ポルシェ 718 スパイダーRSとは? その概要と特別な立ち位置

ポルシェ718 スパイダー RSは、クローズドモデルである718ケイマンGT4 RSと対をなすオープントップモデルです。
このモデルは、911 GT3から受け継いだ高回転の自然吸気エンジンを搭載した初のオープントップミッドエンジンスポーツカーという特別な立ち位置にあります。
ボクスターのコンセプトカー発表から30年という節目に登場した718 スパイダーRSは、人気の高いミッドエンジンロードスターの最強バージョンであり、最高のドライビングプレジャーを提供するスポーツカーとして誕生しました。
デザイン:機能性が生んだRSならではの造形美

718 スパイダーRSのデザインは、徹底的な軽量構造と機能性が追求されています
インテリアは,人間工学に基づき機能的に不可欠なものだけに切り詰められており、運転席と助手席には軽量なカーボン製のフルバケットシートを採用。
軽いだけでなく、カーブなどで強い力がかかった時でも、体がぶれないようにサポートしてくれます。
特徴的なのが、手動で扱う軽量なソフトトップです。
このソフトトップは、屋根にあたる部分(サンセイル)と、後方の風よけ(ウェザーディフレクター)の2つのパーツに分かれています。天候や好みに合わせて、両方のパーツを取り外すことも、どちらか一方だけを取り外すことも可能です。
インテリアも、スポーティなデザインが際立っています。
シートカバーにはレザーが使われ、座面の中央部分には、通気性を高めるための小さな穴が開けられた黒い「Race-Tex」という特別な素材を採用。さらに、ヘッドレストには「Spyder RS」のロゴが刺繍されており、ダッシュボードやドアの内張りなども革で仕上げられることで、全体としてスポーティな雰囲気を高めています。
オプションパッケージであるヴァイザッハ パッケージでは、ヘッドレストに「WEISSARCH RS」のステッチが施されます。
パフォーマンス:GT3譲りのエンジンと研ぎ澄まされたシャシー

718 スパイダーRSのパフォーマンスは、911 GT3から導き出された高回転自然吸気エンジンが核となっています。
この4.0リッター6気筒水平対向エンジンは、最高回転数9,000r/min、最高出力368kW(500PS)、最大トルク450Nmを発生。GT3由来のエンジンと軽量化により、圧倒的な加速性能を実現しています。
足回り(シャシー)には、高性能モデルである718 ケイマンGT4 RSや718 スパイダーから受け継いだ優れた部品を使用。そのため、カーブが続くような道(ワインディングロード)で、運転する楽しさを味わえます。
ドライビングエクスペリエンス:五感を刺激するオープンエアとRSの走り

718 スパイダーRSは、オープンカーならではの楽しさをこれまでとは違う次元へと引き上げてくれます。その最大の魅力の一つが、まるでレーシングカーのような高回転エンジンが奏でる迫力あるサウンドです。
この素晴らしいエンジンサウンドを存分に味わえるように、エンジンに空気を送るための吸気口(インレット)が、カーボンファイバー製で運転席と助手席のすぐ後ろ、ちょうど耳に近い位置に設けられています。
これにより、力強い吸気音までもダイレクトに感じることができます。さらに、あえてシンプルな手動式の軽い幌(ソフトトップ)を採用している点や、標準装備されている軽量なスポーツエキゾーストシステム(排気管)も、魅力的なサウンドを響かせる要因となっています。
これらの要素が組み合わさることで、他では決して味わうことのできない、格別なサウンド体験が生まれるのです。
まとめ:ポルシェ 718 スパイダーRSはどんな人におすすめか?

ポルシェ 718 スパイダーRSは、何よりもまず運転そのものが大好きで、車との一体感を深く追求する純粋なドライバーに特におすすめしたい一台です。
最高のエンジンサウンドとレーシングカー譲りの鋭いハンドリング性能を、オープンカーならではの開放的な空気の中で心ゆくまで味わいたい、という願いを完璧に満たしてくれるでしょう。
五感を強く刺激するサウンド、軽量ボディならではの一体感、そしてオープンエアの爽快感を融合させた複合的で豊かなドライビング体験を提供します。
最高のパフォーマンスと、混じり気のないオープンエア体験という、ある種の究極の組み合わせを求めるドライバーにとって、この上なく魅力的な一台といえるでしょう。