリアーの方が使い勝手が良いという事になります。
ハリアーを選ぶ理由その2 新型RAV4よりハリアーの方が日本人好み?
インテリアなどは、通常は新しく出る車種の方が魅力的に映るのですが、ハリアーとRAV4の場合は同じメーカーの同クラスのSUVであっても、そのジャンルが大きく違うためにそう簡単に新しいほうが良いとは言い切れないのです。
新型RAV4は先代モデルよりオフロードテイストが全面に出ており、また北米市場を意識した機能性重視のワイルドなイメージですが、ハリアーは初代からのプレミアムSUVとしてのテイストをキープ、しかも国内専用車ということでRAV4より日本のユーザーに受け入れやすい造りとなっています。
特に、2019年7月2日に発売された、ブラックを基調としたハリアーの特別仕様車 PREMIUM“Style NOIR(ノアール)”などはその最たるもので、ブラック塗装の専用18インチアルミホイール、スモーク調メッキ加飾のヘッドランプエクステンション、漆黒メッキのフードモールやサイドプロテクションモールを採用することで上質感を演出しています。
また、インテリアでは、インストルメントパネルやドアトリム、ステアリングスイッチのベゼル部などに、ダークシルバー塗装を施し、ドアスイッチベースやシフトパネル、オプティトロンメーターにはピアノブラック加飾を施すことで、室内にシックで精悍な印象を際立たせています。
特別仕様車 PREMIUM“Style NOIR(ノアール)”
好みによって意見が分かれるかとも思いますが、日本人の好きな内外装でもてなすハリアーは、他メーカーであれば「RAV4キラー」というべき強力な対向車であり、年配者の方などの多くはハリアーに心動かされるのではないでしょうか。
ハリアーを選ぶ理由その3 新型RAV4はハリアーより割高
C-HRが発売された時、今回の新型RAV4以上の大ヒットを記録したことは今も記憶に残っています。しかし、その裏で最も販売に影響が出ると思われたトヨタのハリアーが、逆に急激に販売を伸ばしましていました。
その理由はクラス下でハリアーより小型のC-HRが、上級グレードになるとハリアーにかなり近い価格になるという事でした。
同じ金額を出すならより高級なプレミアムSUVのハリアーの方が良く見えるのは当然といえば当然の結果です。特に取り扱い販売店が統一されつつある現在では、新型RAV4はハリアーと同じ店頭に並ぶ可能性が多くなっています。
■新型RAV4とハリアーの価格比較
新型RAV4 2.0L直噴ターボ車
2,608,200~3,137,400円
新型RAV4 2.5Lハイブリッド車
3,202,200~3,817,800円
ハリアー2.0L車
2,949,480~3,493,800円
ハリアー2.0L直噴ターボ車
3,380,400〜4,574,880円
ハリアー2.5Lハイブリッド車
3,774,600〜4,953,960円
新型車種は値引きできなくても、発売から年数の立っている車種は値引きもされ、価格が逆転することもあります。そのことがC-HRより価格の近い新型RAV4でも起こりえます。
事実、エントリーグレード以外の新型RAV4の価格はハリアーとバッティングしています。
理由その1とその2があって、そして価格が同じなら、街乗りでしかSUVに乗らない大多数のユーザーがどのような判断を下すのか。
ちなみに一大ムーブメントを引き起こしたC-HRも、今はかつてほどの勢いはなく、ホンダのヴェゼル以下に販売ランキングを下げています。
まとめ
2019年中はおそらくRAV4が快進撃を続けることと思います。
しかしながら、RAV4の様なオフロード系の尖ったSUVがファミリーカーとして大ヒットを続けるのは、スポーツSUVのC-HRより難しいでしょう。
その理由は中心価格帯が300万円台ということと、1.8mを超える幅のボディサイズ。そして好みの分かれるデザインもあります。
したがって、同じ金額を払うならハリアーと思う人がさらに増えても驚きはしないのです。