トヨタ パッソってどんな車?
≪写真提供:response≫トヨタ パッソ
近年では一般乗用車、大衆車として特に高い人気を集めているのがハッチバックスタイルのコンパクトカーです。かつて、ハッチバックの普通乗用車というとステーションワゴンタイプのものが多く、営業車というイメージを持たれがちでした。
しかし、90年代後半から2000年代に入るとスタイリッシュなスタイルのハッチバック車の人気が高まりはじめます。現在でも各メーカーの顔的な存在となっているトヨタ ヴィッツ(現ヤリス)、ホンダ フィット、マツダ デミオ(現マツダ2)、スズキ スイフトなどは幅広い世代に普段使いしやすい普通乗用車として受け入れられるようになったのです。
現在でもコンパクトハッチバックは各自動車メーカーの主力モデルとなっており、次々と新しいモデルが誕生しています。トヨタ パッソもそんなコンパクトハッチバックモデルのひとつです。
ここではまずパッソとはどんなモデルなのかをご紹介します。
■おしゃれでかわいいコンパクトカー
パッソはトヨタとダイハツの共同開発によって誕生したコンパクトカーです。比較的新しいモデルというイメージがありますが、その歴史は案外古く、初代モデルが登場したのは2004年です。
軽自動車の開発に強いダイハツとの共同開発だけあって、軽自動車並みの乗りやすさと普通車ならではの十分なパワーや広い車内空間を実現したモデルとして、発売当初から高い注目を集めました。おしゃれなデザインであるため女性からの人気が高まり、発売から1ヶ月で当初の目標台数の3倍以上にあたる25,000台を受注しています。
2代目パッソが登場したのは2010年のことで、当初のコンセプトを受け継ぎながらより女性目線のブラッシュアップが加えられています。デザインの面ではもちろんのこと、バックモニターやリバース連動ドアミラーなどを採用することによって、運転が苦手な方でも安心してハンドルを握ることができるモデルに仕上がっています。さらに、初代とほぼ同様の運転しやすいサイズをキープしながら車内空間はさらに広く確保されており、より魅力的なモデルとなりました。
現行モデルにあたる3代目パッソが登場したのは2016年です。こちらのモデルも基本的なコンセプトは初代から貫かれており、とても運転しやすいコンパクトハッチバックです。デザイン面ではさらに洗練されて都会的な印象に仕上がっています。
この世代からツートンカラーの選択が可能となっており、低価格なコンパクトカーという立ち位置のモデルでありながらまるで外車のようなおしゃれさと高級感を持ち合わせています。
パッソはダイハツとの共同開発によって開発されたモデルということもあって、ダイハツからもブーンという姉妹車が販売されています。プラットフォームは共通していますが、デザインなどが一部異なっており、好みによって選択できるようになっています。
現行モデルの登場から2021年ですでに5年が経過していることもありフルモデルチェンジも期待されていますが、現時点ではまだニューモデルの噂はありません。コンパクトカー市場はますます激戦化しているだけでなくSUVのスタイルのモデルの人気が高まっている影響もあり、開発の優先度がやや下がっている可能性もあります。
とはいえ、パッソはトヨタでもっともリーズナブルな価格帯のモデルということもあって人気は高く、まだまだ現役で販売が継続されることが予想されています。
■運転しやすいサイズ感
≪写真提供:response≫トヨタ パッソ インテリア
パッソの最大の魅力はやはり運転しやすいサイズ感でしょう。サイズとしては普通車であり、十分な車内空間の広さを確保していますが、運転のしやすさは軽自動車並みです。小回りも利くので、軽自動車のサイズやパワーに不満を抱いているものの大きな車は乗りにくいと考えている方にとってベストな選択肢のひとつです。
特に、近年ではコンパクトカーも大型化が進んでいます。従来は5ナンバーサイズに抑えられたものがコンパクトカーと呼ばれていましたが、最近では一部のモデルではよりワイドボディを採用することで3ナンバーサイズになったものも少なくありません。そう考えると、コンパクトカーの基本コンセプトを守り抜いている貴重な選択肢であると言えるかもしれません。
非常に運転しやすいことから軽自動車からの乗り換えユーザーにも人気です。
■独特のスタイリングと豊富なカラーバリエーション
近年のコンパクトカーは車内空間の広さを確保するために全高が高いモデルが増えています。そんな中、パッソはあえて全高を抑えることによってスタイリッシュなシルエットに仕上がっています。
さらに、現行の3代目からツートンカラーも選択可能となったことによって、ミニクーパーを思わせるおしゃれなモデルに仕上がっています。低価格帯に分類されるモデルですが、デザインにこだわりを感じます。
また、2代目以降のパッソは女性ユーザーを強く意識していることもあって、カラーバリエーションがとても豊富。ボディのシルエットがシンプルなのでカラーによって印象は大きく変わるので、好みに合わせてさまざまなカラーから選択できるのは大きな魅力となっています。
■サイズ感を超える使いやすいラゲッジスペース
パッソはコンパクトカーでも小さめのボディを採用したモデルとなっていますが、十分な広さのラゲッジスペースを確保しています。
サイズ的に大型の荷物の積み込みは難しいですが、日常の買い物やレジャーなどで困ることはないでしょう。
トヨタ パッソのメリット・デメリット
≪写真提供:response≫トヨタ パッソ
パッソはコンパクトなサイズと魅力的なデザインで人気を集めているモデルですが、いくつかのメリットとデメリットがあります。
ここではそれぞれを詳しくご紹介します。
■パッソのメリット
パッソには多くのメリットがありますが、なかでも注目したいのは価格です。各グレードの詳細な価格について詳しくは後述しますが、ベースグレードであれば一般的な軽自動車よりも安価なので、予算に限りがある方にとっては魅力的な選択肢となっています。
近年ではコンパクトカーでもプレミアム感を重視して強気な価格設定となっているモデルが増えていることもあって、パッソのコストパフォーマンスの高さがより際立っています。
この点に関してはすでに触れましたが、やはりコンパクトなサイズはパッソの大きなメリットです。サイズが大きな車はその分だけ車内空間を広く確保できるというメリットがありますが、その分だけ運転しにくくなってしまいます。
また、車体の重量も重くなりますので走行性能や燃費にも悪影響を及ぼします。その点、パッソはサイズをコンパクトに抑えることによってとても運転しやすいように仕上げられています。
■パッソのデメリット
パッソのデメリットとしてまず挙げられるのは加速性能の低さです。もともと、スポーティな走行を想定して作られたモデルではないため加速力に不満を感じてしまうユーザーは多いようです。
この点に関しては価格や燃費性能などを重視して1LのNAエンジンモデルのみしか設定されていないことが影響しています。「せめてターボモデルが選択できれば…」という声も聞かれます。ただ、極端に遅いというわけではなく日常の足として使用するのみであればそれほど不満を感じることはないでしょう。
インテリアのチープさもデメリットのひとつです。この価格帯のモデルとしては、エクステリアは高級感がありとても魅力的に仕上がっていますが、インテリアとのギャップにちょっとがっかりしてしまうかもしれません。多くのパーツがプラスチック感が強くどうしてもチープな印象を受けてしまいます。この点に関しては、価格帯を考えると仕方ないのかもしれません。
後部座席の狭さもデメリットに感じる方は多いでしょう。サイズがコンパクトであることはパッソのメリットのひとつですが、その分だけ後部座席が犠牲になっています。もちろん、大人が乗れないほど狭いというわけではありませんが、足元のスペースにはあまり余裕があるわけではないので大柄な方が乗ると窮屈に感じられるかもしれません。
トヨタ パッソの価格、燃費は?
≪写真提供:response≫トヨタ パッソ
パッソの購入を検討する際に重要となるのはやはりコストパフォーマンスです。
そこで、ここではパッソの価格や燃費などをご紹介します。
■グレード別の新車価格
パッソのエントリーモデルにあたる「X2WD」は1,150,000円(税抜)となっています。ミドルグレードにあたる「MODA 2WD」は1,420,000円(税抜)です。そして最上位グレードにあたる「MODA “Gパッケージ” 2WD」が1,570,000円(税抜)です。4WDモデルもそれぞれのグレードに用意されておりそれぞれ10〜20万円アップとなります。
近年ではミドルグレードで車体価格が150〜200万円の軽自動車も増えていることを考えるとパッソはとてもコストパフォーマンスの高いモデルであると言えるでしょう。
※情報は公式サイトより(2021年5月時点)
ガソリン
X (エントリーモデル) | 2WD:1,150,000円 4WD:1,310,000円 |
X“L package” | 2WD:1,250,000円 4WD:1,410,000円 |
MODA | 2WD:1,420,000円 4WD:1,580,000円 |
MODA“G package” | 2WD:1,570,000円 4WD:1,730,000円 |
特別仕様車
MODA“Charm” | 2WD:1,470,000円 4WD:1,630,000円 |
※情報は2021年5月現在 トヨタ公式サイトより
※価格はすべて税抜き価格です
■パッソの中古車市場価格
パッソは発売から期間が経過していることもあって、中古車市場には多くの台数が出回っています。
現行モデルも発売からすでに5年ほどが経過しているので、カラーやグレードにこだわらないのであれば50万円台からでも購入可能です。
■パッソの燃費
パッソの2WDモデルの燃費はWLTCモードで21.0km/Lとなっています。4WDモデルでも19.0Km/Lです。
ハイブリッドではないガソリンエンジンモデルとしては非常に優秀な燃費性能であると言えるでしょう。
まとめ
≪写真提供:response≫トヨタ パッソ
パッソはトヨタの人気コンパクトハッチバックのひとつで、非常にコストパフォーマンスに優れたモデルです。また、サイズも小さめに抑えられていますので、運転しやすく軽自動車からの乗り換えにもおすすめの1台となっています。
ただし、そのコンパクトさゆえのデメリットも少なくないので購入を検討する際にはしっかりと頭に入れておきましょう。