高級SUVとしてのステータス性高し!ランドローバー
ランドローバー ディスカバリースポーツ
世界的にSUVが流行しており、今やSUVをラインナップしていない自動車メーカーの方が珍しいのではないかというほどの現代において、特別な尊敬の眼差しを受けるSUVメーカーが、ランドローバーでしょう。
クロカンSUV専業メーカーとしての長い歴史はその高い走破性に活かされており、戦後まもなくから続くディフェンダーの系譜をはじめ、ラインナップする車は全て実用的かつ道具としての魅力にあふれた優れたSUVばかりとなっています。
しかし、その本格性ゆえか、お値段はかなり高め。現行モデルの新車価格では、最安のディスカバリースポーツでも450万円から、大型のディスカバリーに至っては約900万円からとなかなかの高級ラインとなっています。
もちろんそのお値段に相当するだけの高級な仕立てや上質なデザイン、卓越した走行性能が備わっているのですが、ちょっと手が届かないかも、とお思いの方もいらっしゃるのでは。
しかし、そんなランドローバーでも中古車ならかなりお手頃なお値段で手に入れることができます。中古車も含めて、ランドローバーラインナップで共通する魅力について、まず復習していきましょう。
■ランドローバーの魅力:SUV専業メーカーならではの走破性
ランドローバー ディフェンダー
過去には2WDモデルを一時的にラインナップしたこともありますが、現行ラインナップでは、最も廉価なグレードを含めたランドローバー全車が全輪駆動。本格的なコンポーネントだけでなく余裕のある最低地上高やプロテクターまでしっかり備わったその高い走破性能は、世界的に認められたものです。
ディフェンダーのような本格的クロカン車だけでなく、7人乗りも用意される大型SUVであるディスカバリーや、ブランドのエントリーグレードとなるディスカバリースポーツ、過去ラインナップされていたフリーランダーまで、価格の高低やキャラクターの違いに関わらずしっかりとしたオールテレイン性能を備えるのは、ランドローバー車の美点です。
その上オンロードでの快適性も近年では追及されており、電子制御などの積極的な活用や、高いボディ剛性や長いサスペンションストローク量を活かして、乗員は快適に、ドライバーは安心して運転できる舗装路性能も近年のランドローバー車では特徴の一つ。
なかなか普段からその悪路走破性をフルに活用するユーザーは稀と思われますが、その本物の性能がもたらす余裕は他では得難いものですよね。
■ランドローバーの魅力:オシャレな道具感、隅々まで高級感!
ランドローバー ディフェンダー ブラックパック
近年のモデルではスムーズな曲面で構成されてはいますが、それでもランドローバー車に共通するのは、シンプルで派手ではないエクステリアでありながら、SUVらしい力強さを備え、それでいて高級感にあふれていること。
まるで高機能で精度の高い工具のような優れた道具感がありつつ、パネルギャップの狭さなどで高品質感もしっかり感じられますし、オフロード性能の高さが外観から見て取れる点もポイントでしょう。
乗用車的なスムーズさ、もはやレンジローバー的なエレガンスさえ持つディスカバリー系に対し、現行モデルではディスカバリーが旧来からのランドローバーらしさをしっかり保持。
旧型ディフェンダーの角張った機能美を維持しつつ、LEDヘッドライトなどの最新装備も備えたモダンさが特徴的ですね。
■ランドローバーの魅力:室内ユーティリティも高い!
ランドローバー ディスカバリー 荷室
SUV市場の成熟に伴ってクーペSUVも出現するなど、スペース効率を犠牲にして外観最優先のものも存在していますが、ランドローバーのラインナップではキャビンを必要以上に絞り込んだりせず、全車でこれぞSUVという広々とした室内空間や荷室が実現されています。
特に近年はラダーフレーム構造ではなくアルミニウムモノコック構造の採用を積極的に進められており、優れたボディ剛性とともに室内空間の拡大も実現。
その広々としたキャビンを活用し、ディスカバリーとディスカバリースポーツでは3列シートが用意されるなど、多人数乗車が可能な点も嬉しいところですね。
特にディスカバリーでは、3列目まで大人がしっかりくつろげる空間が確保されており、2列目・3列目シートの電動格納なども備わって、1列目以外を格納すればVDA方式で2,500Lという大容量のラゲッジスペースが実現可能。
いざというときに、人も荷物もしっかり飲み込める懐の深さが、ランドローバー車の特徴です。
ランドローバー、中古車なら結構お安い?!車種別まとめ
そんな魅力たっぷりなランドローバー車を、中古車でお得に手に入れてみてはいかがでしょう。ここでは、現在のランドローバー車の中古車相場をまとめてみましたので、ぜひご参考になさってください。
文中の新車価格及び中古車価格情報は、2020年10月現在のものです。
■【ディスカバリー】大人気なブランド中核モデル、初代は貴重!
ランドローバー ディスカバリー
ランドローバーにおける中核モデルとなるディスカバリーは、ディフェンダー、レンジローバーに続くランドローバーブランドの第3車種目として1989年に発売が開始されました。
初代モデルと2代目モデルでは、初代レンジローバーと共有のコンポーネントも多く見られるなど格上車種と同等の走破性の高さを持ちつつ、よりスペースユーティリティ寄りに振ったキャビン設計など普段の使い勝手を向上させたパッケージングが特徴。お値段も、既存の部品を効果的に流用することで、レンジローバーほどお高くなかった点が好評でした。
3代目となるディスカバリー3、4代目となるディスカバリー4はメカ面で独自路線に移行しつつも高級化が進み、現行の5代目ではもはやレンジローバーファミリーを思わせるプレミアム感あふれる仕上がりになっています。お値段もその分上がってしまっており、現行モデルの税込新車価格では877万円からと、標準装備が充実しているとはいえかなりのプレミアムカーとなっています。
しかし、中古車となれば話は別。現在の中古車平均価格では、今見れば角張ったレトロ感が独特の存在感を放つ初代モデルで101.2万円、やや近代化が進んだ2代目で97.6万円と、稀少性を加味すればバーゲン価格で推移しています。
一気にモダン化した3代目では173.4万円、2016年まで販売されていた4代目では388.9万円と、中身が近代化される分値段は上がりますが、それでもユーティリティ性の高さとネームバリューを考えるとかなりお得な値段になっています。
現行モデルの5代目では734.5万円と、まだデビューから数年しか経過していないこともあって高めではありますが、廉価な車両では500万円を切った価格が設定されているものも。
輸入車の常ではありますが、意外とディスカバリーのリセールバリューは低めの印象で、お好みの仕様が見つかれば中古車で購入されるのもお得に手に入れる方法も一つです。
■【ディスカバリースポーツ】弟分はコンパクトながら3列シート装備
ランドローバー ディスカバリースポーツ
かなり高額なプレミアムSUVとなってしまったディスカバリーの下位モデルとして、2014年に登場したのがディスカバリースポーツ。
レンジローバー イヴォークと設計を共有しつつ、クーペスタイルのイヴォークよりも実用的なのが特徴のディスカバリースポーツは、比較的コンパクトなボディながら3列目シートの装備も可能な点がポイントです。
ボディのコンパクトさやデザインによって軽快な印象もあるディスカバリースポーツですが、そのオフロード性能はランドローバーの名に恥じないもの。
税込新車価格で450万円からというお得さでありながら、テレインレスポンス2やオールテレインプログレスコントロールといった上級車種同様の機能が標準装備されるなど、性能面で手が抜かれていないのが嬉しいところです。
2019年の改良では、外観ではライト類の変更が目につく程度なのですが、中身では2代目イヴォーク同様の新開発プラットフォームに切り替えるなど大変更がなされ、その結果海外モデルでは48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載するなど大進化。さらに魅力に磨きをかけています。
そんなトータルパッケージが魅力のディスカバリースポーツですので、中古車価格もあまり下がっていないのが現状です。中古車平均価格では517.4万円となっており、フル装備の上級グレード車が平均価格を釣り上げている印象。
とはいえ、2015年型などの年式の古いモデルでは200万円台から狙えるなど、現行モデル随一のお求めやすさは中古車になっても同様です。
ランドローバーのラインナップは基本的に大型SUVが多いので、都市部でも比較的扱いやすいディスカバリースポーツのボディサイズは貴重なもの。本格SUVの味わいをお得に体験するチャンスです。
■【ディフェンダー】雰囲気も実力も抜群、先代も根強い人気
ランドローバー ディフェンダー
各部を段々と変化させつつも、基本構成はそのままに1948年から生産が続けられてきたディフェンダーは、当初は単に「ランドローバー」と呼ばれており、ランドローバーブランドの始祖となった重要な車です。
その長期間にわたる生産に終止符を打ったのが2016年で、排ガス規制や衝突安全基準への対応が難しいことから惜しまれながらも生産を終了。しかし、その面影を残しつつ一気にモダナイズされた新型ディフェンダーが2019年に公開され、世界中で話題沸騰したことは記憶に新しいですよね。
もちろん、デビューしたての新型モデルの中古車は、現在ではまだ確認できませんが、現在でもそのラギッドでシンプルなスタイルにファンの多い先代モデルは、34台と比較的豊富な中古車在庫が確認できます。
ディフェンダーはファミリーカー的には使いにくい趣味性の高さもあってか、値段は高値で安定推移。日本国内で正規販売された期間・台数が限定されることもあり、中古車平均価格は500〜700万円台で推移しています。もはや20年近く前の年式の車、さらにいえば基本設計が戦後から続く車の中古車価格としては驚異的な高値と言えるでしょう。
無論、市場で販売されている中古車は正規モデルだけでなく並行輸入モデルも多数あり、日本では販売されなかった限定車などもラインナップされているため、選ぶ楽しみが深まっている点は嬉しいところですね。
■【フリーランダー】エントリーモデルらしい軽快さ!
ランドローバー フリーランダー2
ディスカバリースポーツが事実上の後継車として登場した現在ではラインナップされていませんが、ランドローバーのエントリー車種の大役を20年近く勤めたのがフリーランダーです。
ラダーフレーム構造も組み合わせていたとはいえ、ランドローバーとしては初めてモノコック構造を採用するなど革新的な設計が特徴的で、そのスタイルの軽快感も特徴的でした。
もちろんエントリー車種ですので、価格も低廉でお求めやすかった点もポイント。なんと2代目となるフリーランダー2ではブランド初となる前輪駆動モデルも用意されるなど、それまでの常識にとらわれない革新性も魅力的でした。
新車価格の安さや、やや年式が古くなってきていることもあり、中古車価格のお安さはブランド随一。中古車平均価格では、初代となるフリーランダーで83.0万円、フリーランダー2で105.3万円と、ランドローバー車とは思えないような低価格となっています。
フリーランダーでわずか3台、フリーランダー2でも14台と、中古車在庫台数としてはもはや稀少車の域ではありますが、特に前輪駆動系のプラットフォームを得た2代目では舗装路上の走行マナーも向上しており、現代でもサラッと乗れるランドローバーとしてかなり魅力的です。
まとめ
ランドローバー ディフェンダー ブラックパック
ランドローバー車の魅力、そして歴代モデルの中古車価格を見てきました。
戦後間もなくからクロカン車を作り続けているという長い歴史ながら、レンジローバーシリーズを除けばたったの4系統しか車種がないという点は、ランドローバーの性能の高さあってこそのビジネスモデルと言えそうですね。
新車よりはお求めやすいとはいえ、ステータス性の高さもあるランドローバーは中古車でもちょっぴりお高めではありますが、きっと他のSUVでは見せてくれない世界をオーナーに見せてくれることでしょう。