軽スーパーハイトワゴンが売れる理由
軽ハイトールワゴンがここまで売れる理由は、軽自動車ならではの経済性と室内の広さがあります。
■経済性の高さは軽自動車ならでは
自動車税の改定により差は少なくなっているものの、毎年の軽自動車税は1万800円で、1リットル以下の登録車の自動車税2万5000円に比べてまだ安くなっています。
車両価格は、150万円から200万円と軽自動車といえどもコンパクトカー並みといえますが、リセールバリューがコンパクトカーよりも高いことも含めると経済的と言えます。
また、軽ハイトールワゴンの燃費は車重が大きいので、全高が低めの軽セダンタイプよりも劣りますが、その差を帳消しにするメリットがあります。それが圧倒的な室内の広さと、考え抜かれた使い勝手の良さです。
■最大のメリットは室内の広さと使い勝手の良さ
軽ハイトールワゴン特有の室内の広さは、その高い室内高とスクエアで無駄のないパッケージングによるものです。これにより、コンパクトカー顔負けの広さが実現しているのです。
さらに、後席には両側にミニバン同様のスライドドアを備え、低床フロアが導入されたことで、小さなお子さんやお年寄りも安心して乗り降りしやすくなり、広い室内が機能的に使えるのです。
そして、N-BOX以外のライバル車も、独自機能や特徴を持たせ、切磋琢磨した結果、登録車が驚くほどの広さと使い勝手の良い車種になり、日本で最も売れるクラスになっているのです。
1.ホンダ N-BOX
ホンダ N-BOX・N-BOXカスタム
全軽自協・自販連資料調べで、2017年度〜2019年度の登録車を含む国内新車販売台数3年連続第1位を獲得し、2020年も売れ続ける最新ハイトールワゴンがN-BOXです。
なぜそんなに売れ続けるのかと言えば、軽らしからぬ走行性能や最新の安全性能などその要因は沢山あります。
しかし、その地位をきずいた最大の理由は室内の広さとミニバン並みかそれ以上の豊富なアレンジと機能性なのです。
■N-BOXの室内スペースと機能性
ホンダN-BOX
広さの源となるのが、ホンダ独自の特許技術「センター・タンク・レイアウト」による圧倒的な室内空間はライバルにはない最大のポイントです。
2.0Lクラスのミニバン並みの前後のシート間隔、140cmの室内高でお子さまの着替えも立ったままでOK、
さらに、57cmも動く助手席で空間を自在に変化できるスーパースライドシート、前席との距離や荷室長を、左右席で19cmも別々に調節できるスライドリアシートとアレンジも豊富。
そしてスロープ仕様では、広い荷室とスロープが介護から趣味まで幅広く対応できます。
また、チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシートや、はね上げれば、「もうひとつの荷室」が生まれる後席により、荷物の収納方法も広がります。
■N-BOXの新車価格
2.スズキ スペーシア
スズキ スペーシア ハイブリッドX
スズキのスペーシア2020年9月の販売台数では、ダイハツのタントを振り切り、ホンダの N-BOXをかなり追い詰める台数を売り上げました。
ホンダの N-BOXに追い付き追い越すために、 N-BOXとは違う個性「クラスレスな道具感覚」を打ち出した スペーシアのスタイリングは、“スーツケース”がモチーフとなっています。
特に、標準車とカスタムというこれまでのボディラインナップにSUV感覚の新シリーズ「スペーシアギア」を導入したことで、N-BOXよりユーザーの年齢が低くアクティブな層に人気となっています。
■スペーシアの室内スペースと機能性
スズキ スペーシア ハイブリッドG
広さだけではなく、スーツケースをモチーフにした豊富な収納など、遊びゴコロいっぱいのインテリアが、スペーシアの特徴となっています。
N-BOXより高い1,410mmの室内高に、低いフロア。そしてすべてのシートに、前後の位置を別々に調節できる独立型のシートスライドを採用し、体格に合わせて足元まで広々としたスペースを確保できます。
さらに、ワンタッチダブルフォールディング式リヤシートと、左右独立リヤシートスライドを採用して荷物の積み下ろしも楽に行えます。
荷室開口部が510mmと低床設計で、大きな開口部には自転車の積み降ろしをサポートするガイドも設置しており、27インチの自転車もラクに載せることができます。
■新車価格
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3.日産 ルークス/三菱 eKスペース
日産ルークス
三菱 eKスペース/eKクロススペース
ルークスは、NMKVのマネジメントのもと、日産が企画、開発三菱が生産するハイトールワゴンで、三菱からは eKスペースとして発売される姉妹車です。
姉妹車と言えどもフロントのデザインは大きく異なります。
好みによって「ルークス」や「ekスペース」といったファニーフェイスも標準タイプから、スポーティな「ルークス ハイウェイスター」、そしてSUVテイストの「ekクロススペース」と4つのデザインが選べると考えていいでしょう。
特に、「ルークス ハイウェイスター」と「ekクロススペース」は元が同じ車と思えないほど両極端なデザインのため、悩ましい選択になるでしょう。
■ルークス/ eKスペースの室内スペースと機能性
日産ルークス
室内スペースや機能はルークス、ekスペースともに共通の仕様となています。
エンジンルームの前後長を詰めたことで室内長が広がり、後席はニールームが795mmもあり、1400mmの室内高とあいまって大人4人がゆったりと過ごせるクラストップレベルの広い室内を実現しています。
また、スライドドアの開口幅がも約650mmとクラストップで、加えて上位グレードのスライドドアに採用されるハンズフリー機能は左右ともに利用できます。
後席のスライド量は約320mmで、奥行き675mmの荷室が可能となり、48lのスーツケースを4個も積載できます。
■新車価格
日産 ルークス | 1,287,000円~1,879,000円 |
三菱 eKスペース | 1,272,000円~1,810,000円 |
※上記新車価格は2020年10月現在の日産自動車公式サイトによるものです。
※上記新車価格は2020年10月現在の三菱自動車公式サイトによるものです。
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4.ダイハツ タント
ダイハツ・タント
高い室内高やスライドドアを持つ、軽ハイトールワゴンの市場を作り上げたタントは、室内空間の広さやミラクルオープンドアを最大限活かした「ミラクルウォークスルーパッケージ」を実現して、使い勝手の良さをさらに向上させています。
特に、ミラクルオープンドアによる使い勝手の良さから、子育てママやワーキングママといった女性に人気がある軽ハイトールワゴンです。
■タントの室内スペースと機能性
タント ミラクルオープンドア
タント最大の特徴であるピラーインドアの「ミラクルオープンドア」は開口幅が最大1,490mmもあって、お子さんと手をつないで乗り降りすることも可能です。また、最大540mmスライド可能な運転席や380mmの助手席ロングスライドによる室内での移動もラクラク行えます。
さらに359mmの低床ステップによって乗降性の向上がなされ、半ドアを防止する助手席イージークローザーやパワースライドドアの自動開扉を可能にするウェルカムオープン機能などを搭載しています。
リアシートにもスライド機構が付いていて、左右独立して240mmスライドするので、利用価値は工夫次第で広がります。
■新車価格
タントについてもっと詳しく知りたい方はこちら
5.ダイハツ ウェイク
ダイハツ ウェイク
ウェイクは、“日常からレジャーまで幅広い用途に対応する”を開発キーワードに、人気のハイトールワゴンの特徴である高い室内高をさらに高くして、軽自動車最大の室内スペースを獲得しました。
1835mmの全高と、室内高はタントをさらに85mmも上回る1455mmを実現し、「ウルトラスペース」と呼ばれる空間は、その利点を生かすために、タントのような日常使いを押さえながらも、レジャー用途に重点をおいた車造りがされています。
さらに、タントより62mm高いシートポジションにより目線の高さを1387mmとしたことで、見晴らしと見通しの良さで取り回しが良く、安全にもつながっています。
■ウェイクの室内スペースと機能性
ダイハツ ウェイク
ウルトラハイトールワゴンとも呼ばれる室内空間は、全長、全幅がタントと同じでも1455mmの室内高を持ち、地上からドアの上部までは1700mmもあるので子どもから大人、高齢者まで、楽な姿勢で乗り込めます。
また、荷室では、約90Lの大容量ラゲージアンダートランクを設定して、上下2段調節式デッキボードを利用したり、リヤシートを畳むことなく、ゴルフバックやスノーボードが立てに詰むことも可能となっています
■新車価格
1,250,000円~1,705,000円 |
※上記新車価格は2020年10月現在のメーカー公式サイトによるものです。
ウェイクについてもっと詳しく知りたい方はこちら
まとめ
三菱 eKスペースも含めて6車種の軽ハイトールワゴンは、いずれも甲乙つけがたい室内の広さを誇っています。しかし、よく見ると自分の使用目的にあった機能や必要のない機能もあります。自分は何に使うのか、何が最も必要なのかを考えれば、どの車種がぴったりなのかが見えてくれるはずですよ。