シューティングブレークとは?
メルセデスベンツ CLA シューティングブレーク 新型PHV
シューティングブレークとは乗用車のボディ形状を表す言葉です。馬車の時代に使われていた形状が、現在では車の形状を指す言葉になっています。
19世紀から英国で使われていた狩猟用のオープン馬車(キャリッジ)がシューティングブレークと呼ばれていました。元々ブレークという言葉はボディのない馬車のことで、猟犬や猟銃、さらに獲物を積み込みできるようになっていました。
その後、1910年代に狩猟用だけでなく複数の用途に使えるボディ形状のことをシューティングブレークと呼ぶようになり、ステーションワゴンと同じ意味を指す言葉に変化していきました。
現代ではクーペよりも実用性がある、ステーションワゴンと融合された形状を意味しています。3ドアのクーペでなければシューティングブレークではないという決まりはなく、クーペのような形状をしている5ドアのワゴンもシューティングブレークとなることもあります。
【ベンツ】CLS/CLAシューティングブレーク
メルセデスベンツCLAシューティングブレーク
ベンツが得意としているシューティングブレークは、AクラスをベースとしているCLAと高級モデルがベースになるCLSに分かれています。
CLAシューティングブレークはFFを採用していることもあって、安価な部類に分けられますが、デザインはCLSにも通じるデザインです。安価でも使い勝手のよさ、さらにクーペのような流線形のフォルムが独特の存在感を出しています。
さらにベンツは、Eクラスなどの高級ステーションワゴンがラインナップされていましたが、4ドアクーペスタイルとしてCLSシューティングブレークが増やされました。クーペやお高級セダンにはない荷室の広さで、高級感と実用性のバランスのよさがシューティングブレークの魅力です。
【フェラーリ】GTC4ルッソ
フェラーリGTC4ルッソ(2016年)
フェラーリが2016年から製造しているシューティングブレークがGTC4ルッソです。フェラーリの4WDを採用したモデルで、さらにシューティングブレークということが特徴のモデルです。フェラーリ初の4WDを採用したフォー(FF)の後継車種。
通常のクーペやステーションワゴンにはない、ラグジュアリーな雰囲気は独特なデザインから来ています。しかしこのモデルはただのシューティングブレークではなく、これまでのモデルの中でもトップクラスの出力となる690PSや約450Lの荷室など、他のモデルとは異なる魅力を持っている車です。
荷物を積載したいときには、後席を折りたたむことでラゲッジスペースは約800Lにもなります。昔の貴族が狩猟を楽しむときに使ったように、大きな荷物でも十分積載できるスペースがあるのが特徴です。
【BMW】MINIクラブマン
MINI クラブマン
MINIクラブマンは、シューティングブレークの形をしています。MINIはクラブマンエステートなどがあり、さらにBMWグループになってからもクラブマンがあります。どれもMINIとわかるデザインに、用具を積めるように大きな荷室があるのが特徴です。
シューティングブレークと聞くと、クーペのようなデザインをイメージします。しかしMINIのデザインのままボディを伸ばしたクラブマンはれっきとしたシューティングブレークです。ステーションワゴンほど広くはないラゲッジルームは、シューティングブレークに分類されます。
通常のMINIよりもスポーティに走れるグレードも設定されており、パワフルに走ることも可能です。
【ポルシェ】パナメーラスポーツツーリスモ
ポルシェ パナメーラ スポーツツーリスモ 改良新型
オールラウンドなスポーツカーというデザインとコンセプトがあるパナメーラスポーツツーリスモは、パナメーラをベースとしシューティングブレークの形をして、ラゲッジスペースが確保されているのが特徴です。
スポーツサルーンであるパナメーラがベースで、ワゴンのように荷室部分が延長されているのが大きな特徴です。シューティングブレークでも走りの性能は高く、アダプティブエクステンディブルルーフスポイラーが装着されているので、速度に応じて動きます。
パナメーラはハイブリッドも用意されているので、モーターによる力強い走りも期待できます。スポーツカーでありながら、普段使いには十分すぎるラゲッジスペースがあることが特徴です。後席が3名乗車ですので、大人が4人乗っても窮屈になることはないでしょう。
まとめ
シューティングブレークは、クーペのようでありながらも、広いラゲッジスペースがあることが特徴です。クーペのような流線型のデザインスポーティなのに、荷物を載せられるので利便性も高いです。ラグジュアリーと走行性能の高さから、オールラウンドなスポーツカーなのがシューティングブレークといえるでしょう。