検査標章(車検シール・ステッカー)とは
検査標章とは、車検を通過すると貰えるシール(以下車検シール)のことで、車が保安基準に適合すると交付されます。
車検シールをフロントガラスに貼りつけて表示することによって、自動車検査証の有効期間が満了する時期を示しています。
■車検シールは2種類
車検シールには軽自動車用と普通乗用車用の2種類あり、軽自動車用は黄色、普通乗用車用は青色です。
軽自動車用の車検シール
車検シール
普通乗用車用の車検シール
車検シール
普通乗用車用の新デザイン車検シールは、枠がなくなり視認性が向上
普通乗用車用の車検シールは2017年1月からデザインが変更されました。
旧デザインと新デザインの違いについて紹介します。
■以前の普通乗用車用車検シールのデザイン 2004年~2016年12月
画像は2017年以前の普通乗用車用、車検標章のモノクロ画像です
上記の画像は2004年から使用されていた普通乗用車用車検シールのデザインです。
この時からMOTAS(自動車登録検査業務電子情報処理システム)を使って印刷される方式に変更になり、自動車のフロントガラス用の車検シールがバイクのナンバープレート用のシールと同じサイズになりました。
その結果、文字部分が3cm×3cm、透明な枠が1cm×1cmと文字部分が小さいために視認性が低いという意見があがっていました。
■普通乗用車用車検シールの新デザイン 2017年1月~
上記の画像が2017年1月からの新デザインの車検シールです。
サイズは2004年のデザインと同じく4cm×4cmですが、透明な枠がなくなり、文字が目一杯に記載されたことで視認性が向上しました。
車検シールの貼り方と貼る場所は?
次に、車検シールの貼り方と、貼る場所について紹介します。
■軽自動車用と普通自動車用の車検シールの貼り方
フロントガラスに貼る車検シール、失敗してしまった…。という方も中にはいらっしゃるかと思います。
下記は車検専門チェーン「コバック」が公開している、車検シールの貼り方の動画です。
軽自動車用の車検シールの貼り方(0:36秒~)と、普通乗用車用の車検シールの貼り方(1:40秒~)を紹介していて、参考になるのでぜひご覧ください。
■車検シールを貼る場所
車検シールはフロントガラスの内側から貼るよう定められています。車検シールの貼る場所については下記の画像を参考にしてください。
貼りつける場所は、以下のとおりです。
国土交通省ホームページより
1.バックミラー(ルームミラー)がある車はその前方の前面ガラスの上部
国土交通省ホームページより
2.その他の自動車は運転者席からもっとも遠い前面ガラスの上部
国土交通省ホームページより
3.フロントガラス上部が着色されていて、外からシールを確認できない場合は、確認できる位置まで下にずらす
トレーラーなど、運転席やフロントガラスがない場合の貼り付け場所はナンバープレート
牽引用のトレーラーなどには、運転室やフロントガラスがありません。その場合は、車両の後ろに取りつけられたナンバープレートの左上に車検シールを貼り付けてください。
■車検シールの貼り付け位置の変更を発表!2023年1月に適用予定!
2022年6月22日、国土交通省は車検ステッカーの貼り付け位置を変更すると発表しました。
前述のとおり、これまではフロントガラス内側上部で、前方から見やすい位置に貼る必要がありましたが、今後は「前方かつ運転者席から見やすい位置として、前面ガラスの運転者席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」になります。(自動車検査業務等実施要領の一部改正)
つまり、右ハンドルならフロントガラス上部の右上、左ハンドルならフロントガラス上部の左上となり、ドライバーから見やすい位置に変わります。
なぜ車検シールの貼り付け位置を変更したのか?
貼付位置からもわかるように、改正される主な理由は「車検の受け忘れ防止」です。
現在の車検シールの貼り付け位置は、ドライバーから確認しづらいところです。そのため、ドライバー自身が車検の有効期間をうっかりしてしまい、車検切れのまま走行してしまったということも少なくありませんでした。そこで車検切れを防ぐ対策の一環として、車検シールの貼り付け位置を変更する運びとなりました。
もし車検を受け忘れて公道を走行してしまうと、「無車検運行」として「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」と「違反点数6点」を科されてしまいます。なお後述しますが、これとは別に道路運送車両法では車検シールを貼ることも義務付けています。もし貼ってないと「50万円以下の罰金(免許点数の減点はなし)」になります。
家にあるものでできる!車検シールの剥がし方
古い車検シールを剥がす際、フロントガラスにベトベトした糊を残さず、きれいに剥がす方法をご紹介します。
古い車検シールを剥がす際、フロントガラスにベトベトした糊を残さず、きれいに剥がす方法を紹介します。
まずは家の中にある3つの道具を準備しましょう。
・中性洗剤(なければ濡らしたティッシュ)
・ラップフィルム
・プラスチック製のポイントカードや定規(スクレーパーがあればなおよし)
この3つがあれば、車検シールをきれいに剥がせます。
それでは、車検シールをきれいに剥がす方法を説明します。
1. 車検シールに中性洗剤を直接塗る(なければ濡らしたティッシュを置く)
2. その上からラップフィルムを重ねて10分ほど放置してふやけさせる
3. ふやけて剥がしやすくなった車検シールを爪で剥がす
4. 粘着物が残っている場合は、ガラスを傷つけないようにプラスチックのスクレーパーで剥がす
5. ウェットティッシュなどで拭き取り、きれいにする
上記の5ステップで、車検シールをきれいに剥がせますので、ぜひお試しください。
車検シールを貼らないと罰金?
「車検シールを貼らなかったらどうなるの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。車検シールを貼らないことで罰金や罰則、点数の加算はあるのでしょうか?
■車検シールを貼らないと50万円以下の罰金
道路運送車両法
第六十六条 自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない。
道路運送車両法第66条には、「自動車検査証を自動車に備え付け、検査標章を表示しなければならない。」と記載があります。
このルールに違反して、車検シールを貼っていなかった場合は罰則があり、50万円以下の罰金です。(道路運送車両法第109条9項)
ちなみに道路交通法とは異なるため、検査標章を表示していないことによる行政処分、免許点数の加算は無く、道路運送車両法違反に対する罰金のみが適用となります。
「罰金」に関して詳しく説明した記事はこちら
■車検シールは再発行も可能
車検シールを無くしてしまった時は、再発行も可能です。
ただし、普通車と軽自動車では再発行の申請先が違うので注意が必要です。
普通車は運輸支局へ、軽自動車は軽自動車検査協会に申請します。
また、必要な書類もあるので確認しておきましょう。
車検シールを再発行する方法
再発行をするためには後述する必要書類を持って、普通自動車なら陸運局や陸運支局、軽自動車なら軽自動車検査協会で手続きします。
申請書に必要事項を記載し、登録窓口に提出すると、新しい車検シールを発行してもらえます。
車検シールの再発行するために必要な物
再発行に必要な書類は、普通自動車と軽自動車で若干違います。それぞれ以下のとおりです。
普通自動車の場合
・車検証
・検査標章(一部でも提出)、または理由書(紛失届)
・検査標章再交付申請書(OCR第3号様式)
・申請手数料(2022年10月現在、300円)
・使用者の印鑑
・委任状(本人以外の場合)
軽自動車の場合
・車検証
・検査標章(一部でも提出)
・検査標章再交付申請書(OCR軽第3号様式)
・申請手数料(2022年10月現在、300円)
・使用者の印鑑
まとめ
車検シールの貼り方、剥がし方から、貼らないと科される罰金まで紹介しました。
フロントガラスに車検シールを貼ることが、保安基準を満たした車の証明になります。車検シールを貰ったら、すぐに貼っておきましょう!
よくある質問
■検査標章は何を表すの?
検査標章は車検の有効期限を表しており、車検証と同時に発行されます。大きな数字と小さな数字があり、大きな数字は車検の有効期限の月を、小さな数字は車検の有効期限の年を表しています。
■車検シールの見分け方は?
2022年10月現在、普通自動車は水色系、軽自動車用は黄色系のシールとなっています。
■検査標章の位置は?
検査標章を貼る位置は前述のとおり、フロントガラス内側上部で前方から見やすい位置となっていましたが、2023年1月からは運転席側上部に変わります。