トヨタ ヴェルファイアとは?
トヨタ ヴェルファイア ゴールデンアイズII(ガゾリン車・2WD)
「物静かな」という意味の「Velvet」と、「炎」を意味する「Fire」を組み合わせ、クールな情熱を持つクルマという意味を車名の由来とするトヨタのミニバン「ヴェルファイア」は、アルファードの姉妹車であり、2008年に初代が発売されました。
現行モデルは2015年1月に姉妹車のアルファードと共にフルモデルチェンジされた2代目で、基本構造やスペックはアルファードと同様です。
ネッツ店専売車種としてトヨペット店のアルファードとはライバル関係にもなっていましたが、2020年5月の全車種併売化以降は、アルファード、ヴェルファイアとも全てのトヨタ車両販売店で取り扱われています。
アルファードとの違い
《画像提供:Response 》トヨタ ヴェルファイア(右)、アルファード(左)
アルファードとの違いは主にフロントフェイスのデザインにあります。
上品さや洗練さを謳うアルファードに対し、ヴェルファイアでは力強さや先進性を謳っており、フロントフェイスは上下2分割のヘッドライトを採用するなどアルファードより尖鋭なデザインとなっているのがヴェルファイアの特長です。
また現行仕様では、アルファードではグレードに応じてベージュ系カラーのフラクセンインテリアとブラックインテリアが選択できるのに対し、ヴェルファイアでは潔く精悍なブラックインテリアのみ。
他にも、ヴェルファイアのガソリン車のみに高輝度塗装の18インチアルミホイールが特別装備されるなど、オーナーしか気づけないような細かな差異にも注目です。
【厳選TOP5】ヴェルファイアの魅力はここだ!
■二段式ランプが大迫力!イカツいルックス
《画像提供:Response 》トヨタ ヴェルファイア(2018年型)
なんといってもヴェルファイアを特徴づけるのは、その迫力のエクステリアデザインでしょう。全体のフォルムはアルファードとも共通なものの、フロント・リヤともによりアグレッシブなデザインが採用されており、ひと目でヴェルファイアと分かる存在感を持っていますよね。
具体的なポイントは、二段式になっている前後のランプ類。曲線的なアルファードよりもメカっぽさが際立つ仕上がりで、ゴールデンアイズIIで特別装備となるゴールドエクステンションの煌めきをたたえる3眼LEDヘッドランプの鋭い眼差しは、これでこそヴェルファイア!という納得のデザインです。
ヘッドランプだけでなく、フロントバンパー幅いっぱいまで広がるメッキモールも存在感があり、フロントフェイスを大きく特徴づけていますね。
まだまだ採用車種が少ないLEDシーケンシャルターンランプをヴェルファイアなら前後ともに標準装備していますし、ヘッドランプ点灯時に交差点やカーブの曲がる先を照らしてくれるLEDコーナリングランプも標準装備。
ギラギラのデザインながら、先進の快適装備の数々もしっかり織り込まれています。
■7人がゆったり、豪華なウルトラスエードインテリア
《画像提供:Response 》トヨタ ヴェルファイア(2015年型) リラックスキャプテンシート
フロントシートの居心地が抜群なのはもちろん、お客さまをお迎えするのにぴったりなヴェルファイアのセカンドシートは「リラックスキャプテンシート仕様」。
なんとセカンドシートが左右方向にもスライド可能なほか、前後方向には最大で830mmにも達する超ロングスライドが可能。もとより広いセカンドシートの足元空間が、まるでリムジンのように思いっきり脚を伸ばせる空間に早変わりです。
サードシートまで左右独立リクライニングとスライドが可能など、大人でもしっかりくつろげる空間が魅力的です。
室内広さや使い勝手の良さはアルファードとも共通ですが、パーフォレーション入りでスポーティなウルトラスエードをメインに、サポート部には合成皮革をあしらった特別なシート表皮は、ヴェルファイアだけの特徴です。
また、乗員の快適性にばかり注目してしまいそうになりますが、実はヴェルファイアは、定員乗車時でもしっかりとした荷室容量が確保されている点もポイント。
サードシートのスライド機能を活かし、3列を全て使用していてもゴルフバッグが6個収納できるほか、なんと荷室床下にはVDA法で148Lにもなる収納が隠れています。
■経済的なガソリン仕様と、先行く快適性のハイブリッド仕様
《画像提供:Response 》トヨタ ヴェルファイア(2018年型)
ヴェルファイアのパワートレーンは、2.5リッター 直列4気筒ガソリンエンジンと、2.5リッター ガソリンハイブリッドの2種類が用意されています。
このうちハイブリッドは、後輪を独立したモーターで駆動する電気式4WD「E-Four」仕様となっているほか、大出力のフロントモーターが装備されることでパンチのある走りも魅力的です。また、エンジンを停止したEVドライブモードなど、ハイブリッドらしい高い静粛性にも注目。
ハイブリッドならではのエコカー減税や環境性能割の優遇額も魅力的です。ガソリン車では3〜4万円程度の優遇に留まりますが、ハイブリッドなら約14万円の優遇額試算となっています。
またガソリン車は、CVTと組み合わされることで、大柄なボディながらしっかりとした加速力を確保。よりリーズナブルな2WD仕様も用意されるので、ハイブリッドとの価格差が最大で税抜約80万円、4WD同士で比較しても税抜約50万円と、お求めやすさもポイントです。
パワートレーンの違いのみで、室内の快適装備などではハイブリッドと差があまりないほか、ハイブリッドでは17インチとなる標準装備ホイールが18インチの高輝度塗装仕様になる点は、ガソリン車の特典です。
■スライドドアもバックドアも電動!豪華装備満載
《画像提供:Response 》トヨタ ヴェルファイア(2015年型)
トヨタミニバンの頂点の一台だけあって、ヴェルファイアの快適装備を並べるとキリがないほどの充実っぷりです。
もちろん両側パワースライドドアとなるヴェルファイアですが、見所は「ウェルカムパワースライドドア」。スマートキーで予約をセットすることで、用事を済ませてヴェルファイアに近づくだけでスライドドアが自動で開いてくれます。両手に荷物を持っていたり、お子様を連れている際に役立ちそうですね。
また、かなりの大きさとなるバックドアの開閉が一人でできるか心配とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、パワーバックドアが標準装備されるので、バックドアのスイッチ、スマートキー、オーバーヘッドコンソールのスイッチを操作するだけで、自動で開閉してくれます。
豪勢な装備といえば、ディスプレイオーディオが標準装備される点もポイントです。9インチの大画面ディスプレイでは、Apple CarPlay・Android Autoにも対応しているので、お使いのスマートフォンの地図アプリを表示させることも可能。
なんと税抜価格で65万円超というハイスペックなT-ConnectナビとJBLプレミアムサウンドシステムのパッケージオプションも用意されていはいますが、たまにしかナビを使わない方なら、標準装備のディスプレイオーディオで充分以上の満足度があるはずです。
■コネクティッドサービスや運転支援もお手のもの
《画像提供:Response 》(参考)トヨタ アルファード アダプティブハイビームシステム イメージ
近年あらゆるクラスの車に先進装備を続々採用しているトヨタですが、ミニバンのフラッグシップの一台だけあって、ヴェルファイアでも運転支援から予防安全まで機能が満載の「トヨタセーフティセンス」が標準装備されます。
夜間の歩行者にも対応するプリクラッシュセーフティや、全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロールなどは、さまざまな車種で装備が広まっていますが、高級車らしい装備としては「アダプティブハイビームシステム」が挙げられるでしょう。
先行車や対向車を検知して部分的に遮光してくれる同システムによって、これまで以上にハイビームを活用できるので、夜間も安全安心のドライブが可能です。
そのほかにも、オプション設定にとどまる点はやや残念なものの、ブラインドスポットモニターやパノラミックビューモニター、デジタルインナーミラーなど、大柄なボディに慣れないドライバーもサポートしてくれる機能も多数用意されています。
またヴェルファイアは、車両とネットワークをつなぐ「DCM(専用通信機)」を標準装備しているので、万が一の事故発生時などいざというときにオペレーターが警察や消防に取り次いでくれる「ヘルプネット」などが利用可能。オプションのT-Connectナビを選択すればより高機能な「コネクティッド」体験が可能です。
ヴェルファイア現行モデル
トヨタ ヴェルファイア ゴールデンアイズII(内装色 : ブラック)
2021年4月の一部改良を発表において、グレード体系をこれまで特別仕様車であった「GOLDEN EYES II」と「HYBRID GOLDEN EYES II」に集約され、それ以外のグレードは廃止されています。
なお、同仕様の特別仕様車がアルファードでは「SタイプゴールドII」として設定されています。
エクステリアでは、フロントグリルやバックドアガーニッシュ、LEDフロントフォグランプモールやリアランプガーニッシュが漆黒メッキ加飾となって装備されています。
インテリアでは、メタルウッド4本スポークステアリング、ルーフやピラーにブラックを採用、ハイブリッド車では、アクセサリーコンセントが3個に増やされます。
また、ボディカラーはアルファードとの共通の「ホワイトパールクリスタルシャイン(メーカーオプション)」と「ブラック」の2色のみとなっています。
装備面ではワンタッチスイッチ付デュアル(両側)パワースライドドアとアクセサリーコンセントの標準装備化は、アルファード SタイプゴールドIIと共通です。
【トヨタ ヴェルファイア】消費税抜き価格表
グレード名 | 2WD | 4WD | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
GOLDEN EYES II(7人乗り) | 3,854,545円 | 4,086,364円 | ||||
HYBRID GOLDEN EYESⅡ(7人乗り) | 4,625,818円 |
【トヨタ ヴェルファイア】スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,935mm×1,850mm×1,935~1,950mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 3,000mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 1,970~2,150kg | |
WLTCモード燃費 | 10.6~14.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリン 2,493cc 直列4気筒ガソリンハイブリッド 2,493cc | |
駆動方式 | 2WD 4WD |
ヴェルファイアの中古車相場
2015年 トヨタ ヴェルファイア
ヴェルファイアのグレード体系は、2021年4月以降「GOLDEN EYES II」のみとなっていますが、それ以前は姉妹車のアルファード同様に幅広いラインナップを誇っていました。
新車ではもう手に入りませんが、中古車なら希望するグレードが探せる可能性があります。しかし、人気車種だけに中古車といえども高値となっていて、現行モデルがデビューした2015年式でも300万円を超える固体が珍しくありません。
なお、初代モデルになると大幅に価格が下がるので、格安なヴェルファイアを求めるなら初代モデルがおすすめです。
【トヨタ ヴェルファイア】中古車相場
生産期間 | 中古車平均価格(消費税込み) |
2019年12月~生産中(現行モデル) | 352.0万円 |
2019年10月~2019年11月生産モデル(現行モデル) | 415.2万円 |
2018年10月~2019年9月生産モデル(現行モデル) | 433.4万円 |
2017年12月~2018年9月生産モデル(現行モデル) | 411.2万円 |
2015年1月~2017年11月生産モデル(現行モデル) | 338.6万円 |
2014年4月~2014年12月生産モデル(初代モデル) | 197.5万円 |
2011年11月~2014年3月生産モデル(初代モデル) | 182.9万円 |
2008年5月~2011年10月生産モデル(初代モデル) | 117.3万円 |
(2021年4月現在レスポンス中古車検索より)
ヴェルファイアは絶対おすすめのミニバン
《画像提供:Response 》トヨタ ヴェルファイア(2018年型)
新車販売において、ヴェルファイアはアルファードに圧倒され、ついには特別仕様車の「GOLDEN EYES II」のみとなりましたが、けっしてヴェルファイアの魅力が失われたわけではありません。
アルファードの人気の一つでもあるフロントフェイスも、ヴェルファイアのほうがカッコいいと思う人も多いはず。しかも、これだけアルファードばかりが増殖したことで、ヴェルファイアのほうがが目立つこと間違いなしでしょう。
また、「GOLDEN EYES II」だけというのも、もっとも買い得感があるモデルなので問題はありません。ヴェルファイアは絶対おすすめのミニバンです!
販売台数が近年不調とはいえ、事実上のモノグレード仕様にまでラインナップが縮小されてしまうと、そろそろ噂される新型アルファードの登場時にはヴェルファイアはいないのではないかとも思えてきます。
この迫力デザインを新車で手に入れられるのも、もしかするとそう先が長くないのかもしれませんね。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ ヴェルファイア(2018年型)
今回はトヨタのミニバンヴェルファイアをご紹介しました。現在はアルファードの陰に隠れてしまっていますが、その存在感はアルファードを凌駕しています。特に男性ユーザーがミニバンを選ぶ際には依然として他を圧倒する魅力がありますね。