ジャガーとは
ジャガー XJ
ジャガーはイギリスを代表する自動車メーカーで、もともとは「スワロー・サイドカーカンパニー」と言う名称で1922年に設立された会社です。
その名の通り当初はサイドカー製造を行っていましたが、1926年に自動車の修理やボディー製造を手がけるようになり、翌年の1927年にはオースチン・セブンをベースに別の会社が制作したボディーを載せることにより、カスタムビルドのメーカーとして高い評価を受けるようになります。
その後、自動車メーカーとして様々なメーカーの車体を利用した独自の車を開発するようになり、1935年に社名を「ジャガー」に変更してからは、オリジナルモデルを製造するようになって、現在に至っています。
ジャガーは数々の名車を生み出しましたが、その中でも特徴的なものは、そのしなやかな足周りです。非常にバランスのとれた耐久性の高い構造とともに、ハンドリングの正確性から猫足とも呼ばれる操舵性が特徴となっています。
これは現代の最新モデルにも受け継がれており、特にセダンはそのバランスのとれたボディの配分と相まって様々な場面で高い安定性を誇り、世界中で高く評価されているのです。
セダンとは
ジャガー XF スポーツブレイク
セダンとは通常4人乗りまたは5人乗り、特殊な例では6人乗りの2列の座席を持ち、その空間が3つに区切られている車両を指します。
ボンネット部分とトランク部分を持つことが特徴で、居住空間と合わせて3つに仕切られていることからスリーボックスとも呼ばれる形状が一般的となっています。
現在では4ドアが一般的ですが、古くはツードアのものも存在していました。その形状からボディー剛性が優れており、様々な種類の中で最も走行安定性が優れていると考えられています。
【現行車種】ジャガーのセダン一覧
ジャガーには現在、3種類のグレードのセダンがあります。最高峰のジャガーXJとXF、そしてジャガーの中ではミドルクラスに位置するXEです。
XJはジャガーのフラッグシップ的なモデルで、その技術を余すことなくつぎ込んだ最高峰のモデルとなっており、その歴史も非常に長く多くの人に愛されているモデルとなっています。
XFはXJの血筋を受け継ぎながら、コンパクトに抑えることでより大衆的な魅力を引き出してモデルとなっているのが特徴です。
XEはメルセデスベンツCクラスやBMW3シリーズと同等のディーセグメントのモデルとなっており、コンパクトな車体の中にその性能を余すところなくつぎ込んだ非常にハイコストパフォーマンスなモデルとなっているのがポイントです。
■【ジャガー XE】すべてを備えたセダン
ジャガー XE 改良新型(ニューヨークモーターショー2019)
ジャガーXEは新車価格が5百万円台前半から存在している非常にリーズナブルなジャガーと言う印象がありますが、その性能は非常に優れており様々な高いスペックが網羅されているのが特徴です。
非常に競争の激しいDセグメントの部類に入り、エンジンも2リットルから3リットルとこれまでのジャガーのイメージとは少し遠い印象を受けることもあります。
その装備や性能は最上級モデルのXJから引き継いでいるものがほとんどで、そのためにこのクラスの中では非常に突出したものとなっているのが特徴です。
ジャガーXE
またアルミニウムを積極的にボディーの材料に採用していることもあり軽量化を図りながら、ボディー剛性を高めることで走行安定性も非常に優れたモデルとなっています。
ジャガーXEはジャガーの中では比較的歴史の浅いグレードであり、これまでジャガーとしては対象外となっていたDセグメントに初めて適合したものであるため、当初は期待と不安が入り混じるものとなっていました。
しかし、ジャガーならではの卓越した技術をふんだんに盛り込んだことから、コンパクトなサイズでありながらその魅力を存分に味わうことができるモデルとなっており、高い評価を受けています。
コストパフォーマンスに優れ、様々な技術を贅沢に使いながら価格を他のDセグメントの車種と同列にしたことで、多くの人に受け入れられるモデルとなっているのがこのクラスの特徴です。
ジャガーXEのスペック
ボディサイズ 全長×全幅×全高(mm) | 4,690×1,850×1,415 | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,835mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,660kg | |
燃費 | JC08モード:17.1km/L | |
エンジン種類 | D180 RWD AUTOMATIC | |
最高出力 | 132kW(180PS)/4,000rpm | |
最大トルク | 430N・m/1,750~2,500rpm | |
駆動方式 | FR | |
トランスミッション | オートマチック |
■【ジャガー XF】優雅な走り
ジャガー XF SPORTBRAKE
