トップへ戻る

走行距離課税(走行税)はいつから実施?仕組みや海外で導入している内容についても解説!

走行距離課税(走行税)はいつから実施?仕組みや海外で導入している内容についても解説!

毎年5月になると送られてくる自動車税の納付書。家計の出費が増え、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。そんな自動車税に、「走行距離課税(走行税)」という新しい税制が導入される可能性があると話題になっています。ネット上では、「誰が言い出したのか」「いつから始まるのか」「また出費が増える」など、新しい税制が導入されるかもしれないことについて、不安の声も多いようです。今回は「走行距離課税」について、いま分かっていることや今後の見通しについて解説します。

[PR]本ページはプロモーションが含まれています
⏳この記事は約3~4分で読めます。


  • カービュー査定

走行距離課税(走行税)とは?

走行距離課税(走行税)とは、車の走行距離に応じて税額が決まるものです。

自動車税は、車の排気量に応じて課税されます。しかし近年、電気自動車や燃料電池車、ハイブリッド車のような排気量の小さい車が売上を伸ばしています。こうした「エコカー」は燃費が良く、ガソリン税による税収もかつてほど望めない傾向にあります。

また、カーシェアリングの普及により、自動車保有台数が減少傾向にあることもあり、従来の課税方法では今後の税収の確保が難しい状況です。

このような状況をふまえ、政府は車が走行した距離に応じて課税する「走行距離課税」の導入を検討し始めました。この制度が実現すれば、自動車の排気量やエコカー、二輪車などに関係なく、走行距離に応じた一律の課税が行われる可能性があります。

■走行距離課税(走行税)の仕組み

気になるのは、税額を決定する車の走行距離がどのように測定されるのか、という点です。

日本に先行して走行距離課税を導入している諸外国では、GPSやオドメーターを使って測定した走行距離をもとに課税を行う取り組みが実施されています。

一方、日本にあてはめて考えた場合、まずGPSが付いたカーナビやドライブレコーダーの設置が一律で義務付けられているわけではなく、これらを税額算出の基準とするのは難しい状況といえます。

また、累計走行距離が表示されている「オドメーター」は、車検のたびに確認され、車検証にもその数値が記載されますが、メーターを交換すれば実際の走行距離とは異なる数値の表示が簡単にできてしまのが実情です。

一部では、専門的な知識を持つ業者が、中古車の市場価値を高く偽るためにオドメーターの数値を改ざんするケースが昔から後を絶たず、不正を防ぐためにはしっかりとした対策を講じる必要があるでしょう。

走行距離課税(走行税)が検討されている理由

走行距離課税の根拠となるのは、車が走行すると道路が傷むため、その補修にかかるコストを車の走行距離に応じて負担し合うという受益者負担の考えです。

これまで、車の走行距離を国が一元的に管理することは困難だったため、かわりに燃料の消費量で車の使用頻度を計り、燃料を多く使う人ほど税を多く納めるという形で受益者負担を実現してきました。距離が延びるほど使用する燃料が増えるのはもちろん、燃費の悪い車は重量がかさむ車に多い傾向があり、すなわち路面に与えるダメージも大きいという論理です。

しかしながら、近年では燃費が良いハイブリッド車や、そもそも燃料を必要としない電気自動車などが増加し、将来的に燃料による税収を確保することが難しくなると予想されています。

そのため、ガソリン税に代わる税収として走行距離に応じた課税制度を導入し、財源を確保しようという試みが行われているのです。

走行距離課税(走行税)はいつから始まるか?

日本において、走行距離課税は以前から検討されてきましたが、現時点で明確な開始時期は示されていません。

ひとつの目安として有力視されているのが、2020年に政府が策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」です。この取り組みでは、2035年までに新車販売される乗用車を、すべて電気自動車とする目標を掲げています。

ガソリン税に代わる税収の確保という観点から考えると、この目標達成時期と前後する2030年ごろに施行されるのではないかと言われていますが、現実的には、後述するようなさまざまな課題が残されており、解決にはまだ時間がかかることも予想されます。

走行距離課税(走行税)をすぐに導入できない問題

走行距離課税が導入された場合、単純に走行距離がかさめばかさむほど税額が上がります。そのため、物流業や運送業など、長距離移動が必要な業種では、コストの増加が避けられません。その結果、輸送費や運賃の上昇につながる可能性があります。

また、地方都市など、自動車への依存度が高い地域の住民に負担が集中することを懸念する声もあがっています。特に、ガソリン車を使用する立場からは、燃料税と走行距離課税の並行実施は、二重課税にあたるのではないかという指摘も。

そもそも、走行距離の把握をどのように行うのか、その方法にも課題があります。一個人の移動を記録するということになれば、プライバシーの保護やデータの管理方法について十分な検討が必要です。

このように走行距離課税の導入にあたっては、さまざまな面での課題が存在しています。

走行距離課税(走行税)を導入している国

諸外国の中には、走行距離に応じた課税制度をすでに導入している国があり、国によって課税方法や対象となる車種も様々です。それぞれどのような取り組みが行われているのでしょうか。

■ニュージーランド

課税対象となるのは、軽油を使用するディーゼル車や大型車が対象。車種によって金額が約90種類に細かく分かれており、例えば、小型のバスであれば1,000kmごとに日本円換算で約5,000円課税されます。走行距離は1,000キロ単位で事前申告し、超過した場合はあらためて申告が必要な仕組みとなっています。

■アメリカ(オレゴン州)

米国で有名なのが、オレゴン州の「OreGO(オレゴー)」です。走行距離はマイレージレポートデバイスという走行距離報告装置で集計され、1マイル(約1.6km)あたり1.9セント、課税されます。

■ドイツ

ドイツでは、今後乗用車にも拡大予定ではあるものの、現時点では7.5トン以上の大型トラックに限定し走行距離課税が行われています。対象の車両にはGPS付きの専用車載器を設置し、課税額が算出される仕組みです。

■フランス

フランスでは、3.5トン以上の重量貨物トラックを対象に、「エコタックス」と呼ばれる走行距離課税の導入が検討されていました。フランス国内で登録されている3.5トン以上のトラックにGPS車載器の搭載を義務付け、約4キロごとに課金するというものでした。しかし、主に運送業界からの反発が強く、実施か見送りかで議論が交わされた結果、廃案となりました。

まとめ

脱炭素社会の実現に向けて、世界各国が内燃機関を使用した自動車からの脱却を計る中、これまでのように燃料の使用量に応じた税負担の按分が難しくなってきました。走行距離課税は、ガソリン車や大排気量車に税の負担が集中し、エコカーが優遇されている現在の税制度を是正するための一つの解決策として生み出されたものです。

ただ一方で、一律に走行距離に応じた課税を行った場合、運送業・物流業のコスト増加や地方都市への負担増、ガソリン税との二重課税への懸念など、解決すべき課題が多く残されています。道路維持整備のための財源を安定して確保するために、実情に合わせた制度設計がどのように行われるのか、今後の動きに注目したいところです。

よくある質問

■走行距離課税(走行税)は誰が言い出したのか?

走行距離課税(走行税)は以前から検討されてきた制度でしたが、昨今話題となるきっかけとなったのが、2022年10月に開催された参議院予算委員会における鈴木俊一財務大臣の答弁でした。また、同月に開催された「政府税制調査会」の第20回総会においても審議が行われました。

■走行距離課税(走行税)のメリット・デメリット

走行距離課税(走行税)のメリットは、ガソリン車やハイブリッド車、電気自動車など内燃機関の種類に関係なく、道路の使用量に応じて負担の按分ができること。

ガソリンを使用しない電気自動車や使用量の少ないハイブリッド車の増加に伴い、安定した道路維持管理のための財源確保が根底の考えとして存在します。

しかしながら、運送業や物流業など長距離移動を必要とする事業者や、自動車への依存度が高い地方都市の生活への影響がデメリットとして懸念されており、導入を危惧する声も多く寄せられています。

自動車税についてこちらもおすすめ!

Googleでカーナリズムをフォロー!

カーナリズムをGoogleで優先するソースとして追加(新しいタブで開きます)
  • カービュー査定

❄ スタッドレスタイヤの準備はお済みですか?

レスポンス・カーナリズムと同じイードが運営するタイヤ通販「CARTUNEタイヤ」。1本から購入でき、取付店への直送もOK。サイズを選んで在庫と価格をチェック。

CARTUNEタイヤでサイズ・メーカーから探す ▶

関連するキーワード


走行距離税 走行税 税金

関連する投稿


自動車税の支払い期限はいつまで?支払い方法や期限切れの対応方法まとめ

自動車税の支払い期限はいつまで?支払い方法や期限切れの対応方法まとめ

春になり暖かくなってくると入学や就職、新学期シーズン。引っ越しなども増え、なにかと支出も増える時期でもありますね。このシーズン、自動車をお持ちの方、また購入を検討中の方にとって覚えておかなければいけないのが自動車税です。これから自動車税を支払う予定の方のために、その支払い方法や期限などについて、詳しく解説していきます。


軽自動車にかかる税金は?納税額や必要な費用を解説

軽自動車にかかる税金は?納税額や必要な費用を解説

コンパクトで街中でも運転しやすい軽自動車は、税金も安いことから維持もしやすいです。安いとはいっても軽自動車の税金がどのくらいだったのか、覚えていない方もおられます。この記事では、軽自動車にかかる税金や納税時期などをご紹介します。


走行税とは?基礎知識やメリットとデメリット、今後について解説

走行税とは?基礎知識やメリットとデメリット、今後について解説

現在の自動車税に代わって、走った分だけ課税する「走行税」の導入が議論されています。走行税とはどのような制度なのか、導入されるとどのくらい負担が増えるのか知りたいという方もいるのではないでしょうか。日常的に車に乗る方や仕事で車を扱う方は、負担が大幅に増える可能性もあります。そこで今回は、走行税の基礎知識やメリットとデメリット、今後の展望について詳しく解説します。


【最新版】自動車税のお得な納付方法でポイントを貯めよう!

【最新版】自動車税のお得な納付方法でポイントを貯めよう!

5月になると届く自動車税の納付書。自動車をお持ちの方にとっては、仕方ないとはいえ地味に痛い出費なのではないでしょうか。本記事ではそんな自動車税を少しでもおトクに納付してポイントを貯めるやり方をまとめています。(※5月7日更新しました)


【税金】払い忘れにご用心!自動車税のキホンを教えます!

【税金】払い忘れにご用心!自動車税のキホンを教えます!

自動車には多様な税金が課せられていますよね。今回紹介する自動車税はその一つです。所有している自動車の総排気量や年式などで税額が変化したり、納税しないと最悪差し押さえになるなど、押さえておきたいポイントがいくつかあります。充実したカーライフを送るためにも、自動車税の仕組みを改めて確認しておきましょう!


最新の投稿


ポルシェ「ミッションS」世界初公開!911の上を担うミッドシップ構想、室内は大画面より運転に集中

ポルシェ「ミッションS」世界初公開!911の上を担うミッドシップ構想、室内は大画面より運転に集中

ポルシェは2026年10月15日、ビジョンモデル「ミッションS」をニューヨークで公開しました。歴代スポーツカーの意匠を受け継ぎながら、911より上に位置するミッドシップ車の将来像を提示。アナログとデジタルを組み合わせた運転席も見どころです。


フォロフライ「F11VS」に背の高い荷物を積める新仕様!3人乗りミドルルーフ、荷室を約11%拡大

フォロフライ「F11VS」に背の高い荷物を積める新仕様!3人乗りミドルルーフ、荷室を約11%拡大

フォロフライは2026年10月15日、商用EV「F11VS」に3人乗りミドルルーフ仕様を追加し、受注を開始しました。荷室の高さを150mm広げ、容積は約7.0立方メートルへ拡大。ハンガーに掛けた衣類や、かさばる荷物を運びやすくした1トン積載のEVバンです。


マセラティ「グラントゥーリズモ」に日本限定2台の黒い特別車!ネロ・インフィニート、2377万円

マセラティ「グラントゥーリズモ」に日本限定2台の黒い特別車!ネロ・インフィニート、2377万円

マセラティは2026年10月15日、日本限定車「グラントゥーリズモ ネロ・インフィニート」を発表しました。メタリックブラックの外観に、黒いレザーやカーボンを組み合わせた2台限定の特別仕様。現行モデルをベースとする最後の日本限定特別仕様車と位置づけています。


中型バイクのおすすめは?2026年に新車で買える18台と種類・維持費

中型バイクのおすすめは?2026年に新車で買える18台と種類・維持費

普通二輪免許を取って最初の1台を考え始めると、250ccにするか400ccにするか、ネイキッドかクルーザーかと迷いますよね。車検や税金がどれくらい違うのかも、気になるところではないでしょうか。中型バイクは125cc超400cc以下のバイクの呼び名で、250cc以下なら車検がなく、維持費を抑えられるのが特長です。走りたい場所や乗り方からタイプを決め、足つきと重さで絞り込んでいけば、自分に合う1台が見つかるでしょう。この記事では、中型バイクの排気量と免許、維持費、種類と選び方、2026年に新車で買えるおすすめ18台について解説します。


テスラ「新型ロードスター」発表!路面に吸い付くEVスポーツ、1人乗りのロケット仕様も設定

テスラ「新型ロードスター」発表!路面に吸い付くEVスポーツ、1人乗りのロケット仕様も設定

テスラは2026年10月15日(現地時間)、新型「ロードスター」を発表しました。ファンによる吸引機構と可動式エアロを備え、公道向けの2人乗りからスラスター搭載仕様まで展開。招待制の「ロケット」は、公道走行の認可を受けていない1人乗り仕様です。