2016年度前期自動車アセスメントでアクセラが最高得点
自動車事故対策機構(NASVA)が公表した2016年度前期自動車アセスメントの評価結果によると、評価が行われた11車種すべてが予防安全性能の総合評価で最高ランク「ASV++」を獲得、最高得点は、総合70.5点(71点満点)を獲得したマツダ『アクセラ』となりました。
自動車アセスメント予防安全評価は、車両および歩行者との衝突回避または衝突被害軽減を支援する被害軽減ブレーキ、車線のはみ出しを検知・警告する車線はみ出し警報、バック時の視界情報を支援する後方視界情報提供装置の安全性能試験を実施し、車両の予防安全性能を「ASV++」「ASV+」の2段階で総合評価を行います。
今回、最高ランク「ASV++」を獲得したアクセラは、i-アクティブセンスの装備として、アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)を搭載しており、今年度から新たに評価項目として加わった歩行者対応自動ブレーキ評価で、最高得点を収めました。
2017年度中に標準装備化「i-アクティブセンス」
i-アクティブセンス
i-アクティブセンスは、ミリ波レーダーやカメラ等の検知デバイスを活用した、ドライバーへの認知支援および衝突回避や被害軽減を図るマツダの先進安全技術です。
運転初心者から高齢者まで、多くのドライバーへ、より安全・安心なクルマを提供するを目的として『デミオ』『アクセラ』『アテンザ』『CX-3』『CX-5』といった新世代商品で標準装備します。
マツダの安全思想「プロアクティブ セーフティ」
衝突被害軽減ブレーキ」やAT車のペダル踏み間違いによる事故を低減する「AT誤発進抑制制御」、車線変更時に斜め後方にいる車両を知らせる「BSM(ブラインド・スポット・モニタリング)」、後退時に横から近づく車両を知らせる「RCTA(リア・クロス・トラフィック・アラート)」などが対象となります。
アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポートとは
アテンザに搭載されているアドバンストSCBSはマイクロ波レーダーと赤外線レーザー、さらにはカメラまで用いたプリクラッシュセーフティシステムです。
先行車や前方の歩行者をフロントガラスに設置したカメラなどで検知し、衝突の危険性が高い場合、自動的にブレーキをかけて衝突回避をサポート、もしくは衝突による被害の低減を図ります。
アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート
先行車や前方の歩行者をフロントガラスに設置したカメラで検知し、自動的にブレーキをかけるなどして衝突回避をサポート、もしくは衝突による被害の低減を図る技術。特に子どもに多い飛び出し事故に備えることを目的とした自動ブレーキシステムです。
■EyeSightとの違い
プリクラッシュセーフティシステムではスバルのEyeSightがよく知られているが、EyeSightがステレオカメラのみを用いているのに対し、i-ACTIVSENSEではカメラに加えてミリ波レーダーと赤外線レーザーをも用いている、という大きな違いがあります。
複数のセンサーを組み合わせる仕組みは、カメラのみの方式に比べコスト面で不利になるが、新型アテンザ開発主査の梶山浩氏によると、コストよりも「まずは世界基準の安全装備を作り上げること」を重視した結果との事です。
「カメラだけで検知するシステムでは濃霧であったり豪雨であったりという悪天候に弱いのではないか、というのが我々の考え方です。視界の悪い時こそ、ドライバーは安全装備にフォローしてもらいたいものですよね?赤外線レーザーは、その特性上意外と手前までしか見られませんし、マイクロ波レーダーは中間距離での正確性に若干問題があるんです。これからの技術課題として、レーダーとレーザーの役割を一体化できないかということは考えられますが、現段階ではこのシステムがベストと判断しています」
「レーダーだけ、カメラだけの安全装備と比べれば、確かにコストは上昇してしまいます。しかし、まずは世界基準の安全装備を作り上げることが大事だと考えたんです。輸出仕様と国内仕様で生産工程の共通化が図れるので、生産台数が増えればコストダウンにつながるとも思っています。それに、導入時の価格だけでコストを考えるべきじゃないと思うんです。こうした電子部品は作れば作るほど、コストが下がっていくものでもありますから。そうは言っても、まだ『デミオ』のようなコンパクトカーに導入できるようなモノではないのですけどね」
■安全性能で第10回キッズデザイン賞を受賞
マツダの安全機能は子どもに多い飛び出し事故に備えることを目的とした自動ブレーキシステムとして評価がされており、乗り物酔いの低減効果も期待できる「G-ベクタリング コントロール(GVC)」と共に第10回キッズデザイン賞(子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門)を受賞している。
G-ベクタリング コントロール(GVC)
キッズデザイン賞は、「子どもが安全に暮らす」「子どもが感性や創造性豊かに育つ」「子どもを産み育てやすい社会をつくる」という3つのデザインミッションを実現するための優れた製品・空間・サービスを選び、広く社会へ伝えることを目的とした顕彰制度です。
受賞作品には、「キッズデザインマーク」の使用が認められ、マツダの自動車技術が同賞を受賞するのは、一昨年の「子ども視点で開発するMAZDA TECHNOLOGY FOR KIDS(マツダ・テクノロジー・フォー・キッズ)」(内閣総理大臣賞)以降3年連続となります。
■2015年第9回キッズデザイン賞
第9回キッズデザイン賞(こども視点の安全安心デザイン 一般部門)を受賞「アダプティブ・LED・ヘッドライト」
アダプティブ・LED・ヘッドライトは、夜間でもドライバーが安全・安心に走行できる視界環境の提供をめざして開発。グレアフリー(防眩)ハイビーム、ワイド配光ロービームにより、夜間、道路を横断中や路肩にいる子どもを視認しやすくするなど、「子ども視点で開発する マツダ・テクノロジー・フォー・キッズ」の考え方に基づいた技術が評価された。
■2014年 第8回キッズデザイン賞
キッズデザインマーク(KDマーク)
第8回キッズデザイン賞において、最優秀賞となる「内閣総理大臣賞」を受賞
「前方視界を拡大したAピラーとドアミラー配置」「巻き込み事故リスクを減らすサイドモニター」「車酔いさせにくい、スムーズな運転操作の習得をサポートする i-DM」「エンジンの誤始動を防ぐアドバンストキーレスエントリーシステム」という、『CX-5』を初めとした新世代商品などに採用している4技術が受賞した。
i-アクティブセンス 搭載車種
i-アクティブセンスは2017年に『デミオ』『アクセラ』『アテンザ』『CX-3』『CX-5』といった新世代商品で標準装備化
アクセラ
デミオ
アテンザ
CX-3
CX-5