ジャガーXFは基本的なコンポーネントはジャガーXEと共用であり、2リットルから3リットルのエンジンやサスペンション部分でもほぼ同じスペックとなっているものの、ボディーサイズが全長4,965mm、車幅が1,880mmと大柄なボディーとなっています。
そのため高速安定性に優れているとともに、そのしなやかなハンドリングと粘り強いパワートレインにより、非常に優雅な走りを実現するモデルとなっています。
ホイールベースが2,960mmと長いのも特徴で、キャビンの空間を広くとり、後席もゆったりと座ることができる高い居住性を誇っています。内装や先進装備はXJ譲りのものとなっており、非常に高級感あふれるものとなっています。
ジャガーXF
ジャガーXFはXシリーズと呼ばれていたものですが、従来のXシリーズはXJの廉価版と言うイメージが強く、そのスペックは似て非なる物でした。
現在のジャガーXFはコンセプトを基本から見直し、最高峰モデルのXJの高級感と魅力を受け継ぎながら独自の方式を次々と採用し、全く異なる車種に仕上がっています。
しなやかでありながら現代的なレスポンスの良いハンドリングは、ジャガー本来の魅力である猫足と言われるハンドリング性能とブレーキ性能をさらに高めたものとなっており、高級セダンならではのしなやかさとキビキビとした走りを両立しています。
ジャガーXFのスペック
ボディサイズ 全長×全幅×全高(mm) | 4,965×1,880×1,455 | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,960mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,760kg | |
燃費 | JC08モード:16.7km/L | |
エンジン種類 | 20d インジニウム2.0リッター4気筒 180PSターボチャージドディーゼルエンジン | |
最高出力 | 132kW(180PS)/4,000rpm | |
最大トルク | 430N・m/1,750~2,500rpm | |
駆動方式 | FR | |
トランスミッション | 8速オートマティック |
■【ジャガー XJ】最高峰セダン
ジャガー XJR575
ジャガーXJは1968年に登場したジャガーのフラッグシップモデルです。
大排気量のパワーの豊かさから、そのスムーズな動きが他のクラスとは大きな違いとなっています。
その他にも、オールアルミニウムボディとなっていることから非常に高い軽量化が図られ、同時にボディー剛性が非常に高い点もポイントとなっています。
近年ではダウンサイジングコンセプトが導入されており、5.0Lのモデルに変わって2.0Lのターボが採用されているのも特徴で、そのパワー感が変わらずに大幅な燃費の節約を実現している点も特徴となっています。
そのためダウンサイジングモデルにおいても、パワフルなトルクとしなやかな足回りというXJの特徴は変わらず維持しており、ジャガーのフラッグシップにふさわしいモデルとなっているのです。
ジャガーXJ
ジャガーXJはジャガーの名を世界中に知らしめた非常に有名なモデルであり、特に従来は丸目4灯の独特のフォルムが話題となっていました。
遠くから見ても一目でジャガーとわかるようなデザインが特徴的であったのですが、現代ではそのイメージを大きく変化させ現代的なモデルに変貌しています。
現代的なデザインを採用しながらもXJは独特なフォルムを持っており、さらに非常に安定性の高いエンジンとサスペンションのバランスを両立させているほか、しなやかなハンドリングを生かした総合的な運動性能が魅力的な車種となっています。
ジャガー XJのスペック
ボディサイズ 全長×全幅×全高(mm) | 5,135×1,900×1,455 | |
---|---|---|
ホイールベース | 3,030mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,890kg | |
燃費 | JC08モード:7.6km/L | |
エンジン種類 | 3.0リッター V6 340PS スーパーチャージドガソリンエンジン | |
最高出力 | 250kW(340PS)/6,500rpm | |
最大トルク | 450N・m/3,500rpm | |
駆動方式 | FR | |
トランスミッション | オートマチック |
まとめ
ジャガー XF スポーツブレイク
ジャガーは英国では王室御用達の非常に格調高いメーカーであり、日本国内でも高級車として知られているメーカーです。
しかし、近年ではXEのようなDセグメントのモデルも準備されており、非常にこれまでに比べて手の届きやすい物となっているのが特徴です。
それでもその高級感は変わらず、特徴的なジャガーのエンブレム等はステータスを示すものとなっており、さらに高い走行安定性とセダンならではの美しさがふんだんに表現されたモデルとなっています。