日産ステージアとは?
2代目ステージア 2.5リットルターボエンジン搭載
1996年デビューのステージアはワゴンとしての評価もさることながら、走りの良さで評価の高かったモデルになります。初代のステージアにはスカイラインGT-Rのエンジンを搭載したモデルもありました。
走りと快適性を兼ね備えたスポーツワゴンと呼ぶにふさわしい車、それが日産ステージアになります。
ステージアの歴史
《写真提供:response》original【日産『ステージア』】2代目
ステージアは7代目スカイラインのモデルにあった、スカイラインワゴンの後継車に位置づけられ、当時のスカイラインやローレルと共通したプラットフォームで製造されたモデルでもあります。
初代モデルは1996年に製造され二代目は2001年に販売されています。初代モデルは当時国内では珍しかった大型ワゴンとして製造され、全長4,800mmを超え幅は1,755mmで全高1,515mmの3ナンバーの車でした。
当時ワゴンとしては珍しく専用ボディを与えられた車になります。そのシルエットは国産車というよりも欧州車の雰囲気をまとっていました。内装にもこだわりスカイラインを超え、セドリックなみの高級車にも迫る豪華さを誇っていました。
この初代モデルには、「オーテックジャパン」によりチューニングされたモデル・260RSが存在しました。このモデルに関しては後述致します。
ステージアのグレード
日産『ステージア』2代目
初代モデルには、「RS FOUR」「25G」「20G」などで販売が始まり、「25tX FOUR」「25RS」「20X」などが追加され、これらのグレードからステージアはスタートしました。
さらに1997年には、今でも人気と価格が落ちないR33スカイラインGT-Rのパワートレインを搭載した「260RS」も登場しています。その後マイナーチェンジを繰り返しながらグレードや特別車、限定車など幾通りか変化していきます。
■ステージアの中古価格
おおむね年代相応の価格となっていますが、初代モデルは中古車情報自体が少なく、中古車市場では販売台数が年々少なくなっている傾向にあります。
ステージアの中古価格(ガソリン車、初代)
20G | FR:一般的な相場は20万円台~ |
20X | 2WD:30万円台~70万円台 |
25G | FR:情報がありませんでした。 |
25G FOUR | 4WD:情報がありませんでした。 |
25X FOUR | 4WD:40万円台~ |
RS FOUR | 4WD:20万円台~80万円台 |
RS FOUR V | 4WD:90万円台~ |
※表示価格は車両本体価格で情報は車情報サイトresponse中古車価格より(2021年5月現在)
■ステージアの評判
発売当時から人気が高かく、荷室が広くて釣りやスノーボードなどの荷物が積み込みやすく、高速での走行は安定しており長距離のドライブでも疲れにくいなど、走行性能が高く高評価を得ています。
燃費に関してはやや不満の声があがっていまが、その不満は走行性能の良さでカバーできていると言えるでしょう。
特別なステージア・ステージア260RS
《写真提供:response》ステージア オーテックバージョン260RS / オーテックジャパン
特別なステージアとして登場したオーテックバージョン260RSとは、スカイラインの育ての親と言っても過言ではない、櫻井眞一郎氏により1986年に創立された会社「オーテックジャパン」で開発された車になります。
オーテックジャパンは、日産では開発しづらいコンプリートカーやレーシングカーの開発に力を注いでおり、オーテックジャパンが手掛けたモデルはすべて、強い個性を持った車となっています。
ステージアオーテックバージョン260RSは、GT-Rの名こそ表に出てはいませんでしたが、その走りはまさにGT-Rそのものといって言っていいでしょう。
その採用されたメカニズムは、スカイラインGT-R33と同じRB26DETT型直列6気筒DOHCツインターボを搭載し、ミッションも5速MTのみと徹底した物でした。
■ステージア260RSの動力性能
2568cc・RB26DETT型エンジンは、最高出力・280PS/37.5kgmといった高出力とAWD(All Wheel Drive)システムにより安定した直進走行性能、悪路や凍結路なども安定して走行が出来るものとして人気を博しました。
また、車の速さを証明する指標となる、パワーウェイトレシオは6,14(1720kg/280PS)と高い数値を叩き出していました。これはスポーツタイプのセダンなどではなくワゴンとしては異例の数値だと言えます。
まさに、エンジン・足回りはスカイラインGT-Rそのものといっても良いような仕上がり具合となっています。最高速などはGT-Rに及ぶものではありませんが、血脈はGT-Rのものといえるでしょう。
「ワゴンの形をしたスポーツカー」と呼ぶにふさわしいカタログデーターを持っており、実際の走行ではR33のワゴン版と呼んでもおかしくない性能を誇っていました。
高速性も良く悪路の走行も苦にしないワゴン、それがステージア260RSとなります。販売期間が短期間に終わった260RSは、今もなお人気の車種となります。
■ステージア260RSのエクステリア
エクステリアも一目で260RSとわかるデザインとなっています。大きく開いたフロントバンパーやRS専用のフロントグリル・ルーフスポイラーなど、主張がはっきりしたデザインは全て専用デザインとなっています。
■ステージア260RSのインテリア
ワゴンのボディを与えられたステージアは、5人乗り・5ドアのスタイルで収納スペースも十分に広い荷室を持っていました。
この荷室は、リアシートを倒せば楽々とはいかないまでも、車中泊出来る広さを有しています。またスキーやサーフボードを積むことも可能でした。
メーターにはデンソーの3連メーターを配置するなど、走りを意識したインパネとなっています。
■ステージア260RSの中古価格
260RSは特別な車といえるだけあり、価格はしばらく変わらないどころか、今後値上がりも考えられる車となっています。
ステージア260RSの中古価格(ガソリン車)
2.6 オーテックバージョン 260RS | 4WD:220万円台~280万円台 |
※表示価格は車両本体価格で情報は車情報サイトresponse中古車価格より(2021年5月現在)
■ステージア260RSの評判
現在の車と比較すれば、勿論ステージア260RSを上回る性能の車は、数多く存在しますが、セダンでない車ワゴンでこのステージアの性能を上回る車は、それほど多くはありません。その評判の高さは販売終了から十数年たった今でも、価格の高さで証明されています。
260RSはその販売年数の短さと価格の設定等により、現在中古車市場ではあまり見かけない車となっています。260RSの販売台数は前期型が約986台、後期型で748台、総数で1734台といわれています。
そういった背景から、中古車市場に出てくる車はごく限られています。多くても年間5台や数台しか出回わらない車として、その人気は衰えるところを知りません。
まとめ
《写真提供:response》reproducible【写真蔵】日産インテリアバージョン…ステージア2代目
ステージアは1996年から2007年まで製造された車でした。その人気は高く評判も良い車でしたが、初代・二代目で製造を終了しています。
セダンで速い車は多くありますが、ワゴンでスポーツタイプの速さを求めた初代ステージア260RSは、幻のワゴンと言っていいのではないでしょうか。