アウディ、完全自動運転車を発表「レベル4」と「レベル5」
アウディは、9月12日から開幕していたフランクフルトモーターショー2017にて、2台のコンセプトカーを初公開しました。
■「レベル4」の完全自動運転車!アウディのSUVクーペ「エレーヌ」
2台のコンセプトカーのうちの1台は、「レベル4」の完全自動運転車です。名前は「エレーヌ」。
『e-tronスポーツバックコンセプト』がベースで、全長4900mmのSUVクーペになっています。
パワートレインはEV。3個のモーターがトータル出力503hpを引き出し、4輪を駆動します。
自動運転技術に関しては、自動運転制御ユニットの「zFAS」の次世代版を搭載。
また、130km/hを上限に、ドライバーの運転タスクを引き継ぎ、自動で車線変更を行う「ハイウェイパイロット」も採用します。
この、エレーヌは、具体的にどこまで自動化されているのか、というと、
「アウディAI」により、ドライバーが既定のエリア内で車を降りると、そこから先は、車がドライバーなしで自律的に走行して、立体駐車場の建物の中で空いている駐車スペースを見つけて停まり、また洗車場、荷物受け渡し場、充電ステーションなどを見つけ、サービスを自動的に受けられる、というレベル。
まさに「レベル4」の高度な自動運転を実現するコンセプトカーだと言えます。
■アウディの自動運転車、エレーヌ。大容量のバッテリー搭載
フロントアクスルに1個、リアアクスルに2個の合計3個のモーターは、最大出力435hp。
ブーストモードでは、最大出力が503hpへ引き上げられ、0~100km/h加速4.5秒の性能を発揮します。
バッテリー(二次電池)は、蓄電容量95kWhと大容量。
1回の充電で、最大500kmの航続を備えています。
ホンダも、レベル4の自動運転実用化を目指す。目標は2025年
もちろん、日本でも各メーカー、完全自動運転の実用化を目指して日夜研究が進められています。
例を挙げると、ホンダの場合は、先ほどのアウディ、エレーヌと同じ自動運転のレベル4を2025年に技術的に確立することを目指します。
※ちなみに、レベル4とは、車両がほとんどの運転操作を行ってくれるレベルです。
ホンダは6月8日、現在開発を進めている自動運転について、2025年頃をめどに、「レベル4」の技術的な確立を目指すと発表した。
米国の自動車技術者協会のSAEは、ゼロから5までの6段階の能力に基づいて、自動運転のレベルを定義づけ。SAEのレベル4とは、ドライバーが制御を再開する必要がある場合を除いて、ほとんどの運転状況において、車両がドライバーに代わって運転操作を行うことを意味する。
ホンダは2020年に高速道路での自動運転技術を実現し、その後一般道に拡大する計画。高速道路での自動運転は、複数車線での自動走行を可能とするドライバーの指示が不要な自動車線変更機能や、渋滞時にドライバーが周辺監視を行う必要がない自動運転の実用化を目指している。
そして、アウディは「レベル5」へ。完全自動運転車AICON発表
もう1台のコンセプトカーが、現在最高レベルと言われる「レベル5」の完全自動運転車であるAICON(アイコン)。
長距離走行を想定したDセグメントに属するフルサイズのEVとなります。
4個のモーターを搭載し、1回の充電での航続は700~800kmと長いことも特徴。
レベル5では、ドライバーは運転タスクを完全に車両に任せることになります。
このコンセプトカーでは、ドライバーは運転操作を行わないため、アウディによると、コネクテッド、コミュニケーション、操作性の面で多くの新機能を盛り込む予定です。
■アウディのAIKON(アイコン)ボディサイズは?
アイコンのボディサイズは、全長5444mm×全幅2100mm×全高1506mm、ホイールベース3470mmという大きさ。
ホイールベースは新型『A8』のロングボディよりも、240mm長くなっています。
インテリアにはステアリングホイールやペダル類がなく、未来の自動運転車のひとつの形を示すものとしています。
■アウディの自動運転EV AIKON(アイコン)航続距離は800km
アイコンは、4つのモーターにより最大出力354hp、最大トルク56.1kgmを発揮する電気自動車。各モーターが4輪それぞれを駆動する電子制御の可変式クワトロを採用。
リチウムイオンバッテリーよりも大幅にエネルギー容量の大きなソリッドボディの全固体電池を搭載し、1回の充電での航続は800km以上です。
最後に
2017年になって「レベル3の自動運転が実用化スタート!」と騒がれていた自動運転車ですが、続々と「レベル4」「レベル5」の自動車が開発されています。
車購入の際に「完全な自動運転車を購入する」という選択肢が増えるのも、そう遠くないことなのかもしれませんね。