スカイラインGT-Rから日産 GT-Rへ

R34スカイラインGT-Rと日産GT-R
車好きの方ならGT-Rと聞けばおそらく多くの方は、日産スカイラインGT-Rを思い浮かべるのではないでしょうか?初代スカイラインGT-Rの段階から日産はGT-RにスカイラインGT-Rと名づけていました。
日産 GT-RはスカイラインGT-Rの後継車種に当たりますが、今ではこの日産スカイラインGT-Rの名前から「スカイライン」を外し、日産 GT-Rと呼んでいます。
今回はこの日産 GT-Rについて解説して行きます。
日産 GT-R

日産 GT-R 2017モデル
R35型と呼ばれるモデルから日産 GT-Rという名前に変わりました。ちなみにこのR35は現行モデルとなります。その前モデルR34とは大きく異なっています。
R34モデルは基本設計として競技を意識していました。専用のエンジンに駆動系サスペンションやブレーキなど全てがレースを前提として設計されています。現行モデルであるR35もレースに使用することができますが、よりオールラウンダーとして活躍できるよう、街乗りからサーキットまで活躍の場が広がりました。
チューンを施せばレース用として、また街乗りでも速さや快適性が保障された車、それが日産 GT-Rという車になります。
日産 GT-Rの性能

撮影 中村孝仁匠のエンジン
国内最強モデルの名にふさわしいR35ですが、スカイラインの名が外れた結果GT-Rは、国内ばかりか世界を狙う世界戦略車と言えるものとなりました。
その性能はパワートレインのレイアウト方式だけを見ても、いかに走行性能を優先した作りになっているかをうかがうことができます。専用プラットフォームには、前方にエンジンのみを配置、後方にクラッチ・ミッションなどを配置しています。その結果、前後重量配分を理想的なものにしています。
車体後方に重量物を配置するため、メイン駆動軸であるリアに荷重することで大きなパワーを効率よく路面に伝えることができます。
初期のR35モデルは480馬力でしたが、GT-R NISMO 2017年モデルでは600馬力を叩き出し、同じエンジンでありながら設計段階からかなり工夫を凝らしたものとなっています。
またR35GT-Rは設定されたタイヤでないものを使用すると、保証対象外になるといった徹底ぶりで、その持てる性能や品質を維持管理しています。この結果2020年モデルのPure Editionでは570馬力を発揮し、1,760kgの巨体を加速させます。
この1,760kgの重量にもGT-Rの秘密があります。世界中のスポーツカーはこぞって軽量化の道を選びましたが、GT-Rは空力でダウンフォースを稼ぐばかりでなく、自重でトラクションとグリップを稼いでいます。
■日産 GT-Rのエクステリア
一目見て他の車と見間違うことはありません。GT-Rはデビュー以来イヤーモデルが発売されるたびに改良されデザイン変更をし続けました。カラーバリエーションも7色の中から選べます。
ホイールに関してもレイズ製の鍛造ホイールが数種用意されており、ボディカラーなどに合わせて選択できます。
空力を大きく左右する前後バンパーの形状も、マイナーチェンジを受けるたびに進歩しています。
■日産 GT-Rのインテリア

《撮影 雪岡直樹》日産 GT-R リフレッシュプラン適用車両
日産 GT-Rに採用されているマルチファンクションメーターは視認性が良く、殆どの操作を手元で行えます。
またシートはグレードにより本革の物や専用レカロシートなどの設定もあり、高級感溢れるものに仕上がっています。また、豪華さだけではなくニスモモデルにはレカロによって製作されたカーボンバックバケットシートを有し、本格的なサーキット走行にも使用できるほどの仕上がりとなっています。
このようにGT-Rの車内は豪華さの中にもスポーツマインドがつまったもので、気持ちを自然と高揚させてくれるインテリアとなっています。
■日産 GT-Rのオプション
メーカー純正オプションとして、本革シート・ホイール・プライバシーガラスなどがあり、次いでディーラーオプションとして、専用フロアーカーペット・LEDハイパーデイライトキャンセルスイッチなどがあり、自分専用のGT-Rに仕上げる事もできます。
日産 GT-Rのスペック
エンジンはVR38DETT、最高出力570PS・トルクは65.0kgf・mですが、チューンを施せば900PSも絞り出す高性能なものとなります。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,710mm×1,895mm×1,370mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,780mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 1,760kg | |
燃費 | WLTCモード:7.8km/L | |
エンジン種類 | DOHC・V型6気筒 | |
最高出力 | 419kW(570PS)/6,800rpm | |
最大トルク | 637N・m(65.0kgf・m)/3,300-5,800rpm | |
駆動方式 | 4輪駆動 | |
トランスミッション | GR6型デュアルクラッチトランスミッション |
日産 GT-Rの価格
《写真提供:response》日産 GT-R 2017モデル
ここでは、日産 GT-Rの気になる新車価格と中古車価格の情報をご紹介します。
日産 GT-Rの新車価格
2020年モデルを例に取ると、新車のGT-Rの価格は1000万円を切るものはありませんした。スタンダードモデルであるPure editionですら、メーカー希望小売価格10,828,400円(日産公式ページより)となっていました。
新車であれば車のカラーを好みで選ぶことができます。このカラーによっても価格が異なりますが全体から見れば微々たるもので、購入の際に保険料・税金・登録等に必要な諸費用はこの金額には含まれていません。
GT-Rクラスの車ならではといったところですが、様々なオプション装備も用意されており、そのオプション装備代なども加算されていきます。
たとえば2020年モデルのPure editionをフル装備で見積もってみると、メーカーオプションフル装備で金額は17,412,234 円となり、ベース車両との差は6,583,834円となりました。オプション装備代だけで新車の大型セダンが購入できる金額になります。
これはあくまでメーカー公式ホームページでの試算なので、販売店によって異なる場合もあります。さすが日産のフラッグシップ・スポーツモデルだけのことはありますね。
【ガソリン車】
◎Pure edition
4WD:9,844,000円(税抜き価格)
◎Premium edition
4WD:11,209,000円(税抜き価格)
◎Black edition
4WD:11,611,000円(税抜き価格)
◎GT-R Track edition engineered by NISMO
4WD:13,306,000円(税抜き価格)
◎GT-R NISMO
4WD:22,000,000円(税抜き価格)
※日産公式サイトより(2021年3月現在)
日産 GT-Rの中古車価格
現行での販売車両なので中古車もそれほど安いものはありませんが、程度の良い物は多く販売されています。
年式は一番古いものだと、4年とかなり経つモデルもあるので、購入には現車を確認することが大事になってきます。日産には公認の「認定中古車制度」という物もあるので、安心して購入したい方は利用することをオススメします。
【ガソリン車】
◎Pure edition
4WD:690万円台~1,280万円台
◎Premium edition
4WD:420万円台~1,380万円台
◎Black edition
4WD:490万円台~1,450万円台
◎GT-R Track edition engineered by NISMO
4WD:1,030万円台~応談
◎GT-R NISMO
4WD:1,490万円台~2,680万円台
※表示価格は車両本体価格で情報は車情報サイトresponse中古車価格より(2021年3月現在)
GT-Rの歴史

嶽宮 三郎1972年 日産 スカイラインHT2000GT-R
GT-Rの名前は古くから日産のスポーツモデルの代名詞でした。その名前の歴史は1969年初代スカイラインGT-Rから始まります。しかしいったんケンメリ・スカイラインGT-Rの生産終了とともに名前は封印されてきました。
このケンメリのGT-Rまでを第一世代と呼んでいます。特徴はエンジンが直列6気筒エンジンを搭載していたことでした。
第二世代は1989年に登場しました。これはスカイラインとしては8代目モデルをベースにGT-R専用の2.6L直列6気筒ツインターボを搭載したモデルになります。自主規制値の280馬力となっていますが、チューニングを施せば500馬力を簡単に叩き出すエンジンとなっていました。
この第二世代GT-Rも2002年排ガス規制をクリア出来ないといったことから、生産を終了しています。
第三世代と呼ばれるモデルは2007年にGT-R単体でのモデルとして復活しました。このモデルから2.6L直列6気筒ツインターボエンジンから3.8L V型6気筒ツインターボを搭載することとなりました。
こうして誕生したのが日産 GT-Rという車になります。
R36の発売は?

「GT-R」次期型
噂が絶えないのが次期型となるR36型 GT-Rの存在です。日産の関係者などの話によるとR36の登場は間違いないでしょう。時代の流れというものに逆らうことは難しく、R36型も何らかの電動化がなされる見込みが広まっています。
まだ正式発表がないのでそれが完全EV化されるのか、マイルドハイブリッドになるのかは不明ですが、R36型の登場が楽しみな事は間違いなくその発表が待ち遠しいですね。
まとめ

《撮影 宮崎壮人》日産 GT-R NISMO 2020年モデル
時代とともに歩みを続けた車それがGT-Rという車になります。ガソリンの代わりにバッテリーとなろうとも、やはりGT-Rは存在し続けてほしいと願います。
人の移動や物を運ぶだけではない、運転するという楽しみを教えてくれるのも車という存在で、その楽しみを最大限に教えてくれる車の先頭に立つのがGT-Rと言えます