2024年10月はどんな軽自動車が売れた?
《画像提供:Response》〈写真提供:スバル〉スバル・シフォントライ(プロトタイプ)
2024年10月は、9月にSUVテイストをもたせた軽スーパーハイトワゴン、ホンダ「N-BOX JOY」、スズキ「スペーシア ギア」が発売されたこともあり、同車のジャンルのOEM車であるスバル「シフォン トライ」や、マツダ「フレアワゴン」も発売され各社の軽スーパーハイトワゴンSUVが出揃いました。
また、ダイハツ「タント」やトヨタ「ピクシス エポック」の一部改良が発表されましたが、今すぐにランキングに大きな影響を与えるということはなさそうです。前述の軽スーパーハイトワゴンSUV については、「N-BOX」、「スペーシア」のシリーズ車種なので、それぞれの販売台数に影響を与えます。
2024年10月の軽自動車販売台数ランキングには早くもその影響はあったのでしょうか。見ていきましょう。
■圧倒的すぎるN-BOXの販売台数
《画像提供:Response》〈写真提供:スズキ〉スズキ スペーシアギア
2024年5月のランキングで、2年間連続で1位となったホンダ「N-BOX」がスズキ「スペーシア」に敗れ2位となり、その後6月であっという間に首位を再び取り戻してからはや4ヶ月、取り戻したその地位を明け渡すことなく10月のランキングでも1位となりました。
やはりN-BOXの圧倒的な人気を打ち崩すのは難しそうで、販売台数は16,821台と、2位となるスペーシアの14,234台に対し2,000台を超える差を見せており、なかなか逆転の機会を与えてくれません。
直近ではスペーシアにはスペーシアギアが、N-BOXにはN-BOX JOYが登場し、SUVテイストモデルの追加が行われ、その戦いに注目が集まっていましたが、状況を変えることはできなかったようです。
ただ、N-BOXの前年比は91.0%とここしばらく100%を下回った状態が続く一方で、スペーシアは、前年比139%と、ずっと130%超えが続いており、販売台数の高まりが見られます。長い目で見ていけば、いつの日か逆転することもありそうです。
3位は、5月から引き続きダイハツの軽スーパーハイトワゴン「タント」となりました。不正問題により大きく沈んでいた同車ですが、この地位を維持し続けています。
前年比は55.1%と50%ほどの状態が続きますが、逆に言えば、伸びしろも大きいということでしょう。新たな改良など、商品力向上に期待がかかります。
4位も相変わらず常連のスズキ「ハスラー」。一部改良や魅力的な特別仕様車の追加も続けられており、前年比も116.4%とここ数ヶ月調子を崩さずずっと好調です。
ここまでの1〜4位の順位は、先月だけでなくここ数ヶ月ずっと変わらない状況。しかし、今月も5位以下には変化がありました。
5位には7位から上昇したダイハツ「タフト」がランクイン。先月は9月から7位に上昇しており、ここ数ヶ月その地位を高めています。
ライバルであるハスラーに対して1,000台近い販売台数の違いがありますが、少しづつ近づいている様子、前年比は64.6%とままだまだ回復してないようで、改良など今後のテコ入れ次第では逆転の可能性もあるかもしれません。
6位には、先月に引き続きスズキ「ワゴンR」が収まりました。前年比も110.9%とずっと同様で、引き続き安定した伸びを見せています。長く展開されるブランドだけに安定的な人気があるようです。
7位には、9位から上昇したスズキ「アルト」がランクイン。約100万円で買える新車最安級のモデルなだけに、その人気の根強さはライバル車種の追従を許さない状況となっています。
8位には、12位から上がってきたダイハツ「ムーブ」が登場。ですがムーブは、8位と12位の間を上がったり下がったりしているほか、前年比も29.9%とかなり厳しい展開が続いています。
前年比がかなり低いということはポテンシャルもあるということ、長年展開されているモデルでもあるので、フルモデルチェンジなど大幅な改良に期待が膨らみます。
このほか15位にはランク外から上がってきたスズキ「エブリイワゴン」が登場。前年比も104%と堅調で、今後もランキングにとどまるかもしれません。
■下落を続ける日産「ルークス」
《画像提供:Response》〈写真提供:日産自動車〉日産・デイズ ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション
10月のランキングでは、1位〜4位の上位陣にいつも通りほとんど順位の変化が見られませんでした。また大きく下落したクルマもほとんどありませんが、5位から9位に日産「ルークス」が転落。N-BOXやタント、スペーシアといった軽スーパーハイトワゴンの強力なライバルに押されているようです。
また兄弟車的な存在となる三菱「デリカミニ/eK」も、8位から10位に降格。前年比は163.5%とかなり好調ではあるのですが、ライバルたちもSUVテイストを持ったモデルたちの新型モデルが出揃ってしまったため、販売台数の面では厳しい状況となっているようです。
さらに、10位から13位に日産「デイズ」も降格。日産系列の軽自動車に暗雲が立ち込めています。
軽スーパーハイトワゴンSUV出揃うもあまり状況は変わらず
《画像提供:Response》〈APOLLO NEWS SERVICE〉ダイハツ ムーヴ 次期型 予想CG
ここ数ヶ月巻き起こった、ダイハツの不正問題からの回復が及ぼす変化が少なくなっていましたが、10月ではさらなる復調が見られました。
しかし、まだまだ前年比は総じて100%を大きく割っている状態が続いています。同問題で止まっているであろう新車の開発が再開され、新たな新モデルが投入されれば、ライバルたちを脅かす存在となりそうです。
そして、新型スペーシアギアや、新型N-BOX JOYなど、近頃人気の“軽スーパーハイトワゴンのSUVモデル”が、出揃いましたが、順位の変動にはあまり寄与していないようです。まだ出たての車ではあるので、今後の状況はまだまだ期待できるかもしれません。11月のランキングにも注目です。
2024年10月 軽自動車 車種名別順位
順位 | 前月順位 | ブランド通称名 | メーカー | 台数 | 前年比 |
---|---|---|---|---|---|
1(ー) | 1 | N-BOX | ホンダ | 16,821 | 91.0 |
2(ー) | 2 | スペーシア | スズキ | 14,234 | 139.0 |
3(ー) | 3 | タント | ダイハツ | 10,609 | 55.1 |
4(ー) | 4 | ハスラー | スズキ | 7,763 | 116.4 |
5(↑) | 7 | タフト | ダイハツ | 6,825 | 64.6 |
6(ー) | 6 | ワゴンR | スズキ | 6,070 | 110.9 |
7(↑) | 9 | アルト | スズキ | 5,348 | 98.4 |
8(↑) | 12 | ムーヴ | ダイハツ | 5,194 | 29.9 |
9(↓) | 5 | ルークス | 日産 | 4,915 | 101.9 |
10(↓) | 8 | デリカミニ/eK | 三菱 | 4,590 | 163.5 |
11(ー) | 11 | ミラ | ダイハツ | 4,265 | 65.7 |
12(↑) | 13 | ジムニー | スズキ | 3,551 | 102.9 |
13(↓)/td> | 10 | デイズ | 日産 | 3,433 | 135.7 |
14(ー) | 14 | N-WGN | ホンダ | 2,661 | 88.2 |
15(↑) | ー | エブリイワゴン | スズキ | 1,734 | 104.3 |
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