コンパクトミニバンとは?
コンパクトなミニバンとは、一般的に5ナンバーサイズのミニバンで、小回りがきいて運転しやすかったり、大型のミニバンと比べて維持費がかかりにくいという特徴があります。
ミニバンは昔から人気がありますし、一定のニーズがありますが、維持費と車内のバランスが優れているコンパクトミニバンはその中でも日本での人気が高いです。
車高も高めで子どもを乗せるためにチャイルドシートを付ける際や、荷物を載せたいときなど、便利に使えるのが特徴です。車高が高いことから、運転席からの視界もよく、狭い道でも運転しやすいことでしょう。
特に、フリードやシエンタが登場し、コンパクトミニバンのジャンルに火がつきました。車種によっては3列目シートがあること、また車中泊ができるほどの広い車内が人気の理由の一つです。
キャンプやアウトドア人気が高まっていることもあり、コンパクトミニバンの人気は衰えていません。
使い勝手はミニバンのもの、それでいて維持費が抑えられるのがコンパクトミニバンの魅力です。
コンパクトミニバンを選ぶ3つのポイント
《画像提供:Response》トヨタ・シエンタ新型
コンパクトミニバンを選ぶときには、ぜひ考慮したいポイントがあります。
家族で乗ることもあり、街乗りでも活用するミニバンだからこそ、3つのポイントを考えて車選びするとよいでしょう。
■ボディサイズ
初めにボディサイズです。コンパクトというネーミングですが、5ナンバーであってもサイズがいくつかあります。
全長が4,400mm級未満のホンダのフリードなどの大きさです。
例えば、5ナンバーのフルサイズになる、トヨタのノアや日産セレナなどです。5ナンバーであれば、十分コンパクトと感じられるのであればノアなども選択肢に入ります。それでももっとサイズが小さくなるシエンタやフリードの取り回しの良さには劣ります。
コンパクトミニバンを選ぶときには、どのくらいの大きさのボディサイズになるのかを考えておきましょう。
■スライドドア
ミニバンというジャンルでは、ほとんどのモデルでスライドドアが採用されています。もちろん開口口が広くなること、ドアを開くときでもスペースが必要ないことなどメリットが多いです。
一方でヒンジドアと比較して開口口が大きくなることから、剛性を確保しにくいなどのデメリットもあります。ただ、ヒンジドアの方が剛性が確保できるのでキビキビとした走りになることはあります。
後ほど紹介するホンダのジェイドはヒンジドアだからこそ走りを楽しめます。しかしほとんどの場合、使い勝手が上回っているので、問題になることは少ないでしょう。電動ドアも搭載されている車種が多いので、剛性などのデメリットよりも、利便性が際立ちます。
■3列目シートがあるかどうか
ミニバンと聞いてイメージするのは、大人数で乗れることです。コンパクトミニバンでも、大型のミニバンに比べ、室内が狭いといっても3列目シートがあるモデルが多いです。
例えば、シエンタでは3列目シートがあるものと2列シートのものがあります。
約4万円で3列目シートがあるモデルが高くなるのですが、使い方によっては3列目シートはいらないという方もいるかと思いますので、自分のライフスタイルに合わせてシートを選びましょう。
おすすめのコンパクトミニバン10選
おすすめのコンパクトミニバンをピックアップしてご紹介します。どのような特徴があるのか、おすすめポイントをまとめています。
■コンパクトで使いやすい【シエンタ】
《画像提供:Response》トヨタ シエンタ
全長4,260mm、全幅1,695mm、全高1,675mmの取り回しのしやすいボディサイズでありながら、3列シートを備えているパッケージのよいモデル。トヨタのミニバンの中でも販売台数で上位にもランキングされたモデルです。
2018年の新車販売台数のランキングでも、ミニバンとして初めての1位になりました。その後の販売台数ランキングでも上位に入るほど人気が続きました。コンパクトなミニバンとして、機能性と鼓動感があるデザインが人気です。
ユニークなデザインや、低床なスライドドアなど実用性に優れた作りになっています。ファミリー層には、使いやすいサイズなこと、また荷物をたくさん積めることなどが魅力的なポイントになります。
シエンタのスペックはこちら。
ボディサイズ
・全長4,260mm
・全幅1,695mm
・全高1,675~1,695mm
・ホイールベース2,750mm
さらにシエンタの魅力を見ていきます。
ハイブリッドモデルの燃費
搭載されているのは、1.5Lのガソリンエンジンと、1.5Lガソリンエンジンとモーターが組み合わされたハイブリッドです。
燃費にこだわる方には、燃費のよいハイブリッドがおすすめです。
4WD車はガソリンエンジン車のみになってしまうので、雪国や4WDを期待していた方には少しデメリットにななるかもしれません。
しかしガソリンエンジンに、家族が必要なときにはモーターのアシストがあるハイブリッドなら、燃費のよさと必要なパワーの出力が両立できます。
e燃費の実燃費のデータでも19.8km/Lの数値となっているので、ハイブリッドの良さが活かされているのが明らかです。
ちなみに。FFのガソリンエンジンモデルは、実燃費で13.1km/Lですので、ハイブリッドとの差が大きく開きます。
※2020年9月時点のe燃費を参考
充実の快適装備
普段の使い勝手をアップさせる快適装備もあります。パワースライドドアが作動しているときにロックすると自動でロックされるスライドドア「予約ロック機能」が搭載。スライドドアが完全に閉まるのを待つ必要もなくなりました。
スマートキーを携帯しているとスイッチを押すだけで、スライドドアをオープンさせることもできます。買い物で手がふさがっているときでも便利です。
コンセントが車内に2か所あるので、1500Wまでの電気製品を使うこともできます。キャンプや車中泊のときに使えますね。
シエンタについてもっと詳しく知りたい方はこちら
■低床の安定性【フリード】
《画像提供:Response》ホンダ フリード
フリードはホンダが発売しているコンパクトミニバン。コンパクトサイズの運転のしやすさ、大人数も乗れてたくさん荷物を積める車内の広さが特徴です。
広さとコンパクトは矛盾しているように思えますが、小さいのに広いことこそがフリードの魅力。
5ナンバー枠いっぱいのボディで、全高が1,710㎜と高めですが、低床ボディなので乗り降りがしやすいです。さらに、床が低いことは車内空間の広さにもつながっています。
1.5Lのガソリンエンジンと、ハイブリッドモデルも選択できます。4WDでもハイブリッドがあるのは嬉しいですね。
雪道を走行することもあるという方であれば、4WDがおすすめです。
フリードのスペックはこちら。
ボディサイズ
・全長4,265mm
・全幅1,695mm
・全高1,710~1,735mm
・ホイールベース2,740mm
さらに魅力を見ていきます。
コンパクトなのに大人数乗れる
出典: https://response.jp/
《画像提供:Response》フリードプラス(2015)
フリードは6人乗りや7人乗りのモデルですが、5人乗りのモデルが欲しいという方は、フリードプラスを選びましょう。
6人乗りモデルは、2列目が2席が独立しているキャプテンシートが採用されています。シートの間を通れるので、1列目から3列目まで移動できるのが特徴です。
また7人乗りになると、ベンチシートになりますが、荷室の最大容量が6人乗りモデルより大きくなります。2列目シートを折り畳むことで、大きな荷物を積載できます。
コンパクトでも大人数乗りたいシーンでも活躍するのがフリードの魅力です。
安心のホンダセンシング
万が一のときに備えて、安全装備が充実しているのもフリードの魅力です。
ホンダセンシングが選択可能で、安全装備を充実させられます。ホンダセンシングは衝突軽減ブレーキやアダプティブ・クルーズコントロール、さらに路外逸脱抑制機能などは、長距離運転で疲労を軽減させ、事故の被害を抑えるのに有効な装備です。
コンパクトミニバンの中でも、安全装備を充実させたいなら、フリードはおすすめの1台になります。大きすぎず小さすぎない、実用的サイズでありながらも、安全装備が充実しているモデルです。
■低全高の安定性【ジェイド】
《画像提供:Response》ホンダ ジェイドRS ハイブリッド
ミニバンの中でも、ロールーフでヒンジドアを採用している変わった存在のジェイド。立体駐車場にも入るセダン並みの低全高でも、広い車内を実現していることが特徴。
ハイブリッドも選択でき、低重心でスポーティな走りと低燃費を両立できるのも魅力です。スライドドアがよいという方にはおすすめできませんが、広い車内だけでなく、走りも譲れないという方にはぴったりのコンパクトミニバンです。
1.5Lのターボエンジンが組み合わされているので、1ランク上の動力性能が確保されています。スポーティミニバンが少なくなっている中で、貴重な存在になっていました。
残念ながら2020年7月に販売終了してしまったので、購入検討していた方は、中古車も視野に入れて検討してみてください。
ジェイドのスペックはこちら。
ボディサイズ
・全長4,660mm
・全幅1,775mm
・全高1,530~1,540mm
・ホイールベース2,760mm
ジェイドの魅力をさらにご紹介します。
貴重な3列シートロールーフ
3列シートミニバンで低重心なモデルは、ホンダのオデッセイを中心として人気のあるジャンルでした。ホンダらしいミニバンとして、ジェイド以外にもストリームなど選択肢が多くありました。
しかしスペースを重視するミニバンの人気が高まったことから、ロールーフなミニバンは数が減少しています。
ジェイドの魅力は、なんといってもある程度の広さを確保しながらも、立体駐車場に入る車高。これは、安定したスポーティな走行性能を実現するものでもありました。
2Lエンジン並みの出力
1.5LのVTECターボが搭載されているので、レスポンスがよく、2Lエンジン並みの出力を誇るのが特徴です。ターボが搭載されていても、ダウンサイジングターボですので、燃費のよさは確保されています。
維持費も安い1.5Lで、ワンクラス上の出力、さらにスポーティな走行性が楽しめるジェイドはワインディングも楽しいコンパクトミニバンです。
■実用性なら1番?【NV200 バネット】
《画像提供:Response》日産 NV200バネット
NV200バネットは、日産が販売しているミニバンです。日本だけでなく、アメリカや中国、また東南アジアなど各国で販売しています。日本では、4ナンバーの商用車と7人乗りのワゴンがあります。
主力は4ナンバーの商用車ですので、どちらかというと実用性を重視したモデルです。スタイリングは少しハナがある形になり、セレナのデザインと少し似ています。
低床で十分に広い車内がありますし、比較的燃費もよいことが特徴です。実用性を求めている方でコスパを重視される方にはおすすめのモデルです。
ボディサイズ
・全長4,400mm
・全幅1,695mm
・全高1,850mm
・ホイールベース2,725mm
さらに特徴を見ていきましょう。
車内の広さはよい
全幅は5ナンバーサイズいっぱいの1,695mmで、荷室幅はリヤホイールハウス間寸法で1,220mmです。シンプルなサスペンション構造を採用しているので、床面を広く使うことができ、荷室の自由度が高くなっています。
荷室長は1,900mmもあります。長尺の荷物も問題なく積載できる長さです。
FFのレイアウトを活かした広い荷室は、バネットの実用性を高めているポイントです。
■人気急騰【タンク・ルーミー】
《画像提供:Response》トヨタ タンク
1Lのコンパクトなエンジンで、十分広い車内、さらに5人乗るのにぴったりなサイズで人気なのがタンク・ルーミー。ダイハツが製造をして販売がトヨタという、トールのOEM車になります。
146万円から(※2020年8月現在)という安い車体価格と維持費の低さがポイントのモデルです。大きさは軽自動車を少し大きくした程度ですが、全高は1,735mmと比較的高いです。
視点が高くなることや、車内が広くなることが特徴です。スライドドアも採用しているので、大きな荷物を出し入れするのにも便利な車。1Lエンジンだけでなく、ターボモデルもあるので、比較的パワフルに走ることもできます。
スペックはこちらです。
ボディサイズ
・全長3,700mm
・全幅1,670mm
・全高1,735mm
・ホイールベース2,490mm
トップクラスの燃費
ハイブリッドの設定はなく、1Lエンジンか、1Lターボエンジンの選択肢です。
しかし自然吸気エンジンはJC08モード24.6km/Lの燃費ですので、クラストップレベルの燃費です。ターボエンジンになると、それほど燃費は期待できませんが、自然吸気エンジンで流れに乗る走り方をすると、燃費は良好です。
使い勝手のよい荷室
荷室は後部座席を格納させることで、フラットな空間を出現させることができます。フラットは荷室は1,550mmにもなります。
テールゲートを開けたときも、荷室フロアが低くなっているので、大きな荷物を載せたいときでも苦労しなくても積載可能です。ベビーカーなど積み下ろしがある家族のニーズも満たしてくれるモデルです。
タンク、ルーミーについてもっと詳しく知りたい方はこちら
■運転性能の高さが魅力【トヨタ ウィッシュ】
《画像提供:Response》トヨタ ウィッシュ 1.8S (2WD) (サテンブルーマイカメタリック)
ウィッシュは従来のミニバンの特徴であった高い車高を持たないミニバンとしてデビューしました。そのおかげで快適な車内空間を持ちながら、ミニバンとは思えない運転性能を手に入れています。
ウィッシュの全高は約1,600mmで、高過ぎず低過ぎない絶妙な高さ。ミニバンの快適な車内空間は魅力的だけど、大きすぎる車体は持て余してしまう…という方にピッタリの一台です。
車高の高いミニバンはどうしても重心が上がってしまい、コーナーを走っている時や横風の影響を受けやすいですが、車高の低いウィッシュならそんな環境下でも安心して運転することができるでしょう。
2017年で生産終了していますが、日本の公道で乗る分にはジャストサイズなので、まだまだ魅力ある車といえるでしょう。
ウィッシュのスペックはこちら。
ボディサイズ
・全長4,550mm
・全幅1,695mm
・全高1,590mm
・ホイールベース2,750mm
さらにウィッシュの魅力を見ていきます。
軽さが魅力
ミニバンの弱点は大柄な車体ゆえの重量にあります。その点、ウィッシュは全高を切り詰めたことにより、1,340kgとミニバンにしては軽量な部類に入りました。重量が軽ければ高出力なエンジンでなくてもキビキビとした走りや、何より燃費向上に寄与します。カタログ数値で16km/Lの燃費なので、60Lの容量を持つ燃料タンクと併せればハイブリッド車並の航続距離が大きな魅力です。
選べる排気量
《画像提供:Response》《撮影者 松下宏》オーリス
ウィッシュのエンジンには2種類の排気量が用意されています。1.8Lと2Lのエンジンがありますが、2Lエンジンの方は十分なパワーがあり、軽量な車体をぐんぐん引っ張ってくれます。運転を楽しみたい、でも車内空間が快適な車が欲しいという方にはちょうどいいでしょう。
■広々開口部が魅力【トヨタ アイシス】
《画像提供:Response》トヨタ・アイシス・プラタナVセレクション・ホワイトインテリアパッケージ