ETC2.0とは?
日本無線 GPS付き二輪車用ETC2.0車載器 JRM-21シリーズ
従来型ETCは、料金所における決済のみへ特化したシステムでしたが、このETC2.0のシステムは、通行料の支払い以外に道路の状況とリンクして色んなサービスを受けることがきる進化したETCとなっています。
道路状況の情報を受け取ることができない従来型ETCシステムの不満を一気に解決できる画期的なシステムです。
その他にも、アクアラインなど一部の有料道路が割引料金で通行できたり、高速道路が土日祝日割引料金(普通自動車・軽自動車が対象)で通行できたり、平日朝夕・深夜(全車種が対象)に割引料金で通行できたりします。
また、ETCマイレージサービスというものがあり、高速道路などの通行料金の支払いに応じてポイントを貯めることで、高速道路の通行料金(無料通行分)で還元を受けることができます。このETCマイレージサービスは登録が必要ですが、年会費などは発生しません。
その他のメリットについてはこれから紹介していきますが、対応の車種についても今後、増加傾向にあることから従来型はやがて、2.0型に置き換えられていくことでしょう。
それでは、ETC2.0についてさらに詳しく見て行きましょう。
ETC2.0は何のために必要?
ETC2.0には様々なメリットがある
ここでは、新型のETCであるETC2.0型について従来型との違いを説明していきます。
従来型は高速道路料金の支払いのみしかできないのに対し、最新型となるETC2.0は料金支払い以外に運転をサポートしていくシステムへと進化を遂げたのは、先ほど簡単に触れた通りです。
それでは、新型システムのメリットについて紹介します。
■【必要な理由その1】料金所周辺での渋滞緩和
高速道路の料金所で自然発生的に起こる渋滞ですが、通常通りの現金払いや従来型のETCだけでは、やはり渋滞が生じるため、待っている側としてはストレスを感じます。
例えば、近くの料金所周辺の道路を中心に混雑が生じたとき、代替の料金所を案内できないのが従来型ですが、ETC2.0では広い範囲の渋滞情報を受信することができ、また区間ごとの通貨所要時間を表示することが出来るため、渋滞を避けることが可能となっています。
それにより、料金所周辺道路の渋滞を緩和することが期待されています。
■【必要な理由その2】一部道路では割引も!
高速道路の料金は、場合によっては高額に感じることでしょう。例えば、一部の高速道路では都心の混雑を緩和する目的でETC2.0型搭載車両に対する料金の割引制度を導入しています。
都心の首都高速道路が混雑で利用しづらいと判断した場合、代替コースとして案内できる圏央道の利用促進も図ることができるので、将来的には広く導入されることが予想されています。
■【必要な理由その3】一時退出可能
従来型では高速道路外にある施設へ行く場合、最初に乗ったエリアからその施設の近くにある料金所までの実乗区間を支払い、用件が済んだ後に再び高速道路に乗る場合はその分の料金まで請求されるというのがウィークポイントでした。
しかしETC2.0では、ある一定のIC(インターチェンジ)を降りてから近くにある道の駅に立ち寄り、約1時間以内に休憩や買い物を済ませた後、再び高速道路に乗ってから目的地へと向かう場合に限り、特例として通しの料金で計算することができるのです。
また、道の駅などの指定された施設以外にもガソリンスタンドでの給油までも認められるようになりましたので、燃料切れの心配がなくなったといっても良いでしょう。
このシステムは、現在岩手から長崎までの自治体に導入されていますが、将来的には全国で同じ様に導入されるでしょう。
■【必要な理由その4】将来的には・・・
将来的には、高速道路だけでなく一般道にある駐車場でもETC決済ができるようになるようです。
あくまで実証実験の段階ではありますが、利用される方の反応などを見極めながら、将来的には全国普及も夢ではなくなり、駐車場の料金決済もスムーズに進みキャッシュレス社会化の波に乗って広がっていくことでしょう。
それ以外にも、ガソリンスタンドの給油やファーストフード店などでの料金決済にも導入されるだけでなく、フェリーの乗船をする際などにも導入されるようになるようです。
それまでは、駐車場に車を止めてから窓口で手続きをして乗るのが一般的でしたが、これらもやがてETC2.0型の導入によりスムーズに乗船できるなど利便性を高めていく方針で、船旅もより手軽な旅行へと姿を変えていくでしょう。
ETC2.0の使い方
三菱電機 EP-E216SB
車載器に関しては従来型で大丈夫だろうとお思いでしょうが、システムなどの相違により従来型では2.0型に対応できないとされています。この場合はどうすればよいのでしょうか。
用意していただくものは、以下の通りです。
①2.0対応の車載器を用意する。
②同じく2.0対応型のカーナビやスマートフォンも用意する。
(※②については用意しなくても情報の表示はできませんが、ETC2.0のサービス自体には対応できます。)
高速道路走行中にETC2.0車載器が故障したらどうなる?
事前に対処法を知っておこう
車載器が故障した場合、またETCカードをセッティングし忘れた場合はどうすればよいのでしょうか?
この場合、一般車(ETCを搭載していない車)として扱われますので、料金所ではETCレーンではなく一般レーンへ進み、現金・クレジットカードなどで決済しましょう。
また、故障と知らずにETCレーンに誤進入した場合は、車載器や路側表示機にエラーメッセージが表示されますので、一旦停止したうえで料金所の係員の案内に従ってください。
おすすめETC2.0対応車載器を見てみよう
それでは、2.0型対応の車載器について紹介しましょう。
最近はカーショップにも車載器が販売しており、ショップでどれが良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、車載器を3種類ピックアップしてご紹介します。
■【おすすめ その1】パナソニック ETC2.0(DSRC) CY-ET2010D
ETCの開発にも熱心なメーカーであるパナソニックが送る、2.0型対応の意欲作といっても過言ではないモデルです。
デザインはシンプルそのもので、初心者の方でも簡単に取り付けができるというのがメリットです。
・商品名:CY-ET2010D
・メーカー:パナソニック
■【おすすめ その2】ETC2.0対応ユニット Pioneer ND-ETCS1
カロッツェリアのカーナビと連動させることにより、ナビ画面上でETCレーンなどを画像と音声でサポートしてくれます。
また、安全運転支援システムも搭載しており、道路交通情報・前方状況情報・渋滞末尾情報などを図形や音声で知らせてくれます。
・商品名:ND-ETCS1
・メーカー:Pioneer(パイオニア)カロッツェリア
■【おすすめ その3】ETC2.0ユニット Pioneer ND-ETCS10
取り付けが簡単という意味では初心者でも手ごろに取り入れられるほか、カーナビとの連動こそできませんが音声案内により、交通情報などを収集しやすいというのがこの機種のメリットです。
・商品名:ND-ETCS10
・メーカー:Pioneer(パイオニア) カロッツェリア
まとめ
ミツバサンコーワ 二輪車用ETC2.0車載器 MSC-BE700
ETC2.0では、災害発生時には災害の状況やドライバーが取るべき動きを提供してくれる機能もあります。具体的には、迂回路や救援ルートをドライバーへ示してくれます。
他にも、道路上への落下物の情報や天候による路面状況、トンネルやカーブの先の渋滞情報も知らせてくれます。
これまでは料金の決済しかできなかったETCも20年の歴史の間で進化を遂げ、高速道路だけでなく一般道沿いにあるパーキングなどの決済もできるようになりつつあります。現在は、まだ実証実験をしている段階ではありますが、将来的にますます便利なものへ進化していく事でしょう。