1,311台しか製造されなかったフェラーリ
フェラーリ F40
F40は1987年にフェラーリの創業40周年を記念に、創始者エンツォ・フェラーリが世に出したスーパーカーとなります。「そのままレースに出られる市販車」を具現化した車種で、多くのファンが存在します。
発売当時、生産台数は約400台の予定でしたがオーダー数が殺到し、生産が終了した1992年までに生産台数を1,311台に増やしたほどの人気を集めました。
このF40は発売から34年経っていますが(2021年時点)、ファンに「フェラーリの中で好きな車は?」と聞くと、「F40」と答える声が多く聞かれるほど根強い人気があります。
オークションに出れば億?
フェラーリ F40 オークション
数あるスーパーカーの中でもファンを魅了してやまないF40ですが、オークションではどのくらいの価格がつくのでしょう?
2019年に開催された「第二回東京オートサロン・オークション with BH Auction」では、スポーツカー・スーパーカー・クラシックカーと様々な名車が50台出品されました。
その中で最高落札額を達成したのは1990年式のフェラーリ F40で、1億2,100万円で落札されました。
上記でも触れたように、生産台数わずか1,300台というレアな車種であるため、状態のよいF40は時が過ぎていくほど高額になる傾向にあります。
フェラーリ F40 Competizione (F40コンペティツィオーネ)
フェラーリ F40
高いパフォーマンスを発揮するF40は、2,936ccV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し478PS/577Nmを発揮しました。
その当時の新しい素材が使用され、軽量化されたボディと内装の総重量は1,368kgです。その無駄のないボディと強力なエンジンとの組み合わせは、当時のフェラーリファンを唸らせました。
F40が世に出た後、世界の著名なフェラーリストのためにF40をベースにして1992年に19台限定で生産されたのが、「F40 Competizione」です。エンジンはタービンおよびインタークーラーの大型化+ブースト圧を2.5barまで引き上げる事で、最高出力は780PS/8,100rpmとノーマルから倍になりました。最高速度も381km/hまで強化され、そのポテンシャルはレーシングカーと同等といえます。
他にも特別なF40があり、GTCクラスの規定に沿って制作されたF40LMや、イタリアスーパーカーGT選手権参戦のため製造されたF40GTなどがあります。
フェラーリのデザイナー
フェラーリ F40
F40を始めF50などをデザインしたのが、自動車のボディデザインや製造を手がけるイタリアの会社「ピニンファリーナ」です。
1930年にバッティスタ・ピニンファリーナが設立し、フェラーリ以外にも、アルファロメオ、マセラッティ、ランチャ等、有名スポーツカーのデザインも手がけています。
独特の個性を放つフェラーリには、上記以外にも多くのデザイナーやエンジニアが関わってきました。
F40の開発にも携わったと言われる二コラ・マテラッツイや、多くのフェラーリをデザインしてきたといわれるレオナルド・フィオラヴァンティなど、イタリア自動車史に輝くスタッフ達が、フェラーリを支えました。
その中にあって、イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインしたと言われているのが、日本人デザイナー奥山清之。F40のデザインには関わっていませんが、超希少と言われる「エンツォ・フェラーリ」のデザインを手掛けた方として有名になりました。
市販車でレースに勝てる車F40
フェラーリ F40
創業者であるエンツォ・フェラーリの、「そのままレースに出られる市販車」という基本理念を形にして世に出したF40。その当時、市販車でありながら時速320kmを超えた車として、圧倒的な性能と特別な存在感を誇りました。
320km/hを超えた世界初の市販車となったF40。最高速度は324km/h、0-400mのタイムは約12秒、0-1,000mのタイムは約21秒と公表されていました。
フェラーリF40の実力
フェラーリ F40
F40のすごさはスピードだけではありません。車の足回りであるシャシーには鋼管スペースフレーム+複合材を用い、ボディにはその当時先進的だったCFRP(カーボンケブラー複合材)などを多用しました。
内装は、構造材が剥き出しで余計な装飾をつけないスパルタンなスポーツカーです。
F40の一番の特徴としてあげられるエンジンですが、そのベースとなったのは、1983年に登場したランチアのグループCカー用に開発されたものでした。その後、フェラーリのグループBカーのホモロゲーションモデルである288GTBに搭載されました。F40に搭載された2,936ccのV8ツインターボエンジンは、「Tipo F120A型」という型式で、その最高出力は478馬力を発揮しました。
1992年からイタリアで開催されたスーパーカーGT選手権では、イタリアのプライベートチーム・ジョリークラブが参戦して最強を誇りました。しかし、1994年にFIA-GT選手権の前身、BPRGTシリーズが始まった際には、新世代のマクラーレンF1が登場します。
F40もレース用のエボリューションモデルF40GTEを投入し、そのポテンシャルを活かして激しいレースを実現しましたが、なかなか結果が伴わないこともありました。
それでも、BPR GTシリーズは数回の優勝を勝ち取り、ファンを喜ばせました。しかし、F40 LMとF40GTEで出走したル・マン24時間レースでは、結果を出せずに終わってしまいました。
■あえて中古車を探してみる
様々なフェラーリ
エンツォ・フェラーリ氏の遺作と言われることもあるF40は、現在でも特別な扱いを受けることが多くあります。
日本の中古車市場においても、F40の中古車を探すと数台見つかりますが、多くの場合値段は応談して決める流れになっています。なかなか値段が付けられない高価な車だということでしょう。
フェラーリのレンタカー
レンタカー使用
フェラーリは高くてなかなか手が出せませんが、フェラーリのレンタカーを利用すれば運転することが可能です。F40のようなスペチャーレではなく、あくまでも市販モデルのレンタルとなりますが、高級外車のレンタルを行っている会社は数多くあります。
それぞれ条件や金額などは違いますが、大阪のレンタカーですと、当日返却で約15万円、24時間なら約19万円、延長で1時間ごとに約2万円、1日ごとに5万6,000円程でレンタルすることができます。
その他、兵庫県にあるレンタカー会社では、レンタルに際して条件があります。学生以外の25歳から60歳までの方で、免許取得2年以上、無事故違反が1年以上継続中の方なら乗ることができます。
価格はガソリン代も込みで、3時間(走行距離は10km以内)で約3万円、4時間(走行距離140km以内)で約4万円です。
多くのレンタカー会社でフェラーリのレンタルが可能です。ご自身の条件にあった場所を探して、フェラーリを試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
フェラーリ F40
今回は34年経った今でも、人気が衰えない「フェラーリF40」について見てきました。思わず振り返りたくなるフェラーリサウンド、個性的なフォルム、深紅のカラー、その外観とは対照的にシンプルな内装。
高級車フェラーリF40の独特の存在感は、伝説のスーパーカーの名に相応しいといえるでしょう